※本記事は、ジオコードの有価証券報告書(第22期、自 2025年3月1日 至 2026年2月28日、2026年5月29日提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準はJapan GAAPです。
1. ジオコードってどんな会社?
Webマーケティングの包括的支援と、業務効率化を促進するクラウドツールをワンストップで提供しています。
■(1) 会社概要
同社は2005年に設立され、同年よりSEO対策事業を開始しました。その後、2006年にWebサイト制作事業、2009年にWeb広告事業へと領域を拡大し、2020年には東京証券取引所へ上場を果たしました。2025年には同業のTriaおよびミニマリスティックを連結子会社化し、体制を強化しています。
現在の従業員数はグループ全体で137名、単体で135名体制です。筆頭株主は代表取締役社長の資産管理会社であるディーグラウンドで、第2位は創業者の原口大輔氏、第3位は専務取締役の吉田知史氏となっており、経営陣が上位株主を占める体制となっています。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| ディーグラウンド | 35.76% |
| 原口大輔 | 22.26% |
| 吉田知史 | 3.34% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性8名、女性0名の計8名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は原口大輔氏が務めており、社外取締役の比率は20.0%となっています。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 原口 大輔 | 代表取締役社長 | 1997年9月ニチヨーキャリー入社。2005年2月ジオコード設立・取締役。2006年5月より現職。 |
| 吉田 知史 | 専務取締役 | 1994年9月等松・トウシュ・ロスコンサルティング入社。2018年1月同社入社。2018年2月より現職。 |
| 坂従 一也 | 取締役オーガニックマーケティング部長 | 2011年4月マクニカ入社。2014年3月同社入社。2025年9月より現職。 |
| 新井 政樹 | 取締役Web広告部長 | 2014年4月インフォニア入社。2017年12月同社入社。2026年5月より現職。 |
社外取締役は、大原茂(元ウィルグループ代表取締役社長)です。
2. 事業内容
同社グループは、「Webマーケティング事業」および「クラウドセールステック事業」を展開しています。
■(1) Webマーケティング事業
中堅・中小企業等を顧客に、Webマーケティング領域全般の課題解決を支援するサービスを提供しています。AIによる検索結果への最適化(AIO/LLMO)、SEO対策、Webサイトの企画・制作・保守運用に加え、リスティング広告やSNS広告等のインターネット広告運用サービスを包括的に提供しています。
収益源は、顧客からのサービス利用料やWebサイト制作の受託費用、広告運用の手数料等です。運営は同社のほか、当期より連結子会社となったTriaやミニマリスティックが共同して行い、高度な広告運用ノウハウの融合によるシナジー創出を図っています。
■(2) クラウドセールステック事業
企業の働き方改革や生産性向上、バックオフィス業務のDX推進に貢献するクラウド業務支援ツールをSaaS形態で提供しています。営業活動全体の質的向上を支援する「ネクストSFA/CRM」や、勤怠管理・経費精算ツール「ネクストICカード」を展開しています。
収益源は、顧客企業から定期的に受け取るシステムの月額利用料等のサブスクリプション収入です。ツールの開発から販売、導入後のカスタマーサクセス支援に至るまで、運営は主に同社が一貫して行い、顧客ニーズを迅速に機能へ反映させています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
直近5期間の業績を見ると、売上高は一時的な減少を経て、直近で再び増加傾向にあります。利益面では投資の拡大等により減少傾向が続いており、当期は連結決算への移行やM&A関連費用の計上もあり、親会社株主に帰属する当期純損失となっています。
| 項目 | 2022年2月期 | 2023年2月期 | 2024年2月期 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 35億円 | 15億円 | 15億円 | 16億円 | 19億円 |
| 経常利益 | 2億円 | 1億円 | 0.2億円 | 0.3億円 | 0.2億円 |
| 利益率(%) | 5.7% | 7.9% | 1.5% | 1.8% | 1.0% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | 1億円 | 0.8億円 | 0.1億円 | 0.2億円 | -0.1億円 |
■(2) 損益計算書
売上高の増加に伴い売上総利益も順調に拡大していますが、採用活動や販売促進活動の強化、子会社取得に係るアドバイザリー費用等の先行投資が響き、営業損失を計上しています。
| 項目 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 16億円 | 19億円 |
| 売上総利益 | 8億円 | 10億円 |
| 売上総利益率(%) | 51.5% | 51.6% |
| 営業利益 | -0.3億円 | -0.1億円 |
| 営業利益率(%) | -1.6% | -0.4% |
販売費及び一般管理費のうち、給料及び手当が3.9億円(構成比39%)、支払手数料が1.3億円(同13%)を占めています。また、売上原価のうち、労務費が3.7億円(構成比40%)、媒体費が2.4億円(同26%)となっています。
■(3) セグメント収益
当期より連結財務諸表を作成しているため前期比較は記載していませんが、主力であるWebマーケティング事業が売上の大半を占めており、クラウドセールステック事業も安定したストック型収益の基盤として貢献しています。
| 区分 | 売上(2025年2月期) | 売上(2026年2月期) |
|---|---|---|
| Webマーケティング事業 | - | 16億円 |
| クラウドセールステック事業 | - | 3億円 |
| 連結(合計) | - | 19億円 |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
同社のキャッシュ・フローは「積極型」です。営業で利益を出し、借入によって積極投資を行う状態にあります。
| 項目 | 2026年2月期 |
|---|---|
| 営業CF | 0.3億円 |
| 投資CF | -3億円 |
| 財務CF | 4億円 |
企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は-0.7%で市場平均を下回り、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は38.4%で市場平均を下回っています。
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
「Webマーケティングとセールステックを活用し、顧客、社会にとって有益なサービスを創る。」という企業理念を掲げています。企業の集客から受注・成約に至るプロセスを一社完結で支援し、世の中になくてはならない会社となることを目指しています。
■(2) 企業文化
人的資本を重要な経営資源と位置付け、多様なバックグラウンドを有する人材の採用と活躍を推進する文化があります。社内環境の整備や育成制度の充実を通じて、年齢や性別にかかわらず適材適所の配置を行い、高効率な組織体制の構築に取り組んでいます。
■(3) 経営計画・目標
有益なサービスを提供し続け、売上高の拡大に努めると同時に適正な利益を生みだすことが重要であると考え、売上高および営業利益を重要な経営指標と位置付けて持続的な事業拡大に取り組んでいます。
■(4) 成長戦略と重点施策
AI技術の進展に対応したサービスの高度化(AIO/LLMO等への対応)と、クラウド業務支援ツールの機能開発・利用定着支援を推進しています。また、M&Aを通じたグループ会社の拡充によるシナジー創出や、大手企業等とのアライアンス強化で収益基盤の安定化を図ります。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
高付加価値サービスを提供できる専門人材の確保と育成に注力しています。積極的な採用活動に加え、実務スキルの習得や資格取得支援、職位に応じた研修を実施し、従業員のキャリア形成に応じた成長機会の提供と多様性の確保を推進しています。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均をやや下回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2026年2月期 | 35.1歳 | 4.8年 | 5,427,450円 |
■(3) 人的資本開示
同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 20.0% |
| 男性育児休業取得率 | 25.0% |
| 男女賃金差異(全労働者) | 78.8% |
| 男女賃金差異(正規雇用) | 78.3% |
| 男女賃金差異(非正規雇用) | 6.4% |
また、同社は「サステナビリティ」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、女性従業員比率(29.6%)などです。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) インターネット広告とクラウド市場の動向
主力のWebマーケティング事業は景気変動や企業の広告戦略の変化による影響を受けやすく、クラウド市場でも競争環境の激化により成長が鈍化する可能性があります。経済情勢の急変が同社の業績に影響を及ぼすリスクがあります。
■(2) 検索エンジンの寡占と技術革新への対応
SEO対策等のサービスは特定の検索エンジンに大きく依存しています。アルゴリズムの更新や生成AIを活用した新たな検索手法の普及に適切に対応できない場合、サービスの競争力が低下し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
■(3) 情報管理とシステムトラブル
顧客の機密情報や個人情報を取り扱うため、情報管理体制を整備していますが、サイバー攻撃や自然災害等の不測の事態により情報漏洩やシステム障害が発生した場合、損害賠償や社会的信用の失墜により業績に影響を及ぼすリスクがあります。



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