※本記事は、株式会社太平製作所 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
太平製作所グループは、合板機械、木工機械、住宅用建材の製造・販売を主たる業務とする企業グループです。同社グループは、太平製作所と2社の子会社で構成されています。
単体従業員数は123名、連結従業員数は158名です。セグメントは合板機械事業、木工機械事業、住宅建材事業の3つです。
主な国内グループ会社は、(連結子会社)太平ハウジング(住宅建材事業)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
太平製作所は、木材加工機械メーカーとして長年の歴史を持つ企業です。従業員が長期的に活躍できる環境が整っており、安定したキャリア形成を目指せるでしょう。また、人材を重要な経営資源と位置付け、育成や働きやすい環境づくりに力を入れています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
太平製作所は、平均勤続年数が比較的長く、従業員が長期的にキャリアを築いている傾向が見られます。平均年齢も30代後半であり、経験豊富な人材が安定して活躍している職場環境がうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,645,000円 |
| 平均勤続年数 | 13.8年 |
| 平均年齢 | 38.4歳 |
| 単体従業員数 | 123人 |
| 連結従業員数 | 158人 |
| 単体のグループ内比率 | 77.8% |
同社は、退職金規定に基づく社内積立の退職一時金制度と中小企業退職金共済制度の両方を採用しています。連結子会社の太平ハウジング株式会社も退職金規定に基づく社内積立の退職一時金制度を採用しています。
退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の両方の制度を導入しています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、従業員個々が持つ「力」を持続的な成長の重要な要素と位置付け、育成と能力を最大限発揮できる環境整備に取り組んでいます。創業から受け継がれてきた木材加工技術の獲得と次世代への継承を人材戦略の主眼としています。
採用活動では、機械製造にかかる業務の素地を重視し、新卒は工業関連部門の修学者を春期に一括採用しています。中途採用は組織の機能強化や補完を目的に適宜実施しており、近年ではアルムナイ採用も視野に入れています。育成はOJTを基本とし、上位役職者や先輩社員の指導のもと実務を通して学ぶほか、勤続年数や職位に合わせた社内勉強会、社外講師によるセミナー、自発的に学べる環境整備にも力を入れています。
給与等の決定方針においては、公平かつ平等であるべきという観点から、MBO制度を採用した人事考課制度を整備しています。従業員ごとの目標達成状況に加え、提案や挑戦といった項目も評価対象とし、年間2回の自己評価と評価者との面談を通じて評価を実施します。この評価結果を給与等に反映することで、貢献と誘因のバランスを保ち、中長期的な意識や能力の育成を促すとともに、年齢や勤続年数に傾倒した賃金カーブの是正を目指しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社及び連結子会社は、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律及び育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示データは記載を省略しています。
働きやすい職場環境の実現
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 育児介護休業規程、在宅勤務制度等の啓蒙活動(年間実施回数) | 2回 |
| ハラスメント事案の取締役への報告漏れ | 0件 |
| 経営に重大な影響を及ぼす事項 | 0件 |
成長できる職場環境の実現
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 人材の成長に資する諸テーマに基づく社内勉強会の実施(年間実施回数) | 4回 |
| 従業員のスキルアップに資する外部教育機関の活用(投資額前年比) | 45%以上 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
太平製作所グループは、木材を活かすという経営方針のもと、合板機械、木工機械、住宅用建材の製造・販売を主たる業務としています。同社グループは、各事業において技術開発やPR活動に注力し、国内外での販路拡大に努めています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループの事業は、主に合板機械、木工機械、住宅用建材の3つのセグメントで構成されています。これらの事業を通じて、木材加工の現場から住宅建築まで幅広いニーズに対応しています。収益モデルは、機械の製造・販売から得られるものと、住宅用建材の販売から得られるものがあります。
海外売上高比率は15.3%であり、特に北米圏への販路拡大に力を入れています。主要な顧客からの収益が同社グループ全体の売上高の一定割合を占める傾向が見られます。
合板機械事業
合板機械事業では、ナイフ研磨機、ドライヤー、ホットプレスといった合板機械の製造・販売を行っています。収益は、主に機械製造の請負および据付工事に関する契約から、一定の期間にわたり認識されています。運営は、太平製作所本社工場およびTAIHEI MACHINERY US Inc.が行っています。
木工機械事業
木工機械事業では、チッパー、フィンガージョインター、スキャナー装置などの木工機械を製造・販売しています。収益は、集成材の生産ラインにかかる機械受注が中心であり、こちらも一定の期間にわたり収益を認識するモデルが主となっています。運営は、太平製作所大阪工場が行っています。
住宅建材事業
住宅建材事業では、ツーバイフォー工法住宅用建設資材である木質パネルなどの住宅用建材を製造・販売しています。収益は、主力の2×4パネル販売および構造躯体建築の受注獲得から、一時点で移転される財として得られています。運営は、太平ハウジング株式会社可児工場が行っています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 合板機械事業 | 50.4億円 | 32.1億円 |
| 木工機械事業 | 17.2億円 | 22.0億円 |
| 住宅建材事業 | 11.0億円 | 9.5億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの直近の業績は、売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも前期から減少しています。過去5年間で見ると、売上高は一時的な増加傾向が見られたものの、直近2期は減少に転じています。利益も同様に、過去の増加傾向から直近2期は減少する推移を示しています。これは主に主力機における海外受注案件の反動減が影響しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 49.4億円 | 64.4億円 | 88.4億円 | 78.6億円 | 63.6億円 |
| 経常利益 | 2.8億円 | 7.7億円 | 14.3億円 | 9.6億円 | 6.0億円 |
| 経常利益率 | 5.7% | 11.9% | 16.2% | 12.2% | 9.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2.2億円 | 6.8億円 | 10.7億円 | 5.8億円 | 4.4億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 161.08 | 490.11 | 762.69 | 412.67 | 337.66 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は前期から減少しています。従業員1人あたり営業利益も前期から減少する結果となりました。これらの指標は、同社グループの収益体質や組織効率の傾向を示すものとなります。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 47.9百万円 | 40.2百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 5.5百万円 | 3.6百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、事業活動や投資活動において資金の流出が見られる状況です。現在の財務基盤と資金の流れから、同社グループの安定性を確認します。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の製造業平均を上回る水準で推移しています。ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回っていますが、純資産は増加傾向を示しています。手元資金である現金及び預金は減少しており、今後の資金動向が注目されます。これらの財務状況は、同社グループの事業継続性や将来的な成長投資の余力に影響を与える可能性があります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 69.0億円 | 72.4億円 |
| 自己資本比率 | 66.3% | 75.8% |
| ROE(自己資本利益率) | 8.4% | 6.2% |
| 現金及び預金 | 35.2億円 | 19.1億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、当連結会計年度において、営業活動、投資活動、財務活動のいずれにおいても資金の流出が見られる状況です。本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、売上債権の増加やその他の流動負債および前受金の減少が主な要因となり、資金の使用となりました。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得により資金を使用しています。財務活動によるキャッシュフローは、配当金の支払いにより資金が減少しました。これらの資金の流れは、同社グループが現在、事業活動や設備投資に資金を投じている一方で、全体として資金が減少していることを示しています。この状況は、今後の事業展開や雇用・給与の安定性に影響を与える可能性があります。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 61百万円 | △8.8億円 |
| 投資CF | 3.1億円 | △8.8億円 |
| 財務CF | △6.3億円 | △2.2億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 3.7億円 | △17.6億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、原材料・部品の供給を特定の仕入先に依存している状況です。原油や原材料価格の高騰、労働力不足によるサービス単価の高騰は、製造コストの増加を通じて利益に影響をおよぼす可能性があります。また、北米圏や東南アジア圏への事業展開において、為替相場の急激な変動が顧客の設備投資計画に影響をおよぼすリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、労働世代の減少に伴う人材確保の難航や、社外流出による人材不足のリスクを認識しています。これは、同社グループの事業活動および業績に悪影響をおよぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
太平製作所は、「木材を活かす」という経営方針のもと、独自の技術で社会に貢献することを目指す企業です。サステナブルな社会の実現に貢献するため、環境と人、そして木材を大切にする価値観を掲げています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「英知を結集して、独自の商品を創造し社会に貢献することにより、心の豊かさと、物の豊かさを達成しよう」という経営理念を掲げています。この理念に基づき、「木材を活かす」ことを経営方針の軸としています。
独自の技術で木材を有効利用し、社会に必要とされる会社であり続けることを目指しています。木材、地球、人を大切にし、主力である合板機械および木工機械のメーカーとして、社会・環境課題への貢献を使命としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、従業員を価値創造の源泉と捉え、人的資本への投資を経営上の重要課題としています。従業員が心身ともに健康で充実した生活を送れるよう、組織風土の改革と働きやすい職場環境づくりに取り組んでいます。
「私たちの目指す組織風土」として、「風通しが良く、すぐに行動を起こせる体制を創る」ことと、「常に進歩を目指し、迅速に決断する」ことを掲げています。また、「自分でエンジンを持つ人材の育成」や「相手の要望を的確に把握し、社内外に発信できる人材の育成」を目指す人物像としています。
スローガンには「役割と責任の明確化」「人と人との関わりを大切に」「周りの人を笑顔に」を掲げ、従業員一人ひとりが成長を実感し、個々を尊重し合う職場環境の整備を目指しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、長期化する国際情勢による原材料・エネルギー価格の高騰や、新築住宅着工戸数の減少による合単板生産量の減少といった経営環境に直面しています。また、労働人口の減少による将来の担い手不足や人材市場における競争激化もリスクとして認識しています。
これらの課題に対し、同社グループは“木材を活かす”という経営方針に従い、既存主力機の国内外でのシェア維持と販路拡大に努めています。特に北米圏での拠点強化を進めています。
気候変動対策の一環として、CLP(Cross Layered Plywood)やLVL(Laminated Veneer Lumber)といった新たな木質建材の効率的な生産技術開発に注力しています。さらに、木質のフレーム構造を持つ農業向けビニールハウスの拡販や、新たな農業向け資材の開発・展開も視野に入れています。企業の森「太平の森」での植樹・植林活動を通じて、森林環境の循環への貢献と地域との連携による新たなビジネス機会の創出にも取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
太平製作所は監査等委員会設置会社であり、取締役会は業務執行取締役と監査等委員である取締役で構成されています。迅速な意思決定と業務運営を重視した体制が特徴です。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
太平製作所の株主構成は、自社株投資会が筆頭株主であり、取引先持株会も上位に名を連ねています。これは、従業員や取引先といった同社にゆかりのある関係者によって支えられている資本構成を示しています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 太平製作所自社株投資会 | 8.03% |
| 光通信KK投資事業有限責任組合無限責任組合員光通信 | 7.33% |
| 太平製作所取引先持株会 | 7.19% |
| インタラクティブ・ブローカーズ証券 | 3.93% |
| 名南製作所 | 2.97% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長は尾関修康氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 尾関 修康 | 取締役社長 (代表取締役) | 1988年4月同社入社。小牧事業部で営業リーダー、チーフリーダーを歴任。2024年6月より同社代表取締役社長に就任し現職。 |
| 稲山 和伸 | 取締役 総務部長 | 1995年4月同社入社。小牧事業部で技術開発リーダー、チーフリーダーを歴任。2024年6月より取締役総務部長に就任し現職。 |
| 指吸 隆幸 | 取締役 大阪事業部長 | 1980年4月同社入社。大阪事業部開発チーフリーダーを経て、2020年6月より取締役大阪事業部長に就任し現職。 |
| 祖父江 雅也 | 取締役 小牧事業部長 | 1986年4月同社入社。小牧事業部で技術開発リーダー、チーフリーダーを歴任。2024年6月より取締役小牧事業部長に就任し現職。 |
| 溝口 祥司 | 取締役 新規事業推進部長兼 大阪事業部技術営業部長 | 1991年2月同社入社。大阪事業部開発チーフリーダーを経て、2024年6月より取締役新規事業推進部長兼大阪事業部技術営業部長に就任し現職。 |
社外取締役は、安達和平氏(安達公認会計事務所公認会計士・監査等委員)、加藤志乃氏(弁護士法人大樹法律事務所パートナー弁護士・監査等委員)です。
太平製作所は監査等委員会設置会社を採用しており、社外取締役2名を含む3名で構成される監査等委員会が取締役の監督機能を強化しています。これにより、経営の健全化と透明性の向上を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
太平製作所の取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬は、基本報酬、業績連動型賞与、譲渡制限付株式報酬で構成されています。監査等委員である取締役の報酬は、基本報酬と譲渡制限付株式報酬で構成されており、業績連動型賞与は営業利益の達成度合いを指標としています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 5名 | 1.1億円 | 21.5百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 13百万円 | 13.2百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 9百万円 | 2.9百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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