※本記事は、ASAHI EITOホールディングス株式会社 の有価証券報告書(2025年11月期、2024年12月1日 ~ 2025年11月30日、2026年2月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ASAHI EITOホールディングスは純粋持株会社であり、単体従業員数は0名、グループ連結従業員数は146名です。
同社グループは、衛生機器や洗面機器の製造・販売、建築仕上塗材の販売、太陽光発電・蓄電池システムの施工販売、施設管理、不動産販売などを手掛けています。住宅設備メーカーから「住まいと暮らし」創造企業グループへの転換を図り、事業多様化戦略を推進しています。連結子会社は9社です。
主な国内グループ会社は、アサヒ衛陶、山本窯業化工、アサヒノーブルガス、アサヒニノス、アサヒエレベーションなどです。
ASAHI EITOホールディングスは、2023年6月1日に商号変更と新設分割を行い持株会社体制へ移行しました。また、2025年11月4日には株式会社アサヒホームテクノが株式会社アサヒノーブルガスに商号変更しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ASAHI EITOホールディングスは純粋持株会社として、グループ全体の経営戦略と人材マネジメントを担っています。サステナビリティに関する基本方針は現在策定中ですが、中核人材の多様性確保を重視し、中長期的な人材育成と社内環境整備を検討しています。eラーニングを通じた従業員教育にも注力しており、情報セキュリティや個人情報保護に関する知識向上を図っています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社グループは純粋持株会社であり、提出会社単体では従業員がおりません。連結ベースでは146名の従業員が在籍しており、グループ全体で事業を展開しています。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 単体従業員数 | 0人 |
| 連結従業員数 | 146人 |
| 単体のグループ内比率 | 0.0% |
同社グループでは、確定給付型の制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度)を一部の連結子会社で導入しています。この制度は国内グループ会社を対象としており、中小企業退職金共済制度への加入も行っています。退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、年金資産は93百万円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、現状サステナビリティに係る基本方針を定めていませんが、人材の多様性確保を重要な経営課題と認識しています。特に中核人材の登用における多様性の確保を重視しており、その実現に向けた目標設定と、中長期的な人材育成方針および社内環境整備方針の作成・実施を今後検討していく方針です。
具体的な取り組みとしては、eラーニングを用いた情報セキュリティや個人情報保護に関する従業員教育を展開し、中長期的な視点での人材育成に努めています。人事制度や給与・報酬の決定方針に関する詳細な記載は、有価証券報告書では確認できません。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社及び連結子会社は、女性活躍推進法及び育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示データは記載されていません。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ASAHI EITOホールディングスは、住宅設備メーカーから「住まいと暮らし」を創造する企業グループへの転換を目指し、多角的な事業を展開しています。衛生機器や洗面機器の販売を基盤としつつ、太陽光発電や蓄電池システム、M&Aや不動産賃貸など、幅広い分野で収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、衛生機器や洗面機器の製造・販売を主軸とする「住まい事業」に加え、「暮らし事業」と「投資事業」を展開しています。これらの事業を通じて、より多くの人々に「住まいと暮らし」を提供できる企業体への転換を図っています。また、企業買収を通じた新たな事業展開も積極的に進めています。
住まい事業
住まい事業では、衛生陶器や洗面化粧台といった衛生機器・洗面機器の販売、および建築仕上塗材の販売を行っています。収益は、これらの製品販売から得ています。
暮らし事業
暮らし事業では、太陽光発電および蓄電池システムの施工販売、施設管理、不動産販売などを手掛けています。収益は、これらのサービス提供や販売活動から得ています。主要な顧客として、日本ライフサポート株式会社への販売実績があります。
投資事業
投資事業では、M&A(企業の合併・買収)活動と不動産賃貸を行っています。収益は、M&Aによる事業拡大や不動産賃貸収入から得ています。
同社グループの売上高は、本邦の外部顧客への販売が大部分を占めており、国内市場に重点を置いた事業展開となっています。
| セグメント | 売上高(2024年11月期) | 売上高(2025年11月期) |
|---|---|---|
| 住まい事業 | 25.0億円 | 26.7億円 |
| 暮らし事業 | 14.6億円 | 16.6億円 |
| 投資事業 | 6百万円 | 6百万円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、過去5年間で増加傾向にあります。特に直近の連結会計年度では、太陽光・蓄電池設備の催事営業の堅調な受注実績や、リフォーム・リノベーション事業の寄与により、前期と比較して売上高が増加しました。一方で、利益面では、原材料価格の高騰や円安による売上原価の上昇、事業拡大に伴う費用増加、新規事業立ち上げ費用などにより、経常損失および親会社株主に帰属する当期純損失が継続しています。しかし、営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失はいずれも前期から改善する傾向を示しています。
| 項目 | 2021年11月期 | 2022年11月期 | 2023年11月期 | 2024年11月期 | 2025年11月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 17.7億円 | 22.8億円 | 35.2億円 | 39.7億円 | 43.4億円 |
| 経常利益 | 7百万円 | △1.6億円 | △4.9億円 | △3.2億円 | △2.9億円 |
| 経常利益率 | 0.4% | △6.9% | △13.9% | △8.0% | △6.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △42百万円 | △1.6億円 | △6.2億円 | △3.7億円 | △3.4億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △13.54 | △49.46 | △153.76 | △74.55 | △57.39 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期と比較して増加しています。これは、連結従業員数が増加する中で、売上高がそれを上回る伸びを示したことによるものです。また、従業員1人あたりの営業利益は、前期と比較して改善しています。これは、連結従業員数が増加した一方で、営業損失が縮小したことによるものです。
| 指標 | 2024年11月期 | 2025年11月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 27.7百万円 | 29.7百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | △2.2百万円 | △1.9百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループは、事業多様化戦略を推進する中で、財務基盤の安定化に取り組んでいます。自己資本と手元資金の状況から、同社グループの現在の財務状態を確認できます。
同社グループの自己資本比率は前期から減少傾向にあり、プライム市場平均(製造業46.8%・非製造業24.2%)と比較すると、非製造業の平均に近い水準となっています。ROE(自己資本利益率)はマイナスで推移しており、収益性の改善が課題となっています。手元資金である現金及び預金は増加しており、一定の流動性を確保している状況です。
| 指標 | 2024年11月期(前期) | 2025年11月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 10.9億円 | 10.4億円 |
| 自己資本比率 | 37.0% | 35.2% |
| ROE(自己資本利益率) | △39.0% | △36.8% |
| 現金及び預金 | 4.6億円 | 5.3億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、営業活動による資金が減少しています。これは主に税金等調整前当期純損失の計上や売上債権の増加があった一方、販売用不動産や前渡金の減少、仕入債務や未払金の増加があったことによるものです。投資活動による資金も減少しており、有形固定資産の取得による支出や投資有価証券の取得による支出が主な要因となっています。財務活動による資金は増加しており、新株予約権の行使による株式の発行や長期借入れによる収入が主な要因です。フリーキャッシュフローはマイナスで推移しており、事業活動と投資活動を合わせた資金の流出が続いています。この状況は、将来的な成長を目指すための投資フェーズにあることを示しています。今後の収益改善と財務基盤の安定化が、雇用安定性や給与安定性につながる方向性を示しています。
| 項目 | 2024年11月期(前期) | 2025年11月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △1.7億円 | △1.0億円 |
| 投資CF | 18百万円 | △82百万円 |
| 財務CF | 2.3億円 | 2.0億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △1.5億円 | △1.8億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
同社グループは、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在すると記載しています。世界的な情勢不安や大幅な円安による原材料価格高騰の影響を受け、十分な収益力及び財務体質の改善に至っていない状況です。現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められるとされています。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、住宅関連業界における新設住宅着工戸数やリフォーム工事件数の増減、市場や同業他社との競合による価格競争の激化が業績に影響を及ぼす可能性があると認識しています。また、中国、韓国、台湾、タイ、ベトナムからの海外調達を行っており、これらの国々の政治情勢や政策、調達先の経営方針の変化が業績に影響を与える可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。なお、労働組合は結成されていませんが、労使関係は安定していると記載されています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ASAHI EITOホールディングスグループは、「住まいと暮らし」の提供を通じて社会に貢献することを目指し、事業の多様化を進めている会社です。どのような価値観や方向性を持って事業を展開しているのかを見ていきましょう。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ASAHI EITOホールディングスグループは、「より幅広く、より多くの方々に、より良い『住まいと暮らし』を提供すること」を経営方針としています。
また、経営戦略においては、「住宅設備メーカー企業から『住まいと暮らし』創造企業グループへ」を基本経営方針に掲げています。
住宅設備機器製造事業から派生する事業を多様化戦略により展開し、「住まいと暮らし」を提供できる企業体への転換を図っています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループでは、サステナビリティに係る基本方針は現状定めていません。
そのため、サステナビリティ関連のリスクや機会を監視・管理するガバナンス体制は、その他のコーポレート・ガバナンス体制と区別していません。
人材育成に関しては、中核人材の登用における多様性の確保を重要視しており、今後、目標設定や中長期的な育成方針、社内環境整備方針の作成・実施を検討していく方針です。
現状、具体的なサステナビリティに関する取り組みは言及されていませんが、eラーニング等を用いた情報セキュリティや個人情報保護を中心とした従業員教育を通じて、中長期的な人材育成に努めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
ASAHI EITOホールディングスグループは、世界的な情勢不安や大幅な円安による原材料価格高騰の影響を受け、収益力及び財務体質の改善を課題としています。
この課題に対し、同社グループは事業多様化戦略を積極的に推進し、グループ企業それぞれの強みを活かした事業シナジーの創出に重点を置いています。
その一環として、「ホールディングス事業開発グループ」や「催事営業グループ」を創設し、2024年10月からは「リフォーム・リノベーション事業」を開始しました。
また、販売及び生産拠点の集約など事業体制のスリム化を進めることで、収益改善を図っていく方針です。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ASAHI EITOホールディングスは持株会社体制を採用しており、監査等委員会設置会社としてコーポレート・ガバナンスの強化を図っています。社外取締役による客観的かつ中立的な経営監視・監督を重視する体制です。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ASAHI EITOホールディングスの株主構成を見ると、筆頭株主は海外法人のGLOBAL SEMICONDUCTOR SPECIAL GAS LIMITEDです。その他、複数の個人株主や証券会社が上位に名を連ねる構成となっています。特定の株主が経営に強い影響力を持つ可能性がある資本構成です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| GLOBAL SEMICONDUCTOR SPECIAL GAS LIMITED | 14.55% |
| 瀬戸口 正章 | 5.62% |
| 楽天証券共有口 | 3.18% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性8名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役会長兼社長グループCEOは星野和也氏が務めています。社外取締役比率は37.5%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 星野 和也 | 取締役会長兼社長グループCEO (代表取締役) | 2005年3月セブンスター貿易株式会社創業、2007年5月同社代表取締役。2021年11月同社代表取締役会長、2023年6月同社代表取締役会長兼社長グループCEOより現職。 |
| 上野 泰志 | 取締役 | 1992年7月同社入社。2011年7月VINA ASAHI Co.,Ltd.代表取締役。2024年2月同社取締役より現職。 |
| 成田 豊 | 取締役 | 2007年7月有限会社華越入社。2017年3月リベラルファイン株式会社代表取締役。2021年11月同社取締役より現職。 |
| 田中 威之 | 取締役 | 2004年4月株式会社長谷工コーポレーション入社。2013年6月株式会社快縁代表取締役。2022年2月同社取締役より現職。 |
| 紀 斌昆 | 取締役 | 1996年4月株式会社ヨーク輸入販売業務責任者。2005年5月北京優信馳技術有限公司執行役員。2025年2月同社取締役より現職。 |
社外取締役は、棟朝英美氏(棟朝英美税理士事務所代表・監査等委員)、味谷祐介氏(MAソリューション代表取締役・監査等委員)、花房裕志氏(弁護士法人レクシード代表社員・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、社外取締役3名が監査等委員を務めています。税理士、公認会計士、弁護士としての専門的知見を持つ社外取締役が、経営の監査・監督および有効な助言を通じてコーポレート・ガバナンスの強化に貢献しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ASAHI EITOホールディングスの役員報酬は、株主総会で決定された報酬総額の限度内で、代表取締役または監査等委員会の協議により決定されます。現時点では業績連動報酬等のインセンティブは実施されていませんが、今後検討する方針です。また、役員退職慰労金制度は廃止され、株式報酬型ストックオプションへ変更されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 6名 | 41百万円 | 6.9百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 8百万円 | 1.9百万円 |
なお、総額には期中に退任した役員の報酬が含まれます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。