【平均年収802万円】愛知製鋼 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収802万円】愛知製鋼 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

愛知製鋼は、特殊鋼やステンレス鋼、鍛造品、電子機能材料・部品、磁石応用製品の製造・販売をグループ各社とともに展開しており、連結従業員数4,427名で幅広い産業分野に貢献しています。直近期の業績は増収増益となりました。


目次

※本記事は、愛知製鋼株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月29日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は IFRS です。

1. 企業概要:どんな会社?


愛知製鋼は、鋼材(特殊鋼、ステンレス鋼)、鍛造品、電子機能材料・部品、磁石応用製品の製造・販売を主な事業内容としています。同社グループは、これらの製品を通じて幅広い産業分野に貢献しています。

単体従業員数は2,525名、連結従業員数は4,427名です。同社グループの事業セグメントは、鋼(ハガネ)カンパニー、ステンレスカンパニー、鍛(キタエル)カンパニー、スマートカンパニー、その他事業の5つです。

主な国内グループ会社は、愛鋼(ステンレス・カンパニー)、アイチセラテック(鋼(ハガネ)・カンパニー)、アイチ情報システム(その他事業)、アスデックス(鍛(キタエル)・カンパニー)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


愛知製鋼は、安定した事業基盤を持つ製造業として、従業員が長期的に安心して働ける環境を提供しています。同社グループは「人を大切にする経営」を掲げ、従業員の成長と幸せを重視する企業文化が特徴です。

このような環境は、キャリアをじっくりと築き、専門性を高めていきたいと考える転職者にとって魅力的な要素となるでしょう。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


愛知製鋼では、従業員の平均年齢が30代後半、平均勤続年数が17年を超える水準となっています。これは、従業員が長期にわたって同社でキャリアを形成している傾向を示しており、安定した職場環境がうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 8,019,000円
平均勤続年数 17.7年
平均年齢 39.6歳
単体従業員数 2,525人
連結従業員数 4,427人
単体のグループ内比率 57.0%


同社グループは、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職後給付制度を採用しています。これらの制度は、一部の国内制度に退職給付信託を設定しています。

なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

退職給付債務は227.8億円、年金資産は453.3億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


愛知製鋼は、従業員が幸せを感じられる「価値ある会社生活」を追求することが会社の成長につながると考え、「人を大切にする経営」を実践しています。2030年ビジョンでは「従業員の幸せと会社の発展」を経営指針の一つに掲げ、人材への投資を積極的に行っています。

従業員の給与水準は、持続的な成長と能力発揮を実現するための前提として、各種業界の支給水準も踏まえつつ、職責や役割に応じた職種別の給与設計を行っています。固定部分である月額給与は、職責・役割や能力の伸長に見合った水準となるよう設計されており、専門性や遂行力、課題解決力、人間力といった能力評価に基づき個人別の給与額が決定されます。また、物価上昇や生産性向上、採用競争力強化を総合的に勘案し、必要に応じてベースアップも実施しています。

変動部分である賞与は、会社の利益と貢献度を基礎として総支給額が決定され、職種別および成果評価別に個人別の賞与額が決定される仕組みです。

同社グループは、人的資本経営を重要な経営課題と認識し、多様性の推進、人材育成、社員の健康・安全の確保に重点的に取り組んでいます。具体的には、女性の活躍支援として女性採用比率目標の設定、キャリア形成支援、育児・介護支援制度「ナイスファミリー制度」、フレックスタイム勤務、在宅勤務制度などを導入しています。シニア社員の継続的な活躍を支援する「ナイスシニア制度」や、障がいのある従業員が活躍できる職場環境の整備にも注力しています。

人材育成においては、「専門性」と「基礎力」(技能、問題解決力、自工程完結)の強化を重点施策とし、OJTと集合研修を組み合わせた研修体系を充実させています。社員の健康・安全面では、「愛知製鋼 健康宣言」のもと健康経営を実践し、生活習慣病予防やメンタルヘルス対策に取り組んでいます。また、全社員を対象としたエンゲージメント調査を実施し、リーダー研修や新たな評価制度の導入、全社イベントなどを通じて社員エンゲージメントの向上を図っています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。当社の給与制度及び評価制度において、性別による差異はありませんが、勤続年数や基幹職の女性比率、職種構成の違いにより、全体で見た場合に賃金差異が生じています。

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 2.1%
男性労働者の育児休業取得率 64.5%
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 68.7%
労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) 70.5%
労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) 67.3%

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

▼ アイコーサービス㈱

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 0.0%
男性労働者の育児休業取得率 100.0%
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 45.8%
労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) 85.0%
労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) 58.7%


▼ 愛鋼㈱

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 0.0%
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 70.6%
労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) 73.4%
労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) 90.2%


▼ アイチ情報システム㈱

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 3.4%
男性労働者の育児休業取得率 75.0%
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 76.7%
労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) 78.0%
労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) 49.4%

ダイバーシティ&インクルージョン


高齢者満足度はモラールサーベイにおける60歳以上の調査結果です。

指標 数値
女性管理職数 7名
高齢者満足度(5点満点) 3.61点

人材育成

指標 数値
研修トレーナー資格取得人数(累計) 70名

社員の健康・安全


適正体重超過者率はBMI(Body Mass Index)25以上を対象としています。

指標 数値
重大災害件数 0件
全災害度数率 0.94%
傷病休業日数率 1.34%
メンタル起因による傷病休業日数率 0.82%
適正体重超過者率 34.7%

社員エンゲージメント


社員満足度はモラールサーベイにおける全社員の調査結果です。

指標 数値
社員満足度(5点満点) 3.39点
年次有給休暇取得日数 16.5日/人・年
1人あたりの残業時間(スタッフ) 167時間/人・年

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


愛知製鋼グループは、特殊鋼やステンレス鋼といった素材から、鍛造品、さらには電子機能材料・部品、磁石応用製品まで、幅広い製品の製造・販売を手掛けています。素材から加工品、高機能部品まで一貫して事業を展開し、多岐にわたる産業に製品を供給することで収益を上げています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループはカンパニー制を採用しており、「鋼(ハガネ)カンパニー」「ステンレスカンパニー」「鍛(キタエル)カンパニー」「スマートカンパニー」「その他事業」の5つの報告セグメントで事業活動を展開しています。各カンパニーが製造から販売まで一貫した事業企画・運営を行い、国内外の子会社と連携してグループ一体での事業活動を進めています。

鋼(ハガネ)カンパニー

特殊鋼(熱間圧延材)の製造・販売を主な事業としています。製鋼用資材の生産や鋼材製品の運搬・保管も手掛けています。
収益は、特殊鋼の販売から得ています。運営は、アイチセラテック、近江鉱業、アイチ物流などが行っています。

ステンレスカンパニー

ステンレス鋼やチタン(熱間圧延材、二次加工品)、ステンレス構造物エンジニアリングの製造・販売を行っています。
収益は、ステンレス鋼やチタン製品の販売から得ています。運営は、愛鋼、アイチ テクノメタル フカウミ、アイチコリアなどが行っています。

鍛(キタエル)カンパニー

型打鍛造品(自動車部品粗形材、機械部品粗形材など)や鍛造用金型加工品の製造・販売を担っています。
収益は、自動車部品や機械部品向けの鍛造品の販売から得ています。運営は、アスデックス、アイチ フォージ フィリピン、アイチ フォージ(タイランド)、上海愛知鍛造有限公司、アイチ フォージング インドネシア、アイチフォージ ユーエスエイなどが行っています。

スマートカンパニー

電子機能材料・部品、磁石応用製品、植物活性材、金属繊維の製造・販売を行っています。車載用放熱部品や超小型・超高感度磁気センサ、医療市場向けの義歯用アタッチメント、自動車・家電市場向けのネオジム系異方性ボンド磁石などが主な製品です。
収益は、電子部品や磁石応用製品の販売から得ています。運営は、アイチ ヨーロッパ、愛知磁石科技(平湖)、浙江愛智機電有限公司などが行っています。

その他事業

コンピュータソフト開発、物品販売、緑化などのサービス事業を展開しています。
収益は、これらのサービス提供から得ています。運営は、アイチ情報システム、アイコーサービスなどが行っています。

同社グループの売上収益は日本が最も大きく、次いで米国、タイ、中国と続いています。特定の顧客への売上収益集中も見られ、豊田通商グループ、トヨタ自動車グループ、アイシングループが主要な顧客となっています。

セグメント 売上収益(2025年3月期) 売上収益(2026年3月期) セグメント利益(2025年3月期) セグメント利益(2026年3月期) 利益率
鋼(ハガネ)カンパニー 1,474億円 1,464億円 53.5億円 81.6億円 5.6%
鍛(キタエル)カンパニー 1,255億円 1,348億円 24.6億円 66.5億円 4.9%
ステンレスカンパニー 441億円 389億円 23.3億円 4.0億円 1.0%
スマートカンパニー 206億円 221億円 8.3億円 13.8億円 6.2%
その他事業 160億円 175億円 9.0億円 10.1億円 5.7%

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの業績は、過去5期にわたり売上収益、税引前利益、親会社の所有者に帰属する当期利益のいずれも増加傾向を示しています。特に当連結会計年度においては、売上収益が前期から増加し、営業利益、税引前利益、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期から大幅な増益となりました。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上収益 2,601億円 2,851億円 2,965億円 2,993億円 3,043億円
税引前利益 28.9億円 41.0億円 109億円 119億円 185億円
税引前利益率 1.1% 1.4% 3.7% 4.0% 6.1%
親会社の所有者に帰属する当期利益 10.9億円 16.1億円 65.9億円 78.2億円 112億円
1株当たり当期純利益(円) 13.82 20.41 83.51 99.50 170.63

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上収益は前期から増加しており、従業員1人あたり営業利益も前期から増加しています。これは、同社グループの生産性が向上していることを示しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上収益(連結) 66.2百万円 68.7百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 2.7百万円 3.9百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


愛知製鋼グループの経営の安定性について、財務基盤とキャッシュフローの状況から見ていきます。同社グループは堅実な財務体質を維持し、事業活動を通じて安定した資金を創出しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


愛知製鋼の財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の製造業平均(46.8%)を上回る水準で推移しており、安定した経営を示しています。ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均(9.4%)を下回っていますが、手元資金も確保されており、事業運営の安定性がうかがえます。これらの状況は、長期的な雇用や給与の安定性にもつながる要素となります。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
自己資本 2,319億円 2,363億円
自己資本比率 58.0% 59.2%
ROE(自己資本利益率) 3.2% 4.8%
現金及び現金同等物 363億円 336億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


愛知製鋼グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、税引前利益の増加や退職給付に係る資産の減少などにより、前期に比べて大幅に増加しました。投資活動によるキャッシュフローは、持分法投資の取得や定期預金の預け入れによる支出があったものの、有形固定資産の取得による支出の減少や投資有価証券の売却収入の増加により、資金の減少幅は縮小しています。財務活動によるキャッシュフローは、短期借入金の返済や自己株式の取得による支出が増加したため、資金の減少幅が拡大しました。

結果として、本業で得た資金が投資を上回るフリーキャッシュフローはプラスとなっており、事業活動で安定的に資金を創出し、投資や返済、株主還元を行う余力がある状態を示しています。これは、同社グループの事業が安定しており、将来的な雇用や給与の安定性にもつながる基盤があることを示しています。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 253.5億円 650.3億円
投資CF △179.2億円 △172.9億円
財務CF △176.7億円 △516.4億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 74.4億円 477.4億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク


継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク


同社グループの主力製品は自動車業界向けであり、経済状況や自動車販売台数の動向が財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、トヨタ自動車株式会社およびトヨタグループ企業集団への売上収益の依存度が高いことも、事業構造上のリスクとして挙げられています。

③ 人材・組織に関するリスク


国内の少子高齢化が進む中で、有能な人材の確保や育成が計画通りに進まない場合、同社グループの競争力低下につながる可能性があると認識されています。

④ 雇用安定性・リストラ


解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


愛知製鋼は、国際的な視野に立ち、社会貢献と持続的成長を目指す企業です。研究と創造の精神を大切にし、魅力ある商品を提供することで「世界中で選ばれる会社」となることを目指しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


愛知製鋼グループは、「国際的な視野に立ち、活力に溢れ、信頼される企業体質をもとに、魅力ある商品を提供することによって社会に貢献する」ことを経営理念としています。この理念に基づき、「研究と創意につとめ、常に時流に先んずる」「相互の信頼と理解のもとに、一致協力する」「責任ある判断と行動のもとに、常に最善を尽くす」という行動指針を掲げています。同社グループは、これらの実践を通じて、広く社会から信頼され、必要とされる「世界中で選ばれる会社」を目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


愛知製鋼グループは、「人を大切にする経営」を実践し、社員が幸せを感じられる「価値ある会社人生」を追求しています。多様な属性や、感性・能力・価値観・経験を持った社員が、互いに認め合い、相互研鑽して能力を発揮することが、新たな価値創出につながると考えています。

同社グループは、創業の精神に則り、自らの倫理観と仕事への誇りに基づいた正直で真っ当な企業行動を実践しています。安全と品質を絶対とし、お客様の期待にストレートに応えることを重視しています。また、果敢にチャレンジし、「良品廉価」なモノづくりを徹底的に追求する姿勢を大切にしています。

厳しくも温かく人が育つ風土を築き上げ、全員がチームの一員として、本当の問題が解決するまでやり抜くことを実践しています。失敗を恐れずチャレンジする「プロ集団」として、「愛知製鋼だからこそ提供できるお客様に役立つ新たな価値」を創造し、企業価値を高めていくことを目指しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


愛知製鋼グループは、国際経済の不確実性や自動車業界の競争激化といった経営環境の変化に対応することを課題としています。その中で、特殊鋼や鍛造品などの素材や部品を通じてクルマの可能性を広げ、社会課題解決に資する素材を提供し続ける「環境に一番やさしい鉄屋」として社会に貢献することを目指しています。

同社グループは、ステークホルダーに約束した「2030年ビジョン」実現に向け、「次世代製鋼プロセス」の構築や設備の更新、さらなる自働化推進など、未来に責任を持ち今やらなければならないことを着実に実践しています。安全第一を大前提に、現地現物による改善を積み重ね、安全と品質の基礎を固めることを重視しています。

お客様や世の中の変化に合わせて仕事のやり方を変え、先例がないことにも自ら切り拓くことに全員で取り組んでいます。これらの取り組みを通して、企業価値を高めていくことを目指しています。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


愛知製鋼は、2026年6月16日の定時株主総会を経て監査等委員会設置会社へ移行しました。これにより、社内外の取締役会構成員が議論に参加し、監督機能の強化と意思決定の迅速化を図る体制となっています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


愛知製鋼の株主構成を見ると、筆頭株主は自動車メーカーであるトヨタ自動車です。その他、信託銀行や大手自動車部品メーカー、鉄鋼メーカー、金融機関など、幅広い事業会社や機関投資家が上位株主として名を連ねています。特に、トヨタ自動車とその関連会社が上位に複数名を占めており、同社グループの事業基盤を支える資本構成となっています。

株主名 持株比率
トヨタ自動車 24.69%
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 9.31%
豊田自動織機 8.47%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.0%です。代表取締役社長は後藤尚英氏が務めています。社外取締役比率は44.4%です。

氏名 役職 主な経歴
後藤 尚英 代表取締役社長 1989年4月同社入社。営業・調達本部トヨタ営業部長、アイチフォージ ユーエスエイ株式会社取締役社長などを歴任。2023年6月同社取締役社長就任より現職。
中村 元志 代表取締役副社長 1983年4月トヨタ自動車株式会社入社。エンジン生技部長、常務理事・衣浦工場長などを歴任。2018年1月同社常勤顧問を経て、2020年4月同社取締役副社長就任より現職。
石井 直生 取締役副社長 1986年4月トヨタ自動車株式会社入社。人事部長、東京秘書部長、渉外部長などを歴任。2018年1月同社常務役員。2026年4月同社取締役副社長就任より現職。
藤岡 高広 代表取締役会長 1979年4月トヨタ自動車工業株式会社(現トヨタ自動車株式会社)入社。常務役員を経て、2011年6月同社取締役社長。2023年6月同社取締役会長就任より現職。


社外取締役は、新居勇子氏(元ANAあきんど取締役副社長)、小川恭範氏(セイコーエプソン代表取締役会長)、三木浩一氏(弁護士・慶應義塾大学名誉教授・監査等委員)、宮坂彰一氏(西村あさひ法律事務所・外国法共同事業アドバイザー・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、社外取締役4名が独立役員として東京証券取引所に届け出ています。監査等委員である取締役は、取締役の職務執行を監督する役割に加え、取締役会の議決権を有することで、業務執行の適切性を監督しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


愛知製鋼の役員報酬は、社外取締役および監査等委員である取締役を除く取締役に対して、固定報酬としての月額報酬、短期インセンティブとしての賞与、中長期インセンティブとしての譲渡制限付株式報酬の3種類で構成されています。一方、社外取締役および監査等委員である取締役には、独立した立場での経営監視・監督機能を重視し、固定報酬としての月額報酬のみが支給される体系となっています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 3.1億円 77.5百万円
監査役(社外除く) 2名 63百万円 31.5百万円
社外役員 5名 40百万円 8.0百万円


なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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