【平均年収537万円】シライ電子工業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収537万円】シライ電子工業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

シライ電子工業は、プリント配線板の設計・製造・販売を国内外で一貫して手掛ける企業です。インドに販売子会社を設立するなど、グローバル展開を積極的に進めています。直近の業績は減収減益となりました。


目次

※本記事は、シライ電子工業株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月19日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


シライ電子工業は、プリント配線板の設計・製造・販売を国内外で一貫して手掛けています。また、プリント配線板外観検査機の開発・販売も行う企業です。

単体従業員数は359名、連結従業員数は1,211名です。セグメントはプリント配線板事業、検査機・ソリューション事業、その他の3つです。

主な国内グループ会社は、当社、オーミハイテク、シライ物流サービスなどです。

同社グループは、2025年7月にメキシコ子会社を清算し連結範囲から除外。2025年4月にはインドに販売子会社を設立しました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


シライ電子工業は、プリント配線板事業を基盤とし、安定した経営と未来の成長を目指す企業です。従業員の働きがいや多様性を重視する方針を掲げ、長期的な視点での人材育成と働きやすい環境づくりに取り組んでいます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、従業員の働きがいを重視し、多様な人材が活躍できる組織づくりを推進しています。平均勤続年数や平均年齢から、長期的にキャリアを築く従業員が多い傾向が見られます。

項目 数値
平均年間給与 5,373,000円
平均勤続年数 20.5年
平均年齢 46.6歳
単体従業員数 359人
連結従業員数 1,211人
単体のグループ内比率 29.6%


同社グループは、確定拠出年金制度と、確定給付型の確定給付企業年金制度・退職一時金制度を採用しています(確定給付型=給与や勤続年数に応じて給付額が決まる/確定拠出型=会社が拠出した資金を従業員が運用する)。これらの制度は当社グループ全体に適用されています。退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
なお、確定給付制度における退職給付債務は8.3億円、年金資産は4.9億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


シライ電子工業グループは、「原点に回帰し、一枚岩となる事で意思決定の迅速化を図り、お客様等のステークホルダーに価値を提供する」という経営方針のもと、人材戦略を推進しています。プリント配線板事業の盤石な経営基盤を維持しつつ、新たな事業領域の模索も進めています。従業員が働きがいを感じ、成功体験を積み重ねることで自発的に行動できる環境を構築することを重視しています。

世代、性別、国籍を問わない多様な人材を確保し、異なる意見を融合させることで新しいアイデアを生み出し、前例にとらわれない決断と実行を促す方針です。議論の透明性を高め、従業員の納得感を向上させることで、組織へのエンゲージメントを高めています。また、チャレンジと失敗を許容する風土を醸成し、全社的な意思決定の迅速化と経営感覚を持つ幹部の育成にも注力しています。

従業員給与は、業績と個人評価を反映したメリハリのある処遇を原則とし、基本給、固定賞与、利益連動の決算賞与で構成されています。人材の確保と定着のため、継続的な昇給を実施し、競争力のある報酬水準の維持に努めています。将来の事業成長を担う若年層人材を重要な経営資源と位置付け、採用競争力の強化や早期の成長・定着を促進するため、処遇改善や育成施策の充実など重点的な投資を行っています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。各指標は、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定に基づき算出されています。男性労働者の育児休業取得率は開示されていませんが、属性が同じ男女労働者間での賃金差異はないとされています。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 2.3%
男性労働者の育児休業取得率 -
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 78.1%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 74.3%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 92.3%

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


シライ電子工業は、プリント配線板事業を主軸とし、検査機・ソリューション事業も展開する企業グループです。同社グループは、国内外で幅広い産業分野の顧客に対して製品やサービスを提供しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループの事業は、主に「プリント配線板事業」と「検査機・ソリューション事業」の二つの報告セグメントで構成されています。主力はプリント配線板事業であり、同社グループの祖業として国内外で一貫した供給体制を構築しています。検査機・ソリューション事業は、プリント配線板製造の効率化を支援するソリューションを提供しています。

プリント配線板事業

リジッドプリント配線板の両面基板・多層基板を主力としており、設計・試作から量産・実装までを一貫して供給できる体制を構築しています。自動車、家電、産業機器、社会インフラなど幅広い分野で使用されており、高放熱、大電流、高信頼性といった高付加価値製品や環境対応にも注力しています。収益は、プリント配線板の製造・販売から得ています。多層基板の内層部分を製造し、基板メーカーに販売する事業も拡販しています。国内外の自社工場やOEM委託先工場を活用し、ASEAN・インド市場の開拓にも積極的です。当連結会計年度の売上高は前期からわずかに減少しましたが、ホームアプライアンスの受注は好調に推移しました。

検査機・ソリューション事業

プリント配線板製造における目視検査の負担を軽減する目的で、自動外観検査機「VISPER」を自社開発し、外部に販売しています。新世代自動外観検査機「VIZERA」もラインナップしており、少量多品種の検査にも対応し、より柔軟で効率的な検査環境を提供しています。収益は、プリント配線板外観検査機や各種ソリューションビジネス商品の開発・販売、および保守サービスから得ています。当連結会計年度の売上高は前期から減少しました。

その他の事業セグメント

運送業など、報告セグメントに含まれない事業を展開しています。

同社グループは、日本、中国・香港、その他の地域(ASEAN、南北米、欧州等)で収益を得ており、海外市場での事業展開も進めています。特にASEAN・インド市場の開拓に注力しています。連結損益及び包括利益計算書の売上高の10%以上を占める特定の顧客への売上高はないと記載されています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
プリント配線板事業 287億円 285億円
検査機・ソリューション事業 5.5億円 4.7億円
その他の事業セグメント 93百万円 1.0億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの直近5期間の業績は、売上高が概ね280億円から320億円台で推移しています。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、期間中に変動が見られます。

直近の当連結会計年度では、売上高は前期からわずかに減少しました。営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも前期から減少しています。営業活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度も資金を獲得しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 294億円 329億円 288億円 293億円 291億円
経常利益 14.8億円 25.0億円 21.6億円 25.9億円 18.2億円
経常利益率 5.0% 7.6% 7.5% 8.8% 6.3%
親会社株主に帰属する当期純利益 13.3億円 20.6億円 14.9億円 20.8億円 13.1億円
1株当たり当期純利益(円) 95.29 148.76 104.99 137.57 87.47

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの収益性と生産性は、直近の連結会計年度で変化が見られます。従業員1人あたり売上高は前期からわずかに増加しました。一方、従業員1人あたり営業利益は前期から減少しています。これらの指標は、同社グループの収益体質や組織効率の傾向を示すものとなります。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 23.9百万円 24.0百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 2.1百万円 1.7百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務基盤は、本業で安定した資金を生み出し、将来に向けた投資も行いながら、手元資金を確保している状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率が前期から増加し、プライム市場の製造業平均を上回る水準となっています。ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を上回っており、効率的な経営が行われていることを示しています。

手元資金は前期から減少していますが、一定の現金及び預金残高を維持しており、事業運営に必要な資金を確保している状況です。これらの財務状況は、同社グループが安定した経営基盤を築いていることを示しており、入社後の雇用や給与の安定性にもつながる要素と言えます。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 101億円 111億円
自己資本比率 51.0% 57.1%
ROE(自己資本利益率) 23.4% 12.5%
現金及び預金 9.1億円 8.3億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは19.7億円の獲得となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上や減価償却費の増加によるものです。一方で、法人税等の支払額が資金の減少要因となっています。

投資活動によるキャッシュ・フローは△6.4億円の流出となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が要因です。財務活動によるキャッシュ・フローは△14.6億円の流出となり、長期借入金の返済や配当金の支払いが主な要因となっています。

これらの結果、フリーキャッシュ・フローは13.3億円のプラスとなっており、本業で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金を生み出している状況です。この資金の流れは、同社グループが安定した事業運営を行いながら、将来に向けた投資も継続し、財務的な健全性を保っていることを示しており、雇用や給与の安定性にも寄与すると考えられます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 26.1億円 19.7億円
投資CF △1.6億円 △6.4億円
財務CF △32.4億円 △14.6億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 24.5億円 13.3億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、主要顧客の最終製品の需要変動や市場価格下落に伴う値下げ要請、競合他社との価格競争により、売価や業績に影響を受ける可能性があります。また、東アジアを中心に製造・販売拠点を展開しており、海外での事業展開に伴う法律・規制の変更、政治・経済要因、人件費の高騰、為替レートの変動などのリスクも認識しています。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは海外での事業展開において、人材の採用と確保の難しさや人件費の急激な高騰が業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があると認識しています。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


シライ電子工業は、「人」を経営の原点に置き、社会とお客様への貢献、そして持続的な成長を目指す企業です。環境への配慮も重視し、未来を見据えた経営を推進しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「一人ひとりが志をもって努力することで自らを高め、その力を結集して、はるかな未来を拓き、社会とお客様に貢献し、会社の繁栄と個々の生活の向上を目指そう。」を経営理念としています。この理念のもと、主力事業である「両面・多層プリント配線板」の設計・製造・販売を展開しています。

中期経営ビジョンには「盤石な経営基盤を築き、中長期的に安定した経営と未来の成長を実直に実現!」を掲げています。これらの理念とビジョンに基づき、企業競争力の強化と収益性の改善を図り、持続的な成長を目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、経営の原点を「人」に置き、社会から信頼されるバランスのとれた経営活動の実践を目指しています。全てのステークホルダーとの強固な信頼関係を構築し、健全で持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に取り組む考えです。

また、豊かな自然を次世代に継承するため、企業活動のあらゆる場面で環境に配慮した活動を行っています。具体的には、GHG(温室効果ガス)排出量の削減を重要なテーマと位置づけ、環境対応型基板の開発促進などに取り組んでいます。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、不確実性の高い経営環境に対応するため、「対応力」の強化を優先的な課題としています。中長期的視点に基づく迅速な意思決定を実現し、持続可能な財務体質および競争力の維持・強化に努めています。

組織を一枚岩にし、経営陣の強いリーダーシップのもとで各部門の強みを活かしながら様々な課題に対応していく方針です。環境面では、太陽光発電やコージェネレーションシステムの導入による環境配慮型スマートエコ工場の活用、緑化推進、サステナビリティ委員会の設置などを通じて、GHG排出量削減に取り組んでいます。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


シライ電子工業は、経営の透明性と健全性を確保し、迅速な意思決定を行うことを基本方針としています。取締役会と監査等委員会を中心に、多様な機関を設置しコーポレート・ガバナンスの強化を図っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


シライ電子工業の株主構成を見ると、筆頭株主は白井商事であり、創業家や関連会社が上位に名を連ねています。これは、特定の株主グループが同社の経営に一定の影響力を持つ資本構成を示していると言えます。

株主名 持株比率
白井商事 13.51%
りそな銀行 2.72%
白井 治夫 2.52%
シライ電子工業従業員持株会 2.34%
大和証券 1.87%


(注) 発行済株式(自己株式を除く)の総数に対する所有株式数の割合は、小数点以下第3位を四捨五入しております。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


シライ電子工業の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は13.0%です。代表取締役社長は五藤学氏が務めています。社外取締役比率は37.5%です。

氏名 役職 主な経歴
五 藤 学 代表取締役社長 2008年12月新日本有限責任監査法人入所、2016年2月公認会計士登録。2018年2月同社入社、2020年6月執行役員 国内構造改革・経営管理担当。2024年3月より現職。
宮 崎 信 常務取締役 1990年8月同社入社、2005年4月三上工場長兼生産管理部長。2018年6月取締役 国内生産担当兼PCB生産本部長。2025年6月より現職。
竹 中 一 宏 取締役 1986年4月同社入社、2008年4月白井電子科技(香港)有限公司出向。2020年6月取締役 品質・技術・ソリューション担当。2024年6月より現職。
石 角 哲 也 取締役 1991年4月同社入社、2012年4月白井電子商貿(深セン)有限公司出向。2023年10月シライ物流サービス株式会社専務取締役。2024年6月より現職。


社外取締役は、和氣大輔氏(和氣公認会計士事務所所長・監査等委員)、清水久美子氏(弁護士法人清水法律事務所代表弁護士・監査等委員)、内野晃彦氏(ランテーナ合同会社代表社員・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役3名が独立社外取締役として経営の監督機能を担っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


シライ電子工業の役員報酬は、固定報酬、業績連動報酬、非金銭報酬(譲渡制限付株式)で構成されています。業務執行取締役には固定報酬と業績連動報酬、非金銭報酬が支給され、非業務執行取締役には固定報酬が支給されます。業績連動報酬は連結営業利益を指標とし、中長期的な企業価値向上へのインセンティブを付与する設計となっています。



連結報酬等の総額が1億円以上の役員は存在しないため、個人別の開示はありません。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。