【平均年収591万円】ファルテック 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収591万円】ファルテック 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

ファルテックは、自動車外装部品や自動車純正用品、自動車関連機器事業を主軸とし、グローバルに展開する企業です。多くの従業員を擁し、直近の期では売上高が減少し、経常利益も前期から減少しました。親会社株主に帰属する当期純利益は損失を計上しています。


目次

※本記事は、株式会社ファルテック の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月18日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


ファルテックは、自動車外装部品、自動車純正用品、自動車関連機器事業を主軸とする企業グループです。自動車メーカーを主要顧客とし、製造ラインに組み込まれる部品から、ディーラーで販売される純正用品、整備工場で使用される機器まで幅広く手掛けています。

単体従業員数は816名、連結従業員数は1,764名です。セグメントは日本、アジア、北米他の3つです。

主な国内グループ会社は、TPR(自動車関連製品の製造販売)、アルティア、テクノサッシュ(自動車外装部品の製造・販売)などです。

ファルテックは2012年4月5日付でTPRの出資を受け、同社が親会社となっています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


ファルテックグループは、自動車部品事業を支える人材を重視し、従業員エンゲージメントの向上を通じて組織力強化を目指しています。給与水準や働き方に関する各種データから、同社グループがどのような環境を提供しているか、その全体像を把握できます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、従業員の平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高めであることから、安定して長く働き続ける従業員が多い傾向が見られます。これは、長期的なキャリア形成を検討する上で参考となるでしょう。

項目 数値
平均年間給与 5,912,000円
平均勤続年数 17.9年
平均年齢 45.4歳
単体従業員数 816人
連結従業員数 1,764人
単体のグループ内比率 46.3%


同社グループは、確定給付型の退職給付制度を設けています(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度)。この制度は同社および国内連結子会社、一部の海外連結子会社に適用されています。

退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

なお、退職給付債務は106億円、年金資産は83.5億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


ファルテックグループは、自動車部品事業において製品の品質・供給を支える人材の力を不可欠と認識し、人的資本への投資を通じて従業員エンゲージメントの向上を図っています。これにより、現場力および組織力の強化を実現していく方針です。

報酬については、持続的な企業価値向上に向けた重要な投資と位置付けており、役割に応じた行動や能力発揮度合い、個人の目標達成度合いなどの評価を給与・賞与に結び付ける制度を導入しています。一般職の給与および賞与の報酬決定については、労使で協議を重ね、社員に対して最大限の支給を行っているとのことです。

人材育成においては、「企業」と「個」の価値向上の両立を基本方針とし、自律的に価値を創出できる人材の育成を推進しています。具体的には、技能伝承の深化に加え、開発・品質領域の専門人材を戦略的に育成するとともに、人材情報を可視化し、計画的な育成と適材適所な人材配置の実現を図っています。健康経営も重要な経営基盤と捉え、従業員の健康保持・増進の取り組みを推進するとともに、多様な働き方への対応、長時間労働の是正や年次有給休暇取得の促進等を通じて、健全な職場環境の実現を図っています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。

指標 数値
女性管理職比率 4.9%
男性育児休業取得率 70.0%
男女賃金差異(全労働者) 77.3%
男女賃金差異(正規雇用) 79.0%
男女賃金差異(非正規雇用) 62.4%

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

▼ 子会社1

指標 数値
女性管理職比率 4.4%
男性育児休業取得率 50.0%

人材育成・エンゲージメント

指標 数値
2026年度の教育への年間投資額 前年度対比20%増加
えるぼし認定 3段階目の取得

健康・安全

指標 数値
全社員を対象とした年次有給休暇 10日以上の取得
健康経営優良法人 大規模法人部門の継続認定

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


ファルテックグループは、自動車外装部品、自動車純正用品、自動車関連機器の三つの事業を主軸に、美しく豊かなクルマ社会の実現に貢献しています。自動車メーカーを主要顧客とし、製品の企画・開発から生産、販売、アフターサービスまでを一貫して手掛けることで収益を上げています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、自動車メーカーの製造ラインで装着される自動車外装部品、自動車販売会社で販売される自動車純正用品、自動車メーカーや整備会社等で使用される自動車関連機器を取り扱っています。長年の取引関係で培われたノウハウと技術に基づき、顧客のニーズに応じた製品開発や提案を行うことが強みです。

日本

国内市場を対象とし、自動車外装部品、自動車純正用品、自動車関連機器の幅広い製品を提供しています。収益は、お客様の生産・販売台数の影響を受けつつも、原価低減活動の推進によって得られています。

アジア

アジア地域において、日系メーカーを主な顧客として自動車外装部品や純正用品の販売を展開しています。収益は、この地域における日系メーカーの生産・販売台数の変動に影響を受ける傾向があります。

北米他

北米地域を中心に事業を展開し、自動車外装部品や純正用品を供給しています。収益は、お客様の生産・販売台数の増減によって変動する傾向があります。

同社グループの売上高は、特定の自動車メーカーに集中する傾向が見られます。また、原材料費やエネルギー費の高止まり、労務費や物流費の上昇、為替の急激な変動など、厳しい経営環境が続いています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
日本 616億円 592億円
北米他 89.4億円 74.6億円
アジア 85.6億円 65.1億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は変動しつつも直近の期では減少傾向を示しています。経常利益は前期から減少しており、親会社株主に帰属する当期純利益は当期に損失を計上する結果となりました。これは、事業用資産の減損損失を計上したことなどが主な要因となっています。一方で、営業活動によるキャッシュ・フローはプラスを維持しており、本業による資金創出力は継続している状況です。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 691億円 741億円 819億円 791億円 732億円
経常利益 17.6億円 △5.0億円 17.8億円 28.6億円 15.9億円
経常利益率 2.5% △0.7% 2.2% 3.6% 2.2%
親会社株主に帰属する当期純利益 △6.2億円 △23.1億円 △7.9億円 3.3億円 △8.4億円
1株当たり当期純利益(円) △66.43 △246.35 △84.30 35.06 △89.30

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は前期から微増となりましたが、従業員1人あたり営業利益は前期から減少しています。これは、売上高の減少や、原材料費等の高止まりといった厳しい経営環境が影響していると考えられます。減損損失の計上は、会計上の損失として当期純利益に影響を与えましたが、営業利益ベースの1人あたり指標にも影響が見られます。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 41.2百万円 41.5百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 1.2百万円 0.9百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務基盤は、自己資本比率と手元資金の状況からその安定性を把握できます。これらの指標は、事業の継続性や将来の成長投資の余力を示すものです。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率は前期から上昇し、29.0%となっています。ROE(自己資本利益率)は当期にマイナスを示しており、前期から低下しています。現金及び預金は前期から増加し、158億円となっています。これらの財務状況は、同社グループの事業運営における資金の安定性を示すものです。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 214億円 215億円
自己資本比率 27.8% 29.0%
ROE(自己資本利益率) 1.9% -4.4%
現金及び預金 148億円 158億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは38.5億円の収入となりました。これは主に減価償却費や減損損失、売上債権の減少によるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは27.5億円の支出となり、有形及び無形固定資産の取得による支出が主な要因です。財務活動によるキャッシュ・フローは1.3億円の支出となり、長期借入金の返済による支出が主な内訳です。フリーキャッシュ・フローは10.9億円の収入となっており、本業で得た資金で投資活動を賄い、余剰資金を生み出している状況です。同社グループは本業で安定的に資金を生み出し、投資活動を賄いつつも余剰資金を確保しています。これは、事業の持続的な運営と将来への投資余力を示しており、安定した事業基盤のもとで働く環境が期待されます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 46.6億円 38.5億円
投資CF △31.4億円 △27.5億円
財務CF △19.1億円 △1.3億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 15.2億円 10.9億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは国内自動車業界の動向に強く影響を受けており、国内自動車メーカーの生産規模縮小や海外市場での日系メーカーのシェア低下が事業に影響を及ぼす可能性があります。また、特定の取引先である日産自動車株式会社等への依存度合いが高く、同社の経営方針変更や取引条件の変更が生じた場合、事業に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、従業員の退職給付費用及び退職給付債務につき、数理計算に使用される一定の前提条件に基づき計算を行っています。これらの前提条件が実際の結果と異なる場合や変更がなされた場合、事業に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


ファルテックは、自動車部品事業を通じて、持続可能な社会の実現と自社の成長を両立させることを目指しています。地球環境との共生や人的資本への投資を重視し、社会貢献と企業価値向上を追求する企業風土が特徴です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


ファルテックグループは、「時代をリードする価値ある商品・サービスを提供し、美しく豊かなクルマ社会の実現に貢献する」という経営理念を掲げています。この理念のもと、全てのステークホルダーの声に耳を傾け、持続可能な社会の発展に貢献することを目指しています。

具体的には、「美しく豊かな地球環境と共生できるものづくり」を通じて、社会に貢献していく方針です。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、持続可能な社会の実現と自社の成長に向けた重要課題(マテリアリティ)を設定し、その解決・改善を進めています。クリーンでクオリティの高い地球社会の実現に貢献する製品・サービスの提供や、地球環境に配慮したものづくりを推進しています。

また、「ひとをつくり、ひとに学び、多様性のある豊かな職場の実現と地域コミュニティへの貢献」を重視しています。お客様の期待と信頼に応えるクオリティの高い製品・サービスの提供も大切な価値観です。公正で透明性の高いガバナンス体制の強化や、グローバルに強靱かつ安定的に事業を継続するリスクマネジメントも掲げています。

人的資本経営においては、「企業」と「個」の価値向上の両立を基本方針とし、自律的に価値を創出できる人材の育成を推進しています。従業員の健康を重要な経営基盤と捉え、健康保持・増進の取り組みや多様な働き方への対応を通じて、健全な職場環境の実現を図っています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、ものづくりコストの競争力向上、主要な顧客の再編に対応した生産体制の再構築、中国市場における売上拡大、英国事業の再建を課題としています。これらの課題解決に向けて、人財や設備等への適切な投資を行っていく方針です。

中期的な取り組みとして、「人的資本への投資」と「カーボンニュートラル」を経営基盤の充実の柱としています。また、新商品・新技術の強化では「脱炭素を意識した開発」を推進しています。気候変動への対応を重要な経営課題の一つと位置づけ、温室効果ガス排出量の削減に取り組んでいます。

人的資本への投資を通じて従業員エンゲージメントの向上を図り、現場力および組織力の強化を実現していくことを重点テーマとしています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


ファルテックは、継続的な企業価値向上を目指し、コーポレート・ガバナンスの確立を重要課題と認識しています。経営の透明性向上と経営監視機能の強化を不可欠としており、監査役会設置会社として体制を構築しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


ファルテックの株主構成を見ると、筆頭株主であるTPRは同社グループの議決権の過半数を所有しています。このことから、TPRが同社グループの経営に強い影響力を持つ資本構成となっています。

株主名 持株比率
TPR 55.53%
CITIC SECURITIES BROKERAGE (HK) LIMITED AC CLIENT 4.74%
SRG GLOBAL, LLC 4.03%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は12名(男性11名・女性1名)で構成され、女性役員比率は8.0%です。代表取締役社長最高経営責任者は河井芳浩氏が務めています。社外取締役比率は0.0%です。

氏名 役職 主な経歴
河井 芳浩 代表取締役社長 最高経営責任者 1987年4月日産自動車入社、2021年4月同社常務執行役員兼関係会社室長、2022年6月同社代表取締役社長最高経営責任者より現職。
池畑 慎二 代表取締役 専務執行役員 最高財務責任者 1987年4月富士銀行入行、2020年4月TPR執行役員海外事業第一部長、2025年6月同社代表取締役専務執行役員最高財務責任者兼経営管理センター長より現職。
天野 豊彦 取締役 常務執行役員 1984年4月日産自動車入社、2018年4月同社常務執行役員兼セールス&マーケティングセンター長、2022年6月同社取締役常務執行役員兼セールス&マーケティングセンター長より現職。
田中 俊之 取締役 常務執行役員 1986年4月橋本フォーミング工業入社、2020年6月同社取締役常務執行役員生産センター長、2025年6月同社取締役常務執行役員生産センター長より現職。
藤城 豪二 取締役会長 1987年4月富士銀行入行、2025年4月TPR代表取締役副社長執行役員海外事業部門担当、2026年4月同社取締役会長より現職。
末廣 博 取締役 1981年4月富士銀行入行、2024年6月同社取締役会長、2026年4月同社取締役より現職。
矢野 和美 取締役 1982年8月TPR入社、2021年6月同社取締役より現職。


社外取締役は、佐藤明典氏(佐藤明典公認会計士事務所所長)です。

同社は監査役会設置会社です。社外取締役は経営者としての豊富な経験や高い見識を持ち、独立した立場から監督機能としての役割を果たしています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


ファルテックの役員報酬は、固定報酬としての基本報酬と、会社業績および個人業績に連動した業績連動報酬で構成されています。また、同社グループの企業価値向上に向けたインセンティブとして、ストックオプションを付与することも可能としています。社外取締役および非常勤取締役には基本報酬のみが支給され、監査役には定額報酬が支給されます。

区分 人数 総額 1人あたり平均
社外取締役 4名 9百万円 2.2百万円
社外監査役 4名 9百万円 2.2百万円


なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、無報酬の取締役4名を除いております。

個人別報酬が開示されている役員は存在しません。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。