※本記事は、イーサポートリンク株式会社 の有価証券報告書(2025年11月期、2024年12月1日 ~ 2025年11月30日、2026年2月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
イーサポートリンクグループは、生鮮青果流通業界の事業者に対し、システム、業務受託サービス、青果売場構築支援サービスなどを提供しています。また、国産農産物や有機農産物の仕入販売および生産販売も行っています。
単体従業員数は166名、連結従業員数は174名です。セグメントはオペレーション支援事業、農業支援事業の2つです。
主な国内グループ会社は、(連結子会社)シェアガーデンホールディングス(農業支援事業)、オーガニックパートナーズ(同)などです。
当連結会計年度より、イーサポートリンクグループは従来の農業支援事業に含めていた国産野菜向けのオペレーションシステムの提供、業務受託、販売事業をオペレーション支援事業に含めるセグメント区分の変更を行っています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
イーサポートリンクは、食の流通を情報面で支える事業を展開しています。同社グループは、従業員の働きがいと成長を重視し、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。ここでは、同社の給与水準や働き方に関する具体的なデータと、人材育成への取り組みについてご紹介します。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
イーサポートリンクでは、従業員の平均勤続年数が10年を超えており、比較的長く働く方が多い傾向が見られます。平均年齢も40代前半であり、経験豊富な人材が活躍していることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,249,000円 |
| 平均勤続年数 | 10.2年 |
| 平均年齢 | 42.1歳 |
| 単体従業員数 | 166人 |
| 連結従業員数 | 174人 |
| 単体のグループ内比率 | 95.4% |
イーサポートリンクは、確定給付型の制度として退職一時金制度を設けています。確定給付型とは、給与や勤続年数に応じて将来の給付額があらかじめ決まっている制度です。
退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
同社の退職給付債務は329百万円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
イーサポートリンクは、事業環境の変化に対応するため、従業員と会社の新たな関係性を示す「人材ポリシー」を2024年5月に策定しました。このポリシーを基盤として、人事戦略や諸制度の見直しに取り組んでおり、具体的な議論を進めている段階です。
現時点では人的資本に関する戦略は確定されていませんが、これらの取り組みを通じて整備していく予定です。同社グループは、コンプライアンス宣言において社員の人権や価値観を尊重し、性別や国籍による不当な差別を行わないこと、全てのハラスメント行為を禁止することを旨としています。今後も全ての従業員が働きやすい職場環境を継続して整えていく方針です。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 19.3% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 50.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 69.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 73.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 59.8% |
多様性・登用
イーサポートリンクの提出会社単体のデータです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性従業員比率 | 45.8% |
| 次期管理職候補となる係長相当職における女性社員比率 | 77.8% |
| 男女平均年齢比率 | 86.8% |
| 男女平均勤続比率 | 82.9% |
| 男女間の賃金格差 | 71.0% |
育児・介護支援
イーサポートリンクの提出会社単体のデータです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男性の育児休業取得者数 | 1名 |
| 配偶者が出産した男性社員数 | 2名 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
イーサポートリンクは、生鮮青果物の流通業界を支えるシステムやサービス、国産農産物の仕入販売・生産販売を手掛けています。同社グループは、生鮮流通の複雑な課題をITと業務支援で解決し、持続可能な食のサプライチェーン構築に貢献しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、生鮮青果物流通業界の事業者向けに、情報システム開発、運用、保守、業務受託サービス、青果売場構築支援サービスなどを提供しています。また、国産農産物や有機農産物の仕入販売および生産販売も行っています。収益は主に、これらのシステム利用料、業務代行サービス、農産物の販売から得ています。同社グループの事業は国内市場に集中しており、主要な顧客への売上高が一定の割合を占める傾向があります。
オペレーション支援事業
この事業では、野菜や果物といった生鮮食品の流通における複雑な商習慣に対応するため、「イーサポートリンクシステム」や「生鮮MDシステム」といった情報システムを提供しています。これらのシステムは、生産者から量販店までのサプライチェーン全体の情報管理を効率化し、ロスとコストの削減を目指しています。また、システムの利用をベースとした業務代行サービスや、小売量販店向けの「es-Marché」、ドラッグストアへの「青果売場構築支援事業」も展開しています。収益は、システム利用料、業務代行サービス、売場構築支援サービスから得ています。
農業支援事業
この事業では、りんごやさつまいもなどの国産農産物の仕入販売を行っています。子会社を通じて有機農産物の仕入販売も手掛けており、さらに連結子会社3社において農産物の生産事業も行っています。収益は、農産物の仕入販売および生産販売から得ています。
| セグメント | 売上高(2024年11月期) | 売上高(2025年11月期) |
|---|---|---|
| オペレーション支援事業 | 36.1億円 | 40.2億円 |
| 農業支援事業 | 18.0億円 | 24.5億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は変動しながらも直近の連結会計年度では増加傾向にあります。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、過去に一時的な損失を計上した期があるものの、近年は安定して黒字を維持しています。特に直近の連結会計年度では、売上高が大きく伸び、親会社株主に帰属する当期純利益も増加となりました。
| 項目 | 2021年11月期 | 2022年11月期 | 2023年11月期 | 2024年11月期 | 2025年11月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 51.9億円 | 48.5億円 | 45.6億円 | 54.1億円 | 64.7億円 |
| 経常利益 | △1.3億円 | 2.2億円 | 76百万円 | 1.8億円 | 1.6億円 |
| 経常利益率 | △2.4% | 4.5% | 1.7% | 3.4% | 2.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △9.4億円 | 1.6億円 | 47百万円 | 1.4億円 | 1.5億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △212.92 | 35.12 | 10.61 | 30.57 | 33.17 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から増加しています。これは、従業員一人あたりの売上創出能力が向上していることを示しています。一方で、従業員1人あたり営業利益(連結)は前期から減少しています。売上高の増加に対して営業利益の伸びが追いついていない状況がうかがえます。
| 指標 | 2024年11月期(前期) | 2025年11月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 35.6百万円 | 37.2百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 1.1百万円 | 0.8百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
イーサポートリンクグループの財務状況を見ると、事業活動や投資活動における資金の流れから、現在の経営状態と将来に向けた取り組みの方向性が示されています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
イーサポートリンクの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の平均と比較して高い水準を維持しており、安定した経営状況を示しています。ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回っていますが、着実に利益を計上しています。手元資金である現金及び預金は前期から減少しているものの、一定の厚みがあり、事業運営の安定性につながる要素となっています。
| 指標 | 2024年11月期(前期) | 2025年11月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 35.3億円 | 37.1億円 |
| 自己資本比率 | 64.8% | 60.7% |
| ROE(自己資本利益率) | 3.9% | 4.1% |
| 現金及び預金 | 18.5億円 | 14.1億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
イーサポートリンクグループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは前期に引き続きマイナスとなっています。これは主に売上債権や棚卸資産の増加によるもので、事業規模の拡大に伴う運転資金の需要増を示しています。投資活動によるキャッシュフローもマイナスで、事業譲受など成長に向けた投資を継続していることがわかります。
その結果、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローはマイナスとなっており、資金が流出している状況です。財務活動によるキャッシュフローは、短期借入金の純増加によりプラスに転じており、外部からの資金調達で資金を補っていることが示されています。このような資金の流れは、事業拡大のための投資が先行している状況であり、今後の収益化が雇用や給与の安定性に影響を与える可能性があります。
| 項目 | 2024年11月期(前期) | 2025年11月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △2.2億円 | △2.3億円 |
| 投資CF | △4.6億円 | △4.5億円 |
| 財務CF | △3.8億円 | 1.2億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △6.8億円 | △6.8億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、特定の取引先への依存リスクを抱えています。企業向けサービスの売上構成比率が高く、取引先の業績変化や方針変更により、システム利用量や業務処理量が減少した場合、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、生鮮青果物の流通量及び価格変動もリスク要因です。天候不順や自然災害による生産量減少、相場変動、為替相場の影響などにより、同社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、人材の確保と育成に関するリスクを認識しています。適切な人員の確保や育成が不十分な場合、事業拡大など会社の成長に影響を与える可能性があります。また、人材の外部流出により、人的戦力の低下やノウハウの流出といった影響が生じる可能性も指摘されています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
イーサポートリンクは、「全ては生産者と生活者のために」という経営理念を掲げ、食の流通を情報面から支えることで、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指している会社です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「全ては生産者と生活者のために」を経営理念に掲げ、食の流通情報を活用し、生産者の暮らしを支え、生活者の食生活に貢献する企業グループを目指しています。
中長期的には、システムと業務受託を通じて青果物流通に関わる全てのプレイヤーを支援し、圧倒的な優位性を持つオペレーション会社になることを目標としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、経営理念である「全ては生産者と生活者のために」のもと、食に携わる人が正しく評価され、生活を営む人が安全な食品を適正な価格で入手できるよう流通を支えることを重視しています。また、食の生産から消費までの流通を情報面で支えることを大切にしています。
2024年5月には「人材ポリシー」を策定し、社員の人権や価値観を尊重し、性別や国籍による不当な差別を行わないこと、全てのハラスメント行為を禁止することを旨としています。全ての従業員が働きやすい職場環境を整えることを目指しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、気候変動などの環境問題、労働力不足などの物流問題、少子高齢化などの人口構造の変化といった社会課題に直面する事業環境の変化に対応しています。
経営理念に基づき、食に関わる「生産」・「流通」・「消費」を持続的に支え、地域社会への貢献と持続可能な社会創りへの貢献ができる企業となることを目指しています。
そのために、3か年の中期経営計画では、次世代人材の育成や人材獲得による人的資本の拡充、営業体制の強化に取り組む方針です。環境変化への適応力を高め、地域社会の活性化や持続可能な社会の実現に向けた取り組みを通じて、社会課題の解決に貢献していくことを重点テーマとしています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
イーサポートリンクは監査役制度を採用しており、取締役会には社外取締役が選任されています。執行役員制度を導入し、経営の意思決定・監督機能と業務執行の分離を図っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
イーサポートリンクの株主構成を見ると、筆頭株主はファーマインドです。上位には複数の事業会社が名を連ねており、同社の事業活動を支える多様な企業からの出資が特徴となっています。特定の株主グループが経営に強い影響力を持つ傾向が見られます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| ファーマインド | 10.08% |
| FRACORA | 7.04% |
| フォーカスシステムズ | 2.31% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役会長兼CEOは堀内信介氏が務めています。社外取締役比率は0.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 堀内 信介 | 代表取締役会長 兼 CEO | 1977年3月トーカン入社、協和薬品取締役、ケーアイ・フレッシュアクセス取締役副社長を経て、2000年12月同社取締役就任。2004年2月代表取締役社長、2022年2月代表取締役会長兼CEOより現職。 |
| 相原 徹 | 代表取締役 社長執行役員 兼 COO | 1984年4月かながわ生活協同組合入職、協和薬品、ケーアイ・フレッシュアクセスを経て、2018年11月同社入社。2019年2月取締役兼専務執行役員、2022年2月取締役社長執行役員兼COO。2024年2月代表取締役社長執行役員兼COOより現職。 |
| 深津 弘行 | 取締役 副社長執行役員 経営戦略本部長 | 1993年10月協和薬品入社、ケーアイ・フレッシュアクセスを経て、2003年4月同社入社。業務統括部長、執行役員、取締役兼常務執行役員などを歴任し、2026年2月取締役副社長執行役員経営戦略本部長より現職。 |
| 細川 昌彦 | 取締役 | 1977年4月通商産業省入省。貿易管理部長、中部経済産業局長などを歴任。日本貿易振興機構ニューヨーク・センター所長、大学教授を経て、2019年2月同社取締役より現職。2025年12月内閣官房参与より現職。 |
| 豊島 正明 | 取締役 | 1974年3月ジャスコ(現イオン)入社。同社取締役、執行役、専務執行役などを歴任。イオンマーケット代表取締役会長、イオン顧問、ケーヨー取締役などを経て、2023年2月同社取締役より現職。 |
| 白石 真澄 | 取締役 | 1989年5月ニッセイ基礎研究所入社。東洋大学、関西大学で教授を務める。旭化成社外取締役、中日本高速道路社外監査役などを歴任し、2021年2月同社監査役。2025年2月同社取締役より現職。 |
社外取締役は、細川昌彦氏(内閣官房参与)、豊島正明氏(ノジマ顧問)、白石真澄氏(センコーグループホールディングス社外取締役)です。
同社は監査役会設置会社であり、社外監査役3名で構成される監査役会が設置されています。社外取締役3名も選任されており、客観的な立場から経営監視機能を果たしています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
イーサポートリンクの役員報酬は、固定報酬である基本報酬のみで構成されています。個々の取締役の職責や在任年数、他社水準、同社の業績、従業員給与の水準などを総合的に考慮して決定される方針です。業績連動報酬や非金銭報酬は導入されていません。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 88百万円 | 29.2百万円 |
| 社外役員 | 7名 | 44百万円 | 6.3百万円 |
同社の役員報酬等の総額は131百万円であり、支給対象となった役員の合計は10名です。
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。