【平均年収868万円】生化学工業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収868万円】生化学工業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

生化学工業は、医薬品とLALの研究開発から製造・販売までを手掛ける企業です。連結従業員数は1,142名で、海外7社の連結子会社を通じてグローバルに事業を展開しています。直近の売上高は減少しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は増加となりました。


目次

※本記事は、生化学工業株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月18日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


生化学工業は、医薬品及びLAL(エンドトキシン測定用試薬、グルカン測定体外診断用医薬品)の研究開発、製造・仕入、販売を手掛ける企業です。同社グループは、医薬品事業とLAL事業の2つの領域で事業を展開しています。

単体従業員数は694名、連結従業員数は1,142名です。セグメントは医薬品、LALの2つです。

生化学工業は、医薬品、医療機器及び医薬品原体等の研究開発、製造・仕入及び販売を、またLALの研究開発、仕入及び販売を本体で手掛けています。同社グループは、海外7社の連結子会社を通じてグローバルに事業を展開しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


生化学工業は、糖質科学を基盤とした医薬品等の研究開発・製造・販売を手掛ける企業です。同社グループでは、社員一人ひとりの成長を重視し、多様な人材が活躍できる環境づくりに注力しています。給与水準や働き方の特徴から、長期的なキャリア形成を支援する姿勢がうかがえます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、社員の定着を重視し、長期的なキャリア形成を支援する環境が整っている傾向が見られます。平均勤続年数や平均年齢から、安定して働き続けられる職場であることがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 8,675,482円
平均勤続年数 11.5年
平均年齢 40.2歳
単体従業員数 694人
連結従業員数 1,142人
単体のグループ内比率 60.8%


同社は、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を設けています。これらの制度は国内および一部の連結子会社に適用されています。

なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。連結ベースの退職給付債務は50.2億円、年金資産は79.9億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


生化学工業は、人材を最も重要な経営資本と位置付け、経営戦略と一体的に人材戦略を推進しています。個々の社員の自律的な成長意欲を基盤とし、会社がこれを支援する教育研修体系を整備しています。OJTによる実践的な能力開発とOffJTによる知識・視野の拡張を組み合わせ、階層・職務に応じた体系的な人材育成を実施しています。

給与については、賃金の世間水準を勘案しつつ、経営綱領および中長期経営計画の実現を支える人材マネジメントの基盤としています。具体的には、各従業員の職務・役割、能力、業績評価に基づく人事評価、および昇格考査の結果に基づき適切に決定されます。同社は「独創・公正・夢と情熱」の理念のもと、変化に迅速に対応し、自ら課題を設定し解決できる自律型人材の育成を重視しています。

また、グローバル環境への対応力、専門性の高度化、マネジメント力の強化を通じて、組織全体の競争力向上を図っています。社員エンゲージメントの向上や組織強化・人材育成により持続的な成長を実現するため、人事諸制度の見直しや処遇改善を継続的に行っています。多様性を念頭に置いた計画的な採用活動や、働き方改革、ワークライフバランスの向上施策も推進しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データであり、対象期間は2025年4月から2026年3月までです。算出は女性活躍推進法および育児介護休業法に基づいています。

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 16.7%
男性労働者の育児休業取得率 85.0%
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 73.0%
労働者の男女の賃金の額の差異(うち正社員) 81.7%
労働者の男女の賃金の額の差異(うち契約社員) 63.0%

任意開示指標


任意開示指標は提出会社単体の実績であり、海外連結子会社は含まれていません。

指標 数値
女性社員採用比率 24.3%
女性社員管理職比率 16.7%
キャリア社員採用比率 61.7%
キャリア研修の開催件数 17件

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


生化学工業は、医薬品とLAL(エンドトキシン測定用試薬など)の研究開発、製造、販売を手掛ける企業です。同社グループは、これらの事業を通じて社会に貢献しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


生化学工業グループは、医薬品事業とLAL事業の二つの柱で事業を展開しています。医薬品事業では、研究開発や製造に経営資源を集中し、販売は国内外の企業と提携するビジネスモデルを採用しています。LAL事業では、医薬品の品質管理に用いられる試薬や体外診断用医薬品を提供しています。

同社グループは北米やその他の地域にも売上高があり、海外事業を展開しています。そのため、為替変動が経営成績に影響を与えることがあります。主要な顧客として科研製薬株式会社とジンマー バイオメット ホールディングス インクが挙げられており、医薬品セグメントへの収益集中が見られます。

医薬品

生化学工業の医薬品事業は、医薬品、医療機器、医薬品原体等の研究開発、製造・仕入、販売を行っています。収益は、関節機能改善剤や眼科手術補助剤などの国内医薬品、米国や中国向けの海外医薬品、医薬品原体・医薬品受託製造、そしてロイヤリティーから得ています。運営は、生化学工業、ダルトン ケミカル ラボラトリーズ インク、セイカガク ノース アメリカ コーポレーションが行っています。

LAL

LAL事業では、エンドトキシン測定用試薬等の研究開発、製造・仕入、販売を行っています。収益は、医薬品の品質管理に使用されるエンドトキシン測定用試薬や、グルカン測定体外診断用医薬品の販売から得ています。運営は、生化学工業、アソシエーツ オブ ケープ コッド インク、アソシエーツ オブ ケープ コッド インターナショナル インクが行っています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
医薬品 275億円 245億円
LAL 119億円 122億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの直近5期間の業績を見ると、売上高は前期に減少したものの、その前の期までは増加傾向にありました。経常利益は変動が見られ、当期は前期から減少しています。親会社株主に帰属する当期純利益は、当期に前期から増加となりました。

当期は営業損失を計上していますが、これは主にロイヤリティーの大幅な減少や海外医薬品の減少、医薬品セグメントにおける減損損失の計上などが影響しています。営業活動によるキャッシュ・フローは当期に支出となりました。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 349億円 335億円 362億円 394億円 366億円
経常利益 54.0億円 30.7億円 16.9億円 19.3億円 16.8億円
経常利益率 15.5% 9.2% 4.7% 4.9% 4.6%
親会社株主に帰属する当期純利益 37.3億円 22.4億円 21.9億円 12.1億円 14.7億円
1株当たり当期純利益(円) 66.32 40.49 40.08 22.25 26.99

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は、当期に前期から減少しています。また、従業員1人あたりの営業利益は、当期に前期の利益から損失へと転じています。これは、当期の連結売上高が前期比で減少したことや、営業損失を計上したことが影響していると考えられます。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 36.6百万円 32.1百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 1.2百万円 △0.6百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


生化学工業グループは、本業の資金創出力が一時的に弱まり、積極的な投資活動を継続している状況です。手元資金を使いながら、将来に向けた成長投資を進めている段階にあることがうかがえます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、高い自己資本比率を維持しています。一方で、ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均と比較して低い水準にあります。手元資金は前期から減少しており、資金の流動性には注意が必要です。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 732億円 753億円
自己資本比率 87.3% 87.2%
ROE(自己資本利益率) 1.7% 2.0%
現金及び預金 151億円 89.4億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


当期における同社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは支出となりました。これは主に売上債権や棚卸資産の増加が要因となっています。投資活動によるキャッシュ・フローも支出となっており、有形固定資産の取得による支出が主な要因です。

その結果、フリーキャッシュ・フローはマイナスとなっています。財務活動によるキャッシュ・フローも支出であり、主に配当金の支払いが影響しています。これらの資金の流れから、同社グループは本業の資金創出力が一時的に弱まる中で、将来に向けた投資を継続している状況がうかがえます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 44.3億円 △13.5億円
投資CF △35.4億円 △35.1億円
財務CF △15.7億円 △16.8億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 8.9億円 △48.6億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、主力製品である医療用医薬品・医療機器の販売を特定の提携先に限定しています。状況の変化によりこれらの販売提携先との取引内容に変更があった場合、業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

また、当連結会計年度における海外売上高比率が61.7%であり、その取引通貨の多くが米ドル等の外貨で行われています。そのため、急激な為替相場の変動は業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

人材・組織に関するリスクの記載はありません。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


生化学工業は、「独創 公正 夢と情熱」を経営綱領のモットーに掲げ、糖質科学を基盤とした医薬品等の創製を通じて、世界の人々の健康と豊かな生活に貢献することを目指しています。高い倫理観と社会的責任を深く自覚し、持続的な企業価値向上に取り組む会社です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


生化学工業は、「独創 公正 夢と情熱」を経営綱領のモットーとしています。糖質科学の知見を活かした独創的な医薬品等を継続して創製し、患者の方々に提供することを通じて、世界の人々の健康で心豊かな生活に貢献することを基本方針としています。

同社グループは、医療を含む社会の持続的な発展に寄与するとともに、持続的成長及び中長期的な企業価値向上を目指しています。また、「学問尊重の理念のもとに、糖質科学を基盤として有用で安全な製品を創造し、広く世界に供給して人類の福祉に貢献する」ことを経営信条としています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


生化学工業は、生命関連企業としての社会的使命と責任を深く自覚し、高い企業倫理のもと、公正で誠実な関係構築を意識した行動を実践しています。同社の行動指針として「心と情報の通い合う、個性を活かす明るい社風の確立を推進する」ことを掲げています。

社員一人ひとりが能力を最大限発揮できる環境づくりを目的としたタウンホールミーティングを開催するなど、社員エンゲージメントの向上にも取り組んでいます。人材育成においては、経営綱領のモットーを理解・実践し、責任感を持って自己成長できる社員や、情熱と誇りを持って成果を生み出す「自律型社員」の育成を目指しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、社会の持続的発展と企業価値向上に向け、サステナビリティ推進をはじめとした社会的責任を果たすことの重要性が高まっていることを経営課題として認識しています。これに対応するため、6つのマテリアリティを特定し、医療関連事業の発展に加え、ESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みを強化しています。

具体的には、「多様な人材の活躍推進と育成」や「環境に配慮した企業活動の推進」などを重要課題としています。社員エンゲージメントの向上や組織強化・人材育成を経営の基盤となる重要な要素と捉え、持続的な成長を実現するための基盤強化・改善を図る方針です。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


生化学工業は、監査役会設置会社として、取締役会による業務執行の監督と監査役会による監査・監督を基本としたコーポレート・ガバナンス体制を構築しています。社外取締役を3分の1以上とすることで、独立した立場からの経営監督機能の向上を図っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


生化学工業の株主構成を見ると、筆頭株主は開生社、次いで新業が上位を占めています。両社は同じ住所に所在しており、同社の経営を支える主要な株主グループとなっています。

株主名 持株比率
開生社 18.53%
新業 14.36%
日本マスタートラスト信託銀行 7.53%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は10名(男性7名・女性3名)で構成され、女性役員比率は30.0%です。代表取締役社長は水谷建氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。

氏名 役職 主な経歴
水谷 建 代表取締役社長 1970年三菱化成工業(現三菱ケミカル)入社。1988年同社入社後、取締役、常務取締役を経て、2005年より代表取締役社長に就任し現職。
岡田 敏行 取締役 常務執行役員 信頼性保証部門管掌 1989年ダウ・コーニング ジャパン、1996年ジョンソン・エンド・ジョンソン メディカル(現ジョンソン・エンド・ジョンソン)を経て、2015年同社入社。2023年より取締役常務執行役員信頼性保証部門管掌に就任し現職。
船越 洋祐 取締役 上席執行役員 研究開発本部長 1990年小野薬品工業、2008年武田薬品工業を経て、2014年同社入社。2018年より取締役上席執行役員研究開発本部長に就任し現職。


社外取締役は、南木みお氏(南木・北沢法律事務所弁護士・ぐるなび社外取締役監査等委員)、杉浦康之氏(三菱商事顧問・センコーグループホールディングス社外取締役)です。

同社は監査役会設置会社であり、社外取締役2名全員を独立役員として選任しています。独立社外取締役は、客観的な立場から経営の監督と助言を行う役割を担っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


生化学工業の取締役報酬は、持続的な業績向上へのインセンティブを高めるため、基本報酬に加えて業績評価報酬、業績連動報酬、譲渡制限付株式報酬で構成されています。社外取締役および監査役については、業務執行から独立した監督の役割を考慮し、基本報酬のみが支給されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 3名 1.7億円 55.7百万円
社外取締役 2名 19百万円 9.5百万円
監査役(社外除く) 1名 24百万円 24.0百万円
社外監査役 4名 51百万円 12.8百万円


なお、取締役の支給額には使用人兼務取締役の使用人分給与は含まれていません。また、株式報酬は譲渡制限付株式報酬に係る金銭報酬債権の額です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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