【平均年収535万円】津田駒工業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年11月期)

【平均年収535万円】津田駒工業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年11月期)

津田駒工業は、繊維機械および工作用機器の製造・販売を主要事業として展開しています。連結従業員数は1,103名です。直近の売上高は減少しましたが、経常利益と当期純利益は損失となりました。


目次

※本記事は、津田駒工業株式会社 の有価証券報告書(2025年11月期、2024年12月1日 ~ 2025年11月30日、2026年2月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


津田駒工業は、繊維機械および工作用機器の製造・販売を主な事業内容とする企業です。同社グループは、子会社9社および関連会社1社で構成されています。

単体従業員数は751名、連結従業員数は1,103名です。セグメントは繊維機械事業、工作機械関連事業の2つです。

主な国内グループ会社は、共和電機工業、ツダコマ・ゼネラル・サービス、T-Tech Japan(製織用準備機械の販売)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


津田駒工業は、長年にわたり事業を継続している企業であり、従業員の平均勤続年数や平均年齢から、安定した環境でキャリアを築ける可能性がうかがえます。多様な人材の育成と働きやすい環境整備にも力を入れており、長期的な視点で働くことを検討している方にとって、同社グループの取り組みは注目に値します。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、従業員の定着率が高く、長期間にわたってキャリアを形成している方が多い傾向にあります。平均勤続年数や平均年齢を見ると、熟練した人材が豊富に在籍し、安定した組織運営が行われていることがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 5,348,882円
平均勤続年数 23.8年
平均年齢 47.2歳
単体従業員数 751人
連結従業員数 1,103人
単体のグループ内比率 68.1%


同社および連結子会社は、確定給付型の退職給付制度を設けています(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度)。この制度は国内のグループ会社に適用されています。

退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

なお、退職給付債務は83.3億円、年金資産は86.8億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、サステナビリティに関する課題への対応を収益機会につながる経営課題と認識し、SDGs推進委員会を設置して継続的に取り組む体制を整えています。特に製造業として、事業活動における環境負荷の低減と省エネルギー・環境性能に優れた製品の設計・製造・販売に注力しています。

管理職への登用においては、性別、国籍、年齢を問わず、スキル・経験等を総合的に判断し、公平性を重視することを基本方針としています。多様性の確保に向けた人材育成と社内環境整備を進めており、新卒採用における女性割合を25%以上にする数値目標を立て、継続的に採用しています。

教育面では女性管理職を対象とした専門教育(マネジメントセミナー)を実施しています。また、外国人や中途採用者も適時採用しています。社内環境整備として、労働安全衛生管理方針や健康経営方針等に基づく活動を進めています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体のデータを示します。管理職に占める女性労働者の割合および男性労働者の育児休業取得率は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。

指標 数値
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 80.8%
労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) 80.4%
労働者の男女の賃金の差異(うち非正規雇用労働者) 114.8%

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

▼ 共和電機工業㈱

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 2.6%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


津田駒工業は、繊維機械と工作機械関連の二つの事業を主軸に展開しています。世界経済の動向に影響を受けながらも、中期経営計画に基づき事業活動を進めている会社です。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、繊維機械事業と工作機械関連事業を主な事業内容としています。主力製品は織機や準備機などの繊維機械、および工作機械アタッチメントなどの工作用機器です。国内外の製造業を主要な顧客とし、製品の製造販売とアフターサービスを通じて収益を上げています。売上高に占める輸出比率が高く、世界経済や国際政治、各国の経済・金融政策の動向が事業に大きな影響を与える傾向があります。特にアジア地域への売上高が全体の大部分を占めており、中国やインド市場が重要な位置を占めています。

繊維機械事業

この事業では、織機、準備機、繊維機械部品装置、コンポジット機械などの製造および販売を行っています。収益は、これらの製品の製造販売とアフターサービスから得ています。運営は、津田駒工業が製造販売を担い、電装部品の一部を共和電機工業に委託しています。津田駒機械設備(上海)有限公司やTSUDAKOMA SERVICE INDIA PRIVATE LIMITEDがアフターサービスを提供し、津田駒機械製造(常熟)有限公司はウォータジェットルームの一部機種の中国での製造・販売を行っています。TSUDAKOMA Europe s.r.l.は欧州での製品・部品販売とアフターサービスを担当し、準備機械については津田駒工業がT-Tech JapanにOEM供給した上で、両社が販売しています。ツダコマ・ゼネラル・サービスやふぁみーゆツダコマも、梱包や庶務、軽作業の請負などで事業を支えています。当連結会計年度の売上高は前期から減少しています。

工作機械関連事業

この事業では、工作機械アタッチメントやその他の機器などの製造および販売を行っています。収益は、工作用機器の製造販売、修理、アフターサービスから得ています。運営は、津田駒工業が製造販売を行い、一部製品の製造を共和電機工業に委託しています。ツダコマテクノサポートは、工作用機器の製品修理やアフターサービスを行っています。米国市場は比較的堅調に推移し、中国市場ではHV・EV部品加工用設備が好調でしたが、国内市場は低調な状況が続いています。当連結会計年度の売上高は前期から減少しています。

セグメント 売上高(2024年11月期) 売上高(2025年11月期)
繊維機械事業 309億円 302億円
工作機械関連事業 55.8億円 52.5億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの直近5期間の業績を見ると、売上高は増減を繰り返しながら推移しています。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に黒字転換したものの、当期は再び損失を計上する結果となりました。しかし、営業活動によるキャッシュ・フローはプラスを維持し、前期から増加しています。

項目 2021年11月期 2022年11月期 2023年11月期 2024年11月期 2025年11月期
売上高 278億円 312億円 393億円 364億円 354億円
経常利益 △36.0億円 △25.8億円 △12.9億円 2.8億円 △2.2億円
経常利益率 △13.0% △8.3% △3.3% 0.8% △0.6%
親会社株主に帰属する当期純利益 △45.0億円 △25.7億円 △12.5億円 4.9億円 △2.6億円
1株当たり当期純利益(円) △703.61 △401.87 △195.09 76.45 △41.04

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は前期から減少しています。従業員1人あたり営業利益(連結)も前期はプラスでしたが、当期は損失に転じています。これらの指標は、同社グループの生産性や収益体質が直近で変化していることを示しています。

指標 2024年11月期 2025年11月期
従業員1人あたり売上高(連結) 32.8百万円 32.1百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 0.4百万円 △0.1百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


津田駒工業は、現在の財務状況とキャッシュフローの動きから、事業活動による資金創出と投資活動のバランスを確認できます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


津田駒工業の財務基盤を見ると、自己資本比率は9.7%となっています。これはプライム市場の製造業平均と比較すると低い水準です。ROE(自己資本利益率)は当期にマイナス9.0%となり、前期の20.8%から減少しています。手元資金である現金及び預金は34.7億円を確保しており、前期から増加しています。これらの状況は、会社の財務的な安定性や将来の事業展開に影響を与える可能性があります。

指標 2024年11月期(前期) 2025年11月期(当期)
純資産 28.5億円 29.9億円
自己資本比率 9.0% 9.7%
ROE(自己資本利益率) 20.8% -9.0%
現金及び預金 29.4億円 34.7億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


津田駒工業のキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは9.9億円のプラスとなり、前期から増加しています。これは主に売上債権の減少によるものです。投資活動によるキャッシュフローは△1.3億円のマイナスとなり、前期のプラスから減少に転じました。これは有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出があったためです。財務活動によるキャッシュフローは△3.4億円のマイナスとなり、前期からマイナス幅が縮小しています。これは長期借入金の返済による支出があったためです。

これらの結果、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは8.6億円のプラスとなっています。本業で安定的に資金を生み出し、投資活動も行いつつ、資金の余剰を確保している状況です。この資金の流れは、会社の事業継続性や将来の成長に向けた基盤を支えるものと言えます。

項目 2024年11月期(前期) 2025年11月期(当期)
営業CF 8.0億円 9.9億円
投資CF 5.3億円 △1.3億円
財務CF △9.7億円 △3.4億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 13.3億円 8.6億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク


津田駒工業グループは、当連結会計年度において営業損失及び経常損失を計上しており、安定的な利益の獲得には至っていません。このため、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在しています。現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる状況です。

② 事業構造・収益性に関するリスク


同社グループは輸出比率が高く、日中間の対立や米中間の政治・経済対立、為替相場の変動など国際経済の影響を受けやすい事業構造です。また、主要市場である中国の景気低迷も重大なリスクとなっています。これらの要因は、同社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク


人材・組織に関するリスクの記載はありません。

④ 雇用安定性・リストラ


解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


津田駒工業は、「最高の品質をめざし社会に貢献する」という社是のもと、技術と品質を追求したモノづくりを通じて産業の発展と持続可能な社会の実現を目指している会社です。公正な企業活動を重視し、安全で豊かな市民生活への貢献を経営の基本方針としています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「われわれはつねに最高の品質をめざし社会に貢献する」という社是を掲げています。世界最高の技術と品質を究めたモノづくりと、公正な企業活動を通じて産業の発展に寄与することを基本方針としています。

安全で豊かな市民生活の実現と持続可能な世界の実現を目指しています。同社グループは「中期経営計画2026」をスタートし、継続的に利益確保ができる事業体質の構築に注力している状況です。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、これまでの企業風土を変革し、組織体制を見直して活性化を進めています。人的資本の充実を目指した人事制度改革や育成プログラムの構築を図っています。

サステナビリティに関するトップコミットメントを策定し、SDGs推進委員会を設置して諸課題の洗い出しと対応に継続的に取り組む体制を整えています。また、「ISO14001」や「ISO9001」の認証を取得し、法令・規制等を遵守した経営に努めています。管理職への登用においては、性別、国籍、年齢を問わず、スキル・経験等を総合的に判断し、公平性を重視することを基本方針としています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、利益の追求とキャッシュ・フローの改善による財務基盤の立て直しを最重要課題としています。継続的に利益確保ができる事業体質の構築に注力している状況です。

これまでの企業風土を変革し、組織体制を見直して活性化を進めています。また、人的資本の充実を目指した人事制度改革や育成プログラムの構築を図っています。全事業部門で原価の予実管理を徹底し、原価低減と適正価格への改善に継続的に取り組んでいます。

各部門における課題解決や生産・業務効率の向上を進めるため、全社的にDXに取り組んでいます。中長期的な活動として、SDGsへ向けて全社共有化を図り、活動を加速させていく方針です。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


津田駒工業は、取締役会設置会社であり、監査役会制度を採用しています。また、任意の指名・報酬委員会と執行役員制度を導入し、経営の透明性向上と迅速な意思決定を目指しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


津田駒工業は、取引先や従業員による持株会が上位株主として名を連ねる資本構成となっています。筆頭株主は津田駒取引先持株会であり、同社グループの事業活動を支える基盤がうかがえます。

株主名 持株比率
津田駒取引先持株会 21.78%
日本カストディ銀行(信託口) 10.26%
HSU CHENG CHUNG(常任代理人 シティバンク、 エヌ・エイ東京支店) 7.05%
明治安田生命保険相互会社 4.40%
ツダコマ従業員持株会 3.50%


なお、令和8年1月9日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、ポートフォリアが令和7年12月31日現在で172千株(株券等保有割合2.54%)を所有している旨が記載されています。しかし、同社として令和7年11月30日現在の実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況には含められていません。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は11名(男性11名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役会長兼社長は高納伸宏氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。

氏名 役職 主な経歴
高 納 伸 宏 代表取締役会長兼社長 法務・コンプライアンス室担当 繊維機械事業統括 昭和51年丸紅㈱入社、TEKMAR S.P.A社長、丸紅テクマテックス㈱代表取締役社長を経て、平成25年同社取締役。その後、代表取締役社長、代表取締役会長CEOを歴任し、令和5年より現職。
北 野 浩 司 代表取締役常務 管理部門統括 輸出管理室長 経営企画室長 昭和61年同社入社。製造部製造第1部長、執行役員製造部長を経て、平成28年取締役。製造部門統括、品質保証部門統括などを担当し、令和5年より管理部門統括、輸出管理室長、ふぁみーゆツダコマ㈱代表取締役。令和7年より現職。
寺 田 武 志 取締役 平成2年同社入社。繊維機械販売部長、執行役員を経て、平成31年より取締役。繊維機械事業統括、TSUDAKOMA SERVICE INDIA PRIVATE LIMITED代表取締役、津田駒機械設備(上海)有限公司董事長、津田駒機械製造(常熟)有限公司董事長、共和電機工業㈱代表取締役を兼任し現職。
大 河 哲 史 取締役 工作機械関連事業統括 昭和63年同社入社。工機販売部長、執行役員を経て、令和4年よりツダコマテクノサポート㈱代表取締役。令和5年より取締役 工作機械関連事業統括、航空機部品推進室長として現職。


社外取締役は、松原和弘氏(元中部電力代表取締役副社長執行役員・元東海東京証券取締役)、河村肇氏(ジャパン・アクティベーション・キャピタルシニアアドバイザー・グロースエクスパートナーズ取締役)、下川広佳氏(川崎重工業専務執行役員)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役会は7名で構成され、うち3名が社外取締役です。社外取締役は東京証券取引所が定める独立役員の要件を満たしており、経営の監督機能の強化に貢献しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


津田駒工業の取締役報酬は、月例の固定報酬と賞与で構成されています。固定報酬は株主総会で決議された報酬限度額に基づき、業績や各取締役の職責、成果などを反映して決定されます。賞与は当期の業績や配当、中長期的な業績を勘案して総額が株主総会に上程されます。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 85百万円 21.2百万円
監査役(社外除く) 2名 23百万円 11.5百万円
社外役員 5名 21百万円 4.2百万円


なお、取締役の支給額には使用人兼務取締役の使用人給与相当額は含まれていません。同社はストックオプション制度を採用しておらず、役員退職慰労金制度は平成18年2月24日に廃止しています。

連結報酬等の総額が1億円以上である役員は存在しないため、個人別の開示は行われていません。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。