【平均年収551万円】トーアミ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収551万円】トーアミ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

トーアミは、土木建築用資材事業と土木・建築工事事業を展開しています。連結従業員数は406名規模です。直近の業績は売上高が増加し、利益は前期の損失から黒字転換しました。


目次

※本記事は、株式会社トーアミ の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


トーアミは、土木建築用資材事業と土木・建築工事事業を展開しています。溶接金網や鉄筋加工品などの資材製造販売から、型枠大工工事や造成工事まで幅広く手掛けています。

単体従業員数は249名、連結従業員数は406名です。同社グループの事業セグメントは、土木建築用資材事業と土木・建築工事事業の2つです。

主な国内グループ会社は、住倉鋼材、渡部建設(土木・建築工事業)、FDテクノなどです。

当連結会計年度においては、株式会社エアードが連結子会社となり、グループ体制が強化されました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


トーアミグループは、社会インフラを支える土木建築用資材の製造・販売および土木・建築工事を手掛けています。社員の成長と働きがいを重視し、長期的な視点での人材育成と働きやすい環境づくりに注力している企業です。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、社員が安心して長く働ける環境の整備に力を入れています。平均勤続年数や平均年齢からは、社員が定着し、キャリアを築いている傾向がうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 5,513,494円
平均勤続年数 16.7年
平均年齢 46.4歳
単体従業員数 249人
連結従業員数 406人
単体のグループ内比率 61.3%


【退職給付制度】
同社グループは、従業員の退職給付制度として、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の二制度を併用しています。これらの制度は国内グループ会社に適用されています。

退職一時金制度があり、確定給付型の場合は勤続年数により一時金及び有期分割受給(10年)が選択できます。確定拠出型においても一時金及び分割受給の選択制ですが、受給期間は個々の選択商品により個別設定が可能です。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、人的資本を中長期的な企業価値向上の源泉と位置づけ、経営戦略の実行に資する多様な人材の確保・育成及びエンゲージメント向上を目的とした給与体系を構築しています。2024年4月から2027年3月までの中期経営計画では、「社員の成長を目的とした積極的な人的資本投資」を基本方針の一つに掲げています。

提出会社では役割等級制度を基盤とし、人事考課を通じて成績・能力・行動プロセスを多角的に評価することで、役割と貢献度に基づいた公正な処遇を実現しています。特に、高度な専門性を有する人材に対しては執行役員制度や専門職制度等を活用し、一般社員とは異なる独自の評価・報酬枠組みを提供することで、高度な専門スキルの獲得・維持と離職防止、並びに高いモチベーションの醸成を図っています。

また、「社員が安心して自分の子供を入社させたくなる会社」を経営の中心的な価値観とし、社員のやりがいを高めるための職場環境改革を通じて、社員がその能力を発揮し、仕事と生活の調和を図り働きやすい雇用環境を整備することを基本方針としています。多様な人材の採用及び登用を図る観点から、採用における女性比率の向上と登用に向けた女性社員を対象とした研修制度の充実を図っています。社員が安心して働くために「安全が最優先事項である」との認識のもと、労働災害の絶無を目指してグループ一体での安全大会の実施や表彰制度を採用することで安全意識の醸成を行っています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社及び連結子会社は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象ではないため、法定開示データは開示されていません。

グループ全体(連結)

指標 数値
男性育児休暇取得率 63.6%

人材育成・エンゲージメント


2025年度実績では、1人当たりの有給休暇の年間取得日数は目標である年間15日に対して6.7日でした。

指標 数値
1人当たりの有給休暇の年間取得日数(平均) 6.7日

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


トーアミグループは、土木建築用資材の製造販売と土木・建築工事の二つの事業を展開しています。社会インフラを支える基盤事業と、建設現場を直接手掛ける事業を通じて収益を上げています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、「土木建築用資材事業」と「土木・建築工事事業」の2つの報告セグメントで事業を展開しています。これらの事業を通じて、建設・土木業界の多様なニーズに応えています。

土木建築用資材事業

この事業では、棒線加工品(溶接金網、鉄筋加工品)、コンクリート二次製品用溶接金網、メッシュフェンスなどの土木建築用資材を生産しています。収益は、これらの資材の製造・販売から得ています。運営は、トーアミ、住倉鋼材、FDテクノが国内で製造・販売しており、海外ではSMC TOAMI LIMITED LIABILITY COMPANYがワイヤーメッシュの製造・販売を、TOAMI VIETNAM LLCが建築図面解析や技術コンサルティングサービスを行っています。直近の期では、売上高は減少傾向を示しました。

土木・建築工事事業

この事業では、型枠大工工事を主体に、コンクリート工事、造成工事、外構工事、舗装工事など、多岐にわたる土木・建築工事を手掛けています。収益は、各種土木・建築工事の請負から得ています。運営は、渡部建設、中條工務店、エアードが行っています。直近の期では、売上高は増加傾向を示しました。

同社グループは、本邦以外の外部顧客への売上高がないため、海外市場からの収益は限定的です。また、特定の顧客への収益集中は見られず、幅広い顧客基盤を持っています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
土木建築用資材 144億円 137億円
土木・建築工事 37.3億円 46.4億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高は、直近5年間で着実に増加傾向を示しています。一方で、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、増減を繰り返しながらも直近の期では大きく改善しました。特に前期は営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しましたが、当期はそれぞれ営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益へと転換しています。営業活動によるキャッシュ・フローは継続してプラスを維持しており、本業での資金創出力は安定している状況です。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 123億円 154億円 176億円 181億円 184億円
経常利益 1.3億円 △96百万円 3.4億円 △30百万円 2.8億円
経常利益率 1.1% △0.6% 1.9% △0.2% 1.5%
親会社株主に帰属する当期純利益 70百万円 △72百万円 2.5億円 △6百万円 1.8億円
1株当たり当期純利益(円) 11.16 △11.86 41.39 △1.12 30.66

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期からわずかに増加しています。これは、売上高の増加と従業員数の増加がほぼ同程度であったことを示しています。また、従業員1人あたり営業利益は、前期のマイナスから当期はプラスに転換し、大きく改善しました。これは、同社グループの収益性が向上し、従業員一人ひとりの稼ぐ力が強化されたことを示唆しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 45.0百万円 45.3百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) △0.3百万円 0.5百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは、安定した財務基盤と堅実なキャッシュ・フローを維持している状況です。本業で着実に資金を生み出し、将来に向けた投資もバランス良く行っていることがうかがえます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率が58.7%と高い水準を維持しており、プライム市場の製造業平均と比較しても堅固な状態を示しています。これは、外部環境の変化に対する耐性が高く、安定した経営基盤があることを示しています。

ROE(自己資本利益率)は1.6%となっており、前期のマイナスから改善が見られます。手元資金である現金及び預金は20.0億円に増加しており、不況時にも対応できる流動性を確保している状況です。

これらの財務状況は、事業の継続性や雇用・給与の安定性にもつながる重要な要素となっています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 108億円 111億円
自己資本比率 56.4% 58.7%
ROE(自己資本利益率) -0.1% 1.6%
現金及び預金 17.9億円 20.0億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは15.8億円の収入となり、前期の9.0億円の収入から増加しています。これは主に税金等調整前当期純利益の増加や売上債権、棚卸資産の減少によるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは5.2億円の支出となり、前期の1.2億円の支出から増加しました。これは主に有形固定資産の取得による支出や関係会社への貸付けによるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは8.5億円の支出となり、前期の1.1億円の収入から支出に転じています。これは主に長期借入金の返済や配当金の支払いによるものです。

これらの結果、フリーキャッシュ・フローは10.5億円のプラスとなっており、本業で得た資金で投資を賄い、さらに余剰資金を生み出している状況です。このキャッシュ・フローの状況は、同社グループが安定した事業運営を行いながら、将来に向けた投資も着実に進めていることを示しています。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 9.0億円 15.8億円
投資CF △1.2億円 △5.2億円
財務CF 1.1億円 △8.5億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 7.8億円 10.5億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループの事業構造・収益性に関するリスクとして、資材調達のリスクが挙げられます。主材料である線材や鉄筋等の価格変動、および海外材料調達における為替相場の変動が業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、主な販売先が建設・土木業界であるため、国内の公共工事や民間建設投資が減少した場合、経営成績に影響を及ぼすリスクがあります。

③ 人材・組織に関するリスク

人材・組織に関するリスクとして、サステナビリティに対する取り組みに関わるリスクが挙げられます。同社グループは「働きやすい組織体制の整備」をSDGsターゲットに関連した「2030年に目指す姿」として設定しており、この目標達成がリスク対策となると認識しています。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


トーアミは、企業価値の向上とステークホルダーからの信頼を基本に、社会貢献と持続的な成長を目指しています。顧客ニーズに応え、社員の成長を重視する企業文化を築いています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、企業価値の向上、ステークホルダーから信頼されるコーポレートガバナンス体制の構築、コンプライアンス経営の実践、透明性の向上、企業倫理の確立を基本方針としています。顧客ニーズに柔軟に対応し、信頼性の高い製品をタイムリーに供給しつつ、経営基盤強化と将来にわたる事業の発展に努めています。

高品質の製品と高度なサービスで安全と安心をもって社会に貢献し、コスト構造の改善、技術力による差別化、人材力の強化により、持続的な成長を実現することを目指しています。中期経営計画では、「顧客価値向上に焦点を当てた事業の再構築」「社員の成長を目的とした積極的な人的資本投資」「業界のロールモデルになる社会貢献と環境経営」の3つの基本方針を掲げ、安定的に成長を継続できる新しいグループの姿を追求しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、「社員が安心して自分の子供を入社させたくなる会社」を経営の中心的な価値観としています。社員のやりがいを高めるための職場環境の改革を通じて、社員がその能力を発揮し、仕事と生活の調和を図り働きやすい雇用環境を整備することを基本方針としています。多様な人材の採用及び登用を図る観点から、採用における女性比率の向上と登用に向けた女性社員を対象とした研修制度の充実を図っています。

また、「安全が最優先事項である」との認識のもと、労働災害の絶無を目指し、グループ一体での安全大会の実施や表彰制度を採用することで安全意識の醸成を行っています。サステナビリティ経営の推進を担う機関としてサステナビリティ委員会を設置し、同委員会の審議内容が取締役会に報告され、経営方針に反映される体制を構築しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、中期経営計画において「個の確立と機能発揮」「融合・連携の強化」「新しい価値の創造」「貢献と還元」の4つの重点施策に取り組んでいます。具体的には、DX(デジタルトランスフォーメーション)化を加速させ、AIを活用したシステム開発により業務の自動化・効率化を進め、社員一人ひとりが創造的な業務に集中できる環境を整えています。

グループ会社間及び各事業部間のシナジーを深化させるため、拠点機能の強化やグループ全体での情報共有と「協働」の質の向上を継続しています。持続可能な社会への貢献を目指すサステナビリティ経営を推進するとともに、人的資本への投資を強化し、企業価値向上への意欲を高めるための制度拡充を検討しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


株式会社トーアミは監査等委員会設置会社であり、取締役会は社外取締役を含む複数の取締役で構成されています。経営の健全性、透明性、適正性を確保し、意思決定の迅速化を図る体制が構築されています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


トーアミの株主構成を見ると、筆頭株主は事業会社である東洋物産です。代表取締役社長である北川芳仁氏も上位株主の一人として名を連ねています。複数の事業会社や創業家関係者が上位に位置しており、多様なステークホルダーによって支えられている資本構成となっています。

株主名 持株比率
東洋物産 10.91%
北川 芳仁 6.89%
阪和興業 6.67%
伊藤忠丸紅住商テクノスチール 6.49%
小野建 6.49%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は13.0%です。代表取締役社長は北川芳仁氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。

氏名 役職 主な経歴
北川 芳仁 代表取締役社長 兼管理本部長 2001年8月同社入社、関西事業部事業部長などを経て、2013年6月代表取締役社長に就任。2026年5月より代表取締役社長兼管理本部長に就任し現職。
下田 修一 取締役 上席執行役員 業務統括本部長 1989年9月同社入社後、各事業部の営業部長や事業部長を歴任。2018年6月取締役、2024年6月上席執行役員に就任し現職。
古田 貴久 取締役 上席執行役員 グループ統括本部長 りそな銀行鶴橋支店長を経て、2020年1月同社入社。2020年6月取締役管理本部長、2024年6月上席執行役員に就任。2026年5月より取締役グループ統括本部長に就任し現職。


社外取締役は、アレキサンダー・キャンベル・ベネット氏(関西大学国際部教授)、藤木晴彦氏(藤木晴彦税理士事務所税理士・監査等委員)、小礒ゆかり氏(税理士法人KTリライアンス代表社員・監査等委員)、内海二郎氏(元岡安証券奈良王寺支店部長・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社です。社外取締役4名が選任されており、多様な経験や専門知識に基づき、中立的かつ客観的な立場から経営監視機能を果たしています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


トーアミの役員報酬制度は、固定報酬と譲渡制限付株式報酬で構成されています。業績連動型報酬制度は採用されておらず、役員退職慰労金制度は2017年に廃止されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 3名 86百万円 28.6百万円
監査等委員(社外除く) 2名 7百万円 3.3百万円
社外役員 5名 9百万円 1.8百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。