【平均年収446万円】ファースト住建 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年10月期)

【平均年収446万円】ファースト住建 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年10月期)

ファースト住建は、グループ各社とともに戸建住宅・土地の分譲を主軸に、マンションや特建事業など多角的な住宅関連事業を展開しています。直近の業績は増収増益となりましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は減少しました。


目次

※本記事は、ファースト住建株式会社 の有価証券報告書(2025年10月期、2024年11月1日 ~ 2025年10月31日、2026年1月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


ファースト住建は、戸建住宅・土地の分譲を中心に、請負工事やマンションの新築分譲、リノベーション分譲、賃貸事業を展開しています。戸建分譲で培った木造建築のノウハウを大規模木造建築などの特建事業にも活用し、多角的な住宅関連事業を手掛けています。

単体従業員数は227名、連結従業員数は411名です。同社グループの報告セグメントは戸建事業、マンション事業等の2つです。

主な国内グループ会社は、アオイ建設(戸建事業、・マンション事業等)、住宅の横綱大和建設.4(戸建事業)などです。

同社グループは、当連結会計年度より「マンション事業」と「特建事業」を「マンション事業等」として報告セグメントに集約しました。また、前連結会計年度末には株式会社KHC他6社を新たに連結子会社化し、当連結会計年度には株式会社KHCを完全子会社化しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


ファースト住建は、住宅作りを通じて社会に貢献することを企業理念としています。従業員の個性や多様性を尊重し、働きやすい職場環境の整備に力を入れている同社グループは、人材の定着と成長を重視する姿勢が見られます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員の平均勤続年数が比較的長く、平均年齢も安定していることから、人材が定着しやすい環境にあることがうかがえます。従業員が長期的にキャリアを築きやすい傾向があると考えられます。

項目 数値
平均年間給与 4,460,000円
平均勤続年数 7.3年
平均年齢 43.2歳
単体従業員数 227人
連結従業員数 411人
単体のグループ内比率 55.2%


退職給付制度

同社グループは、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)の制度として退職一時金制度を採用しています。また、連結子会社では確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の制度も採用しています。

退職給付制度の適用範囲は、同社及び連結子会社です。退職一時金制度は存在しますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

なお、確定給付制度における退職給付債務は2.8億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、「住宅作りにおいて社会へ貢献する」という企業理念とサステナビリティ基本方針に基づき、人材育成と社内環境整備を重要な経営課題と位置付けています。従業員一人ひとりの考えや成長が不可欠であると考え、個性を尊重した良好な職場環境を目指しています。

人材育成においては、従業員が会社とともに発展していくことを目指し、評価制度の見直しや研修、資格取得の支援などを行っています。社内環境整備では、従業員が能力や個性を発揮できる職場環境を目指し、ダイバーシティの推進、女性活躍の推進、子育て中の従業員の支援、外国人実習生の受け入れ、中途採用者の活用、障がい者の雇用などに取り組んでいます。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データを示します。連結子会社は公表義務の対象外のため、記載を省略しています。労働者の男女の賃金の差異について、賃金制度・体系において性別による差異はありません。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 3.7%
男性労働者の育児休業取得率 33.3%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 73.0%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 81.7%

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


ファースト住建は、戸建事業とマンション事業等を展開する住宅関連企業です。お客様に喜ばれる魅力的な住宅を適切な価格で提供することを企業理念としています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、戸建住宅・土地の分譲、請負工事を主軸とする戸建事業と、マンションの新築分譲、リノベーション販売、不動産賃貸、大規模木造建築の請負工事を行うマンション事業等で収益を上げています。品質向上、顧客ニーズに合わせた商品企画、事業サイクルの短縮、建築コストの低減に継続的に取り組んでいます。

戸建事業

戸建事業は、近畿圏、愛知県、広島県、福岡県、千葉県、埼玉県を主な事業エリアとしています。戸建住宅・土地の分譲、請負工事、およびこれらに付随する業務を行っています。
収益は、建売住宅の企画・建築・販売を行う戸建分譲と、自由設計の注文住宅や規格型注文住宅の建築請負から得ています。運営は、アオイ建設、KHCおよびその子会社が行っています。

マンション事業等

マンション事業等は、近畿圏および神奈川県を中心に展開しています。マンションの新築分譲、中古マンションのリノベーション販売、マンション等の不動産賃貸、大規模木造建築の請負工事を行っています。
収益は、マンションの新築分譲、中古マンションのリノベーション販売、賃貸料収入、大規模木造建築の請負工事から得ています。比較的短期間で建築可能な中規模マンションの販売に注力しています。

同社グループは、本邦以外の外部顧客への売上高がなく、特定の顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の10%以上を占めることもありません。

セグメント 売上高(2024年10月期) 売上高(2025年10月期)
戸建事業 347億円 410億円
マンション事業等 13.2億円 19.0億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高は、直近5年間で増減を繰り返しながらも、当連結会計年度には増加に転じました。営業利益および経常利益も当連結会計年度に増加しています。
一方で、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に計上した負ののれん発生益の反動などにより、当連結会計年度は減少となりました。

項目 2021年10月期 2022年10月期 2023年10月期 2024年10月期 2025年10月期
売上高 426億円 400億円 434億円 360億円 429億円
経常利益 35.0億円 31.6億円 26.6億円 18.0億円 23.5億円
経常利益率 8.2% 7.9% 6.1% 5.0% 5.5%
親会社株主に帰属する当期純利益 22.9億円 20.5億円 17.5億円 25.0億円 14.4億円
1株当たり当期純利益(円) 164.50 147.57 126.05 179.63 103.18

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期から増加しています。また、従業員1人あたり営業利益も前期から増加する傾向を示しています。
これらの指標の改善は、同社グループの事業活動における効率性の向上や、従業員一人ひとりの貢献度が高まっていることを示唆しています。

指標 2024年10月期 2025年10月期
従業員1人あたり売上高(連結) 81.6百万円 104.3百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 4.1百万円 6.1百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


ファースト住建は、堅実な財務基盤と安定したキャッシュフローを維持しています。本業で得た資金を元手に、事業活動と投資活動をバランス良く行っている状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


ファースト住建の自己資本比率は当期で65.8%となっており、前期の64.9%から上昇しています。これはプライム市場の非製造業平均と比較しても高い水準を示しており、強固な財務基盤を構築していることがうかがえます。

ROE(自己資本利益率)は当期3.6%で、前期の6.4%から減少していますが、プライム市場平均を下回っています。手元資金である現金及び預金は当期223億円と、前期の205億円から増加しており、不況時への耐性も備えている状況です。これらの財務状況は、入社後の雇用や給与の安定性につながる要素であると言えます。

指標 2024年10月期(前期) 2025年10月期(当期)
純資産 415億円 421億円
自己資本比率 64.9% 65.8%
ROE(自己資本利益率) 6.4% 3.6%
現金及び預金 205億円 223億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


ファースト住建のキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは当期29.2億円の収入となり、前期の60.4億円から減少しています。これは主に税金等調整前当期純利益の計上や棚卸資産の減少によるものです。

投資活動によるキャッシュフローは当期11.6億円の支出となり、前期の13.7億円の支出から減少しています。これは主に有形固定資産の取得による支出が要因となっています。

財務活動によるキャッシュフローは当期5百万円の収入となり、前期の31.4億円の支出から収入に転じています。これは長期借入れによる収入や短期借入金の純増加が主な要因です。結果として、フリーキャッシュフローは当期17.6億円の収入となっており、本業で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金を生み出している状況です。この資金の流れは、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来の成長に向けた投資余力も確保していることを示しており、雇用や給与の安定性にもつながる要素であると言えます。

項目 2024年10月期(前期) 2025年10月期(当期)
営業CF 60.4億円 29.2億円
投資CF △13.7億円 △11.6億円
財務CF △31.4億円 5百万円
フリーCF(営業CF+投資CF) 46.7億円 17.6億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク


継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク


ファースト住建グループは、戸建事業を主な事業としており、当連結会計年度において売上高の95.6%を占めています。このため、景気見通しの悪化や消費者所得の減少、金利の上昇、物価・地価の変動、住宅税制の改正等により消費者の需要が減少した場合、経営成績に影響が及ぶ可能性があります。

また、住宅市場における競争激化により、販売価格の下落や値引き競争が生じることで、同社グループの経営成績に影響が及ぶ可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク


ファースト住建グループは、用地仕入における専門知識と経験を有する優秀な人材の確保・育成が課題であると認識しています。人材が十分に確保できない場合や、現在在職している人材が流出するような場合には、同社グループの経営成績及び今後の事業運営に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ


解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


ファースト住建は、住宅作りを通じて社会に貢献することを企業理念とし、お客様第一主義を掲げて事業を展開しています。地域に密着した営業活動と健全な経営を重視する企業風土が特徴です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


ファースト住建グループは、「住宅作りにおいて、社会へ貢献する」ことを企業理念の第一に掲げています。また、「より良いものを、より安く、より早く、より安全に提供すること」や「人を育て、健全経営を行うこと」も重要な理念としています。

同社グループは、戸建事業を主軸とし、地域に密着した営業活動を通じて事業エリアの拡大と市場シェアの向上を目指しています。お客様第一主義を徹底し、顧客満足の更なる向上を追求する方針です。

将来にわたっては、「地域に根ざした暮らし重視の住まい」や「街の景観を形成する美しい住まい」など、四つのキーワードで顧客ニーズに応えることを目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


ファースト住建グループは、地域に密着した営業活動とお客様第一主義を重視する企業風土を持っています。アウトソーシングを活用した少数精鋭主義を掲げ、ムリ・ムダを省いた健全かつ効率的な経営を継続しています。

サステナビリティ基本方針では、お客様、地域社会、取引先、従業員が幸せに暮らせる社会を目指し、ESG経営を実践しています。環境保全への対応や社会貢献、ガバナンス・コンプライアンスの充実を重要課題と認識しています。

人的資本に関する戦略として、従業員一人ひとりの個性や多様性を尊重し、良好な職場環境を目指しています。社員の満足度向上を通じて、組織力や現場力の向上を図ることを重視しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


ファースト住建グループは、会社の成長に応じた人材の採用と育成を優先的な経営課題としています。新卒者の定期採用や中途採用を継続し、オン・ザ・ジョブ・トレーニングや研修会、資格支援制度を通じて人材育成に注力しています。

特に、新店舗出店に伴う責任者の確保を最重要課題と位置付けています。また、建設労働者の減少や高齢化に対応するため、協力業者の新規開拓や海外からの技能実習生・特定技能労働者の受け入れに取り組んでいます。

さらに、将来的な住宅ニーズの多様化に対応するため、事業の多角化による安定的な経営基盤の確立も重点テーマです。注文住宅やマンション事業、特建事業など、住宅に関する周辺領域の事業分野拡大を進めています。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


ファースト住建では、監査等委員会設置会社制度を採用しており、取締役会と監査等委員会によるコーポレート・ガバナンス体制を構築しています。社外取締役が経営監視機能を担う体制となっています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


ファースト住建の筆頭株主は中島興産であり、伏見管理サービスがそれに続いています。創業家と関連会社が上位株主として名を連ねており、同社の資本構成に特徴が見られます。特定の株主グループが経営に影響力を持つ体制となっています。

株主名 持株比率
中島興産 33.93%
伏見管理サービス 12.94%
内藤 征吾 3.64%
西岡 将基 2.70%
中島 雄司 2.44%

(注)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合は、小数点以下第3位を四捨五入して表示しております。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長は中島雄司氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。

氏名 役職 主な経歴
中島 雄司 代表取締役社長 昭和60年4月飯田建設工業入社、平成11年7月同社取締役、平成12年10月代表取締役社長、平成30年5月アオイ建設代表取締役社長、令和7年3月リタ総合不動産代表取締役社長、KHC取締役より現職。
中山 成人 常務取締役 兼首都圏支社長 平成5年3月豊島商事入社、平成15年6月同社入社、平成29年1月取締役首都圏支社長、令和5年3月リタ総合不動産取締役、令和7年11月常務取締役兼首都圏支社長より現職。
田中 武志 取締役 東海支社長 平成11年4月ユニホー入社、平成21年5月同社入社、平成27年8月東海支社長、令和7年1月取締役東海支社長より現職。
西村 幸雄 取締役 工事部長 平成12年4月橋本工務店入社、平成17年3月同社入社、令和7年1月取締役工事部長、令和7年3月KHC取締役より現職。
藤本 智章 取締役 管理部長 平成9年3月大杉勝税理士事務所入所、平成13年11月同社入社、平成28年1月取締役(監査等委員)、令和7年1月取締役管理部長、令和7年3月KHC取締役より現職。


社外取締役は、田村一美氏(公認会計士・税理士法人ティーエーシー代表社員・所長)、水永誠二氏(弁護士・牧野内総合法律事務所入所)です。

同社は監査等委員会設置会社制度を採用しており、監査等委員である取締役3名のうち2名が社外取締役で構成されています。これにより、客観的で中立的な経営監視機能が確保されています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


ファースト住建の役員報酬は、基本報酬、業績連動報酬、および株式報酬で構成されています。基本報酬は月例の固定報酬で、業績連動報酬は経常利益の実績に連動して支給されます。また、中長期的な企業価値向上を目的とした株式報酬型ストック・オプションも導入されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 6名 1.0億円 17.0百万円
監査等委員(社外除く) 2名 9百万円 4.3百万円
社外役員 2名 8百万円 3.8百万円


なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。取締役(監査等委員及び社外取締役を除く)の報酬等には、連結子会社からの役員報酬が含まれています。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。