※本記事は、昭和ホールディングス株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
昭和ホールディングスは持株会社であり、単体従業員数は1名、グループ連結従業員数は311名です。
同社グループは、連結子会社14社、持分法適用関連会社8社で構成され、食品、スポーツ、ゴム、コンテンツの多岐にわたる事業を展開しています。各事業を通じて、幅広い分野で製品やサービスを提供しています。
主な国内グループ会社は、当事業は、ソフトテニスボールの製造販売、スポーツウェアの販売、スポーツ施設工事、テニスクラブの運営を行なっております。主な関係会社はルーセントであります。などです。
同社グループは、当連結会計年度の期首に連結子会社である常盤ゴムを連結から除外しました。また、持分法適用関連会社2社の株式売却も実施しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
同社グループは、多様な事業を展開する持株会社として、多様な視点や価値観を尊重する人材マネジメントを重視しています。経験や技能、キャリアが異なる人材を積極的に採用し、それぞれの能力を最大限に発揮できる社内環境の整備に努めているのが特徴です。新卒・中途採用の区別なく、スキルや経験を総合的に判断して管理職への登用を進めています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は持株会社であり、単体従業員数は1名です。平均年齢は57.0歳、平均勤続年数は9.0年となっており、経験豊富な人材が在籍している傾向が見られます。なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 14,000,000円 |
| 平均勤続年数 | 9.0年 |
| 平均年齢 | 57.0歳 |
| 単体従業員数 | 1人 |
| 連結従業員数 | 311人 |
| 単体のグループ内比率 | 0.3% |
なお、直近の主要子会社のデータは以下の通りです。
| 会社名 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 | |
|---|---|---|---|---|
| 明日香食品株式会社 | 41.5歳 | 9.0年 | 9.0年 | 4,811,000円 |
| 昭和ゴム株式会社 | 49.8歳 | 25.7年 | 25.7年 | 4,548,000円 |
同社グループは、退職給付制度として確定給付型と確定拠出型の両方を採用しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。これらの制度は、同社および国内の連結子会社(昭和ゴム、ルーセント、明日香食品、明日香)に適用されています。
退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、確定拠出制度への要拠出額は18百万円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、持続的な成長と企業価値の向上を実現するため、多様な視点や価値観を尊重する人材戦略を基本方針としています。経験や技能、キャリアが異なる人材を積極的に採用し、その能力を最大限に発揮できる社内環境の整備に努めています。新卒・中途採用の区別なく、スキルや経験を総合的に判断して職員および管理職への登用を行っています。
従業員の給与は、職務、役割、専門性、成果、貢献などを踏まえて決定される方針です。また、多様性確保の観点から、女性、外国人(海外事情に明るい人材を含む)、中途採用者の管理職登用を積極的に進めています。
女性管理職の具体的な目標数は定めていませんが、既に海外子会社の社長や国内主要事業の営業部長職への登用を推進しており、ジェンダーレスに中核人材を登用していく方針です。同社グループは役職員の過半以上が外国人であり、外国人の採用や管理職登用についても目標は定めていませんが、現状を維持し多様性確保を積極的に進めています。中途採用者についても通年採用制度を採っており、大部分が中途採用の従業員で占められているため、個別の目標は定めていません。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
昭和ホールディングスは、食品、スポーツ、ゴム、コンテンツの4つの事業セグメントを中心に事業活動を展開する持株会社です。同社グループは、各事業部門が製品・サービスについて包括的な戦略を立案し、事業活動を進めています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、多様な事業を通じて収益を上げています。主力は食品事業であり、次いでゴム事業、スポーツ事業、コンテンツ事業が続きます。各事業はそれぞれの分野で独自性を持ち、顧客に製品やサービスを提供しています。
食品事業
大福もちなどの餅類や団子類といった和菓子の製造および販売を行っています。収益は、主に和菓子の開発製造と販売から得ています。日本国内の食料品価格高止まりや消費者の節約志向が強まる中、お得感を保つ施策や戦略商品の拡販により、売上高は前期から増加しました。
スポーツ事業
創業事業であるアカエムソフトテニスボールを中心としたソフトテニス関連事業、スポーツウェアの販売、スポーツ施設工事、テニスクラブの運営を行っています。また、ランニング・ツアー事業も展開しています。収益は、ソフトテニスボールの販売やテニスクラブの運営、各種スポーツツアーの企画・実施から得ています。前期に比べ売上高は増加しましたが、費用増加により減益となりました。
ゴム事業
ゴムの配合・加工技術に独自性を持つ事業で、ゴムライニング、型物、洗浄装置、食品パッキンの製造および販売を行っています。収益は、主に工場設備投資に関わる製品や施工の提供から得ています。当連結会計年度の期首に連結子会社1社を除外した影響もあり、売上高、利益ともに前期から減少しました。
コンテンツ事業
ゲームの企画開発、漫画やアニメ、ゲームなどのエンターテインメント関連の書籍および電子書籍の企画編集、コンテンツの商品・イベント化などを展開しています。収益は、ゲーム企画開発や書籍編集、ロイヤリティ収入などから得ています。受注状況やロイヤリティ収入が好調に推移したことで売上高は前期から増加しましたが、新規事業への投資や人件費増加により減益となりました。
その他の事業セグメント
親会社によるグループ統括事業、投資育成事業、事業開発事業など、報告セグメントに含まれない事業活動を行っています。
同社グループの売上高は、本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えており、国内市場が主要な収益源となっています。特定の顧客への売益集中は見られません。また、連結セグメントではありませんが、Digital Finance事業を行う持分法適用関連会社も同社グループの重要な資産を保有しており、その業績が経常損失に影響を与えています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 食品事業 | 44.5億円 | 47.7億円 |
| ゴム事業 | 22.3億円 | 17.2億円 |
| スポーツ事業 | 11.6億円 | 12.2億円 |
| コンテンツ事業 | 7.7億円 | 8.1億円 |
| その他の事業セグメント | 20百万円 | 35百万円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの直近5期間の業績を見ると、売上高は85.6億円で前期から微減となりました。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は5期連続で損失を計上しており、当期は損失額が拡大しています。特に当期の親会社株主に帰属する当期純損失は、保守的な観点での資産評価見直しによる非現金項目が主な原因であり、今後の事業の収益力に影響はないものと判断されています。営業活動によるキャッシュ・フローは当期も減少となりました。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 97.9億円 | 75.8億円 | 88.7億円 | 86.2億円 | 85.6億円 |
| 経常利益 | △4.9億円 | 59百万円 | △7.8億円 | △2.7億円 | △8.7億円 |
| 経常利益率 | △5.0% | 0.8% | △8.8% | △3.1% | △10.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △9.2億円 | △3.4億円 | △5.3億円 | △2.0億円 | △5.8億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △12.09 | △4.47 | △7.01 | △2.69 | △7.60 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期から増加しています。これは、連結従業員数が減少する中で売上高がほぼ横ばいで推移したことによるものです。一方、従業員1人あたりの営業利益は、前期のプラスから当期は損失に転じています。これは、同社グループ全体の営業利益が損失となった影響を受けています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 25.9百万円 | 27.5百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.1百万円 | △0.7百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
財務の安定性の観点から、同社グループの現在の財務状況と資金の流れを分析します。事業再編や資産売却を通じて財務体質の改善を図りつつ、資金の流動性を確保している状況を示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率は前期から減少しており、プライム市場の非製造業平均と比較すると低い水準となっています。ROE(自己資本利益率)は当期、前期ともにマイナスを示しています。
現金及び預金は前期から増加しており、手元資金は厚みを増している状況です。これらの財務状況は、今後の事業展開や雇用・給与の安定性を検討する上で注目すべき点です。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 31.1億円 | 22.1億円 |
| 自己資本比率 | 25.0% | 20.8% |
| ROE(自己資本利益率) | △12.7% | △42.2% |
| 現金及び預金 | 6.4億円 | 17.6億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの営業活動によるキャッシュフローは、当期も減少となりました。これは、主に売上債権の増加や法人税等の支払いが減少要因となった一方で、減価償却費や持分法による投資損失の計上が増加要因となったことによるものです。
投資活動によるキャッシュフローは、関係会社株式の売却による資金の増加が大きく、当期は大幅な増加となりました。財務活動によるキャッシュフローは、短期借入金や長期借入金の返済により減少しています。結果として、フリーキャッシュフローはプラスに転じており、事業活動と投資活動を通じて自由に使える資金が増加したことを示しています。
この資金の流れは、事業再編や資産売却を通じて財務体質の改善を図りつつ、資金の流動性を確保している状況を示しています。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △3.2億円 | △1.0億円 |
| 投資CF | △0.6億円 | 15.7億円 |
| 財務CF | △0.3億円 | △1.0億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △3.8億円 | 14.7億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
当連結会計年度において特定の事象が発生していますが、同社グループは対応策を実行しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しています。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、原材料の調達において商品市況の高騰や急激な円安による購入価格の上昇リスクを抱えています。また、海外売上高比率が高く、為替レートの変動が連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
昭和ホールディングスは、多様な事業を通じて社会課題解決を目指し、持続的な成長を追求する企業グループです。変化の激しい時代において、どのような価値観と文化のもとで経営を行っているかをご紹介します。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、中期経営計画「再成長」の実現を目指し、主要事業ごとに事業戦略(ビジョン)を設定しています。これらのビジョンは単なる利益追求を目的とするものではありません。
事業を通じて直面する社会的課題(環境への負荷や、人々の心身の健康増進など)の解決を基本としています。持続的な成長と企業価値の向上を追求する姿勢が示されています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、持続的な成長と企業価値向上に向け、多様な視点や価値観を尊重する企業風土を重視しています。経験・技能・キャリアが異なる人材を積極的に採用し、その能力を発揮できる社内環境の整備に努めています。
特に、女性、外国人、中途採用者の管理職登用を積極的に推進しており、各事業に見合った人材をジェンダーレスに中核人材として登用していく方針です。柔軟な働き方を推進するため、年間休日の増加やフレックスタイム制の導入も行っています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、不安定な世界経済や中東情勢の緊迫化、物価高騰など、変化の激しい事業環境に直面しています。これに対し、各事業でコスト削減、商品企画の見直し、生産効率の向上、人材育成、SNSを活用したブランディングなどの施策を継続しています。
特に食品事業では「リクルート力」を競争力の源泉と捉え、外国人やスポーツ人材の採用、柔軟な働き方の整備を進めています。また、サステナビリティに関する課題解決やリスク管理体制の強化も重点テーマとしています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
昭和ホールディングスは、経営の透明性と公平性を重視し、企業価値の増大をコーポレート・ガバナンスの基本としています。同社は監査等委員会設置会社であり、社外取締役による監査と取締役間の相互牽制により監督・監視機能を果たしています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
昭和ホールディングスの株主構成を見ると、筆頭株主は海外の機関投資家であるSIX SIS LTD.です。その他、明日香野ホールディングスやニューエラストマーといった事業会社が上位株主として名を連ねています。筆頭株主が過半数を超える株式を保有しており、経営に対する影響力が大きいことがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| SIX SIS LTD.(常任代理人 三菱UFJ銀行) | 58.44% |
| 明日香野ホールディングス | 5.06% |
| ニューエラストマー | 2.64% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性9名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長兼最高経営責任者は此下竜矢氏が務めています。社外取締役比率は55.6%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 此 下 竜 矢 | 代表取締役 社長兼最高経営責任者 | 2006年United Securities PCL最高経営責任者、2008年同社代表取締役最高経営責任者、2018年同社代表取締役社長兼最高経営責任者より現職。 |
| 庄 司 友 彦 | 代表取締役 最高執行責任者兼最高財務責任者 | 2001年イーネット・ジャパン監査役、2004年ノジマ取締役兼執行役、2018年同社代表取締役最高執行責任者兼最高財務責任者より現職。 |
| 渡 邉 正 | 取締役 会長 | 1973年同社入社、2007年同社専務取締役、2018年同社取締役会長より現職。 |
| ニコラス・ジェームズ・グロノウ | 取締役 | 1994年フェリエ・ホジソン・リミテッドエグゼクティブディレクター、2010年FTIコンサルティングシニアマネージングディレクター、2019年同社取締役より現職。 |
社外取締役は、戸谷雅美氏(アーライツ法律事務所弁護士)、細野敦氏(弁護士)、増田辰弘氏(NPOアジア起業家村推進機構アジア経営戦略研究所長・監査等委員)、西村克己氏(ナレッジクリエイト代表取締役・監査等委員)、久間章生氏(元防衛省初代防衛大臣・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、社外取締役が監査等委員として取締役の意思決定および業務執行の状況を監査し、経営の監督機能を強化しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
昭和ホールディングスの役員報酬は、取締役(監査等委員を除く)と監査等委員である取締役でそれぞれ総額の上限が定められています。報酬の具体的な金額や支給時期は、取締役会または監査等委員である取締役の協議によって決定されます。報酬の種類は固定報酬が中心であり、業績連動報酬や退職慰労金は設定されていません。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 4名 | 15百万円 | 3.9百万円 |
| 社外取締役(監査等委員を除く) | 2名 | 4百万円 | 1.8百万円 |
| 社外取締役(監査等委員) | 3名 | 8百万円 | 2.8百万円 |
同社役員全体の報酬総額は27.4百万円となっています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。