【平均年収1880万円】ディスコ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収1880万円】ディスコ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

ディスコは、半導体製造装置と精密加工ツールの製造・販売を主軸に、グループ各社とともに事業を展開しています。直近の連結会計年度では増収増益となりました。


目次

※本記事は、株式会社ディスコ の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月16日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


ディスコグループは、半導体製造装置(精密加工装置)と精密加工ツールの製造・販売を主軸としています。これらに付帯する保守・サービスも展開しています。

ディスコの単体従業員数は3,687名、連結従業員数は5,547名です。同社グループは精密加工システム事業の単一セグメントで事業を展開しています。

主な国内グループ会社は、ダイイチコンポーネンツ、ディスコKKMファクトリーズなどです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


ディスコは、高度な技術を追求し、変化の激しいハイテク業界で持続的な成長を目指す企業です。従業員一人ひとりの「進化する力」を重視し、働きがいと働きやすさを両立させるための多様な制度や文化を構築しています。個人の意志を尊重し、成果を公正に評価する仕組みが特徴的です。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、平均勤続年数が10年を超えており、従業員が比較的長く定着している傾向が見られます。平均年齢は30代後半であり、幅広い年代の従業員が活躍していることがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 18,795,641円
平均勤続年数 10.6年
平均年齢 37.2歳
単体従業員数 3,687人
連結従業員数 5,547人
単体のグループ内比率 66.5%


同社および一部の連結子会社は、確定給付年金制度と確定拠出年金制度を設けています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。退職給付債務は71.6億円、年金資産は94.2億円となっています。なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、「企業の実態をつくるのは、そこで活動する人であり、企業の質を決定づけるのは人的資源の質である」という考え方を基本方針としています。従業員をイノベーションを生み出し、持続的な成長を支える重要な資本と位置づけ、一人ひとりの能力発揮と「進化する力」の育成に投資しています。

給与やその他の給付については、「機会は均等に。結果は貢献に基づいて公平に」という理念に基づき、会社業績との連動性および個人の貢献度を重視した体系を採用しています。賞与は連結経常利益率に連動するほか、独自の社内通貨「個人Will会計」の収支も賞与配分に反映される仕組みです。

具体的な施策として、従業員満足度(ES)調査を継続的に実施し、働きがい・働きやすさ・健康を重視するマネジメントを行っています。また、「Will経営」として業務選択の自由や異動の自由を保障し、従業員が自らの意志(Will)に基づいてキャリアを形成できる環境を整備しています。新卒総合職向けの「アプリケーション大学」や、600種類以上のeラーニング、400項目以上の対面・ウェビナー研修など、多様な教育プログラムも提供しています。さらに、日々の業務改善活動である「PIM(Performance Innovation Management)」や、製造設備・重要部品・ITシステムの内製化を通じて、従業員の進化力を高める取り組みも推進しています。正社員の75%超が選択する「コミット制度」では、全力で働くことと信頼関係の維持を約束する従業員に月額10万円からの手当を支給し、高い意欲と主体性を持つ人材の育成を図っています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。連結子会社は公表義務の対象外のため、記載を省略しています。男女賃金差異は、パート社員及び育児・介護等による短時間勤務者については正社員の所定労働時間で換算した人員数で算出されています。

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 7.4%
男性労働者の育児休業取得率 97.6%
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 57.0%
労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) 63.3%
労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) 58.4%

グループ全体(連結)


女性管理職比率は、持分法適用関連会社1社を含まない連結ベースの数値です。

指標 数値
女性管理職比率 14.3%

多様性・登用


多様性に関するES(従業員満足度)調査の集計結果です。持分法適用関連会社1社は含まれていません。

指標 数値
自分は性別による差別を受けていない 98.8%
自分は年齢による差別を受けていない 98.0%
自分は国籍による差別を受けていない 98.8%
自分は人種による差別を受けていない 99.1%
自分は宗教による差別を受けていない 99.5%
自部署ではセクシュアルハラスメント(性的いやがらせ)はない 98.4%
自部署では性的指向(性愛の対象)、性自認(自分の性をどう見なすか)による差別的言動はない 99.0%
自部署では年齢や勤続年数等による上下関係の押しつけやトラブルはない 96.4%

人材育成・エンゲージメント


従業員満足度(ES)調査の肯定回答率です。ES本調査の設問「当社で働いていることに満足している」への肯定回答率を表しており、持分法適用関連会社1社は含まれていません。

指標 数値
従業員満足度(ES)調査 肯定回答率 96.5%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


ディスコは、半導体製造装置と精密加工ツールを主力とする事業を展開しています。同社グループは、高付加価値製品の提供を通じて安定した収益を上げています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


ディスコは、半導体製造装置や精密加工ツールの製造・販売を主軸とし、これらに付帯する保守・サービスも提供しています。同社グループの事業は、精密加工システム事業の単一セグメントで構成されています。

高性能半導体向けの精密加工装置の出荷が好調に推移しており、高付加価値製品が収益に貢献しています。また、消耗品である精密加工ツールは顧客の設備稼働率に連動して出荷が高水準で推移しており、安定的な収益源となっています。

地域別では、中国や台湾といったアジア地域での売上高が大きな割合を占めています。特定の顧客としては、Taiwan Semiconductor Manufacturing Company Ltd.への売上高が全体の10%以上を占める主要な取引先となっています。製品別に見ると、精密加工装置が最も大きく、次いで精密加工ツール、その他が続いています。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの業績は、過去5期間にわたり売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも増加傾向を示しています。特に直近の連結会計年度では、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のすべてが増加となりました。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 2,538億円 2,841億円 3,076億円 3,933億円 4,369億円
経常利益 924億円 1,123億円 1,224億円 1,689億円 1,849億円
経常利益率 36.4% 39.5% 39.8% 43.0% 42.3%
親会社株主に帰属する当期純利益 662億円 829億円 842億円 1,239億円 1,355億円
1株当たり当期純利益(円) 611.67 765.47 777.29 1,143.26 1,249.84

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高および営業利益は、直近の連結会計年度において前期から増加しています。これは、従業員一人ひとりの生産性が向上し、効率的に収益を創出している傾向を示しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 74.8百万円 78.8百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 31.7百万円 33.3百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務状況は、事業活動で得た資金を積極的に将来への投資に充てている状況を示しています。これにより、持続的な成長を目指すフェーズにあることがうかがえます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、高い自己資本比率とROE(自己資本利益率)によって強固な状態を示しています。自己資本比率はプライム市場の製造業平均を大きく上回っており、財務の安定性が高いことがうかがえます。また、ROEもプライム市場平均を大きく上回る水準で推移しており、効率的な経営が行われていることを示しています。手元資金である現金及び預金も増加傾向にあり、事業継続性への備えが厚い状況です。これらの財務状況は、入社後の雇用や給与の安定性にも良い影響を与える可能性があります。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 4,927億円 5,881億円
自己資本比率 75.1% 78.9%
ROE(自己資本利益率) 27.6% 25.1%
現金及び預金 2,292億円 2,846億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローは、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローが前期から増加し、1,335億円のプラスとなっています。これは主に税金等調整前当期純利益や減価償却費の計上によるものです。一方で、投資活動によるキャッシュフローは、定期預金の預入や工場設備用の土地建物などの有形固定資産の取得による支出が増加したため、1,358億円のマイナスとなりました。その結果、フリーキャッシュフローは22.3億円のマイナスとなっています。財務活動によるキャッシュフローは、配当金の支払いにより450億円のマイナスとなりました。このキャッシュフローの状況は、本業で安定的に資金を生み出しつつ、将来の成長に向けた積極的な投資を行っていることを示しており、長期的な視点での成長性と雇用安定性への期待が持てる状況です。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 1,204億円 1,335億円
投資CF △680億円 △1,358億円
財務CF △382億円 △450億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 523.6億円 △22.3億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、世界中の半導体メーカーや電子部品メーカー向けに製品を製造・販売しているため、顧客の設備投資動向や生産動向の影響を受けます。特に半導体市場は需給のバランスによって変化する市場であり、ダウンサイクルや予期せぬ市場変動によって業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、主に半導体シリコンウェーハ加工用の半導体切断・研削装置や精密ダイヤモンド砥石を製造・販売しており、精密ダイヤモンド砥石に替わる加工技術が誕生した場合、業績が影響を受ける可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、大規模な災害や大規模な感染症の流行などが発生した場合、本社機能や製品生産に影響を与える可能性があります。BCM(事業継続管理)において「従業員一人ひとりが自分の身を守れること」を最も重要な対策と考え、従業員への啓発や行動促進に努めています。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


ディスコは、企業理念「DISCO VALUES」を経営の根幹に据え、独自の技術を通じて社会に貢献することを目指しています。単なる事業規模の拡大ではなく、ステークホルダーとの価値交換性の向上を「成長」と定義する企業文化を醸成しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、1997年に制定した企業理念「DISCO VALUES」を経営の基本方針としています。社会的使命(Mission)として「高度なKiru・Kezuru・Migaku技術によって遠い科学を身近な快適につなぐ」ことを掲げています。目標とする企業像(Target)は、同社グループの技術とサービスが国際的標準となり、世界各地で喜ばれる存在になることです。また、企業活動すべてを一級のものとし、社会やステークホルダーから歓迎される企業を目指しています。中長期のマイルストーンとして「DISCO VISION 2030」を策定し、定量的・定性的な要素から2030年度末の到達点を定義しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、企業理念「DISCO VALUES」を日々の業務に落とし込むため、200を超える具体的なステートメントを定めています。役員・従業員を含む構成員が理念に沿った行動や判断ができるよう、全社的な研修や職場単位での勉強会を通じて浸透活動を継続しています。独自の管理会計であるWill会計や、全社的な業務改善・効率化を促進するPIM(Performance Innovation Management)を推進し、組織能力の向上を図っています。

従業員一人ひとりの意志(Will)を尊重する「Will経営」を掲げ、業務選択や異動、勤務事業所の自由選択制といった制度を構築しています。「企業の実態をつくるのは、そこで活動する人であり、企業の質を決定づけるのは人的資源の質である」という考えのもと、従業員の「進化する力」を重視しています。ダイバーシティに関する基本的な考え方として、「セクシュアリティ、年齢、国籍、人種、宗教、学歴など、その人の属性による差別も評価もしない」と明記しています。「DISCO VISION 2030」では「互いの多様性を認め、活かし合う文化になっている」ことを目指す姿の一つとしています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、情報通信技術の進展による「Kiru・Kezuru・Migaku技術」の用途拡大や、脱炭素社会への移行に伴う半導体需要の高まりを経営環境として捉えています。対処すべき課題として、ミッションの実現性向上とステークホルダーとの価値交換性向上を軸に事業活動を進めています。具体的には、「Kiru・Kezuru・Migakuの探究ならばディスコ」と先端技術に携わる人々から認められる状態を追求するため、技術開発とリソース最適化に注力しています。

また、コーポレートガバナンスのさらなる高度化、従業員満足度向上のための諸施策、バリューチェーンにおける環境負荷低減を目指す温室効果ガス削減目標を設定しています。同社グループは、全企業活動を通じサステナブルな社会の実現に貢献する企業を目指しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


ディスコは、指名委員会等設置会社として、執行と監督の役割を明確に分離したガバナンス体制を構築しています。取締役会は社外取締役を過半数とし、業務執行の監督・モニタリングに特化することで、監督機能の強化を図っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


ディスコの株主構成を見ると、信託銀行が上位を占めており、安定的な資本基盤を形成していることがうかがえます。特定の事業会社や創業家が過半数を占めるような状況ではなく、幅広い機関投資家によって支えられている傾向が見られます。

株主名 持株比率
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 15.78%
日本カストディ銀行(信託口) 8.28%
ダイイチホールディングス 5.52%
ダイイチ企業 4.65%
OctagonLab 4.57%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は11名(男性7名・女性4名)で構成され、女性役員比率は36.4%です。代表執行役社長CEO技術開発本部長長野事業所長は関家一馬氏が務めています。社外取締役比率は55.6%です。

氏名 役職 主な経歴
関家 一馬 取締役、代表執行役社長 CEO 技術開発本部長長野事業所長 1989年7月同社入社。1995年6月同社取締役、2009年4月同社代表取締役社長、2022年6月同社取締役代表執行役社長より現職。
吉永 晃 取締役、代表執行役副社長営業本部長 1982年4月同社入社。2019年6月同社専務取締役、2022年6月同社取締役執行役副社長、2023年6月同社取締役代表執行役副社長より現職。
田村 隆夫 取締役、執行役常務サポート本部長 1977年4月同社入社。1995年6月同社取締役、1999年4月同社サポート本部長、2022年6月同社取締役執行役常務より現職。
Christina L. Ahmadjian 取締役 1995年1月コロンビア大学ビジネススクール助教授。2004年1月一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授、2022年4月一橋大学名誉教授、2025年6月同社取締役より現職。


社外取締役は、時丸和好氏(元三井住友信託銀行執行役員内部監査部長)、隠樹紀子氏(元モルガン・スタンレー証券マネージング・ディレクター)、松尾亜紀子氏(慶應義塾大学理工学部機械工学科教授)、小林英津子氏(東京大学大学院工学系研究科精密工学専攻教授)、Christina L. Ahmadjian氏(一橋大学名誉教授)、村上敦士氏(MSTマーシュ代表取締役社長兼CEO)です。

同社は指名委員会等設置会社であり、取締役会は執行と監督を分離し、社外取締役が過半数を占めることで監督機能を強化しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


ディスコの役員報酬は、株主価値向上とサステナブルな社会への貢献を促進することを目的としています。報酬は基本報酬、役員賞与、通常型ストックオプション、譲渡制限付株式報酬の4種類で構成され、基本報酬のみが固定報酬で、その他は業績連動および評価連動の変動報酬となっています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
執行役 6名 15.5億円 2.59億円
社外取締役 10名 1.2億円 12.4百万円


なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。取締役を兼務する執行役に対して支給された報酬等については、執行役の欄に記載しております。

個人別報酬が開示されている役員は、関家一馬氏(5.65億円)、吉永晃氏(4.10億円)、田村隆夫氏(1.97億円)、阿部直樹氏(2.17億円)、西村豊氏(1.47億円)です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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