※本記事は、株式会社グッドコムアセット の有価証券報告書(2025年10月期、2024年11月1日 ~ 2025年10月31日、2026年1月28日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
同社グループは、自社ブランド「GENOVIA(ジェノヴィア)」シリーズの投資用新築マンションの企画、開発、販売、管理を主要事業としています。東京23区を中心に1都3県及び関西エリアで展開し、法人・個人投資家向けに提供しています。
単体従業員数は105名、連結従業員数は245名です。セグメントはホールセール、リテールセールス、リアルエステートマネジメント、Livenup Group、その他の5つです。
主な国内グループ会社は、(連結子会社)グッドコム(リアルエステートマネジメント)、Livenup Group(LivenupGroup)、グッドコムアセット投資顧問(その他)などです。
同社グループは、当連結会計年度より株式会社Livenup Groupを連結子会社化し、新たに「Livenup Group」セグメントを追加しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
グッドコムアセットは、不動産事業を通じて社会に貢献することを目指し、人材育成と働きやすい環境づくりに力を入れています。従業員の成長を重視し、多様な働き方を支援する制度を導入することで、企業価値の向上と持続的な発展を図っています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
グッドコムアセットの従業員は比較的若年層が中心であり、平均勤続年数も短めであることから、活発な組織であることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,720,000円 |
| 平均勤続年数 | 4.6年 |
| 平均年齢 | 31.0歳 |
| 単体従業員数 | 105人 |
| 連結従業員数 | 245人 |
| 単体のグループ内比率 | 42.9% |
なお、退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「21世紀を代表する不動産会社を創る」というビジョンを掲げ、不動産の価値創造を通じて環境および社会問題の解決に取り組んでいます。このビジョン達成のため、人材の成長と業容拡大を重視し、定期的な研修・教育制度の充実に努めています。
人材の多様性の確保と育成に向けて、「人材育成方針」と「社内環境整備方針」を策定しています。人材育成方針では、同社グループの理念を深く理解し、自ら考え行動できる経営幹部およびスペシャリスト人材の育成を目指しています。
社内環境整備方針では、従業員一人ひとりの能力を最大限に発揮できるよう、個々を尊重し合える組織風土と働きがいのある職場づくりを推進しています。具体的には、社宅制度や資格取得支援、ベースアップなどの福利厚生の充実を図っています。また、ダイバーシティ推進としてカムバック制度、リフレッシュ休暇、有給休暇における半休制度などを導入し、多様な働き方を支援する体制を整備しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 11.8% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 33.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 51.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 53.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 64.3% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社グッドコムアセットグループは、自社ブランド「GENOVIA(ジェノヴィア)」シリーズの投資用新築マンションの企画、開発、販売、管理を主軸とする不動産事業を展開しています。マンション建設事業主から1棟を買い取る専有物件と、土地を仕入れて開発する物件の両方を取り扱っています。
収益モデルとしては、マンション販売を主軸としつつ、賃貸管理や家賃債務保証、不動産ファンド事業など多角的な収益源を持っています。物件は東京23区を中心に1都3県及び関西エリアで展開され、最寄駅から徒歩10分圏内の立地を重視し、防犯面にも配慮した設計が特徴です。
ホールセール
国内外の法人顧客に対し、自社ブランド「GENOVIA」シリーズの新築マンションを販売しています。不動産ファンドへの販売もこのセグメントに含まれます。
収益は、新築マンションの販売から得ています。運営は、グッドコムアセットが行っています。
リテールセールス
国内外の個人投資家に対し、自社ブランド「GENOVIA」シリーズの新築マンションを販売しています。
収益は、新築マンションの販売から得ています。運営は、グッドコムアセットが行っています。
リアルエステートマネジメント
主に同社グループが販売したマンションの入居者募集等の賃貸管理業務や、マンション管理組合から受託する建物管理業務を行っています。不動産賃貸借契約時に借主の保証人となる家賃債務保証事業も展開しています。
収益は、建物管理や賃貸管理業務、家賃債務保証事業から得ています。運営は、グッドコム、ルームバンクインシュアが行っています。
Livenup Group
戸建住宅や収益不動産の開発・販売、中古住宅のリノベーション、賃貸管理等を行っています。当連結会計年度より新たに報告セグメントとして追加されました。
収益は、戸建住宅や収益不動産の開発・販売、リノベーション、賃貸管理から得ています。運営は、Livenup Groupが行っています。
その他
新規上場及び上場後IR・資本政策に関するコンサルティング、不動産小口化商品販売事業Good Com Fund、不動産ファンド事業で構成されています。
収益は、コンサルティングや不動産ファンド事業から得ています。運営は、キャピタルサポートコンサルティング、グッドコムアセット投資顧問が行っています。
当連結会計年度においては、首都圏レジ3合同会社と首都圏レジ4合同会社への売上集中が見られます。また、本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、海外比率は低い傾向にあります。
| セグメント | 売上高(2024年10月期) | 売上高(2025年10月期) |
|---|---|---|
| ホールセール | 443億円 | 394億円 |
| リテールセールス | 129億円 | 97.6億円 |
| Livenup Group | - | 30.5億円 |
| リアルエステートマネジメント | 25.2億円 | 23.0億円 |
| その他 | 38百万円 | 43百万円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの直近5期間の業績推移を見ると、売上高と各利益は変動を伴いながら推移しています。当連結会計年度は、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも前期から減少となりました。
これは、人件費の上昇や物価高騰、建築費の高騰によるマンション価格の上昇が背景にあり、主要顧客への販売戸数減少が影響しています。営業活動によるキャッシュ・フローは、前期の資金増加から当期は資金減少に転じています。
| 項目 | 2021年10月期 | 2022年10月期 | 2023年10月期 | 2024年10月期 | 2025年10月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 342億円 | 400億円 | 222億円 | 598億円 | 546億円 |
| 経常利益 | 31.6億円 | 43.4億円 | 17.9億円 | 49.4億円 | 25.9億円 |
| 経常利益率 | 9.2% | 10.8% | 8.1% | 8.3% | 4.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 19.6億円 | 28.6億円 | 10.3億円 | 33.2億円 | 15.2億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 67.52 | 99.58 | 35.79 | 115.26 | 53.30 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は前期から減少しています。従業員1人あたり営業利益も前期から減少しており、生産性が低下傾向にあることが示されています。これは、当連結会計年度に売上高が減少し、販売費及び一般管理費が増加したことが影響していると考えられます。
| 指標 | 2024年10月期 | 2025年10月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 321.3百万円 | 222.8百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 29.3百万円 | 12.0百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、事業活動と投資活動の両面で資金が流出しており、成長投資フェーズにあることが示されています。
これは、将来に向けた積極的な事業展開を進めている状況を表しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率やROEの推移からその健全性が示されています。自己資本比率はプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準にあり、安定した経営基盤を構築していることがうかがえます。手元資金の状況も、事業運営における流動性を示しており、雇用や給与の安定性にも影響を与える要素となります。
| 指標 | 2024年10月期(前期) | 2025年10月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 139億円 | 145億円 |
| 自己資本比率 | 35.3% | 30.7% |
| ROE(自己資本利益率) | 26.0% | 10.8% |
| 現金及び預金 | 117億円 | 95.4億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュフローが△11.0億円の資金減少となりました。これは、税金等調整前当期純利益があった一方で、仕入債務の減少が主な要因です。投資活動によるキャッシュフローは△25.5億円の資金減少となり、投資有価証券の取得や子会社株式の取得による支出が主な要因となっています。財務活動によるキャッシュフローは15.3億円の資金増加となり、長期借入れによる収入が長期借入金の返済や配当金の支払いを上回ったためです。
これらのキャッシュフローの動きは、同社グループが事業拡大のための投資を積極的に行っている状況を示しています。特に、営業活動による資金減少は、不動産デベロッパーの特性として販売用不動産の仕入れ状況に影響されることがあります。フリーキャッシュフローは△36.6億円とマイナスとなっており、事業活動と投資活動を合わせた資金流出が続いている状況です。これは、将来の成長に向けた投資が先行しているフェーズであり、今後の事業展開が雇用や給与の安定性、成長性に影響を与える可能性があります。
| 項目 | 2024年10月期(前期) | 2025年10月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 258.6億円 | △11.0億円 |
| 投資CF | △7.0億円 | △25.5億円 |
| 財務CF | △215.6億円 | 15.3億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 251.6億円 | △36.6億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、不動産引渡時期の変動により、特定の通期や四半期に売上高や利益が大きく偏重するリスクを認識しています。また、景気動向や経済情勢、金利動向、販売価格動向、住宅税制などの外的要因が経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、企業成長と事業拡大のために人的資本の充実を必要としており、人員が十分に確保できない場合や退職者が著しく増加した場合、経営成績や財政状態に影響を及ぼすリスクを認識しています。人員拡大が収益に貢献しない場合もコスト増加を招く可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
グッドコムアセットは、不動産事業を通じて社会に貢献し、21世紀を代表する不動産会社となることを目指しています。持続的な成長と企業価値の向上を追求しながら、多様なステークホルダーへの責任を果たすことを重視する会社です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、Purpose(パーパス)として「不動産を安心と信頼のできる財産としてグローバルに提供し、社会に貢献する」を掲げています。Vision(ビジョン)には「21世紀を代表する不動産会社を創る」を設定しています。
今後も立地や仕様、アフターサポートにこだわり、投資用不動産としての価値を高め、それらをグローバルに提供することで社会貢献を目指しています。顧客や取引先、株主、従業員等、全てのステークホルダーへの責任を果たすため、企業の継続的な発展と企業価値の向上を図ることを基本方針としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、PurposeとVisionに共感し、自ら調べ、考え、動き、実現する経営幹部及びスペシャリスト人材の育成を重視しています。従業員一人ひとりの能力を最大限に発揮できるよう、個々を尊重し合える組織風土と多様な人材がいきいきと働ける職場環境の整備が重要と考えています。
従業員エンゲージメントの向上に向けた取り組みを推進し、働き甲斐のある職場づくりを目指しています。中長期的成長と企業価値向上のため、従業員に応じたキャリア形成や育成に努め、ワークライフバランスを推進することで多様なバックグラウンドやスキルを持った従業員が活躍できる環境を整備しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、更なる事業拡大に向けて、特に以下の点を重要課題として取り組んでいます。一つは、優秀な人材の確保と育成強化です。既存事業及び新規事業の全ての組織において、求める人材の確保・定着及び育成が重要であると認識し、「人材育成方針」と「社内環境整備方針」を策定しています。
もう一つは、サステナビリティへの積極的な取り組みです。サステナビリティを経営の重要課題の一つと認識し、事業活動を通じて様々な社会問題の解決に貢献することで、持続的な成長を実現できると考えています。気候変動関連リスク・機会の評価指標として温室効果ガス排出量の算定を行い、削減目標を設定しています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
グッドコムアセットは監査役会設置会社制度を採用しており、社外取締役を含む取締役会による監督機能と、独立した監査役会による監査機能を通じて経営の効率性と適法性を確保しています。株主や顧客をはじめとする利害関係者に対して公正かつ中立的な姿勢を保持し、経営の透明性、迅速性、公正性及び健全性の向上を図ることを目指しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
グッドコムアセットの株主構成を見ると、代表取締役社長である長嶋義和氏が筆頭株主となっています。また、同氏の資産管理会社であるlong-islandや、長嶋弘子氏も上位株主に名を連ねています。これにより、創業家およびその関連会社が同社の経営に強い影響力を持っていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 長嶋 義和 | 17.34% |
| long-island | 15.14% |
| 長嶋 弘子 | 11.84% |
| 日本マスタートラスト信託銀行 | 5.76% |
| 上遠野 俊一 | 2.09% |
株式会社long-islandは、同社代表取締役社長である長嶋義和氏の資産管理会社です。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役社長は長嶋義和氏が務めています。社外取締役比率は66.7%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 長嶋 義和 | 代表取締役社長 | 1993年8月株式会社トーシンワールド入社。2004年7月同社取締役営業部長。2005年11月同社入社営業部長。2008年7月同社代表取締役社長より現職。 |
| 東 真生樹 | 専務取締役 管理本部長 | 2005年3月株式会社アプロード入社。2006年3月同社入社。2013年1月同社執行役員管理部総務・人事教育グループリーダー。2025年11月同社専務取締役管理本部長より現職。 |
社外取締役は、松山昌司氏(松山公認会計士事務所代表)、小田香織氏(Kaizen Platform常勤社外監査役)、野間幹晴氏(一橋大学大学院経営管理研究科教授)、杉山央氏(弁護士法人赤れんが法律事務所代表)です。
同社は監査役会設置会社制度を採用しています。社外取締役が取締役会の過半数を占め、独立した監査役会が取締役の職務執行を監査することで、経営の透明性と健全性を高める体制を構築しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
グッドコムアセットの役員報酬は、固定報酬と株式報酬で構成されています。非金銭報酬として譲渡制限付株式報酬の付与も実施しており、独立社外役員で構成される指名・報酬委員会が、前期の業績や貢献度を総合的に鑑みて報酬を決定する方針です。これにより、客観的な視点から経営責任とインセンティブのバランスを図っています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 2.0億円 | 65.8百万円 |
| 社外役員 | 7名 | 36百万円 | 5.2百万円 |
取締役(社外取締役は除く)に対する非金銭報酬等は、譲渡制限付株式報酬です。なお、総額には2025年10月31日をもって辞任した取締役1名の報酬が含まれます。
個人別報酬が開示されている役員は、長嶋義和氏(1.40億円)です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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