バイク王&カンパニー 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

バイク王&カンパニー 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

東京証券取引所(スタンダード市場)に上場し、バイク事業を展開する企業です。直近の業績は売上高386億円(前期比13.6%増)、経常利益8.3億円(前期比42.0%増)と増収増益を達成しています。主力の中古バイク買取・販売に加え、整備やパーツ販売、海外取引なども手掛けています。


※本記事は、株式会社バイク王&カンパニー の有価証券報告書(第28期、自 2024年12月1日 至 2025年11月30日、2026年2月18日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. バイク王&カンパニーってどんな会社?

中古バイクの買取・販売を行う「バイク王」を運営し、バイクライフの生涯パートナーを目指す企業です。

(1) 会社概要

同社は1994年に前身となるメジャーオート有限会社として設立され、1998年に株式会社アイケイコーポレーションを設立しました。2002年に「バイク王」の看板を掲げたロードサイド店舗を出店し、2005年にジャスダックへ上場しました。2012年には現社名である株式会社バイク王&カンパニーへ商号変更しています。

連結従業員数は1,029名、単体では1,023名です。筆頭株主は石川秋彦氏、第2位は創業者の加藤義博氏、第3位は資産管理会社と思われる有限会社ケイです。

氏名 持株比率
石川 秋彦 27.02%
加藤 義博 21.08%
有限会社ケイ 6.20%

(2) 経営陣

同社の役員は男性6名、女性1名、計7名で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役 CEOは澤 篤史氏です。社外取締役比率は28.6%です。

氏名 役職 主な経歴
澤 篤史 代表取締役 CEO 1998年同社入社。経営企画室長、企画本部長、バイクライフプランニング事業部管掌などを経て、2024年12月より現職。
加藤 義博 取締役 CVO founder 1998年同社設立・代表取締役社長。会長を経て、2024年12月より現職。
小宮 謙一 取締役 COO 1992年リクルート入社。ソフトバンク等を経て、2018年同社取締役執行役員。2024年12月より現職。
大谷 真樹 取締役 CFO 2000年同社入社。営業本部長、常務取締役、コンタクトセンター管掌などを経て、2024年12月より現職。
上沢 徹二 取締役(常勤監査等委員) 1981年三菱銀行入行。日本確定拠出年金コンサルティング代表取締役副社長などを経て、2019年2月より現職。


社外取締役は、三上 純昭(元国際証券大阪事業法人資金運用部長)、森 順子(森合同法律事務所開設)です。

2. 事業内容

同社グループは、「バイク事業」の単一セグメントで事業を展開しています。

(1) バイク事業

主に中古バイクの買取と販売を行っています。WebやテレビCM等で集客し、顧客の自宅への無料出張買取や店舗での買取を行います。仕入れたバイクは整備後、業者向けオークションを通じた「ホールセール」や、店舗およびWebを通じた一般顧客向けの「リテール」として販売しています。

収益は、ホールセールではバイク販売店等の業者からの販売代金、リテールでは一般顧客からの車輌販売代金や付帯サービス料から得ています。運営は主に同社が行っていますが、連結子会社の東洋モーターインターナショナルもバイク事業を担っています。

3. 業績・財務状況

同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移

2024年11月期から2025年11月期の業績推移は以下の通りです。売上高は増加傾向にあり、利益面でも経常利益、当期利益ともに前期を上回る結果となりました。

項目 2024年11月期 2025年11月期
売上高 340億円 386億円
経常利益 5.8億円 8.3億円
利益率(%) 1.7% 2.2%
当期利益(親会社所有者帰属) 1.6億円 3.1億円

(2) 損益計算書

売上高の増加に伴い、売上総利益も増加しています。営業利益率も改善傾向にあります。

項目 2024年11月期 2025年11月期
売上高 340億円 386億円
売上総利益 126億円 130億円
売上総利益率(%) 37.2% 33.6%
営業利益 2.9億円 5.9億円
営業利益率(%) 0.8% 1.5%


販売費及び一般管理費のうち、給与手当が35億円(構成比28%)、広告宣伝費が32億円(同26%)を占めています。

(4) キャッシュ・フローと財務指標

同社は、営業CFがプラス、投資CFがマイナス、財務CFがプラスであることから「積極型」に分類されます。

項目 2024年11月期 2025年11月期
営業CF 18億円 3.7億円
投資CF -2.8億円 -4.0億円
財務CF -16億円 0.1億円


企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は4.8%で市場平均を下回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は53.8%で市場平均を上回っています。

4. 経営方針・戦略

同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念

同社グループは、「常識を壊し、新たな価値と感動を生む。」という企業理念を根幹に据えています。時代の変化に適応する柔軟かつ機動的な経営体制を構築し、持続的な成長と企業価値の向上を目指しています。

(2) 企業文化

「FIVE DRIVEs」(夢・信念・行動・勇気・誠実)を行動指針として定義し、日々の業務および意思決定の基盤としています。これにより、変化に柔軟かつ迅速に対応する「アジャイル経営」を推進しています。

(3) 経営計画・目標

持続的な成長と収益性を重要な経営指標とし、ROE(自己資本利益率)を重視しています。具体的な指標として連結売上高と連結当期純利益を定め、取締役の業績連動報酬との整合を図っています。

(4) 成長戦略と重点施策

中期戦略として「モビリティ領域の強化と利益体質化」を掲げ、「マーケティング強化」「バリューチェーンの強化」「業容拡大」の三本柱を推進しています。CRMの活用やDX投資による業務自動化、モビリティ領域への集中投資を通じて、顧客接点の拡大や生産性向上、新たな収益モデルの確立に取り組んでいます。

5. 働く環境

同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針

多様な人材を尊重し、個々の能力が最大限発揮される環境構築を目指しています。整備職人材の確保や人事制度改革、人材配置の最適化を通じて組織の活性化を図り、企業価値向上に資する人材基盤の強化に努めています。

(2) 給与水準・報酬設計

同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均を大きく下回る水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2025年11月期 35.8歳 8.9年 4,217,000円


※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。

(3) 人的資本開示

同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。

項目 数値
女性管理職比率 8.2%
男性育児休業取得率 96.3%
男女賃金差異(全労働者) 62.3%
男女賃金差異(正規雇用) 73.6%
男女賃金差異(非正規雇用) 86.9%

6. 事業等のリスク

事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) バイク市場の需給変動

国内における新車販売台数の減少やメーカーの経営状況の変化等が起きた場合、バイク市場の需給バランスが変化し、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 広告宣伝効果の低下

バイク買取において広告宣伝による需要喚起を行っているため、広告効果が著しく低下した場合、仕入台数の減少や費用対効果の悪化を招く可能性があります。

(3) リテール拡大に伴うリスク

リテール販売の拡大により、販売車輌の整備不良等に起因する事故や損害賠償訴訟が発生するリスクや、長期滞留在庫が発生するリスクがあります。

(4) システム障害と情報セキュリティ

独自の基幹システムやWebサイトを活用しているため、自然災害や情報セキュリティ事故等によりシステムが停止した場合、事業活動に支障が出る可能性があります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。