※本記事は、レオン自動機株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
レオン自動機は、食品加工機械の開発・製造・販売を主軸とし、食品の製造販売も手掛ける企業です。同社グループは、レオン自動機と5社の子会社で構成されています。
単体従業員数は661名、連結従業員数は1,063名です。セグメントは食品加工機械製造販売事業と食品製造販売事業の2つです。
主な国内グループ会社は、レオンアルミ(アルミ鋳物の・製造販売)、ホシノ天然酵母パン種(天然酵母パン種の製造販売)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
レオン自動機は、食品加工機械の製造販売を主軸とし、グローバルに事業を展開する企業です。同社グループは、人材を企業の重要な資産と捉え、多様な働き方を推進することで持続的な成長を目指しています。技術開発を重視しながらも、従業員の長期的なキャリア形成と働きがいを支援する環境づくりに注力していることがうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高めであることから、従業員が長期にわたって安定して勤務している傾向が見られます。これは、専門性を深めながらキャリアを継続したいと考える方にとって、魅力的な要素となるでしょう。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,170,225円 |
| 平均勤続年数 | 21.4年 |
| 平均年齢 | 45.2歳 |
| 単体従業員数 | 661人 |
| 連結従業員数 | 1,063人 |
| 単体のグループ内比率 | 62.2% |
レオン自動機は、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を採用しており、国内および海外のグループ会社に適用されます。なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
同社グループの退職給付債務は22.9億円、年金資産は44.9億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
レオン自動機は、創業以来の理念「存在理由ある企業たらん」のもと、人的資本を企業価値向上の最も重要な基盤と位置付けています。長期ビジョン「レオロジー技術で美味しさを求めつづける」と「スマートファクトリー」実現に向け、人材・組織をサステナビリティの重点課題としています。
従業員の給与その他の給付については、モチベーションとエンゲージメントを高め、能力を最大限に発揮できる公正な処遇と福利厚生の充実を基本方針としています。女性の活躍を促すための「評価と報酬」の制度改革を進め、従業員持株会加入者への譲渡制限付株式付与を通じて、経営参画意識の向上と株主との価値共有を図っています。
グローバル人材の育成を推進し、入社2年目の社員を中心とした海外子会社での長期研修や各種教育・研修支援を継続的に実施しています。また、技術革新の源泉となる研究・開発人材の採用を強化し、多様な個性が生かされる職場環境の構築を進めています。
多様性の確保を重視し、女性社員のキャリアアッププログラム、外国人社員の通年採用制度、専門スキルを持つ中途採用者の定期的な確保に取り組んでいます。子育て支援制度の確立や働き方の見直しも行い、働くことに情熱と誇りを持てる職場環境を目指しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。パートについては、正規雇用労働者の週の所定労働時間で換算した人員数を基に算出されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 3.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 66.6% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 76.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 79.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート有期労働者) | 74.1% |
多様性・登用
本指標は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 全管理職に占める女性管理職の割合 | 3.0% |
| 新入社員に占める女性の割合 | 22.2% |
| 全正社員に占める女性の割合 | 19.2% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
レオン自動機は、主に食品加工機械の開発、製造、販売を手がけている同社グループです。そのほか、食品の製造販売事業も展開しています。同社グループの事業は、食品加工機械製造販売事業と食品製造販売事業の二つの報告セグメントで構成されています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、食品加工機械の提供を通じて、食品業界の生産性向上に貢献しています。また、食品そのものの製造販売も行い、幅広いニーズに応えています。為替相場の変動が海外事業の収益に影響を与える傾向が見られます。
食品加工機械製造販売事業
この事業では、食品成形機や製パンラインなどの食品加工機械の開発、製造、販売を行っています。収益は、これらの機械の販売や修理、その他サービスから得ています。運営は、日本ではレオン自動機、北米・南米ではレオンUSA、ヨーロッパではレオンヨーロッパ、アジアではレオン自動機が担当しています。また、日本ではレオンアルミがアルミ鋳物部品の製造・販売を行っています。
当連結会計年度においては、北米・南米、ヨーロッパ、アジア地域での売上が増加しました。特にアジア地域では大幅な増加が見られ、北米・南米地域でも製パンラインの販売が好調でした。一方で、日本国内では製パンライン等の売上は増加したものの、食品成形機や仕入商品の売上が減少し、全体としては微減となりました。
食品製造販売事業
この事業では、パンや菓子、天然酵母パン種の開発、製造、販売を行っています。収益は、これらの食品の販売から得ています。運営は、北米・南米ではオレンジベーカリーがパン・菓子の製造・販売を、日本では有限会社ホシノ天然酵母パン種が天然酵母パン種の開発・製造・販売をそれぞれ行っています。
当連結会計年度では、北米・南米地域では現地通貨ベースで売上が増加しましたが、円高の影響もあり円ベースでは微減となりました。日本国内では、大口顧客向けの売上減少や猛暑によるパン需要の減少が要因となり、売上が減少しました。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 食品加工機械製造販売事業 | 230億円 | 260億円 |
| 食品製造販売事業 | 162億円 | 160億円 |
| 北米・南米 | 157億円 | 156億円 |
| ヨーロッパ | 46.2億円 | 54.2億円 |
| アジア | 20.5億円 | 32.0億円 |
| 日本 | 4.9億円 | 4.6億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、過去5期にわたり増加傾向にあります。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益も同様に増加傾向を示しており、当連結会計年度においても前期から増加しました。一方で、営業利益は前期から減少しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 266億円 | 353億円 | 377億円 | 392億円 | 420億円 |
| 経常利益 | 14.7億円 | 32.1億円 | 49.9億円 | 54.2億円 | 55.9億円 |
| 経常利益率 | 5.5% | 9.1% | 13.2% | 13.8% | 13.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 14.9億円 | 27.4億円 | 36.8億円 | 38.9億円 | 39.0億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 55.47 | 102.13 | 136.96 | 144.74 | 144.63 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から増加しています。これは、従業員一人ひとりの売上貢献度が高まっていることを示しています。一方、従業員1人あたり営業利益(連結)は前期から横ばいとなっています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 36.5百万円 | 39.5百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 4.9百万円 | 4.9百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
レオン自動機グループの財務状況を見ると、事業活動で得た資金を将来の成長に向けた投資に積極的に充てている様子がうかがえます。現在の資金の流れは、事業拡大のための投資フェーズにあることを示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
レオン自動機は、強固な財務基盤を築いていることがうかがえます。自己資本比率はプライム市場の製造業平均を大きく上回る水準にあり、財務の安定性を示しています。ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均と同程度の水準で推移しています。手元資金も十分に確保されており、事業運営における安定性が期待できる状況です。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 387億円 | 431億円 |
| 自己資本比率 | 78.5% | 79.1% |
| ROE(自己資本利益率) | 10.4% | 9.5% |
| 現金及び預金 | 158億円 | 111億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
レオン自動機グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローはプラスを維持しています。しかし、前期と比較すると資金の増加額は減少しており、その要因は法人税等の支払額の増加によるものです。
投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出が増加したことにより、前期よりも大幅な資金の減少となりました。これは、将来の成長に向けた積極的な設備投資が行われていることを示しています。
その結果、営業活動による資金と投資活動による資金を合わせたフリーキャッシュフローはマイナスとなっています。財務活動によるキャッシュフローは、短期借入金の純増減額が増加したことにより、資金の減少幅は縮小しました。これらの資金の流れからは、同社グループが事業の拡大と成長のための投資を優先している状況が読み取れます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 57.5億円 | 45.2億円 |
| 投資CF | △20.0億円 | △84.7億円 |
| 財務CF | △13.7億円 | △10.5億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 37.5億円 | △39.6億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、売上高の多くが米ドルやユーロなどの外貨建てであり、為替変動が業績に影響を及ぼす可能性があります。また、将来の成長は革新的な新商品の開発と販売に依存しており、社会的趣向の変化や技術的進歩の動向により、新商品開発が市場の支持を得られないリスクも存在します。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、商品の品質、取引関連、環境、労務、安全衛生、会計基準や税務など様々な法規制の適用を受けています。これらの法規制に基づいた活動を推進するための行動基準を定め、全役職員に対するコンプライアンス意識の周知徹底に努めています。しかし、法令違反を含むコンプライアンス上の問題が生じた場合には、業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
レオン自動機は、独自の技術と革新を通じて食文化の発展に貢献し、社会とステークホルダーからの信頼に応えることを目指す企業です。人類繁栄への貢献を経営の基本理念に掲げ、持続的な成長と社会課題の解決を追求する企業風土が特徴です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、レオロジー(流動学)の応用工学に基づく独自の開発技術を活かし、常に進歩的な新技術の開発を行っています。食文化の継承と発展を通じて、「存在理由のある企業たらん」を目指し、人類繁栄に貢献することを経営の基本理念としています。
食品機械工業界におけるパイオニア的役割を果たすとともに、研究開発メーカーとしての使命を遂行することを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、社会とすべてのステークホルダーの信頼と期待に応えることを重視しています。サステナビリティをめぐる課題への対応を重要なリスク管理の一部と認識し、「環境」「人材・組織」「技術開発」を重点課題として取り組んでいます。
「多様性のある人・組織を育成」することで自由な発想へのイノベーションを起こす技術が得られると考えています。一人ひとりの多様な視点や価値観を尊重し、働くことに情熱と誇りを持てる職場環境を目指しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、新たな中期経営計画(2023年度~2027年度)において「改革と企業基盤の強化」を掲げ、3つの基盤強化(成長基盤、利益基盤、経営基盤)に取り組んでいます。特に「働きに喜びを感じる社会・会社」に向けて社会課題の解決と企業成長を図っています。
経営基盤の強化では、サステナビリティの重点課題である「環境」「人材・組織」「技術」を掲げ、グローバル人材の育成や女性の活躍を促すための改革を進めています。環境面でのCO2排出量削減目標達成やDX推進、ガバナンス強化も重要なテーマとしています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
レオン自動機は、経営環境の変化に迅速に対応し、長期的な企業価値向上を目指すことをコーポレート・ガバナンスの基本方針としています。監査役会設置会社として、社外監査役や社外取締役による監督機能の強化を図り、公正な経営システムの構築に取り組んでいます。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
レオン自動機の株主構成を見ると、公益財団法人林レオロジー記念財団が筆頭株主となっています。その他、信託銀行や関連会社、従業員持株会などが上位株主として名を連ねており、幅広いステークホルダーに支えられている資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 公益財団法人林レオロジー記念財団 | 11.20% |
| 日本マスタートラスト信託銀行 | 11.00% |
| ラム商事有限会社 | 6.30% |
| 日本カストディ銀行 | 6.00% |
| 足利銀行 | 4.30% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性7名・女性2名)で構成され、女性役員比率は22.2%です。代表取締役社長は小林幹央氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 小林 幹央 | 代表取締役社長 | 1977年同社入社後、技術サービス部長、執行役員技術サービス部長などを歴任。オレンジベーカリーや㈲ホシノ天然酵母パン種の社長も務め、2021年4月より代表取締役社長に就任し現職。 |
| 大貫 和茂 | 取締役常務執行役員営業本部長 | 1987年同社入社後、レオンUSA社長、執行役員海外営業統括部長などを歴任。2021年6月より取締役常務執行役員営業本部長に就任し現職。 |
| 細谷 昌樹 | 取締役常務執行役員開発設計本部長 兼品質管理担当 | 1988年同社入社後、執行役員開発設計部長、オレンジベーカリー取締役などを務め、2023年6月より取締役常務執行役員開発設計本部長兼品質管理担当に就任し現職。 |
| 菊地 芳幸 | 取締役常務執行役員技術サービス部長 兼食品製造販売事業担当 | 1990年同社入社後、レオンヨーロッパ社長、執行役員技術サービス部長などを歴任。2025年6月より取締役常務執行役員技術サービス部長兼食品製造販売事業担当に就任し現職。 |
社外取締役は、平原興氏(弁護士・県庁通り法律事務所入所)、赤塚孝江氏(公認会計士・税理士・プレミア国際税務事務所代表)です。
同社は監査役会設置会社を採用しており、取締役6名のうち2名が独立社外取締役で構成されています。社外取締役は取締役会の監督機能強化を担い、任意の指名・報酬委員会にも参画しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
レオン自動機の役員報酬は、固定報酬、業績連動報酬としての賞与、非金銭報酬としての譲渡制限付株式で構成されています。社外取締役やその他の取締役は固定報酬のみが支給され、固定報酬、業績連動報酬、非金銭報酬の支給割合は概ね65:25:10となっています。監査役の報酬は、経営の独立性を重視し固定報酬のみで構成されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 1.3億円 | 26.7百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 13百万円 | 12.7百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 19百万円 | 4.8百万円 |
なお、業績連動報酬等は2026年6月24日開催予定の定時株主総会の決議事項となっています。また、非金銭報酬等として取締役に対して譲渡制限付株式報酬を交付しています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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