【平均年収683万円】東京窯業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収683万円】東京窯業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

東京窯業は、鉄鋼向け耐火煉瓦やニューセラミックスなどの耐火物関連製品の製造販売を主軸とし、多岐にわたる事業をグループ各社とともに展開しています。直近の業績は減収ながらも親会社株主に帰属する当期純利益は着実に増加しました。


目次

※本記事は、東京窯業株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


東京窯業グループは、鉄鋼向け耐火煉瓦や非鉄金属向け黒鉛坩堝、ニューセラミックスなどの耐火物関連製品の製造販売を主軸としています。また、環境関連製品、窯業機械器具製造、建築、修繕、運輸など多岐にわたる事業をグループ各社とともに展開しています。

単体従業員数は400名、連結従業員数は927名です。同社グループのセグメントは、耐火物関連事業の日本、北米、ヨーロッパ、アジア、およびその他の事業の5つです。

主な国内グループ会社は、ユーセラミック(日本(耐火物関連))、豊栄興業(その他)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


東京窯業は、機能性耐火物とセラミックスを扱う企業として、安定した事業基盤を持つ同社グループです。人材育成や多様な働き方を重視する方針が示されており、長期的なキャリア形成を支援する環境が整えられています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高めであることから、従業員が長期にわたって定着し、キャリアを築いている傾向がうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 6,830,000円
平均勤続年数 17.0年
平均年齢 44.4歳
単体従業員数 400人
連結従業員数 927人
単体のグループ内比率 43.1%


同社および国内連結子会社は、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を設けています。確定給付型の制度として退職一時金制度があり、退職給付債務は10.4億円です。

ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


TYKグループは、経営理念の実現と企業の持続的な発展、そして社員一人ひとりの生活の向上を図るうえで、人材こそが最大の源泉であると位置づけています。そのため、知識・技能・品性・人間性の向上を目的とした、継続的かつ実効性の高い教育訓練と人格陶冶の取り組みを基本方針としています。

給与その他の処遇については、職務内容・成果・能力を基軸とした評価制度に基づき、公正かつ透明性の高い方法で決定されます。社員の成長意欲を後押しするため、評価結果は昇給・賞与・昇格に適切に反映される仕組みを整備し、個々の努力と成果が正当に報われる環境づくりを進めています。

人材戦略においては、女性・外国人・中途採用者を含む多様な人材の積極的な採用を推進し、多様性の確保と活躍の場の拡大に努めています。特に女性が働きやすい環境の整備に注力しており、産前・産後休業や育児休業等を取得した場合でも、休業期間中の昇進や昇給に支障がない制度を整備しています。管理職への登用等については、性別・国籍・採用ルート等で制限を設けず、能力・経験等を総合的に判断して決定しています。

また、従業員の健康増進を重視する健康経営を推進しており、2026年3月には経済産業省および日本健康会議の「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」に6年連続で認定されました。具体的な取り組みとして、自己申告制度、在職博士号取得支援制度、海外留学支援制度、従業員持株制度、階層別研修、健康増進イベント、ストレスチェック、海外語学研修制度などを実施しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データを示します。連結子会社は法定開示の公表義務対象外です。男女賃金差異は、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しており、等級別人数構成や職務内容の差異によるものです。

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 9.0%
男性労働者の育児休業取得率 50.0%
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 67.4%
労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) 75.8%
労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) 58.1%

多様性・登用


提出会社単体の指標です。

指標 数値
全労働者における女性従業員の割合 14.8%
男女間平均勤続年数の差異 0.9年

健康・安全


提出会社単体の指標です。

指標 数値
健康経営優良法人の認定 健康経営優良法人2026(大規模法人部門)の認定

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


東京窯業グループは、主に鉄鋼向け耐火煉瓦や不定形耐火物、非鉄金属向け黒鉛坩堝、ニューセラミックスといった耐火物関連製品の製造販売を手掛けています。その他にも、環境関連製品や窯業機械器具の製造、建築、修繕、運輸などの事業を展開しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、耐火物関連事業を主軸とし、地域別に事業を展開しています。各地域の現地法人が独立した経営単位として、それぞれの地域戦略に基づき事業活動を行っています。

日本

日本セグメントでは、耐火煉瓦、不定形耐火物、ニューセラミックスなどの製造販売、および黒鉛坩堝の販売を行っています。収益は、これらの製品の製造販売から得ています。運営は、明智セラミックス、ユーセラミック、水野セラミックス、日ノ丸窯業が製造を担い、同社が販売を行っています。

北米

北米セグメントでは、耐火煉瓦、不定形耐火物の製造販売を行っており、同社の製品販売も手掛けています。収益は、北米地域での耐火物関連製品の製造販売から得ています。運営は、TYKアメリカINC.が行っています。

ヨーロッパ

ヨーロッパセグメントでは、耐火煉瓦、不定形耐火物の製造販売を行っています。収益は、ヨーロッパ地域での耐火物関連製品の製造販売から得ています。運営は、TYK Ltd.(イギリス)が製造販売を、TYKヨーロッパGmbH(ドイツ)が製品販売をそれぞれ行っています。

アジア

アジアセグメントでは、耐火煉瓦、不定形耐火物の製造販売、および黒鉛坩堝の製造販売を行っています。収益は、アジア地域での耐火物関連製品の製造販売から得ています。運営は、台湾東京窯業股份有限公司と青島東窯陶瓷有限公司が行っています。

その他の事業セグメント

その他の事業セグメントには、環境関連製品の販売、窯業機械器具の製造、建築・修繕、運輸、スポーツ施設の運営などが含まれます。収益は、これらの多岐にわたる事業活動から得ています。運営は、豊栄興業、中日ホーム、トーヨー流通サービス、パークレーンズなどが行っています。

同社グループは、日本、北米、ヨーロッパ、アジアと複数の地域で事業を展開しており、海外からの収益も一定の割合を占めています。当連結会計年度においては、日本製鉄株式会社が主要な顧客の一つとなっています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
日本 216億円 217億円
ヨーロッパ 44.2億円 45.2億円
北米 46.5億円 40.7億円
アジア 9.0億円 8.3億円
その他の事業セグメント 4.1億円 3.4億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は概ね増加傾向にありましたが、直近の当連結会計年度ではわずかに減少しました。経常利益は変動が見られるものの、親会社株主に帰属する当期純利益は着実に増加傾向を示しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 259億円 287億円 300億円 319億円 315億円
経常利益 35.5億円 38.0億円 40.5億円 50.3億円 42.7億円
経常利益率 13.7% 13.2% 13.5% 15.8% 13.6%
親会社株主に帰属する当期純利益 17.3億円 21.1億円 23.8億円 31.3億円 37.4億円
1株当たり当期純利益(円) 39.19 47.80 53.68 70.58 84.19

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期から当期にかけてわずかに減少しています。一方で、従業員1人あたりの営業利益も前期から減少する傾向が見られます。これらの数値は、同社グループの生産性が前期と比較してやや低下していることを示しています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 35.1百万円 34.0百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 4.9百万円 3.7百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


東京窯業グループの財務状況は、安定した基盤の上に成り立っています。本業で着実に資金を生み出し、将来への投資もバランスよく行われている状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


東京窯業グループは、高い自己資本比率を維持しており、強固な財務基盤を築いています。これは、事業活動を通じて得た利益を内部に蓄積し、安定した経営を可能にしていることを示しています。手元資金も潤沢であり、不測の事態にも対応できる体制が整っています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 474億円 540億円
自己資本比率 69.1% 70.4%
ROE(自己資本利益率) 7.8% 8.5%
現金及び預金 159億円 174億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


東京窯業グループのキャッシュフローは、本業で安定して資金を生み出している状況を示しています。当期における営業活動によるキャッシュフローはプラスであり、これは事業が着実に収益を上げていることを意味します。投資活動によるキャッシュフローはマイナスですが、これは主に投資有価証券の取得によるものであり、将来に向けた投資が行われていることがうかがえます。財務活動によるキャッシュフローもマイナスとなっており、借入金の返済や配当支払いなどが行われたことを示しています。結果として、フリーキャッシュフローはプラスを維持しており、本業で得た資金が投資を上回る健全な状態です。このような資金の流れは、同社グループが安定した経営基盤を持ち、従業員の雇用や給与の安定性にも寄与すると考えられます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 33.0億円 30.6億円
投資CF △17.9億円 △15.5億円
財務CF △8.6億円 △11.5億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 15.1億円 15.1億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

東京窯業グループは、製品構成において鉄鋼関連の耐火物製品のシェアが高く、鉄鋼業界の動向が業績に影響を与える可能性があります。また、外貨建て取引が主として米ドル及びユーロ建てで行われているため、為替レートの変動も業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

人材・組織に関するリスクの記載はありません。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


東京窯業は、日本の基幹産業を支える耐火物関連事業を主軸に、技術革新と産業発展に貢献してきた企業です。同社グループは「仕事を通じて世界に喜びと感謝の輪を広げる」という社是のもと、持続可能な社会の実現を目指しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


東京窯業グループは、1947年の創立以来、鉄鋼業界をはじめとする日本の基幹産業に対し、耐火物関連製品とサービスを提供し、技術革新と産業の発展に貢献してきました。同社グループの社是は「仕事を通じて世界に喜びと感謝の輪を広げる」です。耐火物製品の製造・販売に加え、窯業機械器具製造、建築、運輸など総合力の発展に努めています。

同社グループは、耐火物・ファインセラミックス事業で培った先端技術を活用し、お客様の課題解決に貢献する「TYKビジネスモデル」を徹底しています。新素材事業では、電子部品・環境関連セラミックスでの挑戦を通じて、圧倒的な成長を目指す方針です。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


東京窯業グループは「仕事を通じて世界に喜びと感謝の輪を広げる」を社是として掲げ、この理念はサステナビリティの考え方にも通じるものとしています。また、「地球環境を保全することによって人類社会が永続的に発展することに貢献していく」こと、そして「人間尊重をもとに、絶え間ない革新を通じ、お客様に満足・感動していただける最高の品質と、価格とサービスを提供しつづける」ことを理念としています。

同社グループは、お客様からの信頼を確固たるものとするため、スピリットとして「お客様への誠意」と「新しい技術への挑戦」を大切にしています。急速に変化する事業環境に適応し、「先端技術へのチャレンジとお客様へのひたむきな貢献」を追求する企業風土です。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


東京窯業グループは、2026年度も安全第一を徹底し、多様な個性が活躍できる人的環境の整備を進めることを課題としています。製品品質と生産性のさらなる向上を図り、お客様のニーズに沿った製品を迅速かつ円滑に供給できる体制づくりを進めています。

また、カーボンニュートラルへの対応や新素材分野、環境創造分野といった成長分野への注力により、グループ全体の体力強化を図ることを重点テーマとしています。海外では米国やインドなどの成長発展が見込まれる国々への展開を、国内では既存生産設備の更新によるコスト圧縮と利益を伴った成長の実現を目指しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


東京窯業は監査役会設置会社であり、社外取締役および監査役による監視機能を充実させた経営体制を構築しています。取締役会は経営の基本方針や重要事項を決議し、各取締役の執行状況を監督する役割を担っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


東京窯業の株主構成を見ると、筆頭株主は大同特殊鋼であり、複数の事業会社や金融機関が上位に名を連ねています。これは、特定の事業会社や金融機関との関係性が同社の経営を支える特徴の一つと言えます。

株主名 持株比率
大同特殊鋼 11.75%
みずほ銀行 4.98%
十六銀行 4.87%
大垣共立銀行 4.87%
あいち銀行 4.36%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は14名(男性14名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は牛込伸隆氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。

氏名 役職 主な経歴
牛込 進 代表取締役 会長 1958年4月同社入社、1987年6月同社代表取締役社長、2005年6月同社代表取締役会長より現職。
牛込 伸隆 代表取締役 社長 1989年4月自治省入省、1996年4月同社入社、2005年6月同社代表取締役社長より現職。
野村 茂紀 常務取締役 営業本部長 1979年4月同社入社、2014年6月同社取締役営業本部長、2023年6月同社常務取締役営業本部長より現職。
北原 譲 取締役 管理本部長 1985年4月富士銀行入行、2015年6月同社管理本部長兼海外関連事業室長、2016年6月同社取締役管理本部長より現職。
加藤 久樹 取締役 技術管理部長 1983年4月日本鋼管入社、2016年7月同社技術管理部長、2017年6月同社取締役技術管理部長より現職。
小池 康太 取締役 環境材料研究所長 1981年9月同社入社、2009年7月同社環境材料研究所長、2017年6月同社取締役環境材料研究所長より現職。


社外取締役は、石黒武氏(大同特殊鋼代表取締役会長)、古川元久氏(国民民主党国対委員長)、曾我貴志氏(シティユーワ法律事務所パートナー弁護士)、岩本隆志氏(元株式会社日本製鋼所常務執行役員)です。

同社は監査役制度を採用しており、社外取締役および社外監査役による監視機能を充実させています。これにより、効率的で透明性の高い経営体制の確立を目指しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、固定報酬としての基本報酬、業績連動報酬、退職慰労金で構成されています。業務執行取締役にはこれら全てが適用され、監督機能を担う社外取締役には基本報酬と退職慰労金のみが支払われる体系です。業績連動報酬は、経常利益や各取締役の目標達成度を反映して算出されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 6名 86百万円 14.3百万円
監査役(社外除く) 1名 2百万円 2.0百万円
社外役員 8名 27百万円 3.4百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。