【平均年収773万円】ニッポン高度紙工業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収773万円】ニッポン高度紙工業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

ニッポン高度紙工業は、グループ各社とともにアルミ電解コンデンサ用セパレータや電池セパレータなどの機能材を製造・販売し、エレクトロニクス業界に貢献しています。連結従業員数は462名です。直近の連結会計年度では、生成AI関連需要の拡大などにより増収増益となりました。


目次

※本記事は、ニッポン高度紙工業株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月17日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


ニッポン高度紙工業は、アルミ電解コンデンサ用セパレータおよび電池のセパレータ等として使用される機能材の製造・販売を主事業としています。同社グループは、これらの製品を通じてエレクトロニクス業界に貢献しています。

単体従業員数は336名、連結従業員数は462名です。セグメントはセパレータ事業の1つです。

主な国内グループ会社は、NKKソリューションズ(セパレータ事業)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


ニッポン高度紙工業は、高機能セパレータや高機能素材の安定供給を通じて持続可能な社会の実現に貢献する技術開発型企業です。従業員の長期的なキャリア形成を支援し、安定した環境で専門性を高めながら働くことを重視している傾向が見られます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員が長期にわたって活躍できる環境が整っていることがうかがえます。平均勤続年数や平均年齢から、安定した人材定着と経験豊富な従業員が多数在籍している傾向が見られます。

項目 数値
平均年間給与 7,727,000円
平均勤続年数 21.2年
平均年齢 44.0歳
単体従業員数 336人
連結従業員数 462人
単体のグループ内比率 72.7%


同社は退職一時金制度、確定給付企業年金制度、確定拠出年金制度を採用しており、国内連結子会社は退職一時金制度を採用しています。退職一時金制度がありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
なお、退職給付債務は32.1億円、年金資産は41.1億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


ニッポン高度紙工業は、企業理念に基づき、能力向上と自己革新を続ける人材、信頼感を築ける人材、未来の技術ニーズに挑戦し、それを満たすものを作り上げる人材、お客様が最もメリットを得られるかを常に考え、仕事に喜びを感じる人材を目指しています。Well-beingの追求、働きがい・働きやすさの追求をビジョンとして人材戦略を推進しています。

人事制度は「思い思われ、育ち育てる」をスローガンに設計・運用されており、職能資格制度を中核とするトータル人事制度です。給与は職務遂行能力を重視して決定され、賞与は会社業績に応じて原資が決定され、人事評価結果や職務遂行能力を考慮して個人の賞与額が決定されます。物価上昇等の影響を踏まえ、ベースアップや初任給額増額についても検討されています。

また、組織運営や人材管理の要となるマネージャー・リーダー層、複線型人事制度に基づいたエキスパート職層の人材育成に加え、ソリューションや職場環境改善につながる多様な人材の活躍推進に取り組んでいます。「安全・健康はすべてに優先する」という基本方針に基づき、安全衛生活動・健康経営を推進し、従業員のウェルビーイング実現を目指しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。連結子会社は公表義務の対象外のため、記載を省略しています。男女賃金差異は、正規雇用労働者では主に交替勤務従事者の手当、非正規雇用労働者では職務内容の違いが要因となっています。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 4.4%
男性労働者の育児休業取得率 87.5%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 63.4%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 75.4%
労働者の男女の賃金の差異(非正規雇用労働者) 106.0%

健康経営・労働安全衛生の推進

指標 数値
重大労働災害発生件数 0件
労働災害度数率 1.2
健康経営優良法人(大規模法人)認定基準適合 適合

経営戦略に沿った人材育成と人材配置

指標 数値
教育研修受講率 100%

ダイバーシティー&インクルージョンの推進

指標 数値
正社員に占める女性の割合 7.8%
管理監督者に占める女性の割合 4.9%

従業員の働きがいの追求

指標 数値
エンゲージメントスコア2024年度比(仕事のやりがい) 3.3%向上
エンゲージメントスコア2024年度比(成果に対する承認) 3.6%向上
エンゲージメントスコア2024年度比(挑戦する風土) 1.9%向上

労働環境

指標 数値
年次有給休暇取得率60%以上の割合(達成部署÷全部署) 100%

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


ニッポン高度紙工業は、アルミ電解コンデンサ用セパレータや電池のセパレータといった機能材の製造・販売を主事業とする同社グループの中核企業です。エレクトロニクス業界の需要に応える製品を提供しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは「セパレータ事業」の単一セグメントで事業を展開しています。主な製品はアルミ電解コンデンサ用セパレータと機能材の2種類です。アルミ電解コンデンサ用セパレータは、生成AI普及に伴うAIサーバー関連の需要が好調に推移し、売上高を大きく伸ばしました。

機能材は、電気二重層キャパシタ用セパレータが電力安定化用途などで需要が増加し、こちらも売上高を増加させています。同社グループの収益は、これら主要製品の製造・販売から得られています。

販売実績においては、王子エフテックス株式会社への売上高が同社グループの総販売実績の大きな割合を占めています。また、売上高の90%以上が日本国内の外部顧客によるものであり、事業は主に国内市場に集中している傾向が見られます。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高は、過去5年間で一時的な減少が見られたものの、その後は回復し、直近の連結会計年度では大きく増加しました。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も同様に、一時的な減少を経て回復基調にあり、直近の連結会計年度では大幅な増加を達成しています。

これは、生成AI関連の需要拡大や電力安定化用途での需要増加が、売上高の増加に貢献したためです。原材料費の高騰や減価償却費の増加があったものの、売上高の増加が利益を押し上げる結果となりました。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 181億円 176億円 148億円 160億円 186億円
経常利益 42.3億円 35.3億円 20.2億円 24.5億円 37.1億円
経常利益率 23.4% 20.1% 13.6% 15.2% 19.9%
親会社株主に帰属する当期純利益 29.2億円 24.7億円 14.8億円 17.8億円 26.4億円
1株当たり当期純利益(円) 271.26 229.20 138.96 167.55 250.67

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から当期にかけて増加しました。これは、従業員1人あたりが生み出す売上高が増加したことを示しています。

また、従業員1人あたり営業利益(連結)も前期から当期にかけて増加しており、組織全体の収益性が向上している傾向が見られます。これらの指標の改善は、同社グループの生産性が高まっていることを示唆しています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 33.1百万円 40.3百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 5.1百万円 7.6百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


ニッポン高度紙工業は、強固な財務基盤と安定したキャッシュフローを維持しています。これにより、事業の継続性と将来への投資余力を確保している状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


ニッポン高度紙工業の財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の製造業平均を大きく上回る水準で推移しており、非常に安定しています。ROEも当期はプライム市場平均を上回る水準となり、効率的な資本活用が進んでいることを示しています。手元資金も潤沢に確保されており、事業の安定的な継続と、それに伴う雇用や給与の安定性につながる基盤が整っていると言えます。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 239億円 262億円
自己資本比率 67.8% 73.6%
ROE(自己資本利益率) 7.7% 10.5%
現金及び預金 41.3億円 47.4億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの本業の稼ぎを示す営業キャッシュフローは、税金等調整前当期純利益や減価償却費の計上などにより、当期は増加しました。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出があったものの、前期に比べて支出が減少しています。その結果、本業で得た資金で投資を賄い、さらに余剰資金を生み出すフリーキャッシュフローは大幅に増加しました。

財務活動によるキャッシュフローは、短期借入金の純減や長期借入金の約定返済、配当金の支払いなどにより、資金が減少しています。同社グループは本業で安定的に資金を創出し、事業に必要な投資を行いながらも、財務的な健全性を維持している状況です。これは、入社後の雇用や給与の安定性につながる要素であると言えます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 38.0億円 52.4億円
投資CF △34.0億円 △14.0億円
財務CF △6.4億円 △32.9億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 4.0億円 38.4億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク


継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク


同社グループは、主力のアルミ電解コンデンサ用セパレータが高い市場シェアを持つ一方で、特定品目の需要動向が業績に影響を与える可能性があります。また、アルミ電解コンデンサ市場でのグローバルな競争激化により、販売価格への下落圧力が強まる可能性も指摘されています。

③ 人材・組織に関するリスク


同社グループは、競争力を維持・向上させるため、製品開発や製造に必要な人材を安定的に採用・確保し続けることが重要であると認識しています。

④ 雇用安定性・リストラ


解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


ニッポン高度紙工業は、エレクトロニクス産業を支える高機能部材の提供を通じて、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。社員一人ひとりの成長と革新を重視し、お客様との信頼関係を築きながら企業価値向上を図る企業風土があります。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


ニッポン高度紙工業は、「企業理念」と「長期目標」に基づき、エレクトロニクス産業に不可欠なアルミ電解コンデンサ用セパレータや機能材の安定供給を通じて、顧客満足度を高め、産業の発展に貢献することを目指しています。

同社グループは「環境と健康に挑戦 2030」をスローガンに掲げ、「高機能セパレータ、高機能素材の安定供給を通じて、持続可能な社会の実現に貢献する」という長期ビジョンを策定しています。

技術開発型企業として、高品質・高機能なセパレータの提供により人々の生活を快適にし、環境に配慮した持続可能な社会の発展と脱炭素社会の実現に貢献することに存在意義を見出している会社です。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


ニッポン高度紙工業は、社員一人ひとりが能力向上と自己革新に取り組み、多様なニーズに応えることを重視しています。お客様との強固な信頼関係を構築し、企業価値の向上を目指すカルチャーがあります。

「思い思われ、育ち育てる」をスローガンに掲げ、個人が能力向上に努め、組織が魅力ある職場づくりを行うことを人事基本理念としています。

「安全・健康はすべてに優先する」という基本方針のもと、従業員の安全と健康を最優先する企業風土を大切にしています。従業員の心身の健康保持増進と、安心して働ける職場環境づくりを通じてウェルビーイングの実現を目指している会社です。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


ニッポン高度紙工業は、優先的に対処すべき事業上の課題として、原材料・エネルギー価格上昇への対応に取り組んでいます。製品の値上げや生産効率向上によるコスト低減を継続して進めています。

また、安定供給体制の強化も重要なテーマです。生産拠点の分散や原材料・製品在庫の確保、米子工場の新設生産設備の本格稼働、原料倉庫の拡充、本社工場での自動倉庫新設等により、高付加価値セパレータの量産体制を整えています。

さらに、健康経営の推進にも力を入れています。従業員の高年齢化や雇用形態の多様化を踏まえ、従業員の心身の健康保持増進、安心して働ける職場環境づくりに継続して取り組んでいます。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


ニッポン高度紙工業は、持続的な成長と企業価値向上を目指し、経営の透明性向上とコンプライアンス体制の強化を重要な経営課題と位置付けています。客観的な視点を取り入れるため社外取締役を選任し、半数以上を社外監査役で構成する監査役会を運営することで、監視機能の強化とガバナンスの実効性確保に努めています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


ニッポン高度紙工業の株主構成を見ると、事業会社や金融機関が上位に名を連ねています。複数の事業会社が主要株主として同社を支えている構造が特徴です。

株主名 持株比率
東京産業洋紙 9.48%
日本カストディ銀行(信託口) 5.70%
日本紙パルプ商事 4.91%
四国銀行 4.80%
日本カストディ銀行(三井住友信託銀行再信託分・王子マネジメントオフィス株式会社退職給付信託口) 4.68%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は10名(男性9名・女性1名)で構成され、女性役員比率は10.0%です。代表取締役社長は近森俊二氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。

氏名 役職 主な経歴
近森 俊二 取締役社長 (代表取締役) 社長執行役員 1981年3月同社入社、管理本部長、取締役、営業本部長を経て、2021年6月代表取締役社長、2023年4月社長執行役員より現職。
矢田部 達志 取締役 常務執行役員 営業部門統括 セパレータ開発部門統括 1996年4月同社入社、営業部長、取締役、コンプライアンス担当執行役員を経て、2025年6月常務執行役員より現職。
高橋 寿明 取締役 常務執行役員 管理部門統括 1986年3月同社入社、管理部長、取締役、管理部門統括、コンプライアンス担当執行役員を経て、2025年6月常務執行役員より現職。
山岡 俊則 取締役会長 1991年10月同社入社、管理本部長、取締役、代表取締役社長を経て、2021年6月取締役会長より現職。


社外取締役は、岡崎明氏(元四電工専務取締役)、井上浩之氏(元高知県副知事)、奥村陽子氏(税理士・高知県監査委員)です。

同社は監査役会設置会社であり、独立役員である社外取締役を選任することで、客観的な視点を取り入れ、意思決定の透明性・合理性を高めています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


ニッポン高度紙工業の役員報酬は、金銭報酬としての基本報酬、短期インセンティブ報酬、および株式報酬としての長期インセンティブ報酬の3つの制度で構成されています。基本報酬は役位や役割に基づく固定額に業務執行分を加算して決定され、短期インセンティブ報酬は年度業績や職務執行の貢献度を考慮して支給されます。長期インセンティブ報酬は譲渡制限付株式の付与により、中長期的な経営目標への取り組みを重視した設計となっています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 1.8億円 44.1百万円
監査役(社外除く) 2名 10百万円 5.1百万円
社外役員 7名 20百万円 2.9百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。