【平均年収734万円】住友大阪セメント 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収734万円】住友大阪セメント 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

住友大阪セメントは、セメントの製造・販売を主軸に、鉱産品、建材、光電子、新材料、その他事業をグループ各社とともに展開しています。連結従業員数は3,045名で、直近期は売上高が増加し、経常利益も大幅な増益となりました。


目次

※本記事は、住友大阪セメント株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


住友大阪セメントは、セメントの製造・販売を主軸に、鉱産品、建材、光電子、新材料、その他事業をグループ各社とともに展開しています。多岐にわたる事業を通じて、社会インフラから先端材料まで幅広い分野に貢献しています。

単体従業員数は1,364名、連結従業員数は3,045名です。同社グループのセグメントはセメント、鉱産品、建材、光電子、新材料、その他の6つです。

主な国内グループ会社は、八戸セメント(セメント)、秋芳鉱業(鉱産品)、エステック(建材)、スミテック(光電子)、住友セメントシステム開発(その他)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


住友大阪セメントは、セメント事業を基盤としつつ、鉱産品、建材、光電子、新材料といった多角的な事業を展開しています。同社グループは、地球環境への配慮や人財の育成・活用を重視する企業理念を掲げ、持続可能な社会の実現と企業価値向上を目指しています。このような事業特性と経営方針は、社員の働き方やキャリア形成にも影響を与えていると考えられます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、社員が長きにわたり活躍できる環境づくりに注力しており、平均勤続年数や平均年齢から、安定したキャリアを築いている社員が多い傾向が見られます。これは、同社が人財を重視し、長期的な視点で育成・定着を図っていることの表れと言えるでしょう。

項目 数値
平均年間給与 7,338,702円
平均勤続年数 18.1年
平均年齢 42.9歳
単体従業員数 1,364人
連結従業員数 3,045人
単体のグループ内比率 44.8%


同社および国内連結子会社は、従業員の退職給付に充てるため、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる確定給付制度および退職一時金制度を設けています。退職給付債務は142億円、年金資産は190億円となっています。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは「人財」を最重要の資本と捉え、「人財基本方針」を策定しています。この方針は、企業理念・行動指針に基づき、社員一人ひとりを大切にする原則のもと、同社が求める社員像と社員への約束を明確にしています。求める社員像は「チェンジ&チャレンジ」「チームワーク」「プロフェッショナル」の3つのキーワードで定義され、変革に挑む社員の支援、多様な人々が力を発揮できる環境、自ら学ぶ機会の提供を約束しています。

経営戦略の実現には「高度専門人財」と「技能職人財」の確保・育成・定着が不可欠と認識しており、人事制度の改定やベースアップ等の諸施策を実行しています。給与水準は同業・同規模企業との比較を踏まえた競争力を維持し、優秀な人財の採用力と社員の定着率を確保する方針です。物価上昇への対応や採用市場での競争力確保を重視し、持続的な賃上げを通じて人財への投資姿勢を継続的に示しています。

金銭報酬(基本給・賞与・諸手当)、資産形成支援(持株会・株式報酬・確定給付企業年金・確定拠出企業年金)、福利厚生を体系的に組み合わせた処遇制度を設計し、社員の採用・定着・動機付けを総合的に支えています。人財育成においては「若手社員育成」「マネージャー育成」「次世代リーダー育成」「デジタル人財育成」の4領域を重点育成分野とし、各種研修や自己啓発支援制度を整備しています。また、女性の積極採用や育児・介護との両立支援、障がい者雇用、65歳までの再雇用制度、キャリア研修など、多様な人財がいきいきと働ける環境づくりを推進しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 3.7%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 69.3%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 71.5%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 82.7%

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

▼ エスオーシーマリン㈱

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 -

従業員エンゲージメント向上の取組

指標 数値
総合共感度 64.78

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


住友大阪セメントは、セメント事業を基盤としつつ、鉱産品、建材、光電子、新材料といった多角的な事業を展開しています。同社グループは、社会インフラを支える基幹材料から先端技術分野まで、幅広い領域で事業活動を行っています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、セメントの製造・販売を中核事業とし、生コンクリートの製造・販売、セメント工場での電力販売やリサイクル原燃料の受入処理、電設・営繕工事、各種品質試験サービスなど、多岐にわたる事業を展開しています。また、石灰石や骨材の採掘・販売を行う鉱産品事業、コンクリート構造物向け補修材料等の製造・販売を行う建材事業も手掛けています。

さらに、光通信部品や計測機器等の製造・販売を行う光電子事業、各種セラミックス製品やナノ粒子材料等の製造・販売を行う新材料事業、遊休地を活用した不動産賃貸や情報処理サービスを行うその他事業も展開しています。同社グループの事業は国内が中心であり、売上高の大部分をセメント事業が占める構造となっています。特定の取引先への収益集中は見られません。

セメント

各種セメント、セメント系固化材、生コンクリートの製造・販売が中心です。セメント工場における電力の販売やリサイクル原燃料の受入処理、エンジニアリングサービスなども提供しています。収益は、国内販売価格の値上げにより前期から増加しました。

建材

コンクリート構造物補修・補強材料や重金属汚染対策材の製造・販売、関連工事を行っています。各種混和材、魚礁・藻場礁、電気防食工法、各種地盤改良工事、PC(製品、工事)、各種ヒューム管なども主要製品です。収益は、販売数量の減少により前期から減少しました。

新材料

各種セラミックス製品、各種ナノ粒子材料、抗菌剤、化粧品材料、各種機能性塗料の製造・販売を手掛けています。半導体製造装置向け電子材料の品種構成の影響により、収益は前期から増加しました。

鉱産品

石灰石、ドロマイト、タンカル、骨材、シリカ微粉の採掘・販売を行っています。製品の価格改定により収益は前期から増加しましたが、採掘コストの増加により営業利益は減少しました。

その他事業

不動産賃貸やソフトウェア開発、情報処理サービスなどを提供しています。ソフトウェアの販売減少により、収益は前期から減少しました。

光電子

光通信部品、光計測機器、光電子機器の製造・販売を行っています。光計測機器の販売数量増加により収益は前期から増加しましたが、営業損失を計上しています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
セメント 1,564億円 1,588億円
建材 236億円 230億円
新材料 157億円 181億円
鉱産品 174億円 175億円
その他事業 38.8億円 35.5億円
光電子 25.1億円 27.3億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高は、過去5年間で増加傾向にあります。経常利益は、第160期に損失を計上したものの、その後は回復し、当期は前期から大幅な増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益も同様に変動が見られましたが、当期は前期から増加しています。第160期は営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなりましたが、その後はプラスに転じています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 1,842億円 2,047億円 2,225億円 2,195億円 2,237億円
経常利益 98.3億円 △78.5億円 84.8億円 93.7億円 144億円
経常利益率 5.3% △3.8% 3.8% 4.3% 6.4%
親会社株主に帰属する当期純利益 96.7億円 △57.2億円 153億円 90.1億円 112億円
1株当たり当期純利益(円) 262.77 △166.79 447.85 270.37 349.58

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期からわずかに減少しました。一方で、従業員1人あたり営業利益(連結)は前期から増加しています。この傾向は、売上高の伸び以上に利益率が改善していることを示唆しています。組織全体の効率性や収益性の向上がうかがえる状況です。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 74.3百万円 73.5百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 3.2百万円 4.5百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


住友大阪セメントグループの財務状況は、事業活動を通じて得られた資金を適切に活用し、安定した経営基盤を維持していることを示しています。
将来に向けた投資も行いながら、着実に事業を推進している状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の製造業平均を上回る水準で推移しており、安定した経営状況を示しています。
ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回るものの、前期からは改善傾向にあります。
手元資金も確保されており、事業運営における資金的な安定性がうかがえます。
これらの財務状況は、入社後の雇用や給与の安定性にもつながる要素です。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 1,937億円 1,979億円
自己資本比率 54.1% 54.0%
ROE(自己資本利益率) 4.7% 5.8%
現金及び預金 166億円 166億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、当期に345.4億円の増加となりました。これは前期に比べて増加しています。
投資活動によるキャッシュフローは、固定資産の取得による支出などにより、当期は△285.7億円の減少となりました。前期に比べ支出が増加しています。
財務活動によるキャッシュフローは、コマーシャル・ペーパーの発行と償還などにより、当期は△59.5億円の減少となりました。前期に比べ支出が増加しています。
営業活動で得た資金が投資活動による支出を上回っており、フリーキャッシュフローは当期に59.7億円のプラスとなっています。これは前期に比べ増加しており、本業で安定的に資金を生み出し、投資を賄えている状況を示しています。この資金状況は、事業の安定的な継続と成長への投資余力があることを示しており、雇用や給与の安定性にもつながる要素です。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 248.9億円 345.4億円
投資CF △218.2億円 △285.7億円
財務CF △53.4億円 △59.5億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 30.7億円 59.7億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク


継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク


同社グループは、セメントの国内需要が公共投資や民間設備投資の動向に強く影響を受けるため、国内需要の急激な減少が重要な影響を及ぼす可能性があると認識しています。
また、高機能品事業においては、半導体製造装置用部品や光関連製品など電子デバイス関連製品が多く、市場における急速な技術革新や顧客所要の変化が重要な影響を及ぼす可能性があるとしています。

③ 人材・組織に関するリスク


同社グループは、セメント事業や高機能品事業など、さまざまな事業活動を永続的に行うために優秀な人財の採用と雇用維持が必要であると認識しています。
採用人数が充足できない場合や優秀な人財の流出が発生した場合、「SOC Vision2035」で掲げる事業ポートフォリオ変革や事業拡大が達成できない等の重要な影響を及ぼす可能性があるとしています。

④ 雇用安定性・リストラ


解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


住友大阪セメントは、地球環境への配慮と技術開発を通じて社会に貢献することを目指す企業グループです。持続的な成長と社会から必要とされる存在感のある会社となることを追求しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「私たちは、地球環境に配慮し、たゆまない技術開発と多様な事業活動を通じて、豊かな社会の維持・発展に貢献する企業グループを目指します。」という企業理念を掲げています。中長期ビジョン「SOC Vision2035」では、環境解決をキーワードとして、持続的な成長を通じて社会から必要とされる存在感のある会社となることを目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、「信用を重んじ確実を旨とする」住友の事業精神に基づき、人財を最重要の資本と捉えています。人財基本方針では、企業理念・行動指針を踏まえた人財に対する考え方の中核をなす概念を明確化しています。求める社員像は「チェンジ&チャレンジ」「チームワーク」「プロフェッショナル」の3つのキーワードで定義されており、変革に挑む社員を支援し、多様な人々が力を発揮できる環境を提供し、自ら学ぶことを応援する会社を目指しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、中長期ビジョン「SOC Vision2035」の実現に向け、人財戦略、研究開発戦略、知財戦略、DX戦略に取り組んでいます。また、事業ポートフォリオ変革を支える経営基盤の強化として、資本コストを意識した経営や無形資産の成長(人的資本投資やDX投資の強化)を推進しています。サステナビリティに関する取り組みでは、地球温暖化防止、サプライチェーン等における人権尊重、人財の育成・活用、ガバナンスの充実を重点課題としています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


住友大阪セメントは、監査役設置会社として、業務に精通した取締役と独立した社外取締役による取締役会を通じて経営判断を行っています。また、経営の意思決定と執行機能の分離を図るため、執行役員制度を導入しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


住友大阪セメントの筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行(信託口)であり、機関投資家や信託銀行が上位を占める資本構成となっています。特定の株主グループが過半数を占める状況ではありません。

株主名 持株比率
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 13.84%
NORTHERN TRUST CO. (AVFC) RE SILCHESTER INTERNATIONAL INVESTORS INTERNATIONAL VALUE EQUITY TRUST 8.34%
NORTHERN TRUST CO. (AVFC) RE U.S. TAX EXEMPTED PENSION FUNDS 4.70%
日本カストディ銀行(信託口) 4.08%
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505223 4.01%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は14名(男性13名・女性1名)で構成され、女性役員比率は7.0%です。代表取締役社長は諸橋央典氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。

氏名 役職 主な経歴
諸橋 央典 取締役社長(代表取締役) 1982年4月同社入社、名古屋支店長、大阪支店長、執行役員、常務執行役員、取締役常務執行役員を経て、2021年6月より代表取締役社長現職。
土井 良治 取締役専務執行役員(代表取締役) 1986年4月通商産業省(現経済産業省)入省、中小企業庁経営支援部長を経て、2016年10月同社入社。執行役員、常務執行役員、取締役常務執行役員、取締役専務執行役員を経て、2021年6月より代表取締役専務執行役員現職。
関本 正毅 取締役専務執行役員 1987年4月同社入社、管理部長、執行役員、常務執行役員、取締役常務執行役員を経て、2024年4月より取締役専務執行役員現職。
小野 昭彦 取締役常務執行役員 1988年4月同社入社、環境事業部長、執行役員、常務執行役員、取締役常務執行役員を経て、2026年4月より取締役常務執行役員、高機能品事業本部長現職。
関根 福一 取締役 1975年4月同社入社、人事部長、企画部長、取締役、取締役常務執行役員、代表取締役社長、取締役会長を経て、2026年4月より取締役相談役現職。
福嶋 達雄 取締役 1987年4月同社入社、大阪支店長、執行役員、常務執行役員、取締役常務執行役員を経て、2026年4月より取締役、東京エスオーシー㈱取締役社長現職。


社外取締役は、牧野光子氏(フリーアナウンサー)、稲川龍也氏(元広島高等検察庁検事長)、森戸義美氏(元関電工取締役社長)です。

同社は監査役設置会社を採用しており、業務に精通した取締役と独立した社外取締役による取締役会が経営判断を行っています。社外取締役は経営の監督機能の強化に努めています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の取締役の報酬は、基本報酬、業績連動報酬、株式報酬で構成されています。社外取締役は基本報酬のみが支給される体系です。報酬の構成比率は、基本報酬が70%、短期インセンティブが20%、長期インセンティブが10%を目安としています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 6名 2.9億円 49.0百万円
監査役(社外除く) 2名 34百万円 17.0百万円
社外役員 6名 57百万円 9.5百万円


なお、業績連動報酬等の額の算定基礎は連結営業利益であり、非金銭報酬等の額は信託制度を利用した株式報酬制度の当事業年度の引当金計上額です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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