※本記事は、大同特殊鋼株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月30日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は IFRS です。
1. 企業概要:どんな会社?
同社グループは、特殊鋼鋼材、機能材料・磁性材料、自動車部品・産業機械部品、エンジニアリング、流通・サービスといった多岐にわたる事業を展開しています。自動車や産業機械向けの特殊鋼鋼材の製造・販売を主軸に、高機能な材料や部品、さらには設備やサービスまで、幅広い分野で事業活動を行っています。
単体従業員数は3,370名、連結従業員数は12,729名です。同社グループの事業セグメントは、特殊鋼鋼材、機能材料・磁性材料、自動車部品・産業機械部品、エンジニアリング、流通・サービスの5つです。
主な国内グループ会社は、日本高周波鋼業(特殊鋼鋼材他)、カムス(特殊鋼鋼材)、日本精線(機能材料・磁性材料)、フジオーゼックス(自動車部品・産業機械部品)などです。
当連結会計年度においては、日本高周波鋼業を新規連結したことにより、棚卸資産が増加しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
大同特殊鋼は、特殊鋼の製造を通じて社会を支える企業として、従業員の長期的なキャリア形成と働きがいを重視しています。安定した事業基盤のもと、人材育成や多様な働き方を推進し、従業員が安心して能力を発揮できる環境づくりに取り組んでいることがうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、長年にわたり特殊鋼の分野で培ってきた技術と経験を持つ人材が多数在籍しており、平均勤続年数や平均年齢から、従業員が長く働き続ける傾向があることが示されています。これは、安定した環境でキャリアを築きたいと考える方にとって、魅力的な要素となるでしょう。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 8,704,000円 |
| 平均勤続年数 | 17.9年 |
| 平均年齢 | 40.2歳 |
| 単体従業員数 | 3,370人 |
| 連結従業員数 | 12,729人 |
| 単体のグループ内比率 | 26.5% |
大同特殊鋼グループは、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を設けています。これらの制度は、同社および連結子会社の従業員に適用されています。
退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、確定給付型の退職給付債務は476.3億円、年金資産は1,066億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは「素材の可能性を追求し、人と社会の未来を支え続けます」という経営理念を実現するため、5つの行動指針を定めています。これらの行動指針を体現し、事業戦略を推進する人材と職場環境を実現するために、「自律エキスパート人材の獲得」「共創スタッフ人材の獲得」「DE&Iが浸透した職場の実現」という3つの人材マテリアリティを特定しています。
同社は長期的視点に立った人材育成を行っており、従業員の給与(賞与を含む)その他の給付について、社内規程および人事評価制度に基づき、公正性・透明性を確保したうえで決定しています。給与水準は、職務・役割・能力に応じた等級制度に基づき設定され、賞与は会社業績および個人評価を反映して決定されます。また、外部環境や労働市場の動向を踏まえ、処遇制度の適切性を維持するため定期的に見直しを行っています。
具体的な取り組みとして、製造現場のエキスパート人材育成のため、1952年設立の「大同特殊鋼技術学園」での初期教育や階層別教育を実施しています。スタッフ人材に対しては、海外での新市場・新顧客開拓を遂行できる人材や、異なる専門性を持つ人材の育成(リスキリング)、DXリーダーの育成を目的とした選抜育成カリキュラムを実行中です。また、独自のe-ラーニングシステム「Star-D」を活用し、グループ企業理念、コンプライアンス、DE&I、人権などに関する各種教育を展開しています。
DE&I推進では、2014年にダイバーシティ推進プロジェクトを発足し、多様な人材が活躍できる風土形成と、多様性を活かした個人・組織成果の最大化を目指しています。女性活躍推進として、中堅層へのキャリア面談やマインドセット研修を実施し、働きがいを自ら生み出すマインドを育てる取り組みを継続しています。働き方改革では、「価値を生み出す時間の創出」支援と「働きがいを感じられる職場づくり」の実現を目的に、多様で柔軟な働き方の選択を可能とする取り組みを推進しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。賃金体系や昇進・昇級制度に男女の違いはありませんが、職種間や管理職比率の違いにより賃金格差が生じています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 3.2% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 52.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 75.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) | 76.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うちパート・有期労働者) | 79.4% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ 日本高周波鋼業
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 4.1% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 7.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 75.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) | 75.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うちパート・有期労働者) | 83.8% |
▼ 大同興業
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 5.1% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 80.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 64.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) | 60.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うちパート・有期労働者) | 59.6% |
▼ 日本精線
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 2.3% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 76.5% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 55.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) | 71.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うちパート・有期労働者) | 57.0% |
ダイバーシティへの取り組み
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性従業員の10年定着率 | 72.7% |
| 次世代管理職(係長級)の女性従業員人数 | 31人 |
| 次世代管理職(係長級)の女性従業員比率 | 12.6% |
| 女性管理職人数 | 23人 |
| 女性管理職比率 | 3.2% |
働き方改革への取り組み
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| エンゲージメントスコア | 81.2% |
| 1人当たり有給休暇取得平均日数 | 13.8日 |
| 育児休業取得率(男性) | 52.1% |
| 育児休業取得率(女性) | 100% |
安全・健康への取り組み
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 休業度数率 | 0.75 |
| 有所見率 | 67.5% |
| 「心身活力を持って業務に取り組めている」評価割合 | 47.6% |
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 従業員一人当たり研修受講時間(当社) | 40.5時間 |
| 従業員一人当たり研修費用(当社) | 78千円 |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
大同特殊鋼は、特殊鋼鋼材、機能材料・磁性材料、自動車部品・産業機械部品、エンジニアリング、流通・サービスの5つのセグメントで幅広い事業活動を展開しています。同社グループは、多岐にわたる製品とサービスを通じて、国内外の主要産業に貢献する事業構造を持っています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、特殊鋼の製造・販売を基盤とし、その技術を応用した機能材料や自動車・産業機械部品、さらには関連するエンジニアリングや流通・サービスまで、幅広い領域で収益を上げています。主要な需要先である自動車関連の受注は堅調に推移しており、原材料価格の変動に対応しながら適正なマージン確保に努めています。海外売上収益はアジアや北米を中心に展開しており、グローバルな事業活動を行っています。
特殊鋼鋼材
自動車や産業機械向けの構造用鋼、工具鋼などの特殊鋼鋼材の製造と販売を行っています。収益は、これらの製品の製造・販売から得ています。運営は、大同特殊鋼、日本高周波鋼業、大同DMソリューション、カムス、大同興業などが行っています。
機能材料・磁性材料
ステンレス製品、希土類磁石、高合金製品、電気・電子部品用材料、粉末製品、チタン製品などの機能材料・磁性材料の製造と販売を手掛けています。収益は、データセンター向けHDD需要の回復や、重希土類フリー磁石への需要増加など、多様な材料製品の提供から得ています。運営は、大同特殊鋼、日本高周波鋼業、日本精線、ダイドー電子、下村特殊精工などが行っています。
自動車部品・産業機械部品
型鍛造品、トラック用鋼機製品、鋳鋼品、精密鋳造品、自由鍛造品、エンジンバルブ部品、圧縮機部品、ターボ部品などを製造・販売しています。収益は、自動車や産業機械向けの各種部品の提供から得ています。運営は、大同特殊鋼、日本鍛工、フジオーゼックス、大同精密工業、大同キャスティングスなどが行っています。
エンジニアリング
鉄鋼設備、環境設備、各種機械の製造・販売、設備メンテナンス、土木建設事業などを行っています。収益は、鉄鋼用溶解設備やメンテナンス部品の売上増加などから得ています。運営は、大同特殊鋼、大同マシナリー、大同環境エンジニアリング、大同プラント工業などが行っています。
流通・サービス
不動産事業、保険業務、グループの福利厚生関連事業、ゴルフ場経営、分析事業、情報システムの開発・保守運用、製品の輸出入業務、ビル賃貸業など、多角的なサービスを提供しています。収益は、これらの幅広いサービス事業から得ています。運営は、大同ライフサービス、木曽駒高原観光開発、大同分析リサーチ、大同ITソリューションズ、大同興業などが行っています。
| セグメント | 売上収益(2025年3月期) | 売上収益(2026年3月期) | セグメント利益(2025年3月期) | セグメント利益(2026年3月期) | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 特殊鋼鋼材 | 2,808億円 | 2,761億円 | 121億円 | 134億円 | 4.8% |
| 機能材料・磁性材料 | 2,198億円 | 2,168億円 | 110億円 | 149億円 | 6.9% |
| 自動車部品・産業機械部品 | 1,470億円 | 1,481億円 | 113億円 | 81.6億円 | 5.5% |
| 流通・サービス | 469億円 | 483億円 | 27.7億円 | 30.2億円 | 6.3% |
| エンジニアリング | 247億円 | 277億円 | 22.0億円 | 26.2億円 | 9.5% |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上収益は、直近5年間で概ね安定した水準で推移しています。税引前利益および親会社の所有者に帰属する当期利益は、変動が見られるものの、直近の当期においては前期から増加となりました。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上収益 | 5,297億円 | 5,790億円 | 5,786億円 | 5,749億円 | 5,781億円 |
| 税引前利益 | - | 526億円 | 451億円 | 427億円 | 448億円 |
| 税引前利益率 | - | 9.1% | 7.8% | 7.4% | 7.7% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | - | 363億円 | 306億円 | 283億円 | 326億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 126.19 | 170.32 | 143.37 | 134.57 | 161.74 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上収益(連結)は前期からわずかに減少しましたが、従業員1人あたり営業利益(連結)は前期と同水準を維持しています。これは、売上収益の伸びが緩やかであった一方で、営業利益の効率性が維持されていることを示しています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上収益(連結) | 47.7百万円 | 45.4百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 3.3百万円 | 3.3百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
財務の安定性は、企業が持続的に事業を運営し、従業員に安定した環境を提供するための重要な要素です。同社グループの財務状況から、現在の経営状態と将来に向けた資金の流れを確認します。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の製造業平均と比較して高い水準にあります。ROE(自己資本利益率)はプライム市場の平均を下回っていますが、前期から改善傾向を示しています。手元資金も確保されており、不測の事態への耐性がある状態です。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本 | 4,293億円 | 4,726億円 |
| 自己資本比率 | 54.8% | 55.2% |
| ROE(自己資本利益率) | 6.7% | 7.2% |
| 現金及び現金同等物 | 612億円 | 631億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、営業活動による資金が前期に比べて増加しています。これは税引前利益の増加や減価償却費及び償却費の計上などが主な要因です。投資活動では、有形固定資産、無形資産及び投資不動産の取得による支出や子会社の取得による支出が増加しており、積極的な投資が行われている状況です。
財務活動では、借入金の返済による支出や配当金の支払額、自己株式の取得による支出があり、資金の使用が進んでいます。フリーキャッシュフローは前期から減少していますが、本業で得た資金を成長分野への投資に充てている状態です。この資金の流れは、同社グループが将来の成長に向けて事業基盤を強化していることを示しており、長期的な雇用安定性や成長性につながる可能性があります。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 535億円 | 661億円 |
| 投資CF | △156億円 | △482億円 |
| 財務CF | △227億円 | △185億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 379億円 | 178億円 |
※フリーCF(フリーキャッシュ・フロー)とは、会社が事業活動と投資活動を通じて自由に使える余剰資金のこと。
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、国内外の景気悪化や主要需要業界である自動車メーカーの減産、電動化の進展加速による経営成績および財政状態への影響をリスクとして認識しています。また、需要環境の構造的変化による事業用資産の減損や戦略的投資の計画未達に伴う固定資産の減損もリスクとして挙げられています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、少子高齢化等による必要な人材の確保、育成の未達をリスクとして認識しています。また、各種ハラスメント防止やダイバーシティへの対応が不十分だった場合の人権侵害およびエンゲージメント低下による人材定着率の低下もリスクとして挙げられています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
大同特殊鋼は、「素材の可能性を追求し、人と社会の未来を支え続けます」を経営理念に掲げ、高機能素材の価値を極めることを目指す企業です。持続的な企業価値向上とサステナブル社会の実現に貢献することを存在意義としています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループの経営理念は「素材の可能性を追求し、人と社会の未来を支え続けます」です。高機能素材を追求するMissionを達成し、人と社会の未来に貢献していくことが同社グループの存在意義(Purpose)であると認識しています。2030年の“ありたい姿”として「高機能素材の価値を極め、顧客ベネフィットを創造し、サステナブル社会の実現に貢献する」ことを掲げています。この実現を通じて、持続的な企業価値の向上を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、経営理念を実現する人材像として「5つの行動指針」を定めています。具体的には、「高い志を持つ」「誠実に行動する」「自ら成長する」「チームの力を活かす」「挑戦し続ける」が挙げられます。これらの行動指針は、同社グループの強み(Core competence)を生み出してきた人材の行動様式をまとめたものであり、サステナブルな人的資本の姿であると位置づけられています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、社会経済・産業構造の変化を事業好機と捉え、事業ポートフォリオの変革を通じて持続的な利益成長を実現する「2026中期経営計画」を推進しています。経営基盤の強靭化として、グローバル人材や高度専門人材の確保、次世代経営人材の育成、DX推進人材の育成による従業員のスキル向上に取り組んでいます。また、従業員エンゲージメント向上のため、「安心して働ける職場」「働きやすい職場」「働きがいのある職場」を目指した様々な取り組みを行っています。
ESG経営の高度化も重点テーマであり、気候変動対策としてCO2排出量削減、健康経営の推進、ダイバーシティの推進、ガバナンス強化などを進めています。政策保有株式の縮減も継続的に進めていく方針を示しています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
大同特殊鋼は監査等委員会設置会社を採用しており、経営の意思決定の迅速化とガバナンス体制の強化を図っています。取締役会の諮問機関として指名・報酬委員会を設置し、透明性および公正性を高めています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行(信託口)であり、上位には信託銀行や事業会社、金融機関が名を連ねています。特定の個人や創業家が上位を占めるような資本構成ではありません。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 10.35% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 5.51% |
| 日本製鉄 | 5.42% |
| 明治安田生命保険(相) | 5.18% |
| 日本発條 | 3.61% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は11名(男性9名・女性2名)で構成され、女性役員比率は18.0%です。代表取締役社長執行役員は清水哲也氏が務めています。社外取締役比率は45.5%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 石黒 武 | 代表取締役 会長 | 1980年4月 同社入社、2016年6月 同社代表取締役社長執行役員、2023年6月 同社代表取締役会長より現職。 |
| 清水 哲也 | 代表取締役 社長執行役員 | 1985年4月 同社入社、2020年6月 同社取締役常務執行役員経営企画部長、2023年6月 同社代表取締役社長執行役員より現職。 |
| 山下 敏明 | 代表取締役 副社長執行役員 東京本社長 | 1986年4月 同社入社、2020年6月 同社取締役常務執行役員自動車ビジネスユニット長、2024年4月 同社代表取締役副社長執行役員兼東京本社長より現職。 |
| 岩田 龍司 | 取締役 常務執行役員 | 1987年4月 同社入社、2021年6月 同社常務執行役員関連事業部長、2023年6月 同社取締役常務執行役員より現職。 |
| 鹿嶋 忠幸 | 取締役 常務執行役員 生産本部長 | 1987年4月 同社入社、2021年6月 同社常務執行役員鋼材生産本部長、2023年6月 同社取締役常務執行役員生産本部長より現職。 |
社外取締役は、平光範之氏(日本製鉄常務執行役員名古屋製鉄所長)、神保睦子氏(豊橋技術科学大学理事・副学長)、川上紀子氏(TMEICパワーエレクトロニクスシステム事業部技監)、小野竜一郎氏(元三菱UFJリサーチ&コンサルティング取締役専務執行役員・監査等委員)、松尾憲治氏(明治安田生命保険相互会社名誉顧問・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社を採用しており、監査等委員である取締役が取締役会において議決権を有することで、経営に対するガバナンス体制の強化を図っています。また、取締役会の諮問機関として指名・報酬委員会を設け、独立社外取締役を委員の過半数とすることで、手続きの透明性・客観性を確保しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社では、取締役(監査等委員である取締役および社外取締役を除く)の報酬は金銭および株式で、監査等委員である取締役および社外取締役の報酬は金銭で支給しています。報酬水準は第三者機関のサーベイを参考に、役職が上がるほど業績連動報酬の比率が高くなるように設計されています。賞与の業績指標は単体経常利益と個人業績評価、株式報酬の業績連動部分は連結営業利益と連結ROEをKPIとしています。また、株式報酬制度には報酬の返還条項(マルス・クローバック条項)が定められています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 6名 | 3.9億円 | 65.0百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 2名 | 26百万円 | 13.0百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 69百万円 | 13.8百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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