※本記事は、第一三共株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月19日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は IFRS です。
1. 企業概要:どんな会社?
第一三共グループは、医薬品の研究開発、製造、販売を主な事業内容としています。国内外に45社で構成され、医療用医薬品から一般用医薬品、ワクチンまで幅広い製品を提供しています。
単体従業員数は8,009名、連結従業員数は20,171名です。同社グループの報告セグメントは医薬品事業の単一です。
第一三共は、2027年10月1日付で第一三共ビジネスアソシエを吸収合併する方針です。また、第一三共ヘルスケアの全株式をサントリーホールディングスに譲渡することを決定しており、2029年度中に完了予定です。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
第一三共は、グローバルな創薬企業として、革新的な医薬品の提供を通じて人々の健康に貢献しています。同社グループは、急速な事業成長を支える「人」を最重要資本と位置づけ、グローバル共通の人事制度や企業文化の醸成に力を入れています。専門性の高い人材の獲得・育成に注力し、多様な働き方を支援する環境づくりを進めていることが特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均年齢が高く、平均勤続年数も長めであることから、社員が長期にわたって安定して働き続ける傾向が見られます。これは、同社が社員のキャリア形成や働きがいを重視し、定着を促す環境を提供していることの表れと言えるでしょう。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 10,976,771円 |
| 平均勤続年数 | 19.9年 |
| 平均年齢 | 45.0歳 |
| 単体従業員数 | 8,009人 |
| 連結従業員数 | 20,171人 |
| 単体のグループ内比率 | 39.7% |
退職給付制度として、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の両制度を国内グループ会社に適用しています。なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「人」を最重要資本と位置づけ、経営戦略と連動した人的資本の拡充を進めています。個人の強み、強化領域への継続的な人材供給、人や組織のシナジー創出という三つの柱を掲げ、グローバル共通の「第一三共グループピープルフィロソフィー」に基づき、多様な社員が能力を最大限発揮できるインクルーシブな環境づくりに注力しています。
グローバル共通の人事制度として、評価、等級、報酬制度の構築・導入を進めています。新評価制度は成長・育成に主眼を置き、コーチングとフィードバックの対話を強化する仕組みです。等級制度は「役割と責任の大きさ」を軸にグローバル共通化され、国・地域を越えた人材の活躍や異動をスムーズにする環境を整備しています。報酬制度は、グローバル共通のリワードポリシーをベースに、各国法令や慣行、外部水準を考慮した公正かつ競争力のある設計で、職務価値や貢献度に応じたメリハリのある処遇と市場競争力の確保を両立する考え方です。国内では一部幹部社員を対象に自社株式を用いた長期インセンティブ制度も導入しています。
人材獲得では、競争優位の源泉であるサイエンス&テクノロジーの強化を念頭に、グローバル全体でキャリア人材や博士人材の獲得を強化しています。次世代経営層の育成を目的に「DS Academy」を創設し、次期経営幹部候補者向けのプログラムを実施しています。また、社員一人ひとりがグローバルな視野をもって行動するための企業文化「One DS Culture」の醸成や、国籍・人種・性別・年齢などの多様性を尊重するInclusion & Diversityの推進にも取り組んでいます。健康経営・ワークライフバランス推進においては、「健康宣言・安全宣言」の発信や「ワークライフサイクル(WLC)」の提唱を通じて、柔軟な働き方や育児・介護支援、キャリア形成支援など、社員がいきいきと働き続けられる環境整備に継続的に取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。管理職とは管轄組織の責任者として業績や人材の管理を行うマネジメント職を指します。男女賃金差異は男性の平均賃金に対する女性の平均賃金の割合を示し、出向者は出向元の従業員として集計しています。男女平均年間賃金の差異は、人事制度上の問題ではなく従業員の年齢構成や世帯状況などによる背景が影響しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性従業員の割合 | 15.3% |
| 従業員の男女の賃金の差異(全従業員) | 78.2% |
| 従業員の男女の賃金の差異(うち正規雇用従業員) | 76.8% |
| 従業員の男女の賃金の差異(うち非正規雇用従業員) | 81.8% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
男女平均年間賃金の差異は、人事制度上の問題ではなく従業員の年齢構成や世帯状況などによる背景が影響しています。具体的には、高年齢層ほど男性従業員比率が高く、その結果上位等級に占める男性比率が高くなる傾向にあること、及び女性従業員の各種諸手当の受給割合が概ね低いことが挙げられます。
▼ 第一三共ヘルスケア株式会社
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性従業員の割合 | 10.4% |
| 男性従業員の育児休業取得率 | 100.0% |
| 従業員の男女の賃金の差異(全従業員) | 75.0% |
| 従業員の男女の賃金の差異(うち正規雇用従業員) | 75.8% |
| 従業員の男女の賃金の差異(うち非正規雇用従業員) | 80.6% |
▼ 第一三共バイオテック株式会社
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性従業員の割合 | 15.2% |
| 男性従業員の育児休業取得率 | 108.3% |
| 従業員の男女の賃金の差異(全従業員) | 80.7% |
| 従業員の男女の賃金の差異(うち正規雇用従業員) | 79.4% |
| 従業員の男女の賃金の差異(うち非正規雇用従業員) | 82.3% |
▼ 第一三共ビジネスアソシエ株式会社
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性従業員の割合 | 10.7% |
| 男性従業員の育児休業取得率 | 100.0% |
| 従業員の男女の賃金の差異(全従業員) | 77.5% |
| 従業員の男女の賃金の差異(うち正規雇用従業員) | 74.0% |
| 従業員の男女の賃金の差異(うち非正規雇用従業員) | 81.3% |
グループ全体(連結)
算出基準は法定の算出方法と異なります。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性従業員の割合 | 38.1% |
人材育成・エンゲージメント
※女性上級幹部社員とは、部所長あるいはそれと同等以上の役職にある女性社員を指します。
| 指標 | 2022年度実績 | 2023年度実績 | 2024年度実績 | 2025年度実績 |
|---|---|---|---|---|
| 女性上級幹部社員※比率 | 19.2% | 18.7% | 24.2% | 26.9% |
| 企業風土・職場環境に関するエンゲージメントサーベイ肯定的回答率 | 77% | 79% | 76% | 77% |
| 育成・成長機会に関するエンゲージメントサーベイを通じた肯定的回答率 | 75% | 76% | 77% | 78% |
| 社員一人あたりの教育投資額 | 145,734円 | 166,906円 | 207,430円 | 226,536円 |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
第一三共グループは、医薬品の研究開発、製造、販売を主軸とする事業を展開しています。国内外に多数の子会社と関連会社を持ち、グローバルに事業を展開していることが特徴です。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
第一三共グループは、医薬品事業の単一セグメントで事業を展開しています。主な収益源は、医療用医薬品やヘルスケア品の製造販売です。顧客へ製商品を引き渡し、検収が完了した時点で収益を認識しています。
また、第三者への製品の研究開発、製造、販売、技術の使用許諾による技術料収入も収益モデルの一部です。これには契約一時金、マイルストーン収入、ランニング・ロイヤリティーなどが含まれ、ライセンス付与時やマイルストーン達成時、または一定期間にわたって収益を認識しています。
同社グループの事業は、国内と海外に大きく分けられます。国内では、第一三共が医薬品の研究開発・製造・販売を担い、第一三共ヘルスケアが一般用医薬品等の研究開発・販売、第一三共バイオテックがワクチンの研究開発・製造を行っています。第一三共ビジネスアソシエは、人事や経理等の事務サービス、不動産賃貸、保険代理業務など多岐にわたる業務を提供しています。ジャパンビジネスユニットの売上収益は、ダトロウェイ、タリージェ、リクシアナ、エンハーツ等の伸長により、前期から増加しています。第一三共ヘルスケアユニットの売上収益も、クリーンデンタル、ロキソニン等の伸長により、前期から増加しています。
海外では、米国において第一三共U.S.ホールディングスInc.、第一三共Inc.、アメリカン・リージェントInc.が医薬品の研究開発・製造・販売を、欧州では第一三共ヨーロッパGmbHとそのグループ会社が医薬品の研究開発・製造・販売を行っています。その他の地域では、第一三共(中国)投資有限公司、第一三共製薬(上海)有限公司、第一三共ブラジルLtda.等が医薬品の研究開発・製造・販売を担っています。オンコロジービジネスユニットの売上収益は、欧米におけるエンハーツ等の伸長及びダトロウェイの売上寄与により、前期から大きく増加しました。アメリカンリージェントユニットの売上収益は、ヴェノファー、インジェクタファー等の減収により、前期から減少しています。EUスペシャルティビジネスユニットの売上収益は、Nilemdo/Nustendi等の伸長により、前期から増加しています。ASCAビジネスユニットの売上収益は、中国、ブラジルにおけるエンハーツの伸長等により、前期から増加しています。
グローバル主力品である抗悪性腫瘍剤「エンハーツ」や抗凝固剤「エドキサバン」が、同社グループ全体の売上収益を牽引しています。特にエンハーツは、既上市国での市場浸透と上市国の拡大により、前期比で大幅な増収となりました。同社グループの売上収益は、日本、米国、欧州、その他地域に分散しており、海外売上比率が高い構造です。当連結会計年度においては、円安の進行による為替の増収影響も売上収益に寄与しています。
製品及びサービスごとの売上収益を見ると、医療用医薬品が全体の95.6%を占めており、同社グループの事業の中心となっています。ヘルスケア製品は4.3%を占め、その他が0.1%となっています。
| セグメント | 売上収益(2025年3月期) | 売上収益(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 増減 | - | 2兆1,230億円 |
| 前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日) | - | 1兆8,863億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
第一三共グループの売上収益は、過去5年間で継続的に増加傾向を示しています。当連結会計年度の売上収益は前期から増加となりました。一方で、税引前利益と親会社の所有者に帰属する当期利益は、当連結会計年度において前期から減少しています。これは、当期に製造委託先への損失補償等を一過性の費用に計上したことが主な要因となっています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上収益 | 1兆449億円 | 1兆2,785億円 | 1兆6,017億円 | 1兆8,863億円 | 2兆1,230億円 |
| 税引前利益 | 735億円 | 1,269億円 | 2,372億円 | 3,556億円 | 2,634億円 |
| 税引前利益率 | 7.0% | 9.9% | 14.8% | 18.9% | 12.4% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 670億円 | 1,092億円 | 2,007億円 | 2,958億円 | 2,599億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 34.94 | 56.96 | 104.69 | 155.96 | 140.44 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
第一三共グループの従業員1人あたり売上収益(連結)は、前期から増加しています。これは、同社グループ全体の売上収益の伸長が、従業員数の増加を上回るペースで進んだことを示しています。一方で、従業員1人あたり営業利益(連結)は前期から減少となりました。これは、当連結会計年度に計上された一過性の費用が営業利益に影響を与えたためと考えられます。これらの指標は、同社グループの収益体質や組織の効率化の傾向を測る上で重要な要素となります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上収益(連結) | 95.4百万円 | 105.3百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 16.8百万円 | 11.4百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
第一三共グループの財務状況は、本業で着実に資金を生み出しつつ、将来に向けた積極的な投資を行っている成長投資フェーズにあることを示しています。これにより、事業拡大のための基盤を強化している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
第一三共グループの財務基盤は、自己資本比率が41.5%となっており、プライム市場の製造業平均と比較するとやや低い水準です。しかし、ROE(自己資本利益率)は15.8%と、プライム市場の製造業平均を上回る水準を示しています。手元資金である現金及び現金同等物は4,498億円を保有しており、事業活動に必要な流動性を確保している状況です。これらの財務指標は、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来の成長に向けた投資余力を有していることを示しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本 | 1兆6,234億円 | 1兆6,642億円 |
| 自己資本比率 | 47.0% | 41.5% |
| ROE(自己資本利益率) | 17.9% | 15.8% |
| 現金及び現金同等物 | 6,398億円 | 4,498億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
第一三共グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、当期に777億円の収入となりました。これは税引前利益の計上や減価償却費等の非資金項目、戦略的提携の契約一時金収入があった一方で、運転資金の増加があったためです。投資活動によるキャッシュフローは1,482億円の支出となっており、定期預金の預入や設備投資による支出が主な要因です。この結果、フリーキャッシュフローは706億円のマイナスとなりました。財務活動によるキャッシュフローは979億円の支出であり、社債の発行による収入があったものの、自己株式の取得や配当金の支払いが上回ったためです。これらの動きは、同社グループが本業で資金を生み出しつつ、将来の成長に向けた積極的な投資を行っている状況を示しており、事業の拡大と安定的な雇用維持への意欲がうかがえます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 538億円 | 777億円 |
| 投資CF | 3,342億円 | △1,482億円 |
| 財務CF | △3,778億円 | △979億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 3,880億円 | △706億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、バイオ医薬品市場における競合他社の新薬上市や次世代技術の台頭など、激しい競争環境にあります。また、各国の医療財政の逼迫に伴う薬価抑制策の導入や治療ガイドラインの更新といった市場環境の変化が、製品需要に大きな影響を与える可能性があります。
また、グローバルで事業を展開しており、各地域の政治不安や経済情勢の悪化、法規制抵触、行政指導、現地の労使関係等に関するリスクが存在します。世界の通商政策の動向がサプライチェーンや製造・調達コストに影響を及ぼす可能性も示されています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、事業目標達成のために高度な専門性と高い業務遂行能力を持つ人材の育成・採用・確保を必要としています。しかし、採用市場の競争激化により、これらの人材を十分に確保できない場合、経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
第一三共は、人々の生活を変革する信頼されるヘルスケアイノベーターとなることを2035年ビジョンとして掲げています。同社グループは、科学と技術を通じて持続可能な社会の発展に貢献する先進的グローバルヘルスケアカンパニーを目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
第一三共グループは、2035年ビジョンとして「Trusted healthcare innovator transforming the lives of people through our science and technology」となることを掲げています。また、2030年度目標として「サステナブルな社会の発展に貢献する先進的グローバルヘルスケアカンパニー」を目指しています。第5期中期経営計画では、がん領域へのトランスフォーメーションと継続的な成長を実現しました。現在推進中の第6期中期経営計画では、2030年度目標の達成と2035年ビジョンの実現に向けた成長加速と次世代基盤構築を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
第一三共グループは、社員一人ひとりがグローバルな視野をもって行動するための企業文化「One DS Culture」の醸成に取り組んでいます。社員の行動指針として3つのCore Valuesと3つのCore Behaviorsを策定しており、その一つに「Be Inclusive & Embrace Diversity」を定めています。また、2022年3月には「Global I&D Statement」を策定し、I&D(Inclusion & Diversity)に対する姿勢を明確にしています。同社グループはPatient Centricity(患者中心)の実践と、高い倫理観に基づく医療コミュニティへの貢献を重視しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
第一三共グループは、効率的かつ強靭な組織を構築し、持続的成長に向けた新たなBGTs(Breakthrough Generating Technologies)の特定を進めています。開発スピードの向上(RD Excellence)と製品価値を最大限に引き出す力(Business Excellence)の継続的な向上を図っています。
AI活用等による生産性の飛躍的向上、デジタルトランスフォーメーションによる業務効率化と戦略的人材配置を一体で進めています。新薬事業全領域の商業化活動をグローバルで一元的に担う新組織も2027年4月より稼働予定です。
同社グループは、社会から信頼されるパートナーとして持続可能な社会の実現に貢献することを経営の重要な基盤としています。Patient Centricity(患者中心)の実践、高い倫理観に基づく医療コミュニティへの貢献、バリューチェーン全体にわたる環境負荷の低減に努めています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
取締役会は社外取締役が半数を占める体制で、経営の透明性と監督機能の強化を図っています。指名委員会や報酬委員会といった任意の諮問機関も設置されています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
第一三共は、複数の信託銀行や生命保険会社、海外の金融機関が上位株主として名を連ねる構成です。特定の事業会社や創業家が突出して多くの株式を保有しているわけではありません。機関投資家が主な株主として同社を支えていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 17.02% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 7.00% |
| 日本生命保険相互会社 | 3.88% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は15名(男性10名・女性5名)で構成され、女性役員比率は33.3%です。代表取締役社長兼CEOは奥澤宏幸氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 奥澤 宏幸 | 代表取締役 社長兼CEO 社長執行役員 | 1986年三共株式会社入社。2018年同社グループASCAカンパニープレジデント。2021年同社グループ経営企画・管理ユニット長、CFO。2023年同社代表取締役社長兼COO社長執行役員。2025年4月より現職。 |
| 眞鍋 淳 | 代表取締役 会長 | 1978年三共株式会社入社。2007年同社安全性研究所長。2014年同社取締役常務執行役員日本カンパニープレジデント兼事業推進本部長。2017年同社代表取締役社長兼COO社長執行役員。2025年4月より現職。 |
| 松本 高史 | 取締役 上席執行役員 | 1987年第一製薬株式会社入社。2023年同社グループヘッド オブ グローバル HR、CHRO。2024年6月同社取締役常務執行役員。2026年4月より同社グループヘッド オブ グローバル コーポレートアフェアーズ、CCAO、取締役上席執行役員。 |
| ジョセフ・ケネス・ケラー | 取締役 | 1984年ビーチャムファーマシューティカルズ入社。2014年第一三共Inc.入社。2019年第一三共USホールディングスInc.社長。2021年同社グループオンコロジービジネスユニット長。2025年6月より現職。 |
| 上野 司津子 | 取締役 上席執行役員 | 1990年サントリー株式会社入社。2010年第一三共株式会社転籍。2022年同社執行役員日本事業ユニットメディカルアフェアーズ本部長。2025年4月同社グループジャパンビジネスユニット長。2026年4月より現職。 |
社外取締役は、小松康宏氏(群馬大学名誉教授兼特別教授・東京女子医科大学医療安全学講座主任教授)、西井孝明氏(元味の素取締役代表執行役社長最高経営責任者・取締役会議長)、本間洋氏(株式会社NTTデータグループ相談役・報酬委員会委員長)、渡辺章博氏(渡辺章博公認会計士事務所代表者・指名委員会委員長)、木下玲子氏(アドミラルキャピタル代表取締役社長)です。
同社は監査役会設置会社です。取締役10名中5名が社外取締役であり、経営の監督機能強化を図っています。また、取締役会の諮問機関として指名委員会と報酬委員会を設置し、経営の透明性確保に努めています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、優秀な人材の確保と中長期的な企業価値向上への動機付けを重視して設計されています。社内取締役には基本報酬、年次業績連動賞与、譲渡制限付株式報酬、中計業績連動株式報酬の4つの構成要素があります。社外取締役は経営の監督機能を担う立場であるため、固定報酬である基本報酬のみが支給されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 7名 | 8.2億円 | 1.17億円 |
| 監査役(社外除く) | 3名 | 93百万円 | 31.0百万円 |
| 社外取締役 | 7名 | 1.2億円 | 16.6百万円 |
| 社外監査役 | 3名 | 61百万円 | 20.3百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。また、総額には期中に退任した役員の報酬が含まれます。
個人別報酬が開示されている役員は、眞鍋淳氏(2.53億円)、奥澤宏幸氏(2.73億円)、松本高史氏(1.06億円)、ジョセフ・ケネス・ケラー氏(9.79億円)です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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