【平均年収531万円】チタン工業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収531万円】チタン工業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

チタン工業は、酸化チタンや酸化鉄などの化学工業品の製造・販売を手がけ、グループ各社とともに幅広い産業に貢献しています。直近期は増収増益となりました。


目次

※本記事は、チタン工業株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


チタン工業は、酸化チタンや酸化鉄、およびこれらに付随する化学工業品の製造・販売を手掛けています。同社グループは、これらの素材を通じて幅広い産業に貢献する事業を展開しています。

単体従業員数は245名、連結従業員数は272名です。セグメントは酸化チタン関連事業、酸化鉄関連事業、その他の3つです。

主な国内グループ会社は、(連結子会社)TBM(チタン酸リチウムの製造及び販売)、(連結子会社)TKサービス(工場構内の物流・サービスの提供)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


チタン工業は、化学工業品の製造・販売を主軸とし、高機能材料の研究開発にも注力する企業です。同社グループでは、多様な人材の育成と経験豊富な社員からの技術継承を重視しており、安定した事業基盤の中で専門性を高めながら働く環境が期待できます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


チタン工業では、平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高めであることから、従業員が長期にわたって安定して働き続ける傾向が見られます。これは、培われた知識や技術が社内で着実に継承されていることを示唆しており、落ち着いた環境でキャリアを築きたい方に適した職場環境であると考えられます。

項目 数値
平均年間給与 5,310,000円
平均勤続年数 17.3年
平均年齢 44.2歳
単体従業員数 245人
連結従業員数 272人
単体のグループ内比率 90.1%


同社グループは、確定給付型の退職給付制度を導入しています。これは、給与や勤続年数に応じて将来の給付額が決まる制度です。

この制度は国内グループ会社に適用されています。退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


チタン工業グループは、「顧客本位」「効率経営」「社会貢献」の理念のもと、技術力や販売網などを支える「人材」を企業価値向上の源泉と位置づけています。少子高齢化が進む中で、多様な人材の採用と育成を重要な経営課題とし、経験豊富な高年齢者の知識・技能を次世代へ継承することで、新たな価値創出と技術継承の両立を図り、グループ全体の生産性向上を目指しています。

従業員の給与や処遇は、人材の確保と定着、モチベーション向上を重視して決定されています。市場競争力のある給与・賞与水準の維持・向上を目指し、継続的なベースアップも実施しています。また、実績が正当に評価されるよう人事評価制度の見直しを進め、評価結果を進級や賞与に反映させることで、従業員の意欲と生産性の向上を図っています。

人材育成においては、国籍、性別、職歴、年齢等に関わらず、社員一人ひとりが能力を発揮し、自ら成長できる環境づくりを推進しています。具体的には、資格取得支援や通信教育の機会提供、若手社員とベテラン社員の協働によるOJT、作業標準化、社内コミュニケーションの活性化といった施策を継続的に推進しています。社員が心身ともに健康で、働きがいと成長を両立できる職場環境の整備にも力を入れています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。集計対象には、当社から連結子会社への出向者が含まれています。パート労働者の賃金差異は、正規雇用労働者の週所定労働時間で換算した人員数を基に算出されています。

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 2.9%
男性労働者の育児休業取得率 37.5%
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 80.1%
労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) 84.4%
労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) 49.0%

人的資本に関する任意開示指標


これらの指標の実績には、連結子会社であるTKサービス株式会社の実績は含まれていません。女性の採用者には、パート労働者からの社員登用者1名が含まれています。

指標 数値
女性の採用割合 50.0%
年次有給休暇取得率の向上 98.0%
パート労働者の社員登用 1名

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


チタン工業グループは、酸化チタンと酸化鉄を主軸とした化学工業品の製造・販売を国内外で展開しています。これらの素材は、化粧品やブレーキパッド、トナーなど幅広い製品に利用されており、多岐にわたる産業を支えるビジネスモデルとなっています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、主に「酸化チタン関連事業」と「酸化鉄関連事業」の2つのセグメントで事業を展開しています。それぞれの事業が持つ特性を活かし、安定的な収益確保を目指しています。

酸化チタン関連事業

酸化チタン、超微粒子酸化チタン、チタン酸リチウムなどの製造および販売を行っています。化粧品向け製品の出荷増加や販売価格の値上げが収益に貢献しており、前期と比較して収益が増加しています。運営は、チタン工業が中心となり、子会社の株式会社TBMがチタン酸リチウムの製造および販売を担っています。

酸化鉄関連事業

酸化鉄などの製造および販売を行っています。ブレーキパッド向け製品の新規採用や化粧品向け製品の出荷が増加した一方で、トナー向け製品の出荷は減少しました。販売価格の値上げやコスト削減の実施により、前期と比較して収益は微減ながらも利益は増加しています。

その他の事業セグメント

副産物等の販売を行っています。

同社グループの収益は、日本国内が最大の市場ですが、アジア、北米、ヨーロッパなど海外にも展開しており、グローバルな顧客基盤を持っています。主要な顧客としては、森下産業、稲畑産業、東芝、岩瀬コスファなどが挙げられます。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
酸化チタン関連事業 46.1億円 49.8億円
酸化鉄関連事業 31.8億円 31.6億円
その他の事業セグメント 1百万円 1百万円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高は、直近5年間で増減を繰り返しながらも、当期は前期を上回る結果となりました。利益面では、過去に経常損失および親会社株主に帰属する当期純損失を計上した期があるものの、当期は増益を達成しています。

営業活動によるキャッシュ・フローは、過去にマイナスを計上した期もあるものの、直近は安定してプラスを維持しており、本業で着実に資金を生み出している状況がうかがえます。特に、当期は税金等調整前当期純利益や減価償却費、棚卸資産の減少などが資金増に寄与しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 81.5億円 80.7億円 79.5億円 77.9億円 81.4億円
経常利益 2.9億円 3.4億円 △6.7億円 1.1億円 2.4億円
経常利益率 3.5% 4.2% △8.4% 1.4% 3.0%
親会社株主に帰属する当期純利益 2.6億円 3.2億円 △16.8億円 2.0億円 2.0億円
1株当たり当期純利益(円) 88.14 109.05 △566.58 67.48 68.05

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は前期から増加しており、生産性が向上している傾向が見られます。また、従業員1人あたり営業利益も前期から増加しており、収益性の改善がうかがえます。これらの指標は、組織全体の効率的な運営と、従業員一人ひとりの貢献が収益に結びついていることを示しています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 27.1百万円 29.9百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 0.6百万円 1.1百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


チタン工業グループの財務状況は、安定した事業活動による資金創出と、将来に向けた投資のバランスが取れている状況となっています。本業で得た資金を元手に、着実に事業を成長させていることを示しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


チタン工業グループの財務基盤は、自己資本比率が前期から改善し、着実に強化されています。手元資金も増加傾向にあり、事業運営の安定性を示すものです。ROEはプライム市場平均と比較すると低い水準ですが、自己資本比率の改善は、今後の事業展開における安定性につながる要素です。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 56.5億円 58.6億円
自己資本比率 36.5% 38.5%
ROE(自己資本利益率) 4.0% 3.9%
現金及び預金 8.2億円 8.6億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


チタン工業グループのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を稼ぎ出している状況を示しています。当期の営業活動によるキャッシュフローは増加し、税金等調整前当期純利益や減価償却費、棚卸資産の減少、仕入債務の増加などが主な要因となっています。

投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出によりマイナスに転じました。これは、将来に向けた事業基盤の強化や設備投資を積極的に行っていることを示しています。

財務活動によるキャッシュフローは、長期借入金の返済による支出が主な要因でマイナスですが、前期に比べて減少幅は縮小しています。本業で得た資金を投資に回し、残りを返済に充てる堅実な資金の流れは、同社グループの持続的な成長と雇用安定性につながるものとなっています。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 8.2億円 10.2億円
投資CF 1.3億円 △2.7億円
財務CF △9.1億円 △7.1億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 9.5億円 7.5億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク


継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク


同社グループは、新規事業の育成や新規製品の事業化が計画通りに進まない場合、経営成績等に影響を与える可能性があります。また、製品の一部輸出や原燃料の一部輸入を行っているため、為替の急激な変動が生じた場合にも経営成績等に影響を与えるリスクがあります。

③ 人材・組織に関するリスク


同社グループは、ベテラン従業員の退職等により、人材の確保や育成、技術伝承が計画通りに進まない場合、経営成績等に影響を与える可能性があると認識しています。計画的な新卒採用や中途採用、人材育成を通じてリスク回避に努めています。

④ 雇用安定性・リストラ


解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


チタン工業は、「顧客本位」「効率経営」「社会貢献」を企業理念に掲げ、事業活動を通じて社会に貢献し、必要とされる存在となることを目指しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


チタン工業グループの企業理念は「顧客本位」「効率経営」「社会貢献」です。常に顧客を第一に考え、高い信頼を得ることを重視しています。最高品質の製品提供と原価低減による適正利潤確保のバランスを取りながら、効率的な事業活動を通じて社会に貢献することを目指しています。中長期的な目標として、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を追求しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、企業理念と現状を踏まえ、「変革」「信頼」「迅速」を行動指針として事業活動を進めています。サステナビリティ基本方針では、企業と社会がともに繁栄する未来志向の経営を追求し、中長期的な企業価値の向上と持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。人材育成においては、国籍、性別、職歴、年齢等に関わらず、社員一人一人が能力を生かし、自ら成長できる環境づくりを推進しています。社員が心身ともに健康で、個々の能力を最大限発揮できる職場環境を整備し、働きがいと成長の両立を支援するカルチャーを大切にしています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、第7次中期経営計画の基本方針として、「リスク耐性の強化」と「持続可能な社会への貢献」を掲げています。具体的には、成長戦略の実現と経営資源の効率化、リスク耐性の強化への取り組みを継続しています。社会とともに繁栄する持続可能な社会の実現を追求することで、同社グループの企業価値の向上を推進しています。サステナビリティに関する重要課題として、気候変動などの地球環境問題への配慮、自然災害等への危機管理、従業員の健康・労働環境への配慮や公正・適切な処遇、人的資本への投資、知的財産への投資を挙げています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


チタン工業は、取締役会と監査等委員会を設置し、透明性の高い経営体制を構築しています。また、指名委員会および報酬委員会を任意の諮問機関として設置し、ガバナンスの強化を図っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


チタン工業の筆頭株主は事業会社の東芝であり、稲畑産業や山口銀行といった事業会社や金融機関が上位株主として名を連ねています。特定の株主が過半数を占める状況ではなく、多様な株主によって支えられている資本構成となっています。

株主名 持株比率
東芝 6.72%
稲畑産業 4.96%
山口銀行 4.31%
山田事務所 3.23%
小西安 3.14%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長執行役員は井上保雄氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。

氏名 役職 主な経歴
井上 保雄 代表取締役 社長執行役員 1984年4月 同社入社、2019年6月 同社代表取締役社長執行役員より現職。
長岡 佳孝 取締役 専務執行役員 (販売管掌) 兼 販売部長 1984年4月 同社入社、2019年6月 同社取締役専務執行役員(販売管掌)兼 販売部長より現職。
長岡 茂 取締役 専務執行役員 (技術管掌) 1985年4月 同社入社、2019年6月 同社取締役専務執行役員(技術管掌)より現職。
千々松 義人 取締役 常務執行役員 (経営企画・経理財務・購買物流管掌) 兼 経営企画部長 1988年4月 同社入社、2024年6月 同社取締役常務執行役員(経営企画・経理財務・購買物流管掌)兼 経営企画部長より現職。
西田 敦 取締役 常務執行役員 (総務・環境安全管掌) 兼 総務部長、内部監査室長 1991年4月 同社入社、2019年6月 同社取締役常務執行役員(総務・環境安全管掌)兼 総務部長、内部監査室長より現職。


社外取締役は、佐藤久典氏(宇部・山陽小野田総合法律事務所弁護士・監査等委員)、松野文子氏(野村義夫税理士事務所所属税理士・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役が取締役会において議決権を有することで、経営から独立した客観的な立場から経営の監視監督を行う体制を構築しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、固定報酬としての月額報酬と業績報酬、そして非金銭報酬としての株式報酬(譲渡制限付株式)によって構成されています。これは、持続的な成長と中長期的な企業価値向上へのインセンティブとして機能するよう設計されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 5名 1.2億円 24.0百万円
監査等委員(社外除く) 1名 10百万円 10.0百万円
社外役員 3名 9百万円 3.0百万円


なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。また、総額には期中に退任した役員の報酬が含まれます。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。