※本記事は、那須電機鉄工株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
那須電機鉄工は、電力・通信インフラ事業と交通等インフラ事業を主軸に、製品の製作・販売および関連工事を手掛けています。同社グループは、社会インフラを支える重要な役割を担っています。
単体従業員数は352名、連結従業員数は464名です。セグメントは電力・通信インフラ事業、交通等インフラ事業の2つです。
主な国内グループ会社は、那須電材産業、那須電機商事、東北那須電機などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
那須電機鉄工は、社会インフラを支える事業を展開しており、安定した事業基盤のもとで従業員の働きがいを重視した環境づくりに取り組んでいます。同社グループでは、長期的な視点での人材育成と、多様な働き方を支援する制度を通じて、従業員一人ひとりが成長できる職場環境を目指しています。給与水準や具体的な働き方に関する指標は、以下の詳細で確認できます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
那須電機鉄工では、従業員の平均勤続年数が長く、比較的高い年齢層で構成されていることから、長期的なキャリア形成が可能な環境であると考えられます。安定した環境で専門性を高めながら、長く働き続けたいと考える方にとって、魅力的な職場であると言えるでしょう。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,382,000円 |
| 平均勤続年数 | 17.9年 |
| 平均年齢 | 45.4歳 |
| 単体従業員数 | 352人 |
| 連結従業員数 | 464人 |
| 単体のグループ内比率 | 75.9% |
同社グループは、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を設けています。これらの制度は同社および連結子会社を対象としています。
退職一時金制度もあります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
なお、確定給付制度における退職給付債務は17.3億円、年金資産は6百万円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
那須電機鉄工は、「2027中期経営計画」において、事業戦略と一体化した人的資本経営を推進しています。同社グループの将来を担う人材を育成し、成長し続ける組織と人づくりを目指すことを基本方針としています。
従業員の給与は「人的資本投資」と位置づけられ、職務内容、役割、能力、成果を基礎に、専門性や経験を適切に評価して決定されます。賞与は会社業績と個人の貢献度を反映する仕組みです。
人材育成においては、「教育訓練規程」に基づき、職階別・職能別に必要なスキルや専門知識の習得を支援しています。具体的には、積極的な教育機会や資格取得機会の提供、ジョブローテーションによる人材・技術交流、キャリアパス制度を活用した管理職・経営層の育成に取り組んでいます。また、健康経営にも注力し、従業員一人ひとりが心身ともに健康で活動できる職場環境づくりを進めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。管理職に占める女性労働者の割合は、本記事では取得できていません。男性労働者の育児休業取得率は育児介護休業法に基づき算出されています。労働者の男女の賃金の差異は女性活躍推進法に基づき算出されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男性労働者の育児休業取得率 | 66.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 78.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) | 73.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち非正規雇用労働者) | 90.7% |
人的資本に関する指標と目標
| 指標 | 目標 | 実績 |
|---|---|---|
| 管理職研修・MTPセミナーの受講 | 2026年度 対象者の100%受講 | 2025年度管理職研修、MTPセミナー受講率 100.0% |
| 管理職適性検査受検者の合格率 | 2026年度 受検者の40%以上合格 | 2025年度合格率 15.79% |
| ジョブローテーション・人材交流の実施 | 2026年度 40名以上実施 | 2025年度ジョブローテーション実施者 41名 |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
那須電機鉄工グループは、電力・通信インフラ事業と交通等インフラ事業の二つの柱で事業を展開しています。社会の基盤を支えるインフラ分野において、製品の製作・販売から工事までを一貫して手掛けています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、社会インフラを支える製品の製作・販売および関連工事を主な事業内容としています。電力・通信分野と交通分野の双方で、安定した社会基盤の構築に貢献しています。
電力・通信インフラ事業
この事業では、送電設備材料、配電設備材料、通信設備材料などの製作・販売、および通信鉄塔設備工事を行っています。電力インフラにおいては大型幹線鉄塔の受注を確保し、通信インフラでは5G基地局の資機材受注に積極的に取り組んでいます。収益は、主に電力会社や通信会社向けの製品販売および工事から得ています。
交通等インフラ事業
交通システム材料の製作・販売、道路設備工事、地中線設備工事、および表面処理を主な事業内容としています。高速道路関連やインフラ設備工事における大型案件の減少が影響しています。収益は、交通インフラ関連の製品販売や各種工事から得ています。
同社グループの売上高は、特定の主要顧客に集中する傾向があります。当連結会計年度においては、東京電力パワーグリッド株式会社、大明通産株式会社、東北電力株式会社が主要な取引先となっています。海外売上高については、連結損益計算書の売上高の10%未満であるため、海外への売上高は限定的であると示されています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 電力・通信インフラ事業 | 188億円 | 196億円 |
| 交通インフラ事業 | 41.6億円 | 41.6億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの直近5期間の業績推移を見ると、売上高は概ね横ばいから微増の傾向にあります。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、直近の連結会計年度において増加を示しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 230億円 | 221億円 | 233億円 | 229億円 | 237億円 |
| 経常利益 | 29.5億円 | 25.0億円 | 27.7億円 | 29.4億円 | 34.0億円 |
| 経常利益率 | 12.9% | 11.3% | 11.9% | 12.8% | 14.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 25.7億円 | 18.6億円 | 18.5億円 | 18.9億円 | 24.8億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 2,207.07 | 1,591.44 | 1,586.79 | 1,616.33 | 2,129.34 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期と比較して増加しています。また、従業員1人あたりの営業利益も同様に増加傾向を示しており、組織全体の生産性が向上していることがうかがえます。これらの指標の改善は、効率的な事業運営と収益創出能力の強化を示唆しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 48.3百万円 | 51.2百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 5.9百万円 | 6.8百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、自己資本比率が高く、手元資金も厚い状態です。本業で安定した資金を生み出し、投資も行いながらも余剰資金を確保している状況を示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率はプライム市場の製造業平均を上回る水準にあります。手元資金も増加傾向にあり、安定した財務基盤を築いていることがうかがえます。
ROEはプライム市場平均を下回るものの、堅実な経営状況が雇用や給与の安定性につながる可能性があります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 291億円 | 335億円 |
| 自己資本比率 | 66.1% | 69.7% |
| ROE(自己資本利益率) | 6.8% | 8.0% |
| 現金及び預金 | 74.2億円 | 82.2億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の増加や仕入債務の減少幅が縮小したことにより、前連結会計年度に比べて収入が増加し、26.5億円の収入となりました。本業で安定的に資金を生み出している状況を示しています。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の取得や有形固定資産の取得による支出が減少したことで、支出が3.3億円に減少しました。これにより、事業活動で得た資金で投資を賄い、さらに余剰資金を生み出すフリーキャッシュ・フローは23.2億円のプラスとなっています。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出が減少したものの、長期借入れによる収入の減少や配当金の支払額の増加などにより、15.3億円の支出となりました。同社グループは本業で安定した資金を創出し、健全な投資活動を行いつつ、資金の流動性を確保している状況です。これは、入社後の雇用や給与の安定性につながる経営基盤であると言えます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 17.1億円 | 26.5億円 |
| 投資CF | △17.6億円 | △3.3億円 |
| 財務CF | △13.0億円 | △15.3億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △46百万円 | 23.2億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの主力分野である電力流通関連、情報通信関連、交通等インフラ関連において、景気の悪化や需要の低下が業績に悪影響を与える可能性があります。また、原材料や副資材、外注加工品の調達が阻害された場合や価格高騰が生じた場合、採算性が悪化するリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
那須電機鉄工は、「人の和」「誠実」「奉仕の心」を経営の基本に据え、豊かな生活空間の創造を目指す企業グループです。お客様からの信頼を最優先し、社会的な責任を果たすことを重視しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、経営の基本として「人の和」・「誠実」・「奉仕の心」を掲げています。
「ゆたかで快適な生活空間を創造する企業」として、お客様から満足され、信頼される企業グループを目指しています。
「より安全に、より良く、より安く、より早く、より安定的に製品やサービスを提供する」ことを通じて、この目標を実現しようとしています。
また、2029年の創立100周年・100年企業ブランドに向けて、事業継続と「ありたい姿」の実現に向けた取り組みを継続しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、社憲に掲げる「人の和」「誠実」「奉仕の心」を経営理念としています。
「企業行動規範」を守る高い倫理観と厳しい自己規律をもつ「人」を最大の経営資本と考えています。
この理念に基づき、一人ひとりが企業とともに成長・発展できる職場環境づくりと計画的な人材育成に努めています。
サステナビリティ推進体制を整備・強化し、取締役会による方針決定と監督のもと、リスクマネジメント委員会が定期的な監視・報告を行い、代表取締役が最終責任を有しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、「企業の社会的責任」を経営の最重要課題の一つと位置付けています。
法令遵守や地球環境問題への取り組みに加え、社会に対してさまざまな貢献を通して社会的責任を果たすことを目指しています。
気候変動対策およびその緩和を重要課題とし、ESG経営を推進することで経営上のリスク低減と新事業の創出を図っています。
人的資本においては、管理職により多くの女性を登用する必要性を認識し、各職場で女性を積極的に採用して多様性の確保に注力しています。
誰もがライフイベントとキャリアを両立できる制度整備と職場風土の醸成にも取り組んでいます。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
那須電機鉄工は、取締役会による経営の透明性向上と業務執行の監督に努めています。
監査等委員会設置会社として、独立した立場で取締役の職務執行を監査する体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社は、機関投資家や事業会社、個人株主など多様な株主によって支えられています。筆頭株主はNIPPON ACTIVE VALUE FUND PLCであり、安定した資本構成を形成しています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| NIPPON ACTIVE VALUE FUND PLC | 7.46% |
| ケー・エフ・シー | 5.75% |
| 那須 幹生 | 4.66% |
上記のほか同社所有の自己株式 33千株があります。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性5名・女性1名)で構成され、女性役員比率は16.6%です。代表取締役社長は鈴木智晴氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 鈴木 智晴 | 代表取締役社長 | 1984年4月同社入社。2003年6月同社執行役員電力・通信営業部長。2019年6月より同社代表取締役社長 営業管掌。2022年5月より那須電機商事代表取締役社長。 |
| 大熊 幸夫 | 常務取締役 | 1986年4月同社入社。2017年6月同社執行役員情報システム部長。2022年6月同社取締役生産担当兼八千代工場長。2025年6月より同社常務取締役管理部門担当兼生産部門担当。 |
| 清水 幸男 | 取締役情報システム部長電力・通信営業部長 | 1988年4月同社入社。2018年4月同社執行役員電力・通信営業部長。2024年6月同社取締役電力・通信営業部長兼技術開発部担当。2026年4月より同社取締役情報システム部長兼電力・通信営業部長兼技術開発部担当。 |
社外取締役は、黒滝一雄氏(公認会計士・税理士)、中里志万子氏(弁護士)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会は業務執行取締役3名および監査等委員である取締役3名の合計6名で構成されています。監査等委員会は社外取締役2名を含む3名で構成され、独立した立場で取締役の職務執行について適法性および妥当性監査等を実施しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、基本報酬と業績連動報酬、退職金制度で構成されています。基本報酬は役位や職責、会社の業績を総合的に考慮して決定され、業績連動報酬は連結業績や中長期経営計画の達成度を勘案して支給されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 5名 | 1.3億円 | 26.0百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 10百万円 | 10.2百万円 |
| 社外役員 | 2名 | 5百万円 | 2.6百万円 |
なお、当社は、特定投資株式における定量的な保有効果の記載が困難であるため、保有の合理性を検証した方法について記載いたします。当社は、毎期、個別の政策保有株式について政策保有の意義を検証しており、保有株式の合理性については、株式金額、現在の含み損益、株主総利回り、持合状況、担保状況、発行会社との取引状況により総合的に勘案して行っております。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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