0 編集部が注目した重点ポイント
① 通期営業利益予想を3.4兆円へ上方修正する
米国における関税政策による1兆4,500億円の減益影響を織り込みながらも、前回予想から営業利益を2,000億円引き上げました。台数構成の改善や原価改善の積み上げにより、外部環境の変化に強い収益構造への転換を加速させています。転職者にとっては、逆境下でも利益を捻出できる強固な経営基盤が魅力です。
② 5ブランド戦略を明確化し商品力を強化する
トヨタ、レクサスに加え、GR、CENTURY(センチュリー)、ダイハツの5つのブランド方向性を再定義しました。多様化する顧客ニーズに対し、それぞれのブランド価値を磨き上げることで選択肢を拡大。各ブランドにおける企画・開発・マーケティング領域での専門人材の活躍フィールドが広がっています。
③ 次世代ソフトウェア基盤Areneを初搭載する
ソフトウェアづくりプラットフォーム「Arene(アリーン)」をRAV4に初搭載することを発表しました。SDV(ソフトウェアによって価値が決まる車両)への移行を具体化。モビリティ・カンパニーへの変革に向け、ソフトウェアエンジニアを中心に、従来の自動車製造の枠を超えたキャリア機会が急拡大しています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 第2四半期決算 プレゼンテーション資料 P.3
営業収益
24兆6,307億円
+5.8%
営業利益
2兆56億円
-18.6%
親会社所有者帰属利益
1兆7,734億円
-7.0%
2026年3月期第2四半期累計の業績は、営業収益が過去最高の24兆6,307億円に達しました。一方で営業利益は、諸経費の増加や米国での関税政策による9,000億円の減益影響を主因に、前年同期比18.6%減となりました。しかし、この関税影響を除いたベースでは増益を確保しており、現場の改善努力と商品力の高さが収益を支えています。
通期予想については、営業利益を前回予想から2,000億円上方修正し、3兆4,000億円としています。中間期時点での進捗率は約59%となっており、米国市場の不透明感はあるものの、業績推移は概ね順調と評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 第2四半期決算 プレゼンテーション資料 P.18
自動車事業
事業内容:セダン、SUV、トラック等の自動車および関連部品の設計、製造、販売を担当する中核事業。
業績推移:営業収益は22兆1,005億円(前年比+4.8%)の増収も、営業利益は1兆4,854億円(同-28.2%)の減益。
注目ポイント:諸経費の増加や米国関税影響で減益となりましたが、電動車比率は46.9%まで上昇。特にソフトウェア基盤「Arene」の初搭載は、開発体制の抜本的改革を象徴しています。ハードウェアの品質と、先進的なソフトウェア開発を融合できるハイブリッドな技術者が強く求められています。
金融事業
事業内容:自動車ローン、リース、およびこれらを補完する金融サービスの提供。
業績推移:営業収益2兆3,303億円(前年比+14.1%)、営業利益4,504億円(同+35.5%)の大幅増益。
注目ポイント:米国子会社における金利スワップ取引の評価益増加が利益を大きく押し上げました。バリューチェーン収益の柱として重要性が高まっており、高度な金融工学やリスク管理、データサイエンスを用いた審査モデル構築などの専門性が求められるフィールドです。
地域別動向(北米・日本)
事業内容:日本国内および北米(米国・カナダ・メキシコ)における生産・販売活動。
業績推移:北米は増収も678億円の営業損失に転落。日本は1兆1,171億円の黒字を維持。
注目ポイント:北米の赤字は米国関税政策による一時的影響が大きく、販売自体は113.8%と好調です。グローバルなサプライチェーン再編や、地政学リスクに対応できるSCM(サプライチェーン・マネジメント)や渉外・法務のプロフェッショナルが必要とされています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 第2四半期決算 プレゼンテーション資料 P.15
今後の成長戦略として、関税影響という大きな減益要因に立ち向かうため、「稼ぐ力」の抜本的な強化を掲げています。具体的には、人への投資(2,250億円)と成長領域への投資(2,450億円)を合わせて4,700億円投入。損益分岐台数の改善にこだわりつつ、生産性の向上を目指します。
特に注目すべきは、一時的なコスト削減に走るのではなく、「人への投資」を戦略的に位置づけている点です。これは、モビリティ企業への変革を担う「人材」こそが競争力の源泉であるという強いメッセージであり、自律的に挑戦する人材を全社で支援する体制が整いつつあります。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
「SDV(ソフトウェア定義車両)」への本気度を軸に構築するのが有効です。特に「Arene」の初搭載や、4,700億円規模の「成長領域・人への投資」に触れ、自身のIT・技術専門性を「モビリティ・カンパニーへの変革」にどう活かしたいかを具体的に語ることで、経営方針と合致した志望動機になります。
面接での逆質問例
「米国関税政策による1.4兆円規模の利益圧迫に対し、現場レベルの原価改善努力はどのような目標設定で推進されているのでしょうか?」「Areneの導入により、従来の車両開発プロセスや組織文化にどのような変化が生まれていますか?」など、決算資料の具体数値を背景にした質問は高い評価に繋がります。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
研修の機会が豊富でスキルアップを目指せる
研修の機会が豊富で、スキルアップを目指すことができます。自分が関わった製品が世に出る瞬間は、やりがいを感じる大きな要素です。成長のチャンスが多い環境です。
(40代後半・システムエンジニア・女性) [キャリコネの口コミを読む]副業は禁止されている
リモートワークに関しては、部署によって実施の可否が異なります。また、副業は禁止されているため、他の収入源を求めることは難しいです。
(40代前半・人事・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)
- 2026年3月期 第2四半期決算 プレゼンテーション資料



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。