【平均年収858万円】日本高純度化学 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収858万円】日本高純度化学 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

日本高純度化学は、電子部品向けの貴金属めっき薬品の開発、製造、販売を手掛けています。直近の業績は、生成AI向け需要の拡大を背景に増収増益となりました。


目次

※本記事は、日本高純度化学株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月17日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


日本高純度化学は、電子部品のプリント基板、コネクター、リードフレームなどの接点・接続部位に用いられる貴金属めっき薬品の開発、製造、販売を手掛けています。ユーザーニーズに密着した製品開発と、プロセスアドバイスやアフターフォローを含む総合的なソリューション提供を強みとしています。

単体従業員数は60名です。同社は単一セグメントで事業を展開しています。

日本高純度化学は、電子部品向けの貴金属めっき薬品の開発、製造、販売を主な事業としています。国内外のユーザーや販売代理店からの受注に基づき、原材料を調合して製品を完成させ、直接または販売代理店を通じて国内外に提供しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


日本高純度化学は、貴金属めっき薬品の開発・製造・販売を行うファブレスの知識集約型・開発型企業です。専門性の高い事業を展開しており、従業員の働き方や給与水準にもその特性が反映されています。同社は、持続可能な社会の実現に貢献するため、環境に配慮した製品づくりや人的資本経営の推進を重視しています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、平均勤続年数が比較的長く、従業員が安定してキャリアを築いている傾向が見られます。平均年齢も30代後半であり、経験豊富な人材が中心となって事業を支えていることがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 8,579,000円
平均勤続年数 11.8年
平均年齢 39.5歳
単体従業員数 60人
連結従業員数 -
単体のグループ内比率 -


同社は、従業員に対する退職給付制度として、確定拠出型の制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する)を採用しています。具体的には、財団法人東法連特定退職金共済会の特定退職金共済制度および確定拠出年金制度を導入しています。

なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社は研究開発型の事業モデルであり、人的資本を様々な資本の価値創造の源泉と位置付け、人材戦略をマテリアリティの一つとして人的資本経営を推進しています。目指す人物像として「能動型自律人材」を独自に定義しており、社会の変化を先取りして挑戦し、当事者意識を持ってやり遂げ、多様性を尊重し協働できる人材を求めています。

従業員に対する報酬に関しては、2023年度より能力評価と「あるべき人材像」が連動した「シンプル」「ポジティブ」「オープン」な人事制度を導入し、従業員のモチベーション向上を図っています。また、2024年度からは3年連続で平均5%のベースアップを実施する方針です。

人的資本経営の推進においては、「企業理念に共感し、ビジョンの実現に主体的に参画する組織風土の醸成」、「能動型自律人材の採用と育成」、「働きやすく、やりがいを感じる職場環境の整備」の3点を重要テーマとしています。具体的には、経営層とのコミュニケーション機会の充実や、社長からの情報発信の拡充により、経営への関心を高め、主体的に参画する企業風土を醸成しています。人材投資の拡大による賃金体系の維持・継続に加え、成長に必要な教育や自己啓発の機会を整備し、キャリア採用を通じた多様性のある職場環境で社員の成長意欲を引き出しています。ウェルビーイングにつながる諸制度・施策の充実、働き方の選択肢の拡大、1on1等によるキャリア支援の拡充にも継続的に取り組んでいます。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


当社は常時雇用される従業員が100名以下の事業規模であるため、女性活躍推進法等の規定による公表は行っていません。

育児・介護支援

指標 数値
育児休業取得希望者取得率 100%

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


日本高純度化学は、エレクトロニクス分野で使用される貴金属めっき薬品の開発、製造、販売を主力事業としています。ユーザーのニーズに密着した製品開発と総合的な提案・提供を通じて、電子部品の信頼性向上に貢献しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社は、電子部品のプリント基板、コネクター、リードフレームなどの接点・接続部位に用いられる貴金属めっき薬品を提供しています。特に、海外からの技術導入に頼らない独自の開発技術体制を長年にわたり築き、技術の集積を行ってきました。

貴金属めっきは、電解めっきと無電解めっきに大別され、金、銀、パラジウムなどの貴金属が、電子機器の接続不良を防ぐために不可欠な技術となっています。同社の製品は、高密度実装が進む半導体パッケージや高機能プリント基板の信頼性を高める上で重要な役割を担っています。

同社のビジネスモデルは、全社員の約8割を占める物理・化学分野に精通した技術者集団が最大の経営資源であり、彼らが開発する独自の有機化合物技術「Protecting Agent」を含む「レシピ(知的財産)」が付加価値の源泉です。大規模な製造設備を持たない「ファブライト経営」により、研究開発とフォーミュレーションに機能を絞り、高い資本効率を実現しています。

収益は、国内外のめっき専業メーカー、電子部品メーカー、総合電機メーカーへの貴金属めっき薬品の販売から得ています。海外での売上高が総売上高の過半数を占めており、外貨建ての売上については為替ヘッジを行い、為替レート変動の影響を抑える方針です。また、特定の顧客への販売が売上高に占める割合が高い傾向が見られます。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社の直近の業績は、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のいずれも前期から増加しています。特に、生成AI向けの需要拡大を背景に、半導体パッケージやモジュール、メモリー向けのプリント基板・半導体パッケージ基板用めっき薬品の販売が好調に推移しました。


■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


知識集約型企業である日本高純度化学にとって、従業員一人ひとりの生産性は事業の持続的な成長と企業価値向上に直結する重要な要素です。しかしながら、提供された構造化データには、直近の期間における従業員1人あたりの売上高や当期純利益といった具体的な生産性指標の数値は含まれていません。

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社の財務状況は、事業活動を通じて得られる利益や資金の使い道から、その安定性を把握できます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社の財務基盤を見ると、ROE(自己資本利益率)は前期から改善しています。プライム市場の平均ROEが9.4%であるのに対し、同社は前期11.3%、当期11.5%と、平均を上回る水準で推移しています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
自己資本比率 - -
ROE(自己資本利益率) 11.3% 11.5%
現金及び預金等 - -

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


キャッシュフローは、同社が事業活動、投資活動、財務活動を通じてどのように資金を調達し、使用しているかを示しています。これにより、本業で安定的に資金を生み出せているか、将来に向けた投資を積極的に行っているか、あるいは資金繰りに課題がないかといった、企業の資金の流れを把握できます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF - -
投資CF - -
財務CF - -
フリーCF(営業CF+投資CF) - -

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社製品は主に電子機器業界に用いられており、業績はスマートフォン市場やパソコン市場の影響を大きく受けます。また、主要製品の原材料である貴金属(金、銀、パラジウム)は国際商品市況に大きく左右されるため、価格高騰や供給制限が生じた場合には事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社は、研究開発体制の更なる強化や海外展開、新事業分野への進出等にともなう業容拡大に際し、求める人材を十分に確保・育成できない場合、今後の事業推進に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


日本高純度化学は、ケミストリ(化学)を基礎に独創的な製品で社会課題と向き合い、エレクトロニクス業界を牽引するファインケミカル企業を目指しています。同社は少数精鋭・ファブライト型・開発型企業として、貴金属めっきに特化して事業を発展させてきました。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社は「化学の好奇心でエレクトロニクスに役立てる」を企業理念としています。ケミストリを基礎に科学的に理論武装した独創的な製品により、社会課題と向き合い、多様な視点と独自の発想力を発揮し、エレクトロニクス業界を牽引するファインケミカル企業を目指すことを経営方針としています。

中長期ビジョンとして「RDD2030(Redox-innovation through Discovery & Development toward 2030)」を策定しています。これは、めっきで培ったRedox(酸化還元)技術により、ナノレベルから豊かな未来を支えることを目指すものです。同社は2030年までの期間を3つのフェーズに分け、既存市場だけでなく新たな市場で評価される企業へと進化していくことを目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社は知識集約型・開発型の企業であり、人的資本を企業価値向上の源泉と捉えています。社員が「能動型自律人材」へと成長し、ウェルビーイングのもとで能力を発揮することが事業成長の機会につながると考えています。

「能動型自律人材」とは、「好奇心をもって挑戦する人材」「当事者意識をもってやり遂げる人材」「多様性を尊重し周囲と協働できる人材」の3つに定義されています。同社は、地球環境リスクやライフスタイルの変革、エネルギーシフトといった社会課題と向き合い、ステークホルダーとの連携を深め、多様な視点と独創性を発揮しながらファインケミカルとエレクトロニクスの架け橋となることを目指しています。また、人権の尊重に関する基本方針として、多様性を尊重し、いかなる差別やハラスメント行為も行わないことを定めています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社は、営業力の強化と技術開発力の強化を重要な経営課題としています。営業力強化のため、営業部門を再編し、各分野に特化した専門性の向上と顧客密着型営業を推進しています。海外営業人員の拡充や独自のプラットフォーム「J-PLAT」の運用を通じて、グローバルな供給・サポート体制の強化を図っています。

技術開発力の強化では、顧客要望へのタイムリーな改良対応や新用途開拓に向けた技術開発力の向上が不可欠です。能動型自律人材の採用と育成、最適な外部連携・協業を通じて、開発力の強化を図っています。

また、サステナビリティに関する重要課題として、「環境にやさしい製品づくり」「人的資本経営の推進」「知的無形資産の質的向上」「経営基盤の強化」を掲げ、それぞれ行動計画を策定し取り組んでいます。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


日本高純度化学は、監査等委員会設置会社として、透明性の高い経営体制を構築しています。取締役会は社外取締役が多数を占める構成となっており、経営の監督機能の強化を図っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


日本高純度化学の株主構成を見ると、筆頭株主は海外の機関投資家であり、複数の信託銀行や事業会社、財団などが上位に名を連ねています。多様な株主によって支えられている資本構成となっています。

株主名 持株比率
NOMURA PB NOMINEES LIMITED OMNIBUS-MARGIN(CASHPB) 19.86%
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 7.22%
RBC IST 15 PCT NON LENDING ACCOUNT - CLIENT ACCOUNT 4.20%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は10名(男性8名・女性2名)で構成され、女性役員比率は20.0%です。代表取締役社長は小島智敬氏が務めています。社外取締役比率は70.0%です。

氏名 役職 主な経歴
小島 智敬 代表取締役社長 1996年4月同社入社、経営企画部長、常務取締役を経て、2022年4月代表取締役社長より現職。
渡邊 基 常務取締役 1983年4月富士通株式会社入社、富士通システムズ・イースト取締役CFO、富士通Japan執行役員CFO等を経て、2024年6月常務取締役より現職。
渡辺 雅夫 取締役相談役 1965年4月日本トレーディング株式会社入社、1986年5月同社入社取締役社長、代表取締役社長、代表取締役会長等を経て、2023年6月取締役相談役より現職。


社外取締役は、大畑康壽氏(株式会社アバージェンス代表取締役)、川島勇氏(AGC株式会社取締役常勤監査等委員)、黒松百亜氏(晴海協和法律事務所弁護士)、林博司氏(元富士通株式会社執行役員常務CHRO)、富國重遠氏(NECマネジメントパートナー株式会社エグゼクティブエキスパート・常勤監査等委員)、髙野雅典氏(明治安田保険サービス株式会社代表取締役会長・監査等委員)、大竹裕子氏(株式会社プロビタス代表取締役・監査等委員)です。

同社は2025年6月20日より監査等委員会設置会社へ移行しています。取締役会は社外取締役が70.0%を占め、監査等委員会が取締役の職務執行の適法性を監査する体制です。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


日本高純度化学の役員報酬制度は、中期経営計画の達成と企業価値の持続的な向上への貢献意欲を高めることを目的としています。業務執行取締役には、固定の基本報酬に加え、単年度の業績・施策に連動する業績連動報酬と、中長期的な企業価値向上に連動する株式報酬が支給されます。監査等委員でない非業務執行取締役には基本報酬と業績に連動しない株式報酬が、監査等委員である取締役には基本報酬のみが支給される構成です。

区分 人数 総額 1人あたり平均
社外取締役 4名 27百万円 6.8百万円
監査役 3名 6百万円 1.9百万円
うち社外監査役 3名 6百万円 1.9百万円


なお、報酬等の支給対象となった役員の総数は7名であり、総額は32.98百万円です。人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。また、監査役の報酬は監査等委員会設置会社移行前の期間、監査等委員である取締役の報酬は移行後の期間に係るものです。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。