※本記事は、日本カーバイド工業株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
日本カーバイド工業は、ファインケミカル、医薬品原薬、電子・機能製品、フィルム・シート製品、建材関連、エンジニアリングの多岐にわたる事業を展開しています。同社グループは、これらを通じて社会の様々なニーズに応えています。
単体従業員数は533名、連結従業員数は3,400名です。セグメントは電子・機能製品、フィルム・シート製品、建材関連、エンジニアリング、全社(共通)の5つです。
主な国内グループ会社は、ビニフレーム工業(建材関連)、三和ケミカル(電子・機能・製品)、ダイヤモンドエンジニアリング(エンジニア・リング)、USK-Human(全社(共通))などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
日本カーバイド工業は、化学製品を基盤とする事業を展開しており、従業員の専門性と長期的なキャリア形成を重視する傾向が見られます。多様な事業領域を持つ同社グループでは、人材育成と働きやすい環境づくりに注力していることがうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高めであることから、従業員が長期にわたってキャリアを築いている傾向が見られます。これは、安定した環境で専門性を深めたいと考える方にとって、参考となる情報です。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,389,000円 |
| 平均勤続年数 | 17.1年 |
| 平均年齢 | 44.2歳 |
| 単体従業員数 | 533人 |
| 連結従業員数 | 3,400人 |
| 単体のグループ内比率 | 15.7% |
同社グループは、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の両方の退職給付制度を採用しています。同社および国内連結子会社において、確定給付制度または退職一時金制度が設けられています。一部の国内連結子会社は中小企業退職金共済制度を、一部の在外連結子会社は確定給付制度または確定拠出制度を設けています。
退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。確定給付制度における退職給付債務は56.4億円、年金資産は24.3億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
日本カーバイド工業は、人材を全ての事業活動の基盤と位置づけ、多様な人材の確保と育成に注力しています。中期経営計画では「従業員のやりがいと満足度向上」をマテリアリティの一つに掲げ、経営戦略と連動した人材戦略を推進しています。
給与・給付制度については、外部環境と社内状況を踏まえた公正で透明性のある運用を行い、物価動向や労働市場の変化に応じた適正な賃金改定を目指しています。また、従業員持株会制度を通じて、企業価値向上への主体的な関与を促しています。
同社グループは、事業リーダーやグローバルリーダーの計画的な育成、優秀な人材の確保と確実な育成、新たな取り組みに挑戦する組織風土の醸成、そして従業員が能力を発揮できる働きやすい職場環境の整備を重点テーマとしています。具体的には、次世代経営者育成プログラムやグローバル人材育成制度、若手社員育成制度を通じて、計画的な人材育成を行っています。
多様な人材の確保のため、キャリア採用の強化やジョブ・リターン制度の運用を進めています。また、DE&I推進チームによる多様性確保の取り組み、育児・介護休業制度の運用、高齢者雇用制度の整備、チャレンジを重視した人事制度、社内公募制度や自己申告制度の導入により、従業員のキャリア形成と働きがいを支援しています。
働きやすい職場環境の整備として、エンゲージメント調査や職場改善活動を定期的に実施し、フレックスタイム制度や在宅勤務制度を導入しています。さらに、安全文化の構築や機械安全活動、健康経営への取り組みを通じて、安心・安全で健康的に働ける環境づくりを進めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データは、出向受入者を含み、出向者を除いた就業人員により集計されています。男女賃金差異は、等級別人員構成や担当職務内容の差により生じています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 5.8% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 79.2% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 66.8% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 69.8% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 29.8% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ ビニフレーム工業
各社の法定開示データは、出向受入者を含み、出向者を除いた就業人員により集計されています。男女賃金差異は、等級別人員構成や担当職務内容の差により生じています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 1.8% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 75.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 78.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 78.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 64.0% |
▼ ダイヤモンドエンジニアリング
各社の法定開示データは、出向受入者を含み、出向者を除いた就業人員により集計されています。男女賃金差異は、等級別人員構成や担当職務内容の差により生じています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 9.4% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 50.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 79.1% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 80.3% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 75.1% |
多様性の確保
本データは2025年12月末時点の数値です。一部指標は当社を含む国内グループを対象としています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 国内グループの社員に占める女性比率 | 19.0% |
| 国内グループの管理職に占める女性比率 | 6.6% |
| 当社の女性比率 | 16.0% |
| 当社の管理職に占める女性比率 | 5.7% |
| 当社グループの管理職に占める日本人以外の外国人比率 | 34.0% |
| 国内グループの管理職に占める中途採用者の比率 | 33.0% |
| 当社の管理職に占める中途採用者の比率 | 34.0% |
育児・介護支援
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 当社を含む国内グループの女性育児休業取得率 | 100.0% |
| 当社を含む国内グループの男性育児休業取得率 | 76.0% |
| 当社の女性育児休業取得率 | 100.0% |
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 2023年新卒入社3年後在籍率(大学院卒・大学卒) | 80.0% |
| 2022年新卒入社3年後在籍率(大学院卒・大学卒) | 69.0% |
| 2021年新卒入社3年後在籍率(大学院卒・大学卒) | 88.0% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
日本カーバイド工業は、ファインケミカルから建材、エンジニアリングまで多岐にわたる事業を展開し、グローバルに製品とサービスを提供しています。同社グループは、化学技術を基盤に幅広い産業分野で事業を構築しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
日本カーバイド工業グループは、ファインケミカル製品、医薬品原薬、医農薬中間体、粘・接着剤、半導体用金型クリーニング材、セラミック基板の製造販売を主体とした電子・機能製品、フィルム、ステッカー、再帰反射シートの製造販売のフィルム・シート製品、住設用樹脂押出成形品・戸建住宅用アルミ建材、マンション向け高強度高機能アルミ手すりの製造販売を主体とした建材関連、そして鉄鋼・化学・電力・環境分野の産業プラントの設計・施工・設備、カーボンニュートラルトランジション設備を主体としたエンジニアリングの4つの事業を展開しています。
同社グループの収益は、これらの多様な製品とサービスから得られています。特に、医薬品や農薬向け製品、自動車向けエンブレム、高強度高機能手すり、産業プラントのEPC事業などが収益源となっています。当連結会計年度においては、世界経済の緩やかな成長の中で、地政学的リスクや関税措置の影響を受けつつも、各事業がそれぞれ異なる動きを見せました。
電子・機能製品
ファインケミカル製品、医薬品原薬、医農薬中間体などの機能化学品、粘・接着剤などの機能樹脂、半導体用金型クリーニング材やセラミック基板などの電子素材を製造販売しています。
収益は、機能化学品における医薬品・農薬向け製品や半導体向け製品の出荷増、電子素材の需要増から得ています。運営は、日本カーバイド工業、ELECTRO CERAMICS (THAILAND) CO.,LTD.、三和ケミカルが行っています。
フィルム・シート製品
フィルム、ステッカー、再帰反射シートなどを製造販売しています。
収益は、レーザーマーキングラベルの出荷増、自動車向け3Dエンブレムや二輪車関連製品の出荷増、ナンバープレート向け製品の出荷増から得ています。運営は、日本カーバイド工業、NIPPON CARBIDE INDIA PVT.LTD.、PT NIPPON CARBIDE INDUSTRIES INDONESIA、NIPPON CARBIDE INDUSTRIES(THAILAND)CO.,LTD.、NCI (VIETNAM) CO.,LTD.、NIPPON CARBIDE INDUSTRIA DO BRASIL LTDA.、恩希愛(杭州)薄膜有限公司が行っています。
建材関連
住設用樹脂押出成形品や戸建住宅用アルミ手すり、マンション向け高強度高機能アルミ手すりなどのアルミ建材を製造販売しています。
収益は、高強度高機能手すりの売上増加から得ています。運営は、ビニフレーム工業が行っています。
エンジニアリング
鉄鋼・化学・電力・環境分野の産業プラントの設計・施工・設備やカーボンニュートラルトランジション設備などを手掛けています。
収益は、EPC事業の拡大から得ています。運営は、ダイヤモンドエンジニアリングが行っています。
同社グループの売上高は、日本、アジア、その他の地域から構成されています。アジア地域への売上高には、中国への売上高が含まれています。特定の顧客への売上高が連結売上高の10%以上を占める相手先はありません。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| フィルム・シート製品 | 210億円 | 224億円 |
| 電子・機能製品 | 174億円 | 168億円 |
| 建材関連 | 69.9億円 | 71.0億円 |
| エンジニアリング | 34.2億円 | 36.4億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績は、売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに変動が見られます。直近の当連結会計年度では、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも前期から増加しています。特に経常利益は円安に伴う為替差益の増加などにより、前期から大きく伸びています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 470億円 | 440億円 | 432億円 | 487億円 | 499億円 |
| 経常利益 | 40.5億円 | 19.0億円 | 15.7億円 | 37.6億円 | 45.8億円 |
| 経常利益率 | 8.6% | 4.3% | 3.6% | 7.7% | 9.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 19.3億円 | 3.3億円 | 10.0億円 | 22.1億円 | 26.1億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 211.49 | 35.37 | 106.42 | 237.50 | 279.72 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの生産性指標を見ると、従業員1人あたり売上高は前期から横ばいとなっています。一方で、従業員1人あたり営業利益は前期から増加しており、収益性の改善が見られます。これは、組織全体の効率化や事業構造の最適化が進んでいることを示唆しています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 14.7百万円 | 14.7百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 1.1百万円 | 1.2百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、本業で安定した資金を生み出し、事業活動と投資活動を通じて自由に使える資金を確保しています。これにより、強固な財務基盤を維持している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の製造業平均を上回る水準で推移しており、安定した状態を示しています。純資産は増加傾向にあり、手元資金である現金及び預金も潤沢に確保されています。ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回っていますが、強固な自己資本と手元資金は、事業の安定性や将来の成長に向けた投資余力につながる要素です。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 379億円 | 409億円 |
| 自己資本比率 | 56.4% | 61.3% |
| ROE(自己資本利益率) | 6.5% | 7.0% |
| 現金及び預金 | 145億円 | 156億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、税金等調整前当期純利益の増加や売上債権の減少などにより、前期から増加しプラスを維持しています。これは、事業活動を通じて安定的に資金を生み出していることを示しています。投資活動によるキャッシュフローは、投資有価証券の取得による支出の増加などにより、前期よりも支出が増加しマイナスとなっています。財務活動によるキャッシュフローは、借入金の返済による支出の増加などにより、前期から支出が増加しマイナスです。
営業活動によるキャッシュフローから投資活動によるキャッシュフローを差し引いたフリーキャッシュフローは、前期から増加しプラスを維持しており、本業で得た資金が投資を上回っている状況です。これは、事業の成長に必要な投資を行いながらも、手元に余剰資金を確保できていることを意味します。これらのキャッシュフローの状況は、同社グループが安定した事業運営と将来への投資を両立しており、雇用や給与の安定性にもつながる財務状況にあることを示しています。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 41.1億円 | 55.7億円 |
| 投資CF | △12.1億円 | △13.1億円 |
| 財務CF | △25.4億円 | △37.0億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 28.9億円 | 42.5億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、注力領域である「エレクトロニクス」や「セーフティ」市場において、販売数量の減少や価格の下落が経営成績に影響を与える可能性があると認識しています。また、ナフサ価格やアルミ地金価格の変動など、原材料価格の変動をタイムリーに製品価格へ転嫁できない場合、経営成績に影響を及ぼすリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、更なる成長へ向けた企業基盤確立のために、優秀な人材の確保が不可欠であると認識しています。生産年齢人口が減少する中で、必要な人材を確保できない場合には、事業展開や業績に影響を与える可能性があるとしています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
日本カーバイド工業は、技術力で社会に貢献することをミッションとし、独自の価値を創造する企業グループを目指しています。誠実さや創造性を重視する文化が根付いています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
日本カーバイド工業グループは、「技術力で価値を創造し、より豊かな社会の発展に貢献する。」ことをミッションとしています。この精神を基盤に、「キラリと光る、価値ある企業グループ」となることをビジョンとして掲げています。
さらに、2030年のありたい姿として「サステナブルな社会に貢献する、キラリと光る企業グループ」の実現を目指しています。同社グループは、One & Onlyの製品と技術で持続的な成長を実現するステージへの移行を進めています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
日本カーバイド工業グループは、ビジョン実現のために「私たちが大切にする価値観」として、「誠実であること(Sincerity)」「奉仕すること(Service)」「協力すること(One-NCI)」「創造すること(Innovation)」を掲げています。
同社グループは、新たな取り組みに挑戦し、OneNCI(協力すること)でやり遂げる組織風土の醸成を目指しています。多様な人材が能力を発揮できる環境整備のため、DE&I推進チームが活動し、育児・介護休業制度や高齢者雇用制度も運用しています。
従業員一人ひとりがやりがいを感じ、活き活きと働くことを重視し、社内公募制度や自己申告制度を通じて、適材適所でチャレンジできる機会を提供しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
日本カーバイド工業グループは、持続的な成長を実現するため、研究開発の加速、SDGs経営の推進、DXの推進、コンプライアンスの遵守を重点テーマとしています。これらの取り組みは前中期経営計画から継続しており、一層の強化を図っています。
サステナブルな社会への貢献を目指し、SDGsを重要な目標と捉え、「社会、産業のデジタルインフラ整備」「健康な生活、安心安全な社会の実現」「カーボンニュートラルの実現」「地域社会との共存共栄」「従業員のやりがいと満足度向上」の5つのマテリアリティを設定しています。
人的資本においては、人材を事業活動の基盤と位置づけ、事業リーダーやグローバルリーダーの計画的な育成、優秀な人材確保と確実な人材育成、新たな挑戦を促す組織風土の醸成、働きやすい職場環境の整備に注力しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は監査役会設置会社として、独立性のある社外取締役を複数選任し、取締役会の監督機能の強化を図っています。また、取締役等の指名・報酬等に係る手続きの公正性・透明性・客観性を強化するため、取締役会の任意の諮問機関として指名・報酬委員会を設置しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の株主構成を見ると、筆頭株主は信託銀行であり、複数の機関投資家が上位に名を連ねています。特定の事業会社や創業家が過半数を占める形ではなく、幅広い投資家によって支えられている資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 11.99% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 4.21% |
| BNY GCM CLIENT ACCOUNT JPRD AC ISG (FE-AC) | 3.26% |
なお、野村アセットマネジメント及びその共同保有者は、2025年10月31日現在で株式を所有している旨が大量保有報告書に記載されています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は10名(男性7名・女性3名)で構成され、女性役員比率は30.0%です。代表取締役社長社長執行役員CEOは杉山孝久氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 杉山 孝久 | 代表取締役 取締役社長 社長執行役員 CEO | 1982年旭硝子(現AGC)入社。光部品事業部長、電子部材事業本部長、執行役員を経て、2020年同社顧問。2020年6月より代表取締役社長社長執行役員、2022年6月より現職。 |
| 井口 吉忠 | 代表取締役 副社長執行役員 社長付 | 1982年三菱銀行(現三菱UFJ銀行)入行。金融法人部長、三菱UFJリサーチ&コンサルティング常務執行役員を経て、2019年同社顧問。2019年6月より取締役常務執行役員、2024年4月より代表取締役副社長執行役員、2026年4月より現職。 |
| 長谷川 幸伸 | 取締役 常務執行役員 研究開発センター長 | 1985年同社入社。魚津・早月工場製造部長、機能樹脂事業部長、執行役員フィルム・シート事業本部長などを歴任。2018年6月より取締役執行役員、2026年4月より現職。 |
| 横田 祐一 | 取締役 常務執行役員 CFO 管理部門担当 安全・品質・環境管理部担当 | 1985年同社入社。電材事業部電材第二部長、電子部材事業部プリント基板ビジネスユニットリーダーなどを歴任。2018年4月より執行役員、2021年6月より取締役執行役員、2026年4月より現職。 |
社外取締役は、吉岡早月氏(弁護士法人小野総合法律事務所弁護士)、門向裕三氏(元日立Astemoシニアヴァイスプレジデント)です。
同社は監査役会設置会社であり、独立性のある社外取締役を複数選任することで取締役会の監督機能の強化を図っています。社外取締役は、その経験や知識、見識から経営全般について提言を行い、経営の監督機能を強化する役割を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の取締役の報酬は、固定報酬、業績連動報酬、株式報酬で構成されています。固定報酬が約65%、業績連動報酬が約25%、株式報酬が約10%を占める標準支給額ベースの体系です。社外取締役には業績連動報酬と株式報酬は支給されません。監査役の報酬は、株主総会で決議された年額の範囲内で、個々の職務と責任に基づき監査役の協議により決定されます。業績連動報酬の指標には、事業収益力とキャッシュ創出を重視し、営業利益額と営業キャッシュ・フローが用いられています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 1.4億円 | 34.2百万円 |
| 社外役員 | 7名 | 64百万円 | 9.1百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。個人別の報酬総額が1億円以上の役員は存在しないため、個別の開示はありません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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