【平均年収560万円】日本フイルコン 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年11月期)

【平均年収560万円】日本フイルコン 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年11月期)

日本フイルコンは、産業用機能フィルター・コンベア事業や電子部材・フォトマスク事業をグループ各社とともに展開しています。欧州にも販売拠点を展開しており、グローバルに事業を広げています。直近の業績は売上高が微減傾向で、当期は特別損失により純損失を計上しました。


目次

※本記事は、日本フイルコン株式会社 の有価証券報告書(2025年11月期、2024年12月1日 ~ 2025年11月30日、2026年2月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


日本フイルコンは、産業用機能フィルター・コンベア事業、電子部材・フォトマスク事業を主要な事業活動としています。紙・パルプ抄造用網や各種工業用特殊網の製造・販売、フォトエッチング等の電子部材・フォトマスクの製造・販売を手掛けています。

単体従業員数は433名、連結従業員数は1,273名です。同社グループの事業セグメントは、産業用機能フィルター・コンベア事業、電子部材・フォトマスク事業、環境・水処理関連事業、不動産賃貸事業の4つです。

主な国内グループ会社は、関西金網(各種工業用特殊網の製造販売)、ターミメッシュジャパン(防蟻施工用特殊網販売他)、斉藤特殊金網(紙・パルプ抄造用網の製造販売)などです。

また、日本フイルコンは2025年11月22日付でFILCON EUROPE SARLを解散し、新たに欧州地区の販売会社としてFILCON Germany GmbHを設立しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


日本フイルコンは、長年にわたり産業用機能フィルターや電子部材などを手掛ける企業です。従業員の平均勤続年数が長く、安定した環境でキャリアを築きたいと考える方にとって、働きがいのある会社と言えるでしょう。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員が長期的に活躍できる環境が整っている傾向が見られます。平均勤続年数や平均年齢から、経験豊富な人材が多数在籍し、安定したキャリアを形成していることがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 5,601,015円
平均勤続年数 20.3年
平均年齢 44.6歳
単体従業員数 433人
連結従業員数 1,273人
単体のグループ内比率 34.0%


同社グループは確定給付型の退職給付制度を設けており、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる仕組みです。この制度は同社及び一部の連結子会社に適用されています。

退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、同社グループの退職給付債務は46.8億円、年金資産は73.4億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、中長期的な企業価値向上には人的資本が重要であると考えており、次期中期経営計画(2026年度~2028年度)においても人的資本の開発を経営重点課題に掲げています。従業員が与えられた仕事をこなすだけでなく、自ら考えて行動し、チャレンジできる機会を提供することを目指しています。

この方針に基づき、教育プログラムを通じた人材育成や人事制度の検討・見直しを進めています。また、従業員全員が働きやすい環境を整備するため、次世代育成支援と女性活躍推進にも取り組んでいます。2022年12月には多様な人材活躍推進委員会を設置し、多様な人材の活躍を推進するための課題抽出と対応に着手しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。正規雇用労働者の男女の賃金差異の要因は、主に女性が管理職および管理職候補となる前に離職することが多かったことによるものです。非正規雇用労働者の男女の賃金差異の要因は、定年再雇用嘱託社員に女性が少ないことが挙げられます。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 9.5%
男性労働者の育児休業取得率 111.1%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 74.2%
労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) 76.4%
労働者の男女の賃金の差異(うち非正規雇用労働者) 70.8%

①次世代育成支援


同社は、次世代育成支援として、育児と仕事の両立に対する不安解消、および介護と仕事の両立に対する不安解消と実態に合わせた制度改定の実施を目標としています。具体的には、産前産後休暇や育児休業に関する各種制度の情報発信、育児休業を希望する従業員への個別説明、介護に直面する前の段階での両立支援制度に関する情報提供などに取り組んでいます。

②女性活躍推進

指標 目標(2028年度末) 2025年度実績
女性管理職比率 10% 9.5%
有給休暇平均取得率(直近4年平均) 70%を維持 76.9%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


日本フイルコンは、産業用機能フィルターや電子部材、環境・水処理関連製品の提供を通じて、幅広い産業を支える事業を展開しています。また、不動産賃貸事業も手掛けており、多角的な収益構造を持つ企業です。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、主に「産業用機能フィルター・コンベア事業」「電子部材・フォトマスク事業」「環境・水処理関連事業」「不動産賃貸事業」の4つのセグメントで事業を展開しています。これらの事業を通じて、多様な顧客ニーズに応え、収益を上げています。

産業用機能フィルター・コンベア事業

この事業では、紙・パルプ抄造用網や各種工業用特殊網の製造・販売を行っています。製紙製品分野と産業用コンベヤーベルト・フィルター分野で構成されており、収益は主にこれらの製品の販売から得ています。前期と比較して売上高はわずかに減少しました。

電子部材・フォトマスク事業

エッチング加工製品や、半導体・ディスプレイ製造などに使われるフォトマスク製品の製造・販売を手掛けています。収益は、これらの電子部材の提供から得ています。前期と比較して売上高は増加しました。

環境・水処理関連事業

プールやろ過装置の設計・販売、天然ガスパイプラインの腐食・ガス漏れを防ぐ絶縁継手の販売などを行っています。収益は、これらの環境・水処理関連製品やサービスの提供から得ています。前期と比較して売上高は大きく減少しました。

不動産賃貸事業

同社が保有する不動産を店舗、マンション、駐車場などとして賃貸しています。収益は、これらの不動産の賃貸料から得ています。前期と比較して売上高はほぼ横ばいでした。

セグメント 売上高(2024年11月期) 売上高(2025年11月期)
産業用機能フィルター・コンベア事業 201億円 200億円
電子部材・フォトマスク事業 43.7億円 45.6億円
環境・水処理関連事業 31.5億円 22.2億円
不動産賃貸事業 10.3億円 10.3億円


同社グループの売上高は、日本国内が最も大きな割合を占めていますが、アジア、オーストラリア、北米、その他地域にも展開しており、国際的な事業活動を行っています。特定の顧客への収益集中は見られません。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの直近5連結会計年度の業績を見ると、売上高は概ね横ばいから微減傾向にあります。経常利益は変動が見られ、当期は親会社株主に帰属する当期純損失を計上しました。これは、減損損失や特別退職金といった特別損失の計上が主な要因となっています。一方で、営業活動によるキャッシュ・フローは増加しており、本業でのキャッシュ創出力は維持されている状況です。

項目 2021年11月期 2022年11月期 2023年11月期 2024年11月期 2025年11月期
売上高 248億円 260億円 280億円 286億円 278億円
経常利益 16.2億円 16.9億円 10.2億円 11.3億円 9.4億円
経常利益率 6.5% 6.5% 3.6% 3.9% 3.4%
親会社株主に帰属する当期純利益 10.8億円 10.8億円 12.7億円 6.2億円 △7.3億円
1株当たり当期純利益(円) 50.73 51.28 62.56 31.65 △37.47

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高(連結)は、前期からわずかに増加しました。これは、従業員数の減少に対して売上高の減少幅が小さかったためと考えられます。一方で、従業員1人あたりの営業利益(連結)は前期から減少しています。これは、売上高の減少に加え、営業利益が大きく減少したことが影響していると考えられます。

指標 2024年11月期(前期) 2025年11月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 21.8百万円 21.9百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 0.7百万円 0.5百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


日本フイルコングループは、堅実な財務基盤を維持しながら、事業活動を通じて資金を生み出しています。手元資金も確保されており、安定した経営状況を示しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の製造業平均と比較して高い水準にあります。一方で、ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回る水準となっています。手元資金である現金及び預金は増加傾向にあり、資金の確保に努めている状況です。

指標 2024年11月期(前期) 2025年11月期(当期)
純資産 233億円 226億円
自己資本比率 52.8% 51.6%
ROE(自己資本利益率) 2.7% △3.2%
現金及び預金 49.0億円 51.9億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは増加しており、本業で安定的に資金を生み出している状況です。投資活動によるキャッシュ・フローは支出が増加しており、設備投資などを積極的に行っていることが示されています。財務活動によるキャッシュ・フローは支出が減少しています。

営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合わせたフリーキャッシュ・フローはプラスを維持していますが、前期と比較すると減少しています。これは、本業で得た資金を投資に充てつつ、余剰資金も確保できている状態を示しています。

項目 2024年11月期(前期) 2025年11月期(当期)
営業CF 19.7億円 29.9億円
投資CF △10.1億円 △24.4億円
財務CF △5.8億円 △3.5億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 9.6億円 5.5億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、国内市場の人口減少による消費需要の縮小や、技術進化への対応の遅れ、競合激化、低価格品への需要シフトが経営成績に影響を及ぼす可能性があると認識しています。また、製品販売や原材料調達において様々な通貨で取引を行っており、為替レートの変動が財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、国内における少子高齢化や働き方の価値観の変化により、社員の高齢化や離職、新規採用の困難化が進み、事業活動が停滞し経営成績に影響を及ぼす可能性があると認識しています。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


日本フイルコンは、「夢を持ち一生懸命を楽しもう」といった企業理念を掲げ、社会から必要とされる製品・サービスを生み出し続ける企業集団を目指しています。多様な事業を展開しながら、持続的な成長と社会貢献を追求する姿勢が特徴です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


日本フイルコンは、「夢を持ち一生懸命を楽しもう」、「総力で一歩先行くものづくり」、「感謝と誠意をかたちで社会へ」という企業理念を経営の基本に置いています。この理念に基づき、行動指針や行動規範のもと、グループ全体で事業活動に邁進しています。

同社グループは、「100年超え企業として、次の100年も社会が必要とする製品・サービスを生み出し続ける企業集団」という長期ビジョンを掲げています。株主・投資家、顧客、従業員、地域社会といったあらゆるステークホルダーに対し、企業としての社会的責任を全うすることを目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


日本フイルコンは、企業理念である「夢を持ち一生懸命を楽しもう」、「総力で一歩先行くものづくり」、「感謝と誠意をかたちで社会へ」を基本に、行動指針や行動規範のもとで事業活動を進めています。同社グループは、事業活動を通じて環境・社会課題解決に貢献することをサステナビリティの基本的な考え方としています。

社会から必要とされ、価値を提供し続けられる企業であるために、サステナビリティ課題へ取り組みながら企業として成長を続けることを重視しています。また、人を活かす経営を目指し、自ら考えて動ける人材を育て、チャレンジできる機会を提供することを大切にしています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


日本フイルコンは、次期中期経営計画(2026年度~2028年度)において、いくつかの経営重点課題に取り組んでいます。その一つが「人的資本の開発」であり、自ら考えて動ける人材を育成し、チャレンジできる機会を提供することを目指しています。

また、「グループガバナンスの強化」も重要なテーマです。会議体の運営見直しや、任意の指名・報酬委員会の設置により、ガバナンスのさらなる強化を図っています。マテリアリティとしては、生活に不可欠な製品群の提供による社会の利便性向上および環境負荷低減にも取り組む方針です。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


日本フイルコンは監査等委員会設置会社であり、社外取締役が経営の監督機能を担う体制となっています。これにより、経営の透明性と健全性の確保を図っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


日本フイルコンの株主構成を見ると、王子ホールディングスが筆頭株主として名を連ねています。また、大王製紙も上位株主であり、主要な事業会社が同社グループを支える構図となっています。さらに、日本フイルコングループ従業員持株会も上位に位置しており、従業員による安定的な株式保有も特徴です。

株主名 持株比率
王子ホールディングス 13.85%
大王製紙 9.32%
日本フイルコングループ従業員持株会 7.58%
日本製紙 5.67%
日本フエルト 1.54%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は10名(男性8名・女性2名)で構成され、女性役員比率は20.0%です。代表取締役社長社長執行役員は名倉宏之氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。

氏名 役職 主な経歴
名倉 宏之 代表取締役社長社長執行役員 1982年4月同社入社。2014年2月同社代表取締役社長。2015年2月同社代表取締役社長社長執行役員より現職。
齋藤 芳治 専務取締役専務執行役員管理・経営企画管掌 1984年4月同社入社。2021年2月同社専務取締役専務執行役員管理・経営企画管掌兼経営企画室長。2026年2月同社専務取締役専務執行役員管理・経営企画管掌より現職。
佐野 明宣 常務取締役常務執行役員製紙・機能ファブリック事業管掌 1989年4月同社入社。2023年2月同社取締役上席執行役員製紙・機能ファブリック事業管掌。2024年2月同社常務取締役常務執行役員製紙・機能ファブリック事業管掌より現職。
野村 国大 常務取締役常務執行役員総合研究開発室・ファインエレクトロニクス事業管掌兼イノベーション成長戦略担当 1988年4月同社入社。2022年2月同社取締役上席執行役員総合研究開発室・ファインエレクトロニクス事業担当兼ファインエレクトロニクスカンパニー長。2024年2月同社常務取締役常務執行役員総合研究開発室・ファインエレクトロニクス事業管掌兼イノベーション成長戦略担当より現職。
久慈 健仁 取締役上席執行役員ファインエレクトロニクス事業担当兼ファインエレクトロニクスカンパニー長 1988年4月同社入社。2022年1月エスデイアイ・エレクトロニクス・ジャパン代表取締役社長。2024年2月同社取締役上席執行役員ファインエレクトロニクス事業担当兼ファインエレクトロニクスカンパニー長より現職。


社外取締役は、阿部稔氏(元三井物産内部監査部検査役)、伊能優子氏(グリーンバーグ・トラウリグ/GT東京法律事務所シェアホルダー)、佐々木章浩氏(菱進ホールディングス代表取締役社長・監査等委員)、木村尚子氏(木村公認会計士事務所所長・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社制度を採用しています。4名の社外取締役は、高い見識と豊富な経験に基づき、独立的な立場から職務執行を監督・牽制する機能を担っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


日本フイルコンの取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬は、基本報酬である月額固定報酬、業績連動報酬である賞与、および非金銭報酬である譲渡制限付株式報酬により構成されています。一方、監督機能を担う社外取締役および監査等委員である取締役の報酬は、その職務に鑑み、基本報酬のみとなっています。業績連動報酬の指標には、中期経営計画の連結営業利益が最重要指標として設定されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 5名 2.1億円 42.8百万円
監査等委員(社外除く) 1名 21百万円 21.2百万円
社外役員 4名 29百万円 7.2百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。