【平均年収394万円】AHCグループ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年11月期)

【平均年収394万円】AHCグループ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年11月期)

AHCグループは、福祉、介護、外食の3つの事業をグループ各社とともに展開しています。直近期の業績は増収減益となりました。


目次

※本記事は、AHCグループ株式会社 の有価証券報告書(2025年11月期、2024年12月1日 ~ 2025年11月30日、2026年2月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


AHCグループは、福祉、介護、外食の3つの事業をグループ各社とともに展開しています。障害や難病を持つ方への療育支援や就労支援、高齢者向けのデイサービス、飲食店運営など多岐にわたるサービスを提供しています。

AHCグループの単体従業員数は287名、連結従業員数は489名です。セグメントは福祉事業、介護事業、外食事業、全社(共通)の4つです。

主な国内グループ会社は、当社、SLカンパニー、テラスワールド、RAISE、CONFELなどです。

AHCグループは、2024年5月に株式会社パパゲーノを完全子会社化し、就労継続支援B型事業所を取得しました。また、新規事業所の開設と既存事業所の効率化を進めています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


AHCグループは、福祉サービスを中核とする事業を展開しており、多様な人材が活躍できる社会の実現を目指しています。従業員の定着や育成に力を入れ、働きがいのある職場環境づくりに取り組んでいることがうかがえます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


AHCグループは、福祉事業を中心に、外食事業も展開しており、多様な職種の人材が在籍しています。平均勤続年数と平均年齢からは、比較的若年層から中堅層まで幅広い年齢層の従業員が活躍している様子がうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 3,936,000円
平均勤続年数 4.08年
平均年齢 39.6歳
単体従業員数 287人
連結従業員数 489人
単体のグループ内比率 58.7%


退職給付制度に関する記載はありません。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


AHCグループは「多様な価値観を認め合い、すべての人が自分らしく活躍できる社会を目指す」というVisionを掲げ、人的資本を重要な経営資源と位置付けています。このVision実現のため、人材の採用と育成に注力しています。

人材採用においては、専門性のある有資格者だけでなく、Visionに共感し活躍できる人物本位の人材を積極的に採用しています。社会の多様化にともない、年齢、性別、国籍等の属性を問わず、幅広い人材の採用に努めていることが特徴です。

人材教育では、人が人に対して行う福祉サービスを中核とする事業の特性上、従業員には入社後も新たな知識や経験の獲得、専門性の向上が求められています。そのため、入社時研修に加え、入社後も各事業・階層ごとの研修を通じて人材育成に取り組んでいます。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。管理職にはサービス管理責任者等を含む広義の管理職が含まれます。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 11.8%
男性労働者の育児休業取得率 0.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 81.6%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 82.5%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 102.1%

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

▼ 介護ジャパン㈱

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 28.6%
男性労働者の育児休業取得率 100.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 94.4%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 82.7%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 108.5%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


AHCグループは、福祉、介護、外食の3つの事業を主軸に展開しています。社会貢献性の高い福祉・介護サービスと、顧客満足度を追求した外食サービスを通じて、多様なニーズに応えるビジネスモデルを構築しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、福祉、介護、外食の3つの事業を展開し、それぞれの分野でサービスを提供しています。各事業は、社会的な需要に応えながら、安定的な収益基盤を築いています。

福祉事業

当事業では、放課後等デイサービス、児童発達支援、就労移行支援、就労継続支援B型、相談支援、共同生活援助(グループホーム)、生活介護といった多岐にわたるサービスを提供しています。知的障害や発達障害を持つ未就学児から高校生、就労を希望する障害や難病を持つ方、介護を必要とする障害を持つ方など、幅広い層を対象としています。
収益は、事業所を設置している都道府県の国民健康保険団体連合会およびサービス利用者からの対価が主な源泉です。前期と比較して売上高は増加しましたが、新規事業所の開設費用等の影響により営業利益は減少しました。

介護事業

当事業では、要介護認定者や要支援認定者を対象としたデイサービス事業所を運営しています。利用者の身体機能の維持・回復・改善を支援することに重点を置いています。
収益は、事業所を設置している都道府県の国民健康保険団体連合会およびサービス利用者からの対価が主な源泉です。前期と比較して売上高は減少しましたが、不採算部門の整理や既存事業所の運営効率化が進んだことで、営業損失は縮小しました。

外食事業

当事業では、東京都内を中心に飲食店の運営を行っています。「ねぎま三ぞう」を主業態とし、伝統的な和食と創作料理の融合をコンセプトにしています。また、ビストロ業態やレトロモダンな居酒屋など、新規業態の開発にも注力しています。
収益は、飲食店の運営による売上や、子会社のセンターネットワーク株式会社が運営するセントラルキッチンでの食料品の加工・販売から得ています。前期と比較して売上高、営業利益ともに増加しました。

セグメント 売上高(2024年11月期) 売上高(2025年11月期)
福祉事業 34.4億円 37.5億円
介護事業 16.4億円 15.6億円
外食事業 11.9億円 13.5億円


同社グループの売上高はすべて日本国内の顧客から得られており、海外からの売上高はありません。そのため、為替変動による影響は受けない事業構造となっています。また、福祉事業と介護事業においては、東京都国民健康保険団体連合会と千葉県国民健康保険団体連合会が主要な顧客であり、これらの団体からの収益が全体の売上高に占める割合は大きくなっています。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高は、過去5年間で継続的に増加傾向を示しています。一方で、経常利益は2022年11月期に損失を計上したものの、その後は黒字を維持しています。直近の当期は減少となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益も、2022年11月期に損失を計上しましたが、その後は黒字を維持しています。直近の当期は大幅な減少となりましたが、これは主に減損損失の計上額が増加したことによるものです。営業活動によるキャッシュ・フローはプラスを維持しており、本業での資金創出力は継続しています。

項目 2021年11月期 2022年11月期 2023年11月期 2024年11月期 2025年11月期
売上高 41.2億円 49.1億円 59.2億円 62.8億円 66.6億円
経常利益 39百万円 △2.0億円 71百万円 1.5億円 1.3億円
経常利益率 1.0% △4.1% 1.2% 2.5% 1.9%
親会社株主に帰属する当期純利益 1百万円 △2.5億円 68百万円 98百万円 1百万円
1株当たり当期純利益(円) 0.63 △121.82 32.35 47.01 0.49

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期から増加傾向にあります。これは、事業規模の拡大や既存事業所の稼働率向上などが影響していると考えられます。一方で、従業員1人あたり営業利益は前期から減少しています。これは、M&Aによるのれん償却費の増加などが主な要因として挙げられます。

指標 2024年11月期 2025年11月期
従業員1人あたり売上高(連結) 13.4百万円 13.6百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 0.3百万円 0.2百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


AHCグループは、本業で資金を生み出しつつ、将来に向けた積極的な投資を行っている状況です。これにより、財務基盤の強化と事業成長の両立を目指しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤を見ると、自己資本比率は前期から当期にかけてやや減少しており、プライム市場の非製造業平均と比較すると低い水準にあります。ROE(自己資本利益率)も前期から大幅に低下し、プライム市場平均を下回っています。一方で、現金及び預金は前期から微増しており、手元資金は確保されている状況です。これらの財務状況は、同社グループの事業の成長性や安定性を判断する上で重要な要素となります。

指標 2024年11月期(前期) 2025年11月期(当期)
純資産 12.0億円 11.8億円
自己資本比率 20.8% 19.4%
ROE(自己資本利益率) 8.3% 0.1%
現金及び預金 24.2億円 24.4億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


当期は営業活動によるキャッシュフローが1.9億円のプラスとなり、本業で資金を生み出している状況です。しかし、前期の4.4億円と比較すると減少しています。投資活動によるキャッシュフローは△3.9億円のマイナスで、有形固定資産の取得や子会社株式の取得など、積極的な投資を行っていることが示されています。

財務活動によるキャッシュフローは2.2億円のプラスであり、長期借入れによる資金調達が行われています。これらの結果、フリーキャッシュフローは当期に△2.0億円のマイナスとなっており、本業で得た資金を上回る投資を行っている成長投資フェーズにあることがうかがえます。このような資金の流れは、同社グループが将来の成長に向けた投資を優先していることを示しており、長期的な事業拡大への期待につながります。

項目 2024年11月期(前期) 2025年11月期(当期)
営業CF 4.4億円 1.9億円
投資CF △3.6億円 △3.9億円
財務CF 2.9億円 2.2億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 0.8億円 △2.0億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループが運営する福祉・介護事業は、法的規制や制度改定の影響を受けるリスクがあります。報酬の下方修正や事業所の指定取消・営業停止が発生した場合、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、各事業において市場環境の変化や競合の激化が進むリスクも挙げられています。特に介護事業では利用者獲得競争が激化する可能性があり、外食事業では市場環境の悪化が経営成績に影響を与える可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、人材の確保・育成に関するリスクを認識しています。就労人口の継続的な減少による採用環境の悪化や、人材育成計画の未達、想定以上の退職者発生が、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


AHCグループは、「人を想う」という共通理念のもと、社会福祉を中心とした事業活動を通じて、多様な人々が自分らしく活躍できる社会の実現を目指しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループの共通理念は『人を想う』です。この理念に基づき、障害者福祉事業所、高齢者介護事業所、飲食店舗の運営といった事業を展開しています。これらの事業を通じて、地域の顧客に安全・安心・信頼のサービスを継続的に提供し、より豊かな社会の実現を目指しています。

サステナビリティに関するVisionとして、「多様な価値観を認め合い、すべての人が自分らしく活躍できる社会を目指す」を掲げています。福祉事業においては、社会福祉に特化した人生の総合サポート企業を目指し、ワンストップサービス体制の強化を進めています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは「人を想う」という共通理念のもと、多様な価値観を認め合い、すべての人が自分らしく活躍できる社会の実現を目指しています。人的資本を重要な経営資源と捉え、Visionに共感し活躍できる人材を積極的に採用する方針です。採用活動では、専門性のある有資格者だけでなく、人物本位の採用を重視しています。

年齢・性別・国籍等の属性を問わず、幅広い人材の採用に努めています。サステナビリティに関するマテリアリティとして、「働きがいのある職場の提供」や「差別のない公平な社会の実現」などを特定し、課題解決に取り組んでいます。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、事業拡大・推進にあたり、いくつかの課題に重点的に取り組んでいます。「人材の確保と育成」では、慢性的な労働力不足に対応するため、採用手法の多様化や階層別研修、資格取得推進、評価制度等により個々の成長をフォローしています。ICT活用による業務負担の軽減や職場環境の改善を進め、働きがいのある職場づくりを通じて定着率の安定化を図っています。

「管理体制の強化」として、拠点数の拡大を踏まえ、本社を中心とした業務効率化やリスク管理のための内部管理体制を強化し、企業統治の機能化を目指しています。DX推進等による業務フローの改善に取り組み、ガバナンスの実効性向上と生産性向上を図っています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


AHCグループは監査役会設置会社であり、取締役会が経営の基本方針や重要な業務執行を決定し、監査役が独立した立場から取締役の職務を監査する体制を採っています。業務執行の迅速化を図るため、執行役員制度も導入されています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


AHCグループの筆頭株主はYHCで、同社代表取締役社長の荒木喜貴氏の資産管理会社です。第2位には荒木喜貴氏個人が名を連ねています。また、第5位のG2は同社取締役副社長の土山茂太氏の資産管理会社であり、創業家およびその関連会社が上位株主として経営を支えている資本構成となっています。

株主名 持株比率
YHC 27.62%
荒木 喜貴 22.06%
AHCグループ社員持株会 3.01%
村光 伸介 2.90%
G2 2.63%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は9名(男性9名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は荒木喜貴氏が務めています。社外取締役比率は16.7%です。

氏名 役職 主な経歴
荒木 喜貴 代表取締役社長 1998年4月ウシオ電機株式会社入社、2001年10月ワタミ株式会社入社、2007年5月介護ジャパン株式会社設立代表取締役、2010年1月同社設立代表取締役社長より現職。
土山 茂太 取締役副社長 1998年6月ワタミ株式会社入社、2007年5月介護ジャパン株式会社設立取締役、2010年1月同社設立取締役、2023年2月取締役副社長より現職。
吉元 幸次郎 取締役介護本部長 兼西日本福祉本部長 2001年8月ワタミ株式会社入社、2008年3月介護ジャパン株式会社取締役、2010年1月同社設立取締役、2017年12月取締役介護本部長、2022年12月取締役西日本福祉本部長より現職。
武藤 輝一 取締役経営管理本部長 1986年4月株式会社丸井入社、1999年8月ワタミ株式会社入社、2016年10月同社入社執行役員経営管理部長、2023年2月取締役経営管理本部長より現職。
濵田 友則 取締役東日本福祉本部長 2000年4月プラザ商事株式会社入社、2012年10月同社入社、2016年7月執行役員福祉本部長、2022年12月取締役東日本福祉本部長より現職。


社外取締役は、寺部達朗氏(Rights and Business Management Japan 代表取締役・報酬委員会委員長)、山口進氏(元三光マーケティングフーズ 常勤監査役・報酬委員会委員)、河野博紀氏(河野博紀税理士事務所代表)、村山輝紀氏(法律事務所 芝公園パートナーズ パートナー弁護士・報酬委員会委員)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役会が経営の基本方針や重要な業務執行を決定し、監査役が独立した立場から取締役の職務を監査する体制を採っています。社外取締役および社外監査役は、取締役会や監査役会を通じて、客観的かつ中立的な立場から経営の監督・監査機能を果たしています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の取締役の報酬は、固定報酬である基本報酬、業績連動報酬、および株式報酬によって構成されています。社外取締役に対しては、その職務に鑑み基本報酬のみが支払われます。業績連動報酬は、連結売上高や経常利益の目標達成度合いなどを総合的に勘案して決定されます。非金銭報酬としては、中長期的な企業価値向上へのインセンティブを目的とした譲渡制限付株式が支給されます。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 5名 1.0億円 20.6百万円
社外役員 4名 13百万円 3.4百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。