※本記事は、相模ゴム工業株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
相模ゴム工業は、ヘルスケア製品(医療用ゴム・ポリウレタン製品、生活自助具、日用雑貨品)やプラスチック製品(包装用チューブ・フィルム)の製造・仕入販売を主な事業内容としています。同社グループは、これらの製品の研究開発も行っています。
単体従業員数は173名、連結従業員数は737名です。セグメントはヘルスケア事業、プラスチック製品事業、その他の3つです。
相模ゴム工業は、ヘルスケア事業、プラスチック製品事業、その他の各事業において、製品の製造・仕入販売およびサービス提供を自社で行っています。
相模ゴム工業は、2025年9月末をもって介護サービス事業を事業譲渡および閉鎖しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
相模ゴム工業は、人々の健康で豊かな生活に貢献する「Life Care Company」を目指し、事業活動を通じて社会課題の解決と企業価値の向上を図っています。人的資本を企業価値向上の源泉と位置付け、多様な人材が能力を最大限に発揮し、挑戦を続ける組織づくりを推進しています。社員一人ひとりの成長と挑戦を支援することで、持続的な成長を実現していく方針です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均勤続年数が16.0年、平均年齢が41.2歳となっており、比較的長く勤める従業員が多い傾向が見られます。これは、安定した環境でキャリアを築きたいと考える方にとって、参考となる情報です。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,693,427円 |
| 平均勤続年数 | 16.0年 |
| 平均年齢 | 41.2歳 |
| 単体従業員数 | 173人 |
| 連結従業員数 | 737人 |
| 単体のグループ内比率 | 23.5% |
同社は、従業員の退職給付に充てるため、確定給付型の制度を採用しており、確定給付企業年金制度及び退職一時金制度を併用しています。確定給付型とは、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度です。この制度は国内および海外の従業員に適用されています。
退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。退職給付債務は455百万円、年金資産は414百万円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、人材を企業価値向上の源泉である最も重要な経営資本と位置付け、多様な人材が能力を最大限に発揮し、挑戦を続ける組織づくりを不可欠と考えています。社員一人ひとりが主体的に考え、自ら行動し、失敗を恐れず挑戦できる企業文化の醸成を図り、すべての従業員が仕事を通じて成長を実感し、誇りと働きがいを持って活躍できる環境づくりを推進しています。
従業員の給与については、各人の職務内容、役割、能力及び成果を総合的に勘案し、公正かつ納得性の高い処遇の実現を基本方針としています。年齢や勤続年数を重視した処遇から、職責や専門性、成果及び企業価値向上への貢献をより重視した処遇への転換を進めています。報酬制度は、社員の挑戦意欲と成長意欲を高めることを目的として、能力開発及び成果創出への動機付けとなる制度設計を行い、市場競争力のある水準の維持に努めています。
具体的な取り組みとしては、事業環境の変化に対応できる専門性とマネジメント能力の向上を目的とした階層別教育、専門教育及びOJTの充実、自律的な学習と挑戦を支援する人材育成体系の構築を進めています。また、性別、年齢、国籍、職歴等の多様性を尊重し、多様な価値観や経験を活かした組織運営を推進しており、女性活躍推進や専門人材の積極的な登用を通じて、組織の活性化と競争力強化を図っています。社員との対話を重視し、挑戦を称賛し合う企業文化の醸成に努めるとともに、適切な評価とフィードバックを通じてエンゲージメント向上を図っています。安全で健康的な職場環境の整備に加え、多様な働き方を支援する制度の充実を図り、社員一人ひとりが能力を発揮できる環境づくりを推進しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男性育児休業取得率および男女賃金差異は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 8.3% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
相模ゴム工業は、ヘルスケア製品とプラスチック製品の製造・販売を主軸とする会社です。多岐にわたる製品を通じて、人々の生活を支える事業を展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、主にヘルスケア事業とプラスチック製品事業を展開しており、これらに加えてその他の事業も手掛けています。各事業は、製品の製造から仕入販売までを一貫して行い、顧客との契約に基づき収益を認識しています。収益は、主に製品の引き渡し時点または危険負担が顧客に移転した時点で計上されています。
ヘルスケア事業
コンドーム、医療用ゴム製品、生活自助具、日用雑貨品などの製造・販売を行っています。ラテックス製コンドームは需要が回復し、国内外で堅調に推移しています。ポリウレタン製コンドームは越境ECチャネルの新規取り込みにより増収となりました。収益は、これらの製品の販売から得ています。運営は、相模ゴム工業が製造・仕入販売を担い、子会社相模マニュファクチャラーズ有限公司が営業取引を、子会社ラジアテックスおよび関連当事者相模産業を通じて一部製品の販売を行っています。
プラスチック製品事業
食品用包装フィルムや事務用ファイルなどのプラスチック製品の製造・販売を行っています。収益性の向上を最優先課題とし、販売価格への適切な価格転嫁や不採算品目の整理・調整を進めています。製造原価の見直しにより、原材料価格の高止まりの影響を吸収し、利益確保に努めています。収益は、これらの製品の販売から得ています。運営は、相模ゴム工業が製造・仕入販売を行っています。
その他の事業セグメント
巡回入浴等のサービスや日用雑貨品などを製造・販売しています。介護事業からの撤退により売上高は大幅に減少しましたが、不採算事業からの撤退により営業損失は改善しました。収益は、これらの製品の販売およびサービス提供から得ています。運営は、相模ゴム工業が製造・仕入販売およびサービス提供を行い、一部を子会社ラジアテックスおよび関連当事者相模産業を通じて販売しています。
同社グループの売上高は、アジア地域での比率が大きく、海外市場の動向が経営に影響を与える傾向があります。また、為替差益が経常利益に大きく貢献していることから、為替変動も重要な要素となっています。主要な顧客としてピップ㈱への売上集中が見られます。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| ヘルスケア事業 | 42.7億円 | 46.8億円 |
| プラスチック製品事業 | 12.6億円 | 11.9億円 |
| その他の事業セグメント | 1.6億円 | 45百万円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、過去5年間で増減を繰り返しながらも、直近の期では増加に転じています。経常利益は一時的に大きく減少しましたが、その後は回復傾向を示しています。親会社株主に帰属する当期純利益は、直近の期で減少となりましたが、営業利益は前年の損失から黒字に転換しており、本業の収益性は改善しています。為替差益が経常利益に大きく貢献している状況です。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 54.1億円 | 59.8億円 | 61.1億円 | 56.9億円 | 59.1億円 |
| 経常利益 | 14.7億円 | 10.6億円 | 3.9億円 | 5.2億円 | 5.9億円 |
| 経常利益率 | 27.1% | 17.6% | 6.4% | 9.2% | 9.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 11.0億円 | 6.7億円 | 41百万円 | 3.9億円 | 2.8億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 101.10 | 62.04 | 3.77 | 36.16 | 26.11 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は前期から増加しており、生産性の向上がうかがえます。また、従業員1人あたり営業利益も前期の損失から黒字に転換しており、本業における収益創出能力が改善していることを示しています。これらの数値は、組織全体の効率化が進んでいる傾向を示唆しています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 7.2百万円 | 8.0百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | △0.0百万円 | 0.2百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、本業で安定した資金を創出し、財務基盤を強化しながら事業活動を行っています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率は60.6%であり、前期の58.2%から増加しています。これはプライム市場の製造業平均46.8%を上回る水準です。ROE(自己資本利益率)は2.5%で、前期の3.8%から減少しており、プライム市場平均9.4%を下回っています。手元資金である現金及び預金は17.4億円を確保しており、財務の安定性を示す指標となっています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 111億円 | 119億円 |
| 自己資本比率 | 58.2% | 60.6% |
| ROE(自己資本利益率) | 3.8% | 2.5% |
| 現金及び預金 | 19.3億円 | 17.4億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュフローは5.9億円のプラスとなりました。これは主に税金等調整前当期純利益や減価償却費があった一方で、仕入債務の減少や法人税等の支払があったことによるものです。
投資活動によるキャッシュフローは0.1億円のプラスとなり、有形固定資産の売却収入が取得支出を上回ったことが要因です。その結果、フリーキャッシュフローは5.9億円のプラスを確保しています。
財務活動によるキャッシュフローは△8.1億円となり、主に借入金の減少や配当金の支払が行われています。本業で安定的に資金を創出し、財務基盤の健全化を進めている状況がうかがえます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 7.9億円 | 5.9億円 |
| 投資CF | 4.4億円 | 0.1億円 |
| 財務CF | △5.0億円 | △8.1億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 12.3億円 | 5.9億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、海外での製品生産・販売や原料輸入、海外子会社の円換算において、為替相場の変動による影響を受ける可能性があります。また、プラスチック製品事業の主原料が石油化学製品であるため、国際的な原油価格の変動が原材料の仕入価格に影響を及ぼす傾向があります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
相模ゴム工業は、「誰かに寄り添い、自らの人生を豊かにする」という創業者の理念を原点に、人々の健康で豊かな生活に貢献する企業グループを目指しています。コンドーム事業を中核としつつ、その枠を超えた「Life Care Company」への進化を追求しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、創業者 松川サクが掲げた「誰かに寄り添い、自らの人生を豊かにする」という理念を原点としています。人々の健康で豊かな生活に貢献する企業グループを目指しており、コンドームメーカーの枠を超えた「Life Care Company」への進化を追求しています。
創業100周年を目前に控え、原点である利他と進取の精神に立ち戻り、お客様一人ひとりの課題や価値観に向き合い、独自性の高い商品・サービスの開発に取り組んでいます。ヘルスケア領域を中心とした事業基盤の強化に加え、国内外でのブランド価値向上、デジタル技術の活用、新たな事業機会の創出を通じて、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現していく方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、グローバル競争の激化やデジタル化の進展により、先行き不透明な「VUCA」の時代に直面していると認識しています。こうした変化の中、情報リテラシーを高め、科学的思考と自由闊達な風土を軸に、時代に即したビジネスを展開していく所存です。
安易な「選択と集中」に陥ることなく、各事業領域において粘り強い努力を継続し、持続的な発展を目指しています。多様な人材が能力を最大限発揮できる組織づくりを推進しており、社員一人ひとりの主体性を尊重し、挑戦を歓迎する企業文化を醸成しています。また、専門性向上やキャリア形成を支援する教育機会の充実にも取り組んでいます。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、グローバル競争の激化やデジタル化の進展により、先行き不透明な「VUCA」の時代に直面していることを経営課題としています。情報リテラシーを高め、科学的思考と自由闊達な風土を軸に、大局的な見地から時代に即したビジネスを展開していく方針です。
経営推進体制の刷新や革新的な人材登用の積極化、本業の競争力強化に向けた継続的な投資を行っています。創業100周年を「第2の創業」の好機と捉え、本業の強化に加え、事業ポートフォリオの最適化や成長領域への投資を推進しています。また、収益性や資本効率を意識した経営が求められており、これらの課題に真摯に向き合い、持続可能な成長と中長期的な企業価値向上に邁進していくとしています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
相模ゴム工業では、取締役会の構成とガバナンス体制が、企業価値向上と社会貢献を目指す上で重要な役割を担っています。同社は監査等委員会設置会社として、客観的かつ中立的な経営監視機能を強化しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
相模ゴム工業の株主構成を見ると、機関投資家が筆頭株主として名を連ねています。一方で、創業家と見られる個人株主も上位に複数名を占めており、同社の資本構成に影響を与えていることがうかがえます。関連会社も上位株主として存在し、多様な株主によって支えられている状況です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| MSCO CUSTOMER SECURITIES(常任代理人 モルガン・スタンレーMUFG証券) | 12.69% |
| 大 跡 一 郎 | 9.88% |
| 大 跡 典 子 | 9.07% |
| 横浜銀行 | 4.95% |
| 中 島 章 智 | 4.28% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は13.0%です。代表取締役社長は大跡賢介氏が務めています。社外取締役比率は37.5%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 大 跡 賢 介 | 代表取締役社長 | 2013年3月同社入社、2016年4月同社経営計画室室長、2025年4月同社代表取締役社長より現職。 |
| 大 跡 一 郎 | 取締役会長 | 1976年1月同社入社、1988年1月同社代表取締役社長、2025年4月同社代表取締役会長、2026年6月同社取締役会長より現職。 |
| 吉 田 邦 夫 | 専務取締役 | 1983年4月同社入社、2008年6月同社取締役、2024年6月同社専務取締役より現職。 |
| 玉 上 宗 人 | 取締役 | 1991年4月株式会社住友銀行入行、2017年5月株式会社ニトリホールディングス常務取締役、2024年4月株式会社アークリンクス代表取締役、2026年6月同社取締役より現職。 |
社外取締役は、黒石奈央子氏(B STONE代表取締役)、鹿内智行氏(弁護士・監査等委員)、小柴克彦氏(コーポレート・イノベーション代表取締役・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、客観的・中立的な経営監視機能の強化を図っています。過半数の社外取締役を含む監査等委員が、取締役の職務執行を監督する役割を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
相模ゴム工業の役員報酬は、長期的な企業価値向上を目指し、各職責に応じた適正な水準を基本方針としています。業務執行を行う取締役および監査等委員である取締役の報酬は、主に固定報酬としての基本報酬で構成されています。取締役会が役位や職責、業績などを総合的に考慮して決定しています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 8名 | 90百万円 | 11.3百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 2名 | 12百万円 | 6.1百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 12百万円 | 2.5百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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