【平均年収1056万円】NTT 転職ガイド(NTTビジネスソリューションズなど):知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収1056万円】NTT 転職ガイド(NTTビジネスソリューションズなど):知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

NTTは、NTTドコモ、NTTデータグループなどを傘下に持つ持株会社です。幅広いICTサービスからグローバルソリューションまで多岐にわたる事業を展開しています。直近期は営業収益、営業利益、親会社の所有者に帰属する当期利益のいずれも前期から増加し、増収増益となりました。


目次

※本記事は、
NTT株式会社
(旧会社名 日本電信電話株式会社)
の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月16日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は IFRS です。

1. 企業概要:どんな会社?


NTTは持株会社であり、単体従業員数は2,606名、グループ連結従業員数は344,196名です。

同社グループは、子会社1,026社及び関連会社161社(2026年3月31日現在)により構成されており、総合ICT事業、グローバル・ソリューション事業、地域通信事業を主な事業内容としています。幅広いICTサービスからグローバルソリューション、地域通信まで多岐にわたる事業を展開しています。

主な国内グループ会社は、NTTドコモ(総合ICT)、NTTデータグループ(グローバル・ソリューション)、NTT東日本(地域通信)、NTTアーバンソリューションズ(その他)などです。

直近では、住信SBIネット銀行の連結子会社化や、東日本電信電話、西日本電信電話、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ、エヌ・ティ・ティ・コムウェア、エヌ・ティ・ティ都市開発、オリックスクレジットの商号変更を伴うグループ再編が行われました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


NTTグループは、日本を代表する情報通信企業として、多様な事業領域で社会インフラを支えています。同社グループは持株会社体制をとり、グループ全体の経営戦略とサステナビリティを重視した人材マネジメントを推進しています。社員一人ひとりの自律的なキャリア形成と多様な働き方を支援する環境整備に力を入れています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、社員が自律的にキャリアを形成し、長期的に活躍できる環境を提供しています。平均勤続年数と平均年齢からは、安定した人材基盤と経験豊富な社員が多数在籍している傾向がうかがえます。

なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。

項目 数値
平均年間給与 10,562,434円
平均勤続年数 15.6年
平均年齢 41.4歳
単体従業員数 2,606人
連結従業員数 344,196人
単体のグループ内比率 0.8%


なお、直近の主要子会社のデータは以下の通りです。

会社名 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
NTTビジネスソリューションズ株式会社 3歳 47.2年 15,000円


同社グループは、確定給付型の退職給付制度を設けています。これは、給与や勤続年数に応じて将来の給付額が決まる制度です。この制度は国内グループ会社および海外子会社に適用されます。

なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、中期経営戦略の重要な柱として「従業員体験(EX)の高度化」を掲げ、人材戦略を経営戦略を支える基盤と位置付けています。従業員個々人のキャリアの自己実現と事業成長の両立を目指し、人事給与制度の整備を進めています。

具体的には、管理職には会社業績や個人の業績と報酬が連動するジョブ型の人事・給与制度を導入しています。一般社員には、専門性・スキルレベルや事業への貢献度を処遇に反映する専門性を軸とした人事・給与制度を導入し、年次・年功によらないチャレンジ機会の創出・拡大を図っています。月例賃金については、継続的な賃金改善を基本に13年連続で改定しており、新卒の採用給も引き上げるなど、採用競争力の強化と能力の高い人材の確保に努めています。

社員の自律的なキャリア形成を支援するため、約1,800講座の研修メニューを提供し、キャリアプランに応じた学習を可能にしています。また、グループ専用のキャリアコンサルタントを配置し、個々の社員に寄り添ったキャリア相談に応じています。多様なキャリアパス実現に向け、常時募集を行う社内公募制度「NTT Group Job Board」や、現在の業務を継続しながら他組織の業務に携われる社内副業(ダブルワーク)の仕組みも整備しています。

ダイバーシティ&インクルージョンを推進し、経営中核人材への女性輩出を目指して“NTT University”の対象者女性比率を約30%確保しています。女性の新任管理者登用率30%以上を目標に掲げ、各階層の女性社員に対する研修を実施しています。育児、介護、パートナーの転勤といったライフイベントによるキャリア分断を課題と捉え、ハイブリッドワークの推進やコアタイムのないフレックスタイム、分断勤務の導入により、働く時間・場所・住む場所の自由度を高めています。男性の育児事由休職・休暇取得率については、目標100%に対し125.5%の実績となっており、長期の育児休職・休暇が取りやすい環境構築を推進しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データであり、女性活躍推進法および育児介護休業法に基づき算出されています。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 12.7%
男性労働者の育児休業取得率 113.3%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 79.1%
労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者(無期雇用含む)) 78.5%
労働者の男女の賃金の差異(うち非正規雇用労働者) 79.8%

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。NTTグループの人事・給与制度において、性別による賃金の差異は設けていません。正規労働者においては、より上位職に占める男性割合や育児による短時間勤務等の女性割合の差、また、非正規労働者においては、給与水準の高い専門職における男女比率の差に起因し、それぞれ男女の賃金差異が生じているものと分析しています。

▼ NTTドコモ

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 15.7%
男性労働者の育児休業取得率 132.6%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 81.9%
労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者(無期雇用含む)) 81.5%
労働者の男女の賃金の差異(うち非正規雇用労働者) 83.9%


▼ NTT東日本

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 15.2%
男性労働者の育児休業取得率 168.9%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 78.1%
労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者(無期雇用含む)) 78.8%
労働者の男女の賃金の差異(うち非正規雇用労働者) 83.9%


▼ NTT西日本

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 14.2%
男性労働者の育児休業取得率 116.5%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 82.2%
労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者(無期雇用含む)) 81.7%
労働者の男女の賃金の差異(うち非正規雇用労働者) 121.6%

グループ全体(連結)


集計範囲は、当社、NTTドコモ、NTTデータグループ、NTT東日本、NTT西日本です。NTTグループの人事・給与制度においては、性別による賃金の差異は設けていませんが、正規労働者においては、女性従業員に占める管理者比率が男性よりも低いため、また、非正規労働者においては、給与水準の高い専門職において男性比率が高いため、それぞれ男女の賃金差異が生じているものと分析しています。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 14.7%
男性労働者の育児休業取得率 125.5%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 80.3%
労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者(無期雇用含む)) 80.1%
労働者の男女の賃金の差異(うち非正規雇用労働者) 74.2%

多様性・登用


上記指標の集計範囲は、国内主要5社(当社、NTTドコモ、NTTデータグループ、NTT東日本、NTT西日本)です。

指標 数値
女性の新任管理者登用率 28%
女性採用率 34.1%
女性管理者比率 14.7%
女性役員比率 27.7%

育児・介護支援


集計範囲は、国内主要5社(当社、NTTドコモ、NTTデータグループ、NTT東日本、NTT西日本)です。

指標 数値
男性育児休業取得率 125.5%

人材育成・エンゲージメント


従業員エンゲージメント率の集計範囲は、当社、NTTドコモ、NTTデータグループ、NTT東日本、NTT西日本、NTTアーバンソリューションズ、NTTアノードエナジー及びこれらが指定する子会社です。

指標 数値
従業員エンゲージメント率 64%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


NTTは、子会社1,026社及び関連会社161社からなるNTTグループの持株会社として、総合ICT事業、グローバル・ソリューション事業、地域通信事業を主な事業内容としています。同社グループは、幅広い事業領域で社会の基盤を支えるサービスを提供し、多角的な収益モデルを構築しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、情報通信技術(ICT)を核に、国内外で多様なサービスを展開しています。コンシューマ向け通信サービスから法人向けソリューション、さらにはデータセンター事業や不動産・エネルギー事業まで、幅広い分野で収益を上げています。特に、法人向けビジネスの拡大やスマートライフ事業の成長が、同社グループ全体の収益を牽引しています。

総合ICT事業

この事業は、携帯電話サービスや光ブロードバンドサービスなどのコンシューマ通信事業、金融サービスやコンテンツ・ライフスタイルサービスなどのスマートライフ事業、法人向け通信サービスやシステム開発事業などを展開しています。収益は、モバイル通信サービス収入、端末機器販売収入、金融サービス、法人向けソリューションなどから得ています。運営は、NTTドコモ、NTTドコモビジネス、NTTドコモソリューションズ、ドコモ・ファイナンス、住信SBIネット銀行などが中心となっています。当連結会計年度の営業収益は前期から増加しましたが、営業利益は減少しました。

グローバル・ソリューション事業

この事業は、コンサルティング、ITソリューション、システム・ソフトウェア開発、メンテナンス・サポート、データセンターなどのサービスをグローバルに提供しています。収益は、国内外における事業成長や、データセンター資産の不動産投資信託(REIT)への譲渡に伴う増収などから得ています。運営は、NTTデータグループ、NTTデータ、NTT DATA, Inc.、NTT Ltd.などが担っています。当連結会計年度の営業収益は前期から大きく増加し、営業利益も大幅に増加しました。

地域通信事業

この事業は、光サービス、法人事業、固定電話事業などを主な内容としています。収益は、法人ビジネスや光ビジネス収入の増加が寄与しており、一方でレガシービジネスは減少傾向にあります。運営は、NTT東日本、NTT西日本などが中心となっています。当連結会計年度の営業収益は前期から増加し、営業利益も増加しました。

その他(不動産、エネルギー等)

この事業には、不動産事業やエネルギー事業などが含まれます。収益は、不動産事業における住宅事業やオフィス・商業事業の拡大などから得ています。運営は、NTTアーバンソリューションズ、NTT都市開発、NTTファシリティーズ、NTTアノードエナジー、グリーンパワーインベストメント、NTTファイナンスなどが担っています。当連結会計年度の営業収益は前期から増加しましたが、電力事業における減損損失の計上により営業利益は赤字に転換しました。

同社グループの営業収益は、国内が全体の約78%を占め、海外が約22%となっています。海外における営業収益は前期から増加しており、グローバル展開も進んでいます。

セグメント 営業収益(2025年3月期) 営業収益(2026年3月期) セグメント利益(2025年3月期) セグメント利益(2026年3月期) 利益率
当連結会計年度(2025年4月 1日から2026年3月31日まで) - 1兆7,361億円 - 1兆7,062億円 98.3%
前連結会計年度(2024年4月 1日から2025年3月31日まで) - 1兆6,956億円 - 1兆6,496億円 97.3%
総合ICT事業 - - 1兆205億円 9,421億円 -
グローバル・ソリューション事業 - - 3,239億円 4,882億円 -
地域通信事業 - - 2,955億円 3,074億円 -
その他(不動産、エネルギー等) - - 558億円 △15.7億円 -

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの業績は、過去5年間で営業収益が着実に増加傾向にあります。税引前利益と親会社の所有者に帰属する当期利益も、変動はあるものの全体としては堅調に推移しています。当連結会計年度は、営業収益、営業利益、親会社の所有者に帰属する当期利益のいずれも前期から増加しました。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
営業収益 12兆1,564億円 13兆1,362億円 13兆3,746億円 13兆7,047億円 14兆4,091億円
税引前利益 1兆7,955億円 1兆8,177億円 1兆9,805億円 1兆5,647億円 1兆5,819億円
税引前利益率 14.8% 13.8% 14.8% 11.4% 11.0%
親会社の所有者に帰属する当期利益 1兆1,811億円 1兆2,131億円 1兆2,795億円 1兆円 1兆370億円
1株当たり当期純利益(円) 13.17 13.92 15.09 11.96 12.61

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり営業収益(連結)は、当連結会計年度に前期から増加しました。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も前期から増加しています。これらの指標の改善は、同社グループが事業規模の拡大とともに、従業員一人ひとりの生産性向上にも取り組んでいることを示しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり営業収益(連結) 40.2百万円 41.9百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 4.8百万円 5.0百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


NTTグループは安定した財務基盤を維持しつつ、事業活動に必要な資金を確保している状況です。本業で得た資金を将来の成長に向けた投資に充てていることが示されています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


NTTグループの自己資本比率は前期から減少しており、当期はプライム市場の非製造業平均を下回る水準です。ROE(自己資本利益率)は当期、前期ともにプライム市場平均を上回っています。手元資金である現金及び現金同等物は前期から増加しており、事業活動に必要な流動性を確保している状況です。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
自己資本 10兆2,216億円 9兆7,276億円
自己資本比率 34.0% 20.8%
ROE(自己資本利益率) 10.0% 10.4%
現金及び現金同等物 1兆10億円 1兆9,219億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


NTTグループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは1兆4,852億円の収入となりました。これは主に非資金損益項目調整後の当期利益の増加によるものです。しかし、銀行業の貸出金が増加したことなどにより、前期と比較すると減少しています。

投資活動によるキャッシュ・フローは△1兆234億円の支出となりました。有形固定資産・無形資産及び投資不動産の取得による支出はあったものの、子会社の支配獲得による収入が増加したため、前期と比較して支出は減少しています。

財務活動によるキャッシュ・フローは4,413億円の収入となりました。これは主に借入債務の収支が増加したことによるもので、前期の支出から収入に転換しています。本業で得た資金が投資を上回り、自由に使える資金が増加している状況であり、事業の安定性と成長に向けた基盤を維持していることが示されています。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 2兆3,640億円 1兆4,852億円
投資CF △1兆9,996億円 △1兆234億円
財務CF △3,430億円 4,413億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 3,644億円 4,618億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、市場構造の変化や競争の進展に適切に対応できない場合、営業収益の低下や設備投資の効率化が図れない可能性をリスクとして認識しています。また、AI活用の推進やIOWNのロードマップが計画どおりに進展しない場合、競争力の低下や成長機会の逸失を招く可能性があります。

さらに、規制当局による措置や法改正、周波数帯域の制約、金融ビジネス特有のリスクなど、各種規制対応が事業に影響を与える可能性も指摘されています。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、従業員体験(EX)の低下が新技術の開発、新サービスの企画、既存サービスの改善、成長戦略の実行に影響を及ぼす可能性をリスクとして挙げています。社員の健康・安全が十分に確保できない場合、労働生産性の低下につながる可能性も示されています。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


NTTは、社会・経済活動のデジタル化が進む現代において、持続可能な社会の実現と企業成長の両立を目指しています。同社グループは、新たな価値創造とグローバルサステナブル社会を支える企業として、多様な取り組みを推進しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


NTTグループは、中長期的な成長と安定した財務基盤の両立を目指し、中期経営戦略「New value creation & Sustainability 2030 powered by AIOWN」を掲げています。同社グループは、新たな価値創造とグローバルサステナブル社会を支える企業となることを目指しています。

また、サステナビリティ憲章を制定し、高い倫理観と最先端の技術・イノベーションに基づくIOWN構想を推進しています。具体的には、「自然(地球)」との共生、「文化(集団・社会~国)」の共栄、「Well-being(幸せ)」の最大化に取り組んでいます。これらの取り組みを通じて、企業としての成長と社会課題の解決を同時実現し、持続可能な社会の実現に貢献していく方針です。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


NTTグループは、従業員体験(EX)を経営基盤と位置づけ、自律的なキャリア形成の支援、多様性を尊重する企業文化の醸成、柔軟で生産性の高い働き方の実現を推進しています。特に、キャリア自律の定着や対話の質の向上など、組織変革に踏み込んだ取り組みを深化させています。

同社グループは、持続的成長とサステナブルな社会の実現のため、オープンで革新的な企業文化を重視しています。トライ&エラー、オープン、コラボレーション、そしてその土台となるダイバーシティ&インクルージョン(D&I)のある組織への変革を進めています。

経営層と社員との対話機会の拡大やカンファレンスを通じて、グループ全体でチャレンジ志向を高める取り組みも行われています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


NTTグループは、社会・経済活動のデジタル化が進む中で、AI活用に伴う消費電力の増大や偽・誤情報の拡散、AIの悪用といった負の側面を課題としています。また、経済安全保障の重要性の高まりやサイバー攻撃の高度化、自然災害の激甚化といった事業環境の変化にも対応しています。

同社グループは、事業基盤の強靭化に向け、グリーンエネルギーとICTを組み合わせたグリーンソリューションの推進や、循環型ビジネスの創出に取り組んでいます。IOWN、5G/IoT、AI・ロボットの活用による一次産業の効率化と付加価値化を通じて、産業振興や地域創生に貢献しています。

さらに、激甚化する災害に耐えうるネットワーク・システムの構築や、世界標準のサイバーセキュリティ対策を講じることで、安心・安全なサービスの提供に努めています。お客さま体験(CX)と従業員体験(EX)の高度化も重点テーマとしています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


NTTは、2025年6月より監査等委員会設置会社形態を採用し、経営体制を強化しています。独立社外取締役の選任により業務執行の監督機能を強化し、執行役員制度の導入で経営の機動力向上を図っています。また、指名委員会と報酬委員会を任意に設置し、客観性と透明性の高いガバナンス体制を構築しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


NTTの株主構成を見ると、財務大臣が筆頭株主として名を連ねています。これは、同社グループが公共性の高い事業を担う企業としての特性を示しています。上位株主には複数の信託銀行も含まれており、安定した資本基盤を形成していることがうかがえます。

株主名 持株比率
財務大臣 35.83%
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 9.92%
日本カストディ銀行(信託口) 4.15%
トヨタ自動車 2.48%
ステート ストリート バンク アンド トラスト カンパニー 505001 1.08%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は16名(男性10名・女性6名)で構成され、女性役員比率は37.5%です。代表取締役社長社長執行役員CEOは島田明氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。

氏名 役職 主な経歴
島田 明 代表取締役社長 社長執行役員 CEO (Chief Executive Officer) 1981年4月 日本電信電話公社(現 同社)入社、2022年6月 同社 代表取締役社長 社長執行役員(現職)。
廣井 孝史 代表取締役副社長 副社長執行役員 事業戦略担当 CFO (Chief Financial Officer) 1986年4月 日本電信電話(現 同社)入社、2022年6月 同社 代表取締役副社長 副社長執行役員(現職)。
星野 理彰 代表取締役副社長 副社長執行役員 技術戦略担当 CTO (Chief Technology Officer) 1990年4月 日本電信電話(現 同社)入社、2025年6月 同社 代表取締役副社長 副社長執行役員(現職)。
大西 佐知子 常務取締役 常務執行役員 CCXO Co-CAIO 1989年4月 日本電信電話(現 同社)入社、2024年6月 同社 常務取締役 常務執行役員 研究開発マーケティング本部長(現職)。
澤田 純 取締役会長 1978年4月 日本電信電話公社(現 同社)入社、2024年6月 同社 取締役会長(現職)。
Patrizio Mapelli 取締役 1982年9月 Olivetti入社、2025年6月 日本電信電話(現 同社)取締役(現職)。
坂村 健 取締役 2000年4月 東京大学大学院 教授、2019年6月 日本電信電話(現 同社)取締役(現職)。
内永 ゆか子 取締役 1971年7月 日本アイ・ビー・エム入社、2022年6月 日本電信電話(現 同社)取締役(現職)。
渡邉 光一郎 取締役 1976年4月 第一生命保険相互会社入社、2022年6月 日本電信電話(現 同社)取締役(現職)。
遠藤 典子 取締役 1994年6月 ダイヤモンド社入社、2022年6月 日本電信電話(現 同社)取締役(現職)。
武井 奈津子 取締役 1983年4月 ソニー入社、2024年6月 日本電信電話(現 同社)取締役(現職)。


社外取締役は、坂村健氏(YRPユビキタス・ネットワーキング研究所所長・指名委員会委員・報酬委員会委員)、内永ゆか子氏(元ベルリッツコーポレーション代表取締役会長兼社長兼CEO・指名委員会委員・報酬委員会委員)、渡邉光一郎氏(元第一生命ホールディングス代表取締役会長・指名委員会委員・報酬委員会委員)、遠藤典子氏(早稲田大学研究院教授)、武井奈津子氏(元ソニーグループ執行役員法務部門長)、柳圭一郎氏(元NTTデータ経営研究所代表取締役社長)、髙橋香苗氏(元NTTインフラネット常務取締役)、腰山謙介氏(元会計検査院事務総長)、神田秀樹氏(東京大学名誉教授)、鹿島かおる氏(公認会計士・元EY総合研究所代表取締役)です。

同社は、2025年6月19日に監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行しました。取締役会は独立社外取締役8名を含む16名で構成され、社外取締役比率は50.0%となっています。独立社外取締役は、業務執行の監督機能強化に重要な役割を果たしています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、役職や役割に応じて異なる構成となっています。取締役(社外取締役および監査等委員であるものを除く)に対しては、月額報酬、賞与(短期インセンティブ)、役員持株会を通じた自社株式取得、および業績連動型株式報酬(中長期インセンティブ)が支給されます。一方、社外取締役および監査等委員である取締役には、高い独立性を確保する観点から月例の固定報酬のみが支給される仕組みです。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 7名 5.7億円 81.9百万円
社外取締役 5名 95百万円 19.0百万円
監査等委員(社外除く) 2名 72百万円 36.0百万円
監査役(社外除く) 2名 23百万円 11.5百万円
社外監査役 3名 20百万円 6.7百万円


なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。また、総額には期中に退任した役員の報酬が含まれます。

個人別報酬が開示されている役員は、澤田純氏(1.19億円)、島田明氏(1.67億円)です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。