【平均年収635万円】森下仁丹 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収635万円】森下仁丹 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

森下仁丹は、健康関連製品の製造販売と健康関連サービスの提供をグループ各社とともに展開しています。コンシューマー事業とソリューション事業が主軸です。直近の期では売上高と経常利益は減少しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は増加しました。


目次

※本記事は、森下仁丹株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


森下仁丹グループは、健康関連製品の製造販売と健康関連サービスの提供を展開しています。コンシューマー事業とソリューション事業を中心に、幅広い製品開発と販売を行っています。

単体従業員数は344名、連結従業員数は359名です。同社グループの事業セグメントは、コンシューマー事業、ソリューション事業、その他の3つです。

主な国内グループ会社は、MJ滋賀(医薬品・健康食品・製造業)などです。

コールセンターを含む顧客サービス業務は森下仁丹へ集約され、これに伴い株式会社森下仁丹ヘルスコミュニケーションズは事業活動を停止しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


森下仁丹は、ヘルスケア企業として人々の健康を支える事業を展開しており、従業員の働きがいや健康にも力を入れています。創業以来の「家族主義」の理念に基づき、多様な人材が長く活躍できる環境づくりを目指している点が特徴です。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、従業員の定着を重視し、長期的なキャリア形成を支援する傾向が見られます。平均勤続年数や平均年齢から、比較的安定した環境で働く従業員が多いことがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 6,349,000円
平均勤続年数 13.3年
平均年齢 42.1歳
単体従業員数 344人
連結従業員数 359人
単体のグループ内比率 95.8%


同社および連結子会社は、従業員の退職給付に充てるため、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)および確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の制度を採用しています。退職一時金制度があり、従業員の職能・勤続年数を基礎としたポイント計算に基づいた一時金が支給されます。当連結会計年度末における退職給付債務は6.6億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、持続的成長と競争優位性の確保のため、常に「挑戦」と「変革」を志向する人材の育成が不可欠であると認識しています。従業員一人ひとりの自律的なキャリア形成を支援し、多様な能力開発の機会を体系的に提供しています。また、経営戦略の進展に応じた最適な人員配置と次世代の育成を通じて、持続的な組織の活性化を推進しています。

従業員が働きがいを感じ、能力を最大限発揮できるウェルビーイングの実現と、健全な職場環境の整備を目指しています。多様性を尊重する組織風土の醸成とともに、個々のライフステージに応じた柔軟な働き方を支援する方針です。自律的な挑戦や変革への貢献、及びその成果を公正に評価し、処遇へと適切に反映する人事評価・報酬制度の運用に努めています。

具体的には、「森下“仁財”の活躍推進」を重要課題に位置付け、人財育成の基盤となるコミュニケーションの充実を図るため、人事担当者による定期的な個別面談を実施しています。新卒入社2年目までの従業員を対象とした各種研修やメンター・メンティー制度など、きめ細かなフォローアップ体制を構築しています。職務上必要とされるスキルトレーニングとして、階層別研修を体系的に行い、リーダーシップ開発を重視した360度調査や次世代リーダーを育成する社内研修「仁丹大学」などを展開しています。

社内環境整備としては、代表取締役社長を最高責任者とする健康経営推進体制を構築し、従業員及び家族の健康維持・増進に取り組んでいます。また、創業時からの「家族主義」の理念のもと、育児との両立を図るための時短勤務や在宅勤務、介護両立支援制度、独自の「失効年休制度」など、従業員のライフステージに応じた柔軟な働き方を支える各種制度の充実に注力しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。男性労働者の育児休業取得率は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。

指標 数値
女性管理職比率 20.8%
男女賃金差異(全労働者) 86.2%
男女賃金差異(正規雇用) 85.9%
男女賃金差異(パート・有期労働者) 93.5%

育児・介護支援


育児時短勤務制度の適用期間を、2025年4月より法定を上回る中学校就学の始期に達するまでとしています。

指標 数値
産休育休後の復職率 100%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


森下仁丹は、健康関連製品の製造販売と健康関連サービスの提供を主軸とする企業です。同社グループは、長年の素材研究と製剤技術を活かし、幅広い製品とサービスを展開しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、健康関連製品の開発、製造、販売を中核として事業を展開しています。特に、仁丹®から続く素材研究とシームレスカプセル製剤技術を強みとし、顧客の健康と豊かな生活をサポートする製品を提供しています。収益は主に、一般消費者向けの製品販売と、企業向けの機能性原料供給や受託製造から得ています。

コンシューマー事業

このセグメントでは、機能性原料とシームレスカプセル製剤技術を応用した幅広い製品を展開しています。国内での通信販売や小売業者・卸売業者への販売に加え、代理店を通じた海外展開も積極的に行っています。収益は、主力製品である「ビフィーナ」や「腸テク」シリーズなどの健康関連製品の販売から得ています。

ソリューション事業

このセグメントは、製品・サービスの高付加価値化や差別化を支援しています。機能性原料の供給、シームレスカプセルや錠剤を活用した商品設計から製造・充填・包装までを一貫して提供し、顧客の要望に応えています。収益は、機能性原料の販売や、ジェネリック医薬品、フレーバーカプセルなどのシームレスカプセル受託事業から得ています。

その他の事業セグメント

このセグメントは、報告セグメントに含まれない事業活動を行っています。

同社グループの売上高は、ソリューション事業がコンシューマー事業を上回る規模となっています。直近では、コンシューマー事業の売上高は前期からわずかに減少しましたが、インバウンド需要や海外での新製品が下支えしました。ソリューション事業も機能性原料販売の変動があったものの、シームレスカプセル受託事業が好調に推移し、売上高は前期と概ね横ばいでした。

海外売上高は全体の約2割を占めており、特にアジア地域での展開に注力しています。主要な顧客としては、日本フィルター工業株式会社への売上高が全体の約2割を占め、ソリューション事業に関連しています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
ソリューション事業 79.7億円 79.6億円
コンシューマー事業 47.9億円 47.2億円
その他の事業セグメント 7百万円 7百万円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの業績は、過去5年間で売上高は増加傾向にありましたが、直近の期ではわずかに減少しました。経常利益も同様に増加傾向を示していましたが、直近の期では減少に転じています。一方で、親会社株主に帰属する当期純利益は、直近の期で前期から増加しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 95.6億円 114億円 124億円 128億円 127億円
経常利益 3.4億円 6.2億円 8.2億円 8.7億円 7.7億円
経常利益率 3.6% 5.5% 6.6% 6.8% 6.1%
親会社株主に帰属する当期純利益 2.8億円 4.9億円 7.0億円 5.5億円 6.3億円
1株当たり当期純利益(円) 69.58 120.55 170.68 133.78 153.53

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期からわずかに減少しました。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から減少しています。これらの指標は、組織全体の効率性や収益創出能力の傾向を示しており、今後の事業展開における生産性向上の取り組みが注目されます。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 35.9百万円 35.3百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 2.3百万円 1.9百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは、本業で安定した資金を生み出しながらも、将来に向けた積極的な投資を継続している状況です。事業活動で得た資金を、主に有形固定資産の取得に充てていることがうかがえます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率が高水準で推移しており、安定した経営基盤を示しています。ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均と比較すると低い水準にありますが、着実に改善傾向にあります。手元資金は前期から減少しているものの、事業活動を支える一定の現金を確保している状況です。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 122億円 130億円
自己資本比率 67.9% 69.7%
ROE(自己資本利益率) 4.5% 5.0%
現金及び預金 19.4億円 18.3億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローは、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローがプラスで推移しています。これは、税金等調整前当期純利益や減価償却費、売上債権の減少などが主な要因となっています。一方で、投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出が大きく、マイナスとなっています。

この結果、フリーキャッシュフローはマイナスとなっており、本業で得た資金を上回る投資を行っている状況です。財務活動によるキャッシュフローは、短期借入金の純増額や配当金の支払額などにより、減少しています。同社グループは、将来の成長に向けた投資を積極的に行っている段階にあると言えます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 6.7億円 11.5億円
投資CF △7.0億円 △12.3億円
財務CF 8.8億円 △0.3億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △0.3億円 △0.8億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、異業種を含む大手企業の進出や様々な新興企業の業界参入など、健康関連製品市場における競争激化のリスクを認識しています。市場の要請に合った製品を開発できず、他社との差別化が不十分な場合には、業績に影響を与える可能性があります。

また、ソリューション事業では、国内外の大手メーカー等からの大口受託が多く、受託先の需要動向により受託高が大きく増減する傾向があります。同社グループはリスク分散のため、受託先の拡大やカプセル製剤技術の開発を推進しています。

③ 人材・組織に関するリスク

人材・組織に関するリスクの記載はありません。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


森下仁丹は、創業以来の「済世利民」の信念を受け継ぎ、人々の健康と豊かな社会の実現を目指している会社です。創業130周年を機に策定したパーパスを基盤に、社会課題の解決に貢献しながら企業価値の向上を図っています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、業祖 森下博が掲げた「済世利民」の信念を受け継ぎ、1893年の創業以来、人々の健康や豊かな社会の実現を目指しています。コンシューマー事業では「健康寿命の延伸」に貢献する製品・サービスをグローバルに提供しています。

一方、ソリューション事業では独自の製剤技術や素材研究を活かし、パートナー企業の課題解決に貢献する「ソリューションパートナー」を目指しています。創業130周年を機に「思いやりの心で、オモロい技術と製品で、一人に寄り添い、この星すべてに想いを巡らせ、次の健やかさと豊かさを、丹念に紡いでゆく」というパーパスを策定しました。

このパーパスのもと、「仁丹」から発展した「球体技術」や「素材研究」を基盤に、健やかで豊かな社会の実現と安定的かつ強固な収益基盤の構築を目指しています。コンシューマー事業とソリューション事業を両輪としてバランスよく成長させ、社会課題の解決に寄与しながら企業価値と存在感のさらなる向上を図る方針です。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


森下仁丹グループは、創業以来の「済世利民」の信念と、創業130周年で策定したパーパスを、あらゆる事業活動の根幹をなす価値観としています。全従業員が共有すべき価値観として、パーパスの理解と浸透に努めています。

同社は「森下“仁財”の活躍推進」を重要課題と位置付け、従業員のスキルアップ、モチベーション、エンゲージメントの向上を重視しています。年齢にかかわらず多様な人材が能力を発揮できる職場環境の構築を進めています。

創業時より「家族主義」の理念を掲げ、従業員を大切にする文化を築いてきました。健康経営を推進し、従業員とその家族の健康維持・増進を重要な経営課題として取り組んでいます。また、製品の品質保証に対する社会的要請の高まりを受け、「森下仁丹グループ品質方針」を策定し、安全・安心な製品の安定供給に注力しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


森下仁丹グループは、中長期的な企業価値向上に向け、2026年度を基盤強化と収益構造の再構築のための期間と位置付けています。研究開発機能の集約や生産体制の拡充を進め、競争優位性の高い製品開発と製品供給力の底上げを図る方針です。

「森下“仁財”の活躍推進」として、若手従業員への部門横断的なコミュニケーション活性化プログラムや、シニア層から30代まで拡大するキャリア研修を通じて、リスキリング支援と活躍機会の創出に取り組んでいます。

持続可能な成長に向けた環境配慮も重要なテーマです。「森下仁丹グループ環境方針」を策定し、ISO14001認証の継続やCO₂排出量削減目標の達成に向けた省エネルギー施策を推進しています。製品の品質向上についても「森下仁丹グループ品質方針」のもと、製造拠点における認証取得を進め、品質管理体制のさらなる強化に取り組んでいます。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


森下仁丹は監査等委員会設置会社であり、取締役会と監査等委員会が経営の意思決定と監督を担っています。社外取締役を多く招聘し、経営の透明性と公正性を高める体制を構築しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


森下仁丹の株主構成は、創業家に関連する企業や財団が上位を占める特徴があります。筆頭株主は森下泰山であり、同社グループの創業家との関係がうかがえます。公益財団法人森下仁丹奨学会も大株主の一つであり、学資の給付等の育英奨学事業を行っています。

株主名 持株比率
森下泰山 26.80%
ロート製薬 8.60%
公益財団法人森下仁丹奨学会 5.10%


公益財団法人森下仁丹奨学会は、学資の給付等の育英奨学事業を行っている財団であります。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


森下仁丹の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役社長は森下雄司氏が務めています。社外取締役比率は57.1%です。

氏名 役職 主な経歴
森下 雄司 代表取締役 社長 2007年1月 同社入社。2014年6月 同社取締役執行役員ヘルスケア事業本部長。2019年4月 同社代表取締役社長より現職。
吉田 秀章 取締役 1991年4月 三菱UFJ銀行入行。2021年5月 同社入社。2024年6月 同社取締役執行役員管理本部長より現職。


社外取締役は、末川久幸氏(元資生堂代表取締役執行役員社長・学校法人昭和女子大学理事・稲畑産業社外取締役)、河﨑保徳氏(ロート製薬取締役CHRO兼人財組織Mco・公益財団法人みちのく未来基金理事・ロートピア代表取締役社長)、大城広明氏(同社総務部主幹)、石原真弓氏(弁護士・モリト社外取締役・エイチ・ツー・オー リテイリング社外取締役(監査等委員)・ダイドーグループホールディングス社外監査役)、石黒訓氏(公認会計士・石黒公認会計士事務所開設・佐川急便社外監査役・大紀アルミニウム工業所社外監査役・ソフトウェア・サービス社外取締役)です。

同社は2018年6月28日より監査等委員会設置会社へ移行しています。社外取締役は取締役会において、独立した立場から経営の監視・監督を行い、意思決定の妥当性・適正性を確保するための助言及び提言を行っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


森下仁丹の役員報酬は、競争力のある水準を目指し、役員の役割と責任に比例することを原則としています。報酬構成は固定報酬を主とし、企業業績に連動する変動報酬を従たる要素としています。変動報酬には株式報酬も含まれており、中長期的な企業価値向上へのインセンティブを付与する設計となっています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 2名 67百万円 33.5百万円
監査等委員(社外除く) 1名 12百万円 12.0百万円
社外取締役 4名 18百万円 4.5百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。