【平均年収574万円】朝日ラバー 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収574万円】朝日ラバー 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

朝日ラバーは、工業用ゴム製品と医療・衛生用ゴム製品の製造・販売を手がけ、幅広い分野に製品を提供しています。連結従業員数は500名を超える規模で、直近期は増収増益となりました。


目次

※本記事は、株式会社朝日ラバー の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


朝日ラバーグループは、工業用ゴム製品および医療・衛生用ゴム製品の製造・販売事業を展開しています。車載用機器、電子・電気機器、産業機器、スポーツ用品、医療用ゴム製品など幅広い分野で製品を提供しています。

単体従業員数は335名、連結従業員数は538名です。セグメントは工業用ゴム事業、医療・衛生用ゴム事業の2つです。

主な国内グループ会社は、朝日FR研究所、朝日フロントメディック(医療・衛生用ゴム事業)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


同社グループは、ゴム製品の製造を主軸とする事業を展開しており、従業員の働きがい向上や人材育成に注力しています。ここでは、同社グループの給与水準や従業員の在籍傾向、そして人材戦略や多様性に関する取り組みについてご紹介します。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員の平均年齢が42.7歳、平均勤続年数が16.5年となっています。これらの数値は、従業員が長期にわたってキャリアを継続する傾向があることを示しています。

項目 数値
平均年間給与 5,736,000円
平均勤続年数 16.5年
平均年齢 42.7歳
単体従業員数 335人
連結従業員数 538人
単体のグループ内比率 62.3%


同社グループは、「確定給付型」と「確定拠出型」の退職給付制度を採用しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度であり、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。同社および一部の連結子会社が対象となっています。

退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。確定給付型の退職給付債務は12.4億円、年金資産は3.3億円です。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、従業員との対話を重視し、安心・健康でやりがいのある働きやすい職場づくりを人材戦略の基本方針としています。従業員が公平に評価され、働きがいやモラールの向上につながるよう、資格等級制度、評価制度、給与制度を継続的に見直し、目標達成できる企業体質の構築を目指しています。

人材育成においては、「広く社会に貢献すること」「人間として成長していくこと」を経営基本方針の骨子に掲げ、自主的な成長意欲を重んじながら、社会や組織に貢献できる人材育成を実施しています。具体的には、「働きがい(Well-being)向上」「人材育成」「採用」を人事戦略の軸としています。

働きがい向上計画では、従業員の多様な活動へのポイント制対価付与や、育児短時間勤務の対象拡大、65歳以降の再雇用制度の検討など、柔軟な勤務形態の選択肢を拡大しています。育成計画では、従業員同士が教え合い学び合う風土を醸成し、全員を対象としたキャリア開発プランの作成、幹部候補者への責任と権限付与、品質保証やAI活用人材の育成を推進しています。

採用計画では、給与水準の引き上げやSNSを活用した魅力発信により「選ばれる会社」への変革を図り、障害者雇用を含む多様な人材の確保を目指しています。また、従業員の健康増進にも力を入れ、ストレスチェックや健康支援室による生活習慣病改善サポートなど、心身の健康を支援する活動を行っています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。女性管理職比率および男女賃金差異は女性活躍推進法に基づき、男性育児休業取得率は育児介護休業法に基づき算出されています。

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 9.1%
男性労働者の育児休業取得率 44.4%
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 73.8%
労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) 78.3%

| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 49.1%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


株式会社朝日ラバーは、工業用ゴム製品と医療・衛生用ゴム製品の製造・販売を主軸に事業を展開しています。長年培ってきた精密成形技術と素材に関する高度な知見を活かし、多様な顧客ニーズに応えるソリューションを提供しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、主に「工業用ゴム事業」と「医療・衛生用ゴム事業」の2つのセグメントで事業を展開しています。各事業において、製品の開発から製造、販売までを一貫して手掛けることで収益を上げています。

工業用ゴム事業

この事業では、車載用機器、電子・電気機器、産業機器、スポーツ用品などに使用されるゴム製品を主要な製品としています。自動車内装照明用のASA COLOR LEDやOリング、スイッチ用などの操作系精密ゴム製品、卓球ラケット用ラバー、RFIDタグ用ゴム製品などが収益源となっています。運営は、朝日ラバー、東莞朝日精密橡膠制品有限公司、朝日橡膠(香港)有限公司、Asahi Crosslink Corporation、朝日科技(上海)有限公司が行っています。

医療・衛生用ゴム事業

医療・衛生用ゴム事業では、医療用ゴム製品および衛生性、衝撃吸収性に優れた衛生用ゴム製品を主要な製品としています。診断・治療向けの採血用・薬液混注用ゴム栓、医療用逆止弁、プレフィルドシリンジガスケット製品、手技シミュレータ製品などが収益源となっています。運営は、朝日ラバーおよび朝日フロントメディックが行っています。

同社グループは、各事業の素材開発や新製品開発を朝日FR研究所が担うことで、技術力の向上と製品ラインナップの拡充を図っています。当連結会計年度においては、工業用ゴム事業、医療・衛生用ゴム事業ともに売上高が増加しました。特に医療・衛生用ゴム事業では、主力製品の好調な受注に加え、自社開発製品の採用増加や新製品の貢献により、過去最高の売上高を達成しています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
工業用ゴム事業 58.7億円 59.5億円
医療・衛生用ゴム事業 17.6億円 19.1億円


主要な顧客としては、アルプスアルパイン、日亜化学工業、株式会社タマスが挙げられており、これらは主に工業用ゴム事業に関連しています。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの直近5期間の業績を見ると、売上高は増加傾向にあります。経常利益は変動が見られますが、当連結会計年度は前期から大きく増加しました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に損失を計上したものの、当連結会計年度には利益に転換しています。営業利益も前期の2百万円から当期は1億9千7百万円へと大幅に増加しました。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 70.2億円 72.1億円 71.8億円 76.4億円 78.5億円
経常利益 3.1億円 1.9億円 2.0億円 31百万円 1.9億円
経常利益率 4.5% 2.7% 2.7% 0.4% 2.4%
親会社株主に帰属する当期純利益 2.4億円 2.0億円 1.3億円 △2.4億円 1.6億円
1株当たり当期純利益(円) 52.56 44.75 29.38 △51.74 35.07

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高(連結)は前期から減少しましたが、従業員1人あたりの営業利益(連結)は前期から大きく増加しました。これは、売上高の増加に加えて、利益率の改善が進んだことを示しています。組織全体の収益性が向上している傾向が見られます。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 15.1百万円 14.6百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 0.0百万円 0.4百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは、本業で安定した資金を生み出し、財務基盤を堅固にしています。事業活動で得た資金を投資に回しつつ、手元資金を確保している状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の製造業平均と比較して高い水準にあります。純資産は当期に増加しており、手元資金である現金及び預金も増加傾向を示しています。ROE(自己資本利益率)は当期にプラスに転じましたが、プライム市場平均と比較すると低い水準です。これらの状況は、事業を継続していく上での安定性を示す要素となります。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 48.8億円 50.2億円
自己資本比率 52.5% 51.6%
ROE(自己資本利益率) -4.8% 3.2%
現金及び預金 19.7億円 23.0億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの当連結会計年度におけるキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュフローが8.4億円の収入となりました。これは主に税金等調整前当期純利益や減価償却費の計上、売上債権の減少によるものです。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出などにより、△6.7億円の支出となりました。

その結果、本業で得た資金で投資を賄い、さらに余剰資金が残るフリーキャッシュフローは1.6億円の収入となっています。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入れによる収入が増加したことで2.2億円の収入となりました。これらの資金の流れは、同社グループが本業で安定的に資金を生み出し、事業成長のための投資を行いながらも、手元資金を確保している状況を示しています。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 4.8億円 8.4億円
投資CF △7.5億円 △6.7億円
財務CF 38百万円 2.2億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △2.6億円 1.6億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、主要製品や新規受注製品の大幅な減少リスクを認識しています。これは最終製品の販売動向や市場動向、顧客の販売戦略に依存するため、売上高や利益の減少につながる可能性があります。
また、原材料価格の高騰や入手困難もリスクとして挙げられています。ゴム原料や添加物の価格変動、グローバルな物流問題が業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、少子化や募集企業の増加により、計画した採用を実施できないリスクを認識しています。これは持続的な事業継続に重要な影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


朝日ラバーは、ゴム製品の技術を核に、社会に貢献する企業を目指しています。従業員のウェルビーイングを重視し、持続的な成長と社会貢献を追求する企業文化を育んでいます。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、2030年を見据えたビジョンとして「AR-2030 VISION」を定めています。会社は社会のために存在し、持続的に社会の責任を果たして貢献できる企業であり続けることを重視しています。すべてのステークホルダーとの対話を通じて企業価値を高めることを目指しています。

このビジョンの実現に向け、第15次中期経営計画では「Beyond 2030」をテーマに掲げ、2030年を通過点と捉えています。その先を見据えた持続的な成長を目指し、中核の4事業を基盤としつつ、将来を見据えた市場への挑戦と事業の枠組み再構築を推進する方針です。

本中期経営計画の基本方針は「ウェルネスブランディングで持続的な成長を目指す」としています。「ウェルネス領域」で技術力を高め、お客様や市場の課題解決に向けた提案で収益を獲得していくことを目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループの行動指針は「ステークホルダー・エンゲージメントを高める」ことです。社訓として「個性を尊重し特徴ある企業に高めよう。豊かな人間関係、生活の向上を目指し社会に奉仕しよう。」を心に刻んでいます。

競争力の源泉は、長年の製品開発で培われた「色と光のコントロール技術」「素材変性技術」「表面改質・マイクロ加工技術」の3つのコア技術を複合・融合させる力にあります。お客様の難題に応え続ける実現力と独自の技術を強みとしています。

目指す人材像として「一人ひとりが自立心を持って目標に挑戦する」「個性を尊重し人間性の向上を育み、仕事を通じて自己実現できる環境づくりを目指す」「公平に機会を与え、公正かつ具体的に評価し処遇を決める」を掲げています。社内環境整備では「人格と個性の尊重」「コンプライアンスの推進」「環境への配慮」を方針としています。

従業員のウェルビーイングを高める活動を推進し、心身の健康と主体的な挑戦が企業の持続的成長につながる好循環を目指しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、中期経営計画において「ウェルネス領域」での技術力向上と課題解決提案を重点テーマとしています。その実現のため、OEMからODM(設計から製造までを一貫して受託メーカー側が行う)への提案力強化、事業間の技術やノウハウの融合、外部とのアライアンスによるビジネスモデルづくりを推進しています。

従業員のウェルビーイングを高める活動も重要なテーマです。心身の健康と主体的な挑戦が、高品質な製品開発やサービスの向上、ひいては企業の持続的な成長を生み出す好循環を目指しています。

サステナビリティに関する活動として、ESG会議を毎月実施し、活動の進捗と課題認識・対応について議論し、取締役会に報告する体制を整えています。人事戦略では「働きがい(Well-being)向上」「人材育成」「採用」を軸に、従業員との対話を大切にし、安心・健康でやりがいのある働きやすい職場づくりに努めています。

環境活動においては「環境にやさしいものづくり」をスローガンに掲げ、地球環境の保全と社会貢献を目指しています。CO2排出量の低減、使用電力量の低減、廃棄物の削減に取り組んでいます。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


朝日ラバーは監査等委員会設置会社として、経営の透明性と機動性の両立を目指すガバナンス体制を構築しています。社外取締役を含む監査等委員が取締役会での議決権を持ち、監査・監督機能を強化しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


朝日ラバーの株主構成を見ると、筆頭株主は有限会社伊藤コーポレーションであり、続いて晋文金属株式会社が上位に名を連ねています。また、従業員持株会も主要な株主の一つとして存在しています。このように、事業会社や従業員が同社の資本を支えている構造が見られます。

株主名 持株比率
有限会社伊藤コーポレーション 10.35%
晋文金属 7.43%
朝日ラバ―従業員持株会 5.29%
佐藤 尚美 4.96%
朝日ラバー共栄持株会 4.83%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は7名(男性7名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は渡邉陽一郎氏が務めています。社外取締役比率は0.0%です。

氏名 役職 主な経歴
渡邉 陽一郎 代表取締役社長 1989年4月同社入社。2002年4月同社高機能製品事業部長。2010年6月同社取締役営業統括部長就任。2015年3月同社代表取締役社長就任より現職。
大槻 尚文 専務取締役 事業・品質保証担当 1995年4月同社入社。2016年4月東莞朝日精密橡膠制品有限公司董事長兼総経理就任。2024年6月同社取締役事業担当就任。2025年6月同社専務取締役事業・品質保証担当兼技術本部長就任より現職。
滝田 充 取締役 営業担当 1987年5月同社入社。2011年4月同社営業統括部長。2015年6月同社取締役営業本部長就任。2023年4月同社取締役営業担当より現職。
堀 信幸 取締役 管理担当 1991年9月同社入社。2012年4月同社管理統括部長。2024年6月同社取締役管理担当就任より現職。


社外取締役は、筑紫勝麿氏(丸の内中央法律事務所弁護士・監査等委員)、渡部修氏(元福島県ハイテクプラザ副所長・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、社外取締役を含む監査等委員が取締役会での議決権を持つことで、経営の透明性と機動性の両立を図っています。社外取締役は、独立した立場から経営への助言と監視を行っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


朝日ラバーの役員報酬は、企業価値の持続的な向上を促すインセンティブとして設計されています。業務執行取締役には固定報酬としての基本報酬に加え、業績に連動する株式報酬が支給されます。一方、監督機能を担う取締役会長、監査等委員である取締役、および社外取締役は基本報酬のみで構成されています。



なお、取締役(社外取締役を除く)に対する非金銭報酬等の総額の内訳は、固定報酬5,931千円、業績連動報酬249千円です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。