※本記事は、エイケン工業株式会社 の有価証券報告書(2025年10月期、2024年11月1日 ~ 2025年10月31日、2026年1月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
エイケン工業は、フィルター部門と燃焼機器部門の製造・販売を主な事業としています。同社グループは、エイケン工業と関連会社フジパックの計2社で構成されています。
単体従業員数は251名です。事業セグメントはフィルター部門、燃焼機器部門の2つです。
エイケン工業は、フィルター部門で自動車用フィルターの製造・販売を、燃焼機器部門でガス機器の製造・販売を行っています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
エイケン工業は、フィルターエレメントや燃焼機器の設計・開発・製造・販売を手がける企業です。研究開発型企業として高い収益性を目指しつつ、持続可能な社会実現に向けた環境保護にも取り組んでいます。同社で働く従業員の給与水準や働き方に関する具体的なデータを見ていきましょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均勤続年数が比較的長く、安定して働き続けられる環境であることがうかがえます。平均年齢も40代前半であり、経験豊富な人材が多数在籍していることが特徴です。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,731,122円 |
| 平均勤続年数 | 14.2年 |
| 平均年齢 | 41.1歳 |
| 単体従業員数 | 251人 |
同社は、確定給付型の制度として退職一時金制度を設け、確定拠出型の制度として中小企業退職金共済制度を設けています。これらの制度は国内および海外のグループ会社に適用されます。
退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
エイケン工業は、「常に創造と革新の力を養い、勇気と決断で任務を遂行し、反省を忘れず、信頼と調和に満ちた価値ある企業集団を築きあげよう」という社是のもと、人的資本の確保に努めています。多様な価値観を尊重し、区別なく働きやすい職場環境の整備を目指しています。
具体的には、「倫理規程」において宗教、信条、国籍、性別、年齢、身体障がい等を理由とする差別を認めず、「ハラスメント規約」で各種ハラスメントの防止に努めています。従業員のスキルアップを中期経営計画や年次方針に掲げ、各階層別に求められるスキルの取得・向上を目的とした研修を実施しています。また、自発的なスキルアップを推奨するため、報奨金制度を導入しています。
働きやすい職場環境の整備としては、設備投資による効率化、熱中症予防対策としての工場内空調設備の導入、作業場所の改善による労働災害防止に取り組んでいます。中核人材の登用においては、数値目標を設定せず、性別や国籍を問わず適性があると判断した人材を管理職に登用する方針を継続しています。安全衛生委員会の開催や安全パトロールを通じて労働災害防止に努め、時間外勤務時間の順守状況を確認し、従業員の健康やメンタルヘルスケアにも配慮しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体のデータを示します。男女賃金差異は、女性活躍推進法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 0.0% |
| 女性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 0.0% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
エイケン工業は、フィルター部門と燃焼機器部門の製造・販売を主軸に事業を展開しています。関連会社であるフジパックを含め、この2部門が同社の事業構造を形成しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、フィルター部門と燃焼機器部門の製造・販売を主な事業としています。これらの事業は、エイケン工業と関連会社であるフジパックによって運営されています。
フィルター部門
この部門では、自動車用補修フィルターの製造・販売を行っています。国内では付加価値の高い大型車用フィルターや高性能オイルフィルター、プレス部品の拡販に注力し、既存取引先との関係強化や新規開拓に取り組んでいます。海外向けには長年「VIC」ブランドを展開し、主要輸出先への新製品提案や販売拡大を強化しています。収益は、国内売上と輸出売上の両方から得ています。
燃焼機器部門
この部門では、バーナの開発、既存のバーナ部品、熱交換器の拡販、新規取引先の開拓に取り組んでいます。厨房機器用バーナの販売が増加傾向にあります。収益は、コインランドリー用バーナや厨房機器用バーナの販売から得ています。
その他
その他部門では、灰皿等の販売を行っています。
同社の売上は90%以上を国内の外部顧客に販売していますが、製品の最終仕向地を基準とすると、アジア地域からの売上が日本に次ぐ規模となっています。また、ユニオンモーターと日発販売が主要な取引先として、同社の販売実績に大きな割合を占めています。
| セグメント | 売上高(2024年10月期) | 売上高(2025年10月期) |
|---|---|---|
| フィルター部門 | 69.8億円 | 77.7億円 |
| 燃焼機器部門 | 3.1億円 | 3.3億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
エイケン工業の直近の業績は、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のいずれも前事業年度に比べて増加しています。特に営業利益、経常利益、当期純利益は大幅な増加を示しており、収益性が向上している傾向が見られます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
エイケン工業の経営の安定性について、財務基盤やキャッシュフローの状況、そして事業を取り巻くリスクから見ていきます。これらの情報から、同社がどのような状況にあるのかを把握することができます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
エイケン工業の財務基盤を見ると、自己資本比率は当期で77.8%となっており、プライム市場の製造業平均(46.8%)と比較して高い水準を示しています。これは、同社が安定した経営基盤を持っていることを示しています。
ROE(自己資本利益率)は当期で5.5%となっており、プライム市場平均(9.4%)を下回っていますが、前期の3.8%からは改善しています。手元資金である現金及び預金等は当期で11億47百万円を確保しており、事業運営の安定性につながる要素となっています。
| 指標 | 2024年10月期(前期) | 2025年10月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | 78.1% | 77.8% |
| ROE(自己資本利益率) | 3.8% | 5.5% |
| 現金及び預金等 | 8億25百万円 | 11億47百万円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
エイケン工業のキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは当期で7億62百万円の収入となっており、前期から増加しています。これは、同社の事業活動が順調に資金を生み出していることを示しています。投資活動によるキャッシュフローは当期で3億22百万円の支出となっており、有形固定資産の取得や定期預金の預入による支出が主な要因です。財務活動によるキャッシュフローは当期で1億17百万円の支出となっており、配当金の支払いが主な要因となっています。
フリーキャッシュフローは当期で4億40百万円のプラスとなっており、本業で得た資金が投資を上回る状況です。これは、同社が事業活動で安定的に資金を創出し、投資を賄った上でなお余剰資金を生み出していることを示しています。この資金状況は、将来の雇用や給与の安定性につながる基盤であると言えます。
| 項目 | 2024年10月期(前期) | 2025年10月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 4億64百万円 | 7億62百万円 |
| 投資CF | △2億93百万円 | △3億22百万円 |
| 財務CF | △1億16百万円 | △1億17百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 1億71百万円 | 4億40百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
エイケン工業の主な事業は自動車用フィルター事業であり、売上高の約96%を占めています。燃料電池車や電気自動車など次世代の自動車では、自動車用フィルターが不要になる可能性があり、将来のリスクとなる可能性があります。また、自動車用フィルター業界では、東南アジアなどで生産される安価な製品が増加しており、コスト面での競争が激化しています。想定を超える安価な製品の販売や販売数の増加は、同社のリスクとなる可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、今後の事業戦略として優秀な人材を確保し育成していくことが重要な課題であると認識しています。求める人材を確保・育成できない場合、同社のリスクとなる可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
エイケン工業がどのような価値観や文化を大切にし、どのような企業集団を目指しているのかをご紹介します。同社の経営の根幹にある考え方や、社員に求められる行動指針、そして今後の重点テーマについて見ていきましょう。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
エイケン工業は、「常に創造と革新の力を養い、勇気と決断で任務を遂行し、反省を忘れず、信頼と調和に満ちた価値ある企業集団を築きあげよう」という社是を掲げています。研究開発型企業として、常に高い収益性を目指し、企業価値の向上に取り組んでいます。また、資本効率を重視した経営により企業価値を高めるため、ROE(自己資本利益率)の向上を目指している会社です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
エイケン工業は、社是である「常に創造と革新の力を養い、勇気と決断で任務を遂行し、反省を忘れず、信頼と調和に満ちた価値ある企業集団を築きあげよう」を企業風土の根幹としています。サステナビリティの基本方針として、製品を通じて温室効果ガスの排出量抑制や資源の有効利用に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献しています。
環境方針では「誰もが身近に接する自然をいつ迄も守っていかなければならない」を基本理念とし、地球環境にやさしい製品作りを目指しています。同社は環境マネジメントシステム「ISO14001」の認証を取得し、継続的な改善活動を通じて環境負荷低減に取り組んでいます。
人材育成と社内環境整備においては、「倫理規程」で差別を認めず、「ハラスメント規約」でハラスメント防止に努め、多様な価値観を尊重し、働きやすい職場環境の整備に努めています。中核人材の登用では、性別や国籍を問わず適性のある人材を管理職に登用する方針です。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
エイケン工業は、将来的に電気自動車の保有台数が増加し、ガソリン車やディーゼル車が減少していくという市場の変化を経営課題として認識しています。このような状況下でも企業を存続させるため、新たな事業の柱を見つけることが重要であると考えています。
そのため、開発部が中心となり、M&Aを含めた多方面にわたる情報収集活動、新製品の開発、そして新規事業の開拓に取り組んでいます。安定的に収益を確保し、経営基盤を強化するため、新規開発部門の強化を図っていく方針です。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は監査役会設置会社であり、取締役会は社外取締役を含む9名で構成されています。経営の透明性及び健全性を高めることを重要課題とし、コーポレート・ガバナンスの充実に努めています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の筆頭株主は育実企画です。上位株主には複数の個人名が並び、特定の株主グループが同社の資本構成において一定の存在感を示しています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 育実企画 | 14.64% |
| 石田由紀子 | 6.74% |
| 安池真理子 | 6.72% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は13名(男性13名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は宮治友博氏が務めています。社外取締役比率は22.2%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 宮治友博 | 代表取締役 社長 | 2018年3月同社入社、貿易部長、取締役貿易部長、常務取締役貿易部長兼営業部長、取締役副社長兼貿易部長兼営業部長を経て、2025年1月より現職。 |
| 早馬義光 | 取締役会長 | 1979年3月同社入社、製造部長、取締役製造部長、取締役副社長、代表取締役社長を経て、2025年1月より現職。 |
| 櫻井英司 | 専務取締役兼総務部長 | 1995年3月同社入社、総務部長、取締役総務部長を経て、2025年1月より現職。 |
| 原豊 | 取締役製造第一部長兼生産技術部長 | 1998年11月同社入社、総合管理部長、取締役総合管理部長、取締役品質保証部長兼生産技術部長を経て、2024年11月より現職。 |
| 須藤孝 | 取締役機器事業部長兼購買部長 | 1995年3月同社入社、製造第一部長、取締役製造第一部長、取締役製造第一部長兼機器事業部長、取締役製造第一部長兼総合管理部長を経て、2024年11月より現職。 |
| 原盛朗 | 取締役品質保証部長兼開発技術部長 | 2007年10月同社入社、開発技術部長、取締役開発技術部長、取締役開発技術部長兼機器事業部長を経て、2024年11月より現職。 |
| 山口高広 | 取締役製造第二部長 | 1998年6月同社入社、生産技術部長、製造第二部長を経て、2024年1月より現職。 |
社外取締役は、髙宮春樹氏(髙宮春樹公認会計士・税理士事務所長)、藤田逸雄氏(元株式会社河合楽器製作所ピアノ事業本部製造管理部長)です。
同社は監査役会設置会社です。社外取締役2名、社外監査役3名を選任することで、経営監視機能の客観性及び中立性を確保しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、各職責に応じた適正な水準を基本方針としています。業務執行取締役には基本報酬と譲渡制限付株式報酬が支給され、監督機能を担う社外取締役には基本報酬のみが支払われます。同社は利益及び株価等のパフォーマンス指標に連動する業績連動報酬は採用していません。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 7名 | 82百万円 | 11.7百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 6百万円 | 6.2百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 13百万円 | 2.5百万円 |
なお、取締役の報酬等の額には、使用人兼務取締役の使用人給与及び賞与は含まれていません。また、譲渡制限付株式報酬の額は、当事業年度に費用計上した額です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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