【平均年収396万円】太平洋興発 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収396万円】太平洋興発 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

太平洋興発は、不動産分譲や燃料販売を主軸に、サービス事業などをグループ各社とともに展開しています。多数の従業員を擁し、直近の業績は増収減益となりました。


目次

※本記事は、太平洋興発株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


太平洋興発は、不動産の分譲、燃料販売(石炭・石油)を主な事業内容とし、これらに関連するサービス事業などを展開しています。同社グループは、連結子会社13社で構成されています。

単体従業員数は225名、連結従業員数は668名です。セグメントは不動産、商事、サービス、建設工事、肥料の5つです。

主な国内グループ会社は、太平洋製作所注3(建設工事)、太平洋運輸注2(商事)、訓子府石灰工業(肥料)、太平洋シルバーサービス(サービス)、新太平洋商事(不動産、・商事、・サービス)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


太平洋興発は、従業員の平均年齢が高く、勤続年数も比較的長い傾向が見られます。これは、長期間にわたってキャリアを築きやすい環境があることを示唆しています。また、同社グループは人材を「資本」と捉え、能力を最大限に発揮できるような人材戦略を推進しています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、平均勤続年数が長く、平均年齢も高いことから、従業員が安定して長く働き続ける傾向があると考えられます。

項目 数値
平均年間給与 3,964,000円
平均勤続年数 9.5年
平均年齢 60.6歳
単体従業員数 225人
連結従業員数 668人
単体のグループ内比率 33.7%


同社及び連結子会社は、従業員の退職給付に充てるため、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)及び確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の制度を採用しています。適用範囲は同社及び連結子会社です。

退職一時金制度がありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、確定給付制度に係る退職給付債務は2.0億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、利益体質の強化に向けて人材戦略に取り組んでいます。即戦力となる人材を確保するため積極的な中途採用を行い、従業員が能力を最大限に発揮できるようグループ内での人事交流も実施しています。

人材を「資本」と捉え、業績向上への貢献度や保有スキルに応じた公正かつ競争力のある報酬体系を目指しています。基本給は職務・役割、スキル、個人目標達成度に基づき決定され、賞与は全社及び各部門の業績、個人目標達成度に基づき決定されます。

外部調査データを活用し、同一職種・レベルの市場水準を定期的にベンチマークすることで、優秀な人材の獲得と定着を図っています。また、戦略的必要人材の報酬を優先的に引き上げ、平均年間給与の持続的な向上を目指す方針です。

人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針として、キャリアアップ推進のための人事及び研修制度の充実、国家資格等の取得を推進するための自己啓発制度の充実、産休・育休や育児時短勤務等、子育てと仕事の両立がしやすい社内環境制度の充実を掲げています。社会貢献活動の一環として、育児・介護休暇、年次有給休暇等の取得推進や、高齢者雇用安定法への適切な対応、多様な働き方を支援する副業・兼業制度の導入も進めています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。男性労働者の育児休業取得率は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 19.4%
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 84.6%
労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) 80.8%
労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) 86.4%

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

▼ ㈱太平洋シルバーサービス

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 31.4%
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 84.6%
労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) 86.8%
労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) 99.4%


▼ 新太平洋商事㈱

当該連結子会社における男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異は、女性活躍推進法及び育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しています。

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 20.0%

グループ全体(連結)

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 19.4%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


太平洋興発は、不動産事業と燃料販売を主軸に、多岐にわたるサービス事業を展開する企業グループです。人々の生活基盤を支える「住」と「エネルギー」を事業の柱とし、それに関連する様々な分野で収益を上げています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、不動産、商事、サービス、建設工事、肥料の5つのセグメントで事業を展開しています。特に商事セグメントが最大の事業規模を占めており、次いでサービス、不動産、建設工事、肥料の順となっています。

不動産セグメント

マンションの分譲や戸建・住宅地の販売、マンション・ビルの賃貸及び管理、損害保険代理業、マンション・ビルの建築請負工事を行っています。収益は、これらの販売や賃貸、管理サービスから得ています。運営は、同社および新太平洋商事が行っています。当連結会計年度の売上高は前期から増加しました。

商事セグメント

輸入炭やバイオマス燃料、石油、建築資材等の仕入販売、国内炭の販売受託、船舶による石炭灰等の輸送を手掛けています。収益は、燃料や資材の販売、運送サービスから得ています。運営は、同社、太平洋運輸、太平洋トラック、新太平洋商事が行っています。当連結会計年度の売上高は前期から増加し、営業利益も増加しました。

サービスセグメント

有料老人ホームの運営、事務・技術計算の受託、倉庫等施設の維持・管理、給食事業、ビル・店舗の清掃、造園緑化事業、車検・整備事業、ゴルフ練習場の運営、産業廃棄物処理、タクシー業、飲食業など、多角的なサービスを提供しています。収益は、各サービスの提供から得ています。運営は、同社、㈱太平洋シルバーサービス、㈱太平洋シルバーサービス北海道、㈱エイチ・シー・シー、新太平洋商事、㈱太平洋トータルシステム、㈱栄和サービス、まりも交通、太平洋フーズが行っています。当連結会計年度の売上高は前期から増加し、営業利益も増加しました。

建設工事セグメント

建設工事の請負、各種機械・設備等の製造・修理を行っています。収益は、これらの工事請負や製造・修理サービスから得ています。運営は、㈱太平洋製作所、㈱太平洋機工が行っています。当連結会計年度の売上高は前期から減少しており、営業利益も減少しました。

肥料セグメント

農業用炭カル肥料、消石灰、石粉等の製造・販売を行っています。収益は、これらの製品の販売から得ています。運営は、訓子府石灰工業が行っています。当連結会計年度の売上高は前期から増加しましたが、営業損失を計上しました。

同社グループは本邦以外への売上高はなく、国内市場に特化しています。主要な顧客として釧路コールマイン㈱への売上高があり、商事事業、建設工事、サービス事業にわたる取引があります。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
商事 277億円 284億円
サービス 54.0億円 56.8億円
不動産 30.4億円 31.8億円
建設工事 35.8億円 30.6億円
肥料 23.3億円 24.6億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は変動しながらも直近2期は増加傾向にあります。一方で、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、直近の当連結会計年度において前期から減少しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 329億円 510億円 411億円 421億円 428億円
経常利益 3.9億円 13.2億円 10.2億円 5.7億円 5.5億円
経常利益率 1.2% 2.6% 2.5% 1.3% 1.3%
親会社株主に帰属する当期純利益 3.7億円 6.9億円 6.3億円 3.8億円 3.4億円
1株当たり当期純利益(円) 47.18 89.24 80.57 49.16 44.13

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は、当連結会計年度において前期から増加しています。また、従業員1人あたりの営業利益は、当連結会計年度において前期から横ばいとなっています。これらの指標は、同社グループの事業活動における効率性や収益創出能力の傾向を示しています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 62.2百万円 64.1百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 1.3百万円 1.3百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


財務の安定性を見ることで、同社グループの現在の経営状況を把握することができます。キャッシュフローの状況からは、事業活動で得た資金をどのように投資や財務活動に充てているかという資金の流れが見えてきます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率やROE、手元資金の状況から確認できます。自己資本比率は企業の安定性を示す指標であり、プライム市場の非製造業平均と比較することで、同社グループの財務健全性の水準を把握することができます。ROEは自己資本をどれだけ効率的に活用して利益を生み出しているかを示す指標であり、企業の収益力を測る上で重要です。また、手元資金の厚みは、不況時や予期せぬ事態に対する耐性を示しています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 161億円 165億円
自己資本比率 32.8% 35.2%
ROE(自己資本利益率) 2.4% 2.2%
現金及び預金 53.2億円 50.7億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローは、事業活動、投資活動、財務活動の3つの側面から資金の流れを示しています。当連結会計年度における営業活動によるキャッシュフローは増加し、事業活動による利益が主な要因となっています。投資活動では主に固定資産の取得により資金を使用しており、前年同期と比較して使用した資金は減少しています。財務活動では主に配当金の支払いにより資金を使用しており、前年同期は収入でしたが当期は支出に転じています。

これらのキャッシュフローの状況から、同社グループは本業で安定的に資金を生み出し、その資金を固定資産への投資に充てていることがわかります。フリーキャッシュフローはプラスを維持しており、事業活動で得た資金が投資活動を上回っている状態です。この資金状況は、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来に向けた投資も行いつつ、雇用や給与の安定性を維持するための基盤があることを示しています。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 9.1億円 11.1億円
投資CF △10.3億円 △6.5億円
財務CF 2.4億円 △5.9億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △1.2億円 4.6億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループの主要事業である不動産賃貸事業では、競合他社の供給数や価格動向により、賃貸単価の下落や空室率が増加する可能性があります。また、輸入炭販売事業では、石炭の市場価格が下落した場合に棚卸資産の評価に関する営業損失を計上するリスクがあります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループの有料老人ホーム事業では、ヘルパーなどの人材の流動性が極めて高く、高品質なサービスの提供維持のための人材確保が大きな課題となっています。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


太平洋興発は、多岐にわたる事業を通じて社会貢献を目指す企業です。持続可能な社会の実現と企業価値の向上を重視し、環境・社会・ガバナンス(ESG)活動に積極的に取り組んでいます。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


太平洋興発グループは、各事業分野(不動産、商事、サービス、建設工事、肥料)を通じて、企業の社会的責任を果たすことを経営の基本方針としています。積極的な事業活動を行い、人々の豊かな暮らしの実現に貢献することを目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、持続可能な社会の実現と中長期的な企業価値の向上を目指し、ESG(環境・社会・ガバナンス)活動に積極的に取り組むことをサステナビリティ基本方針としています。環境面では脱炭素化や資源循環を重視し、社会面では労働環境の整備や地域社会への貢献を推進しています。ガバナンス面ではリスクマネジメントの強化とコンプライアンス教育を計画的に実施し、持続可能な経営を目指しています。

また、人材の育成と社内環境整備にも力を入れており、キャリアアップ推進のための人事・研修制度の充実を図っています。国家資格等の取得を推進する自己啓発制度の充実も進めています。産休・育休や育児時短勤務など、子育てと仕事の両立がしやすい社内環境制度の充実も図っています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、持続可能な社会の実現と中長期的な企業価値の向上を目指し、ESG活動を重点テーマとしています。環境面では、脱炭素化の実現に向けたバイオマス燃料の取り扱い拡大や、温室効果ガスと石炭灰を混合して再利用する実証実験のサポートを進めています。

社会的側面では、育児・介護休暇や年次有給休暇の取得推進、高齢者雇用安定法への対応、副業・兼業制度の導入を通じて多様な働き方を支援しています。地域社会への貢献として、北海道釧路市での夏まつりの継続開催や、北海道経済活性化のための地元自治体・企業との協力も推進しています。ガバナンス面では、リスクの洗い出しを徹底し、自然災害に対応できるよう規程整備と役職員への周知徹底、グループ内でのコンプライアンス教育を計画的に実施しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


太平洋興発は、取締役会と監査役会を設置する体制を採用しています。取締役会では同社グループの重要な経営課題について議論が行われ、社外役員による経営監視機能の強化が図られています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


太平洋興発の株主構成を見ると、筆頭株主は同社の持株会であり、従業員による安定的な保有がうかがえます。また、事業会社や関連会社が上位に名を連ねており、特定の企業グループが同社の経営を支えている特徴が見られます。

株主名 持株比率
太平洋興発持株会 5.27%
クロダ 5.04%
天塩倉庫 5.01%
斉丸 千代 2.17%
恩田 武 1.40%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役社長は板垣好紀氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。

氏名 役職 主な経歴
猿子 満彦 常務取締役 釧路支店長、釧路支店及び関連会社担当 1972年9月株式会社太平洋製作所入社、2006年5月同社取締役。2017年5月株式会社太平洋トータルシステム代表取締役社長。2017年6月同社取締役、2019年6月同社常務取締役より現職。
髙瀨 聡 常務取締役 燃料部担当 1981年4月太平洋炭礦株式会社入社、同年7月同社移籍。2006年10月同社燃料部長。2017年6月同社取締役、2023年6月同社常務取締役より現職。
山本 崇 取締役 不動産管理部、札幌支店及び帯広支店担当 1989年4月同社入社。2007年12月同社事業開発部長。2014年10月同社札幌支店支店長。2017年6月同社取締役より現職。


社外取締役は、藤井和典氏(山王シティ法律事務所共同代表弁護士)、山口禎子氏(公認会計士税理士山口禎子事務所代表)です。

同社は監査役会設置会社です。社外取締役の選任や社外監査役による監査を通じて、経営監視機能の強化を図っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


太平洋興発の役員報酬は、基本方針として企業価値の安定的かつ持続的向上に資する報酬体系に基づいています。取締役(社外取締役を除く)の報酬は月例の固定報酬であり、職責や業績目標達成度を考慮して決定されます。社外取締役の報酬も月例の固定報酬で、監査役の報酬は監査役の協議によって決定されます。業績連動報酬や非金銭報酬は設定されていません。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 75百万円 18.8百万円
監査役(社外除く) 1名 3百万円 3.0百万円
社外役員 5名 32百万円 6.4百万円


なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。