【平均年収700万円】フィル・カンパニー 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年11月期)

【平均年収700万円】フィル・カンパニー 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年11月期)

フィル・カンパニーは、グループ各社とともに、駐車場上空や郊外の未活性空間を活用した空間ソリューション事業を展開しています。連結従業員数は126名で、直近の当連結会計年度は大幅な増収増益となりました。


目次

※本記事は、株式会社フィル・カンパニー の有価証券報告書(2025年11月期、2024年12月1日 ~ 2025年11月30日、2026年2月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


フィル・カンパニーグループは、「まちのスキマを、「創造」で満たす。」をパーパスに掲げ、空間ソリューション事業を展開しています。駐車場上空や郊外の未活性空間に空中店舗「フィル・パーク」やガレージ付賃貸住宅「プレミアムガレージハウス」を企画・提供し、街の活性化を推進しています。

単体従業員数は101名、連結従業員数は126名です。同社グループの事業セグメントは、空中店舗「フィル・パーク」等、空間ソリューション事業の単一セグメントとなっています。

主な国内グループ会社は、フィル・コンストラクション(建設業)、プレミアムガレージハウス(不動産業)、フィル事業承継・地域活性化プロジェクト(コンサルティング業)などです。

連結子会社であるフィル事業承継・地域活性化プロジェクトは、新規の投融資を停止し、既存の投融資の回収に注力しており、回収完了後に会社を清算する予定です。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


フィル・カンパニーは、空間ソリューション事業を展開する企業として、従業員の成長と働きがいを重視しています。同社は、社会課題の解決を目指す事業を通じて、個人の能力を最大限に引き出し、組織全体の活性化を図る環境づくりに取り組んでいます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


フィル・カンパニーでは、比較的若い年齢層の従業員が活躍しており、平均勤続年数から見ると、新しい人材が継続的に加わっている傾向がうかがえます。これは、事業拡大に伴う積極的な採用活動と、多様なキャリアを持つ人材の受け入れを推進していることによるものです。

項目 数値
平均年間給与 7,000,000円
平均勤続年数 2.4年
平均年齢 35.5歳
単体従業員数 101人
連結従業員数 126人
単体のグループ内比率 80.2%


なお、退職給付制度に関する記載はありません。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


フィル・カンパニーグループは、バリューとして定義する「創造力」「実行力」「引き出し力」「共感力」「チーム力」の「全てのチカラ」を重視し、特に「創造力」を価値創造の源泉と位置付けています。社会課題の解決を志す人材の採用と、創造できる人材の育成に注力し、会社と個人が一体となって価値を高め合う関係構築を目指しています。

人材の多様性の確保においては、多様なキャリアを持つプロフェッショナル人材と次世代を担う新卒の積極採用を進め、組織の活性化を図っています。また、人事評価制度を改定し、評価と報酬の連動性を高めることで、成果に対する報奨体系を明確化し、従業員のエンゲージメント向上に資する環境を整備しています。

人材育成では、自発的・自律的な人材開発を推進するため、キャリアアップの道筋を見える化し、社内ノウハウを動画コンテンツ化しています。マネジメント層向けの研修や若手社員のフォローアップ、上長との定期的な1on1を通じて、個人の成長を支援する仕組みを構築しています。社内環境整備としては、企業理念であるパーパス、ビジョン、バリューの浸透を推進し、全社的な一体感を醸成する取り組みを行っています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データは開示されていません。

グループ全体(連結)

指標 数値
女性管理職比率 30.8%
定着率 91.4%

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


フィル・カンパニーは、「まちのスキマを、「創造」で満たす。」をパーパスに掲げ、空間ソリューション事業を展開しています。土地オーナー、入居者、地域にとって三方良しとなる企画を提供し、街の活性化を推進しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、駐車場の上空や郊外の駅から離れた場所などの未活性空間に、空中店舗「フィル・パーク」やガレージ付賃貸住宅「プレミアムガレージハウス」を企画・提供しています。これにより、その場所の価値を最大化し、街の活性化に貢献しています。

収益モデルとしては、土地オーナー向けに土地活用方法を企画提案する「請負受注スキーム」と、不動産投資家向けに同社が土地を購入して開発から販売までを行う「開発販売スキーム」の二つの柱があります。空中店舗「フィル・パーク」では、企画・提案から設計・施工、テナントリーシングまでワンストップで高い付加価値を提供し、企画料を得るビジネスモデルです。プレミアムガレージハウスでは、多様なニーズに応える空間を提供し、独自の入居待ち登録システムを活用して入居者募集までを担うことで、土地オーナーに安定的な土地活用ソリューションを提供しています。

同社グループの事業は、空中店舗「フィル・パーク」等、空間ソリューション事業の単一セグメントで構成されています。海外での売上は発生しておらず、国内市場に特化しています。当連結会計年度においては、ウェストゲート合同会社への販売が総販売実績の14.8%を占めています。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高は、過去5年間で変動がありつつも、直近の当連結会計年度では大きく増加しました。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も、前期と比較して大幅な増益を達成しています。特に当連結会計年度は、「請負受注スキーム」における受注件数が過去最高を更新し、「開発販売スキーム」においても大型案件を含むプロジェクトの販売引渡が進んだことで、大幅な増収増益となりました。

項目 2021年11月期 2022年11月期 2023年11月期 2024年11月期 2025年11月期
売上高 54.3億円 43.8億円 59.6億円 71.8億円 82.3億円
経常利益 7.1億円 2.0億円 1.4億円 4.1億円 5.7億円
経常利益率 13.1% 4.6% 2.3% 5.7% 6.9%
親会社株主に帰属する当期純利益 4.1億円 1.4億円 38百万円 2.6億円 4.0億円
1株当たり当期純利益(円) 72.25 27.22 7.16 48.77 74.13

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期から減少しており、従業員1人あたりの営業利益も前期から減少しています。これは、当連結会計年度末の連結従業員数が前期末から1.5倍に増加したことによる影響が考えられます。事業拡大に伴う積極的な人材採用が進む中で、組織体制の強化と人材の早期戦力化が今後の生産性向上に寄与していく可能性があります。

指標 2024年11月期(前期) 2025年11月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 85.5百万円 65.3百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 5.0百万円 4.7百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


フィル・カンパニーグループは、事業活動と投資活動を通じて資金を積極的に活用しており、成長に向けた投資フェーズにあることがうかがえます。財務基盤と資金の流れから、同社グループの現在の状況を見ていきましょう。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


フィル・カンパニーの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の非製造業平均を上回っており、安定した経営基盤を示しています。ROEもプライム市場平均を上回る水準で推移しており、効率的な資本活用が行われていることがうかがえます。手元資金である現金及び預金も増加傾向にあり、事業運営の安定性につながる要素となっています。

指標 2024年11月期(前期) 2025年11月期(当期)
純資産 29.8億円 33.4億円
自己資本比率 39.5% 33.3%
ROE(自己資本利益率) 9.2% 12.7%
現金及び預金 48.2億円 50.4億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


フィル・カンパニーグループのキャッシュフローは、前期と当期で異なる動きを示しています。当連結会計年度の営業活動によるキャッシュフローは、棚卸資産の増加が主な要因となり、支出超過となりました。これは、将来の売上につながる開発販売スキームにおける販売用不動産等の増加を示唆しています。

投資活動によるキャッシュフローも、投資有価証券の取得などにより支出超過となっています。これらの状況から、同社グループが事業拡大に向けた積極的な投資を行っていることがうかがえます。

財務活動によるキャッシュフローは、長期借入れや短期借入金の増加により収入超過となっており、事業活動と投資活動で必要となる資金を調達している状況です。全体として、同社グループは成長のための投資フェーズにあり、将来の事業拡大に向けた基盤を構築している段階にあると言えます。

項目 2024年11月期(前期) 2025年11月期(当期)
営業CF 20.8億円 △4.4億円
投資CF 3.5億円 △8.6億円
財務CF 2.4億円 14.2億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 24.3億円 △13.0億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、案件1件当たりの売上高が全体に占める割合が高い状況にあります。そのため、案件規模の大小や販売時期の偏りにより、期間ごとの業績に大きな差異が生じる可能性があります。

また、空中店舗「フィル・パーク」事業においては、現時点では明確な競合他社はないものの、将来的に類似事業を展開する企業が現れ、競争が激化するリスクがあります。これにより、同社グループの優位性が保てなくなる可能性が指摘されています。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは成長段階にあり、今後の事業拡大に伴う人員の増強と内部管理体制の一層の充実を方針としています。しかし、必要な人員が確保できない場合や、内部管理体制の充実に適切かつ十分な対応ができない場合、事業展開や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


フィル・カンパニーは、未活性空間を「創造」で満たし、地域社会に貢献する空間ソリューション事業を展開しています。共存共栄を企業理念に掲げ、まちづくりをオーダーメイドで実現することを目指している会社です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、企業理念として「Phil=共存共栄」を掲げ、空間ソリューション事業を展開しています。土地オーナー、入居者、地域にとって三方良しとなる企画を提供しています。

パーパス(存在意義)は「まちのスキマを、『創造』で満たす」です。ビジョン(目指す姿)は「『まちづくり』をオーダーメイド」と定めています。

まちの中で活用されていない土地や活用が難しい土地を、地域のニーズをくみ取り活性化させることで、関わるすべての人々が幸せになれることを目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループのバリュー(価値観)は「『地域』と『お客様』のために全てのチカラを尽くす」です。この「全てのチカラ」は、「創造力」「実行力」「引き出し力」「共感力」「チーム力」の5つと具体的に定義されています。

特に「創造力」を発揮することがお客様への価値創出につながると重視しており、ビジネスの現場でも重要視されています。また、SPACE ON DEMAND(今の世の中の需要に合った空間づくり)をコンセプトに、ESG経営を推進し、持続可能な街づくりに取り組むことをサステナビリティ基本方針としています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、持続的な成長と企業価値向上に向けて、組織及び人材開発による事業基盤の強化を重要な課題と認識しています。従業員数の増加に伴い、多様な人材を早期に戦力化し、組織全体を最大限に機能させる体制の構築を進めています。

事業拡大に必要な機能から逆算した組織開発を推進するとともに、組織方針や目指すべき組織像に基づいた人事評価制度を新たに策定しました。今後は、パーパス・ビジョン・バリューを企業文化として定着させ、新制度を通じたキャリアマネジメント及びパフォーマンスマネジメントを強化する方針です。

また、デジタル技術を活用した事業プロセス改革により、組織全体の再現性と生産性の向上を図っています。ガバナンス体制の強化も重点テーマであり、取締役会の過半数を独立社外取締役で構成するなど、実効性の高いガバナンス体制を構築しています。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


フィル・カンパニーの取締役会は、監査等委員会設置会社として、取締役の職務執行の監査等を担う監査等委員を取締役会の構成員とすることで、監督機能を強化しています。社外取締役は独立した立場から、経営に対する助言や意見を述べる役割を担っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


フィル・カンパニーの株主構成を見ると、筆頭株主は個人株主であり、その後に信託銀行や合同会社が続きます。上位の株主には個人名が複数見られ、特定の個人やその関連会社が一定の株式を保有していることが特徴です。

株主名 持株比率
髙橋 伸彰 20.80%
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 12.42%
合同会社NOB 6.51%
ONGAESHIキャピタル投資事業有限責任組合1号 3.37%
日本郵政キャピタル 3.32%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役社長は外山晋吾氏が務めています。社外取締役比率は14.3%です。

氏名 役職 主な経歴
外山 晋吾 代表取締役社長 1995年10月監査法人トーマツ入所。2002年3月エディオン入社、2004年6月同社取締役就任。2008年10月リクルートホールディングス入社。2023年12月同社執行役員副社長就任。2025年2月同社代表取締役社長就任より現職。
髙橋 伸彰 取締役会長 2001年4月オリックス入社。2005年6月同社設立、同社取締役就任。2007年3月同社代表取締役社長就任。2023年12月同社代表取締役会長就任。2025年2月同社取締役会長就任より現職。
金子 麻理 取締役 1986年4月日本IBM入社。2014年1月同社入社、2014年2月同社常勤監査役就任。2023年2月同社代表取締役社長就任。2025年2月同社取締役就任より現職。


社外取締役は、柳澤大輔氏(カヤック代表取締役)、松本直人氏(ABAKAM代表取締役・監査等委員)、川中浩平氏(弁護士法人ユナイト法律会計事務所代表社員・監査等委員)、矢本浩教氏(清友監査法人代表社員・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、取締役の職務執行の監査等を担う監査等委員を取締役会の構成員とすることで、取締役会の監督機能を強化しています。社外取締役は独立した立場から、幅広い見識や豊富な経験に基づき、経営に対する助言や意見を述べる役割を担っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


フィル・カンパニーの役員報酬は、固定報酬である基本報酬、業績に連動する賞与(業績連動報酬)、そして業績連動型株式報酬の3つの要素で構成されています。この報酬体系は、同社グループの経営戦略や事業環境、職責、業績連動報酬における目標達成の難易度などを考慮し、中長期的な企業価値向上への貢献意欲を高めることを目的として設計されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 3名 49百万円 16.2百万円
社外取締役(監査等委員を除く) 1名 4百万円 3.6百万円


当事業年度において報酬の支給対象となった役員の総数は4名で、報酬等の総額は52.3百万円となっています。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。