【平均年収1006万円】トヨタ自動車 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収1006万円】トヨタ自動車 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

トヨタ自動車は、自動車事業を中心に、金融事業およびその他の事業をグループ各社とともに展開しています。世界中で大規模な事業を展開し、直近の業績は増収減益となりました。


目次

※本記事は、トヨタ自動車株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月10日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は IFRS です。

1. 企業概要:どんな会社?


トヨタ自動車は、自動車事業を中心に、金融事業およびその他の事業を展開しています。同社グループは、セダン、ミニバン、コンパクト、SUV、トラック等の自動車とその関連部品・用品の設計、製造、販売を手がけています。

単体従業員数は73,133名、連結従業員数は390,927名です。同社グループの事業セグメントは、自動車、金融、その他の3つです。

主な国内グループ会社は、日野自動車(自動車)、トヨタファイナンシャルサービス(金融)などです。

2026年4月1日には、日野自動車およびその連結子会社が三菱ふそうトラック・バスとの経営統合に伴い、トヨタ自動車の連結子会社から除外されました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


トヨタ自動車は、世界をリードする自動車メーカーとして、グローバルな事業展開と大規模な組織を特徴としています。同社グループでは、従業員一人ひとりの成長と活躍を重視し、安定した環境の中でキャリアを築けるような働き方を推進しています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員の長期的な定着を重視する傾向が見られます。平均勤続年数や平均年齢から、経験豊富な人材が長く活躍できる環境が整っていることがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 10,060,464円
平均勤続年数 15.1年
平均年齢 40.5歳
単体従業員数 73,133人
連結従業員数 390,927人
単体のグループ内比率 18.7%


同社および日本の子会社の従業員は、通常、各社で設定している退職給付に関する規則に従い、退職時にその時点における給与と勤続年数または、これらを基礎とするポイントに基づいて計算された退職一時金または年金の受給資格を有します。制度の種類は確定給付型であり、給与や勤続年数に応じて給付額が決まります。

退職一時金制度があり、2004年10月1日に退職金制度を改定しポイント制退職給付制度を導入しています。なお、退職給付債務は3兆2,786億円、年金資産は3兆3,626億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社は「モノづくりは人づくり」という理念のもと、創業当初より人材育成に力を入れています。トヨタフィロソフィー、トヨタ生産方式(TPS)、トヨタウェイ2020を共通基盤とし、「自分以外の誰かのために」という思想のもと、自律的に考え行動する人材の育成を目指しています。法規制と競争力を踏まえ、必要な人材確保と従業員の安心感醸成のため、適切なレベルの賃金を支給する方針です。

モビリティカンパニーへの変革を進める上で、お客様、地域社会・取引先、従業員というステークホルダーの視点を踏まえ、マテリアリティ(重要課題)を6つにまとめています。そのうち、「全員活躍」、「くらしと雇用を守る」において、人材育成、従業員との対話、DE&I、労働慣行、健康・安全衛生、人権の尊重という6つの重点実施項目を特定しています。これらの取り組みを通じて、未来を担う人材の育成を推進しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。女性管理職比率は2026年3月31日時点の数値であり、男性育児休業取得率は育児介護休業法の規定に基づき算出されています。

指標 数値
女性管理職比率 3.9%
男性育児休業取得率 79.0%
男女賃金差異(全労働者) 67.0%
男女賃金差異(正規雇用) 66.8%
男女賃金差異(非正規雇用) 59.7%

ダイバーシティ人材の活躍推進

指標 数値
女性管理職数(単体) 455人

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


トヨタ自動車グループは、自動車事業を中核に、金融事業、そして情報通信事業など多岐にわたる事業を展開しています。グローバルな事業基盤を活かし、世界各地の顧客に多様なモビリティを提供しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、自動車事業を最も重要な事業セグメントとして位置づけています。当連結会計年度において、同社グループの営業収益合計(セグメント間の営業収益控除前)の大部分を自動車事業が占めています。同社グループは、長年の「商品と地域を軸にした経営」を通じて、フルラインアップの商品とグローバルな事業基盤を構築してきました。

自動車

当事業では、セダン、ミニバン、コンパクト、SUV、トラックなどの自動車と、その関連部品・用品の設計、製造、販売を行っています。収益は、これらの車両および部品・用品の販売から得ています。運営は、トヨタ自動車、日野自動車、ダイハツ工業が主に製造を担い、一部はトヨタ車体などに生産委託しています。海外では、トヨタ モーター マニュファクチャリング ケンタッキーなどが製造し、国内ではトヨタモビリティ東京などの販売店、海外では米国トヨタ自動車販売などの販売会社を通じて顧客に提供しています。

金融

当事業では、主にトヨタ自動車グループが製造する自動車や他の製品の販売を補完するための金融サービス、および車両のリース事業を行っています。収益は、これらの販売金融サービスやリース事業から得ています。運営は、国内ではトヨタファイナンスなどが、海外ではトヨタ モーター クレジットなどが、それぞれの地域でサービスを提供しています。

その他事業

その他の事業には、情報通信事業などが含まれます。収益は、これらの事業活動から得ています。

同社グループの事業は、海外での販売台数が全体の大部分を占めており、為替変動の影響を受けやすい傾向があります。生産の現地化を進めることで為替変動リスクの軽減を図っていますが、その影響は依然として存在します。

セグメント 営業収益(2025年3月期) 営業収益(2026年3月期) セグメント利益(2025年3月期) セグメント利益(2026年3月期) 利益率
自動車 43兆1,999億円 45兆4,177億円 3兆9,403億円 2兆7,770億円 6.1%
金融 4兆4,812億円 4兆8,571億円 6,835億円 8,517億円 17.5%
その他事業 1兆4,471億円 1兆6,514億円 1,812億円 1,321億円 8.0%

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期間の業績を見ると、営業収益は継続して増加傾向にあります。特に直近の連結会計年度では、前期に比べて営業収益が増加しました。一方で、税引前利益および親会社の所有者に帰属する当期利益は、直近の連結会計年度において前期から減少する結果となりました。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
営業収益 31兆3,795億円 37兆1,543億円 45兆953億円 48兆367億円 50兆6,850億円
税引前利益 3兆9,905億円 3兆6,687億円 6兆9,651億円 6兆4,146億円 5兆1,530億円
税引前利益率 12.7% 9.9% 15.4% 13.4% 10.2%
親会社の所有者に帰属する当期利益 2兆8,501億円 2兆4,513億円 4兆9,449億円 4兆7,651億円 3兆8,481億円
1株当たり当期純利益(円) 205.23 179.47 365.94 359.56 295.25

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり営業収益(連結)は、当連結会計年度において129.7百万円となっています。また、従業員1人あたり営業利益(連結)は9.6百万円を示しています。これらの数値は、同社グループの連結従業員数に基づいた生産性の一側面を表しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり営業収益(連結) - 129.7百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) - 9.6百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務状況は、安定した基盤と将来に向けた投資余力を兼ね備えていることを示しています。本業で着実に資金を創出し、積極的な投資も行いながら、手元資金も厚く維持している状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率は、プライム市場の製造業平均と比較するとやや低い水準にあります。しかし、ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を上回る水準を示しており、効率的な資本活用ができている状況です。手元資金である現金及び現金同等物は増加傾向にあり、不測の事態に対する耐性も備えていることがうかがえます。これらの財務基盤は、同社グループが安定した事業運営を継続していく上での強みとなっています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
自己資本 35兆9,248億円 39兆9,189億円
自己資本比率 38.4% 37.8%
ROE(自己資本利益率) 13.6% 10.1%
現金及び現金同等物 8兆9,824億円 12兆6,596億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは、前期に比べて大幅に増加し、潤沢な資金を創出しています。これは主に法人所得税の支払額が減少したことによるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは、公社債の満期償還額が増加したことにより、資金の減少幅が縮小しました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期有利子負債の返済が増加したことにより、資金の減少を示しています。結果として、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュ・フローは前期のマイナスからプラスに転じ、本業で稼いだ資金が投資を上回る状況です。この資金の流れは、同社グループが安定した事業運営を基盤としつつ、将来に向けた投資余力も確保していることを示しており、雇用や給与の安定性にもつながる財務状況であると判断できます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 3兆6,969億円 5兆4,729億円
投資CF △4兆1,897億円 △1兆5,203億円
財務CF 1,972億円 △5,367億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △4,928億円 3兆9,526億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

世界の自動車市場では激しい競争が繰り広げられており、近年さらに激化しています。CASEなどの技術革新によって、競争は今後より一層激化する可能性があり、販売台数の減少や販売価格の低下につながるリスクがあります。また、同社グループが参入している各市場では需要が変動しており、各市場の景気動向に販売が左右されます。需要の変化が継続または悪化した場合、財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローが悪影響を受ける可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

事業環境の急激な変化やモビリティカンパニーへの変革に向け、優秀で多様な人材を確保し育成し続けることが重要です。計画どおりに人材を採用・定着化できない場合、または成長に必要な機会を提供できない場合、競争力低下につながるリスクがあります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


トヨタ自動車は、「幸せを量産する」ことを使命とし、モビリティカンパニーへの変革を目指している企業です。創業以来の理念と、未来に向けたビジョンを大切にしながら、社会に貢献する企業活動を推進しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「トヨタ基本理念」を経営の基本方針として掲げています。これは、内外の法と精神を遵守し、国際社会から信頼される企業市民を目指すこと、各国・各地域の文化を尊重し経済・社会の発展に貢献すること、クリーンで安全な商品を提供し住みよい地球と豊かな社会づくりに取り組むことなどを含みます。また、「トヨタフィロソフィー」として、「幸せを量産する」ことをミッションに、可動性(モビリティ)を社会の可能性に変え、人類と地球の持続可能な共生を実現するビジョンを掲げています。すべての人に「移動の自由」を届けるモビリティカンパニーへの変革を目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、創業者の「発明への情熱と姿勢」を原点とし、「次の道を発明しよう」というグループビジョンを共有しています。労使相互信頼・責任を基本に、個人の創造力とチームワークの強みを最大限に高める企業風土づくりを重視しています。また、「モノづくりは人づくり」の理念のもと、人材育成の共通基盤として「思想(トヨタフィロソフィー)」「技(トヨタ生産方式:TPS)」「所作(トヨタウェイ2020)」を大切にしています。現場で自律的に考え行動する人材を育成し、環境変化への対応力を高めることを目指しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、多様な人財が活躍し、未来に必要とされるグループを目指すことを経営課題としています。継続的な損益分岐台数の改善に取り組み、固定費の見直しや原価改善、営業面の努力による収益の積み増しを進めています。また、従業員一人ひとりが仕事のやり方を見直し、生産性を一層向上させることを追求しています。モビリティカンパニーへの変革に向けて、バリューチェーン事業の強化や、SDV(Software Defined Vehicle)を通じた交通事故ゼロ社会への貢献、Toyota Woven City(トヨタ・ウーブン・シティ)での新たな価値創造を推進しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


トヨタ自動車は、2025年6月12日開催の定時株主総会で監査等委員会設置会社へ移行しました。これにより、取締役会によるモニタリング機能の強化と、社外取締役の積極的な活用を通じて、経営の透明性と意思決定の迅速化を図っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社の筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行であり、信託業務にかかる株式を保有しています。上位株主には、豊田自動織機や日本カストディ銀行といった関連会社や信託銀行が名を連ねています。

株主名 持株比率
日本マスタートラスト信託銀行 12.80%
豊田自動織機 9.15%
日本カストディ銀行 6.10%
日本生命保険(相) 4.86%
ステート ストリート バンク アンド トラスト カンパニー 4.62%


なお、豊田自動織機は2026年5月25日付で所有株式数が1,243千株となっています。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は10名(男性8名・女性2名)で構成され、女性役員比率は20.0%です。代表取締役は豊田章男氏、佐藤恒治氏、中嶋裕樹氏、宮崎洋一氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。

氏名 役職 主な経歴
豊田 章男 取締役会長(代表取締役) 1984年4月 同社入社、2009年6月 同社取締役社長、2023年4月 同社取締役会長より現職。
佐藤 恒治 取締役副会長(代表取締役) 1992年4月 同社入社、2023年4月 同社執行役員・社長、2026年4月 同社取締役副会長より現職。
中嶋 裕樹 取締役副社長(代表取締役) 1987年4月 同社入社、2023年4月 同社執行役員・副社長、2025年6月 同社取締役副社長・執行役員より現職。
宮崎 洋一 取締役副社長(代表取締役) 1986年4月 同社入社、2023年4月 同社執行役員・副社長、2025年6月 同社取締役副社長・執行役員より現職。


社外取締役は、岡本薫明氏(元財務省財務事務次官)、藤沢久美氏(ソフィアバンク代表取締役)、George Olcott氏(東海旅客鉄道顧問・監査等委員)、大島眞彦氏(元三井住友銀行副会長・監査等委員)、長田弘己氏(元中日新聞社編集委員・常勤監査等委員)です。

同社は2025年6月12日に監査等委員会設置会社へ移行しました。これにより、取締役会を構成する社内・社外メンバーが役職にとらわれずに議論を行い、取締役会によるモニタリング機能の強化を進めています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社は、役員報酬制度において「トヨタフィロソフィー」を基盤とし、中長期的な企業価値向上、優秀な人材の確保・維持、株主と同じ目線での経営推進を促す方針を掲げています。報酬は固定報酬と業績連動報酬(短期インセンティブ、長期インセンティブ)で構成され、株式報酬制度も導入されています。

また、過去の財務諸表の修正再表示が必要となった場合に、超過支給となる業績連動報酬を回収できる「クローバック規則」を2023年11月より導入しています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員を除く) 12名 41.3億円 3.44億円
うち社外取締役(監査等委員を除く) 6名 1.0億円 16.8百万円
監査等委員 4名 1.9億円 48.5百万円
うち社外取締役(監査等委員) 3名 1.0億円 34.7百万円
監査役 6名 80百万円 13.3百万円
うち社外監査役 3名 28百万円 9.3百万円


なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。

個人別報酬が開示されている役員は、豊田章男氏(21.13億円)、佐藤恒治氏(8.03億円)、中嶋裕樹氏(4.76億円)、宮崎洋一氏(4.81億円)です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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