【平均年収588万円】クボテック 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収588万円】クボテック 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

クボテックは、画像処理外観検査装置や3Dソリューションシステムなどの開発、製造、販売を、日本と米国を中心に展開しています。売上高は増加しましたが、損失が続いています。


目次

※本記事は、クボテック株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月29日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


クボテックは、主に画像処理外観検査装置、3Dソリューションシステム、メディアネット機器の開発、製造、販売を手掛けています。同社グループは、日本と米国を中心に事業を展開しています。

単体従業員数は40名、連結従業員数は64名です。セグメントは検査機システム、創造エンジニアリング、メディアネットの3つです。

クボテックは、日本において画像処理外観検査装置、3Dソリューションシステム、メディアネット機器の開発、製造、販売を担っています。海外では連結子会社であるKubotek USA, Inc.を通じて事業を展開しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


クボテックは、技術力を基盤に社会課題解決を目指す企業グループです。従業員の平均年齢や勤続年数からは、長期間にわたり専門性を培いながら働く環境がうかがえます。個々の能力を重視し、働きがいのある職場環境づくりに注力していることが特徴です。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、平均勤続年数が長く、平均年齢も高めであることから、従業員が長期にわたって安定して勤務している傾向が見られます。これは、培われた経験や専門知識が組織内で継承され、活用されていることを示唆しています。

項目 数値
平均年間給与 5,883,000円
平均勤続年数 22.5年
平均年齢 55.8歳
単体従業員数 40人
連結従業員数 64人
単体のグループ内比率 62.5%


同社は、主に確定給付型の制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)として退職一時金制度を設けており、中小企業退職金共済制度を併用しています。連結子会社および同社の海外事業所の一部では、現地国制度に基づく確定拠出型の制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する)を採用しています。退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、「技術は人のために」を企業理念とし、高度な専門性を持つ少数精鋭の人材を最も重要な経営資源と位置付けています。事業規模が小さいからこそ、一人ひとりの技術力・創造力・主体性が企業価値に直結するという認識のもと、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に資する人材の確保・育成・活躍環境の整備を経営の重要課題としています。

従業員の給与は、全体業績と各従業員の業績評価を総合的に踏まえて決定され、評価結果を給与へ適切に反映させることで、従業員一人ひとりの成長意欲や業績向上への動機づけにつなげています。また、管理職には年俸制を導入し、経営陣の一員としての自覚を高めるとともに、役割と成果をより明確に反映する報酬体系としています。

性別や国籍など個人の属性に関係なく、多様な従業員が仕事に取り組める働きがいのある職場環境を目指し、能力を最大限発揮できる体制を整備する方針です。中途採用者が多く在籍しており、OJTを通じた業務経験を中心とした自律的で専門能力や技能に優れた人材の育成に努めています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データは開示されていません。

人的資本に関する戦略並びに指標及び目標


提出会社を除き連結グループに属する会社では、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関して取組が行われているものの、これらの指標に基づく管理は行われていません。このため、次の指標に関する目標及び実績は提出会社のものを記載しています。

指標 目標 実績 (当事業年度)
残業時間 (一人当たり月平均) 10時間以下 3時間
有給休暇取得率 50%以上 78%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


クボテックは、画像処理外観検査装置、3Dソリューションシステム、メディアネット機器の開発、製造、販売を手掛ける企業です。同社グループは日本と米国を主要な事業地域としています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、主に地域別のセグメントで事業を展開しています。各セグメントにおいて、画像処理外観検査装置、3Dソリューションシステム、メディアネット機器といった製品やシステムを提供し、製造業の物創りを支援しています。

日本

日本セグメントでは、画像処理外観検査装置、3Dソリューションシステム、メディアネット機器の開発、製造、販売を行っています。特に画像処理外観検査装置の売上が伸長し、同セグメントの増収に貢献しました。
収益は、主に画像処理外観検査装置の販売による前受金や、3Dソリューションシステム製品の販売、保守契約等から得ています。主な生産活動はクボテックが担当し、国内とアジア地域での販売活動もクボテックが行っています。Xiamen Tianma Optoelectronics Co., Ltd.と株式会社ホクシンといった主要な顧客への販売実績があります。

米国

米国セグメントでは、3Dソリューションシステム製品の開発、製造、販売を行っています。同セグメントの売上はほぼ横ばいで推移しました。
収益は、主に3Dソリューションシステム製品の販売や、サービス提供期間にわたる保守契約等から得ています。運営は、米国子会社であるKubotek USA, Inc.が米州での販売活動を担当しています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
日本 10.9億円 15.3億円
米国 5.7億円 5.7億円


同社グループ全体としては、日本セグメントの画像処理外観検査装置の売上が伸長し、全体の売上増加を牽引しました。一方で、受注残高が大幅に減少しており、今後の収益確保に向けた課題が見られます。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高は直近5年間で増加傾向にあります。一方で、経常損失および親会社株主に帰属する当期純損失が継続しており、収益性の改善が課題となっています。当連結会計年度は、売上高が増加したものの、特別損失として減損損失を計上しています。営業活動によるキャッシュ・フローは資金の使用となっていますが、前期に比べて使用額は減少しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 10.2億円 12.2億円 13.1億円 16.6億円 21.0億円
経常利益 △1.7億円 △1.8億円 △2.2億円 △1.3億円 △1.1億円
経常利益率 △16.7% △14.7% △16.8% △7.6% △5.4%
親会社株主に帰属する当期純利益 △1.2億円 △2.0億円 △2.7億円 △2.0億円 △1.6億円
1株当たり当期純利益(円) △8.83 △14.88 △19.84 △14.59 △11.34

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期から増加しています。これは、売上高の伸長が従業員数の減少を上回ったことによるものです。一方で、従業員1人あたり営業利益は前期から改善傾向にありますが、依然として損失となっています。これは、同社グループ全体の営業損失が継続している状況を反映しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 23.4百万円 32.8百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) △1.8百万円 △1.8百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


クボテックグループの財務状況は、事業活動や投資活動における資金の流れに課題が見られます。現在の財務基盤とキャッシュフローの状況から、今後の事業運営における資金の安定性について確認します。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


クボテックグループの財務基盤を見ると、自己資本比率は当期で7.0%となっており、前期の11.7%から減少しています。これはプライム市場の製造業平均と比較して低い水準です。

ROE(自己資本利益率)は当期で△120.9%と、前期の△63.0%からさらに悪化しており、プライム市場平均を大きく下回るマイナスとなっています。

現金及び預金は当期末で1.7億円と、前期末の4.4億円から減少しました。これらの状況は、同社グループの財務の安定性に影響を与える可能性があります。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 2.0億円 56百万円
自己資本比率 11.7% 7.0%
ROE(自己資本利益率) △63.0% △120.9%
現金及び預金 4.4億円 1.7億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


クボテックグループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、当期に△25百万円の資金を使用しました。これは前期の△1.9億円の使用からマイナス幅が減少しています。

投資活動によるキャッシュフローは、当期に△3.0億円の資金を使用しており、前期の△2.5億円の使用から増加しています。これは主にソフトウェアや有形固定資産の取得によるものです。

財務活動によるキャッシュフローは、当期に6百万円の資金を取得しました。これは前期の△2.5億円の使用からプラスに転じています。

営業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは、当期に△3.3億円の資金を使用しており、前期の△4.5億円の使用からマイナス幅は減少していますが、依然として資金流出が続いています。同社グループは8期連続で営業損失を計上し、2期連続で営業キャッシュフローがマイナスとなっており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる状況です。この状況は、雇用や給与の安定性に影響を与える可能性があります。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF △1.9億円 △25百万円
投資CF △2.5億円 △3.0億円
財務CF △2.5億円 6百万円
フリーCF(営業CF+投資CF) △4.5億円 △3.3億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

クボテックグループは、8期連続で営業損失を計上し、2期連続で営業キャッシュフローがマイナスとなっています。特定の市場・顧客の設備投資や受注動向によって業績の変動が避けられないため、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる状況が当連結会計年度末に存在しています。

② 事業構造・収益性に関するリスク

クボテックグループは、特定の市場・顧客への依存リスクを抱えています。検査機システム事業はFPDメーカー向け画像処理外観検査装置の販売が主要であり、特定の市場・顧客の設備投資動向によって財政状態や経営成績に悪影響をもたらす可能性があります。

また、競合他社の新製品開発や価格競争により、同社グループ製品の技術的な競争力が失われたり、価格競争を余儀なくされたりするリスクもあります。

③ 人材・組織に関するリスク

クボテックグループは、人材の確保に関するリスクを認識しています。会社の規模が比較的小さく、少人数の経営陣に事業活動を依存しているため、今後業容が拡大した場合に人的・組織的に十分な対応が取れない恐れがあります。

有能な人員の確保や内部管理体制の充実が計画通り進まない場合、経営活動に支障が生じ、事業戦略や経営成績に悪影響が及ぶ可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


クボテックは、「技術は人のために」という理念のもと、先端技術の追求と社会貢献を両立させることを目指しています。人を中心とした技術開発を通じて、持続的な成長と企業価値向上を図る企業です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社は経営の基本方針として「技術は人のために」を標語に掲げています。あらゆるシステムの根幹に「人」を置き、人を真に豊かにする技術の発展に貢献することを事業の理念としています。

情報、制御、通信、機械の要素技術を軸に、製品開発を通じて常に先端技術の蓄積に取り組み、様々な独創的な新製品・新システムを開発することを目指しています。高い技術力と収益性を確保し、株主の期待に応えることを経営の基本方針としています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


日常の企業活動では、「創意・工夫と不断の努力」を社訓としています。新鮮な発想と、それを具体化して粘り強く実証するという技術の基本常識を大切にする企業風土です。

同社グループは、「技術は人のために」を企業理念とし、技術力を生かして社会課題を克服することで持続的な企業成長と企業価値向上を図る、サステナビリティを意識した経営を推進しています。

性別や国籍など個人の属性に関係なく、多様な従業員が仕事に取り組める働きがいのある職場環境を目指し、能力を最大限発揮できる体制を整備する方針です。中途採用者が多く在籍し多様性を確保しており、OJTを通じた業務経験を中心として、自ら考え行動する自律的で専門能力や技能に優れた人材の育成に努める方針を示しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、サステナビリティに関する課題への対応を、リスクの減少のみならず収益機会にもつながる重要な経営課題であると認識し、積極的に取り組んでいます。

リスク管理体制の基礎としてリスク管理規程を定め、サステナビリティ委員会を設置しています。重大なリスク及び機会に対して取締役会に報告、提言を行い、リスクに対して必要な措置を講じる体制としています。

脱炭素などの環境課題については、工場において環境に著しい影響を及ぼすと考えられる項目を明らかにし、改善計画を設定し、継続的な環境改善に努めています。自然災害や感染症リスクに対しては、事業活動を継続するために工場及び主要な国内事業所においてBCP(事業継続計画)を策定し検討を進めています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


クボテックは監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会が連携して企業統治を担っています。少人数での効率的な会社運営を重視する経営方針が特徴です。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


クボテックの株主構成を見ると、筆頭株主は久保哲夫氏であり、複数の久保姓の個人株主が上位に名を連ねています。これは創業家が同社の資本構成において大きな割合を占め、経営に強い影響力を持つ傾向を示しています。

株主名 持株比率
久 保 哲 夫 18.00%
久 保 美津子 10.17%
久 保   元 10.17%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は7名(男性4名・女性3名)で構成され、女性役員比率は42.9%です。代表取締役社長は前田忠和氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。

氏名 役職 主な経歴
前 田 忠 和 取締役社長代表取締役 1985年7月に同社に入社し、開発部長などを経て、2026年6月に同社代表取締役社長に就任しました。
仲 本 庸 子 取締役 1991年3月に同社に入社し、創造エンジニアリング事業部長やKubotek USA, Inc. CEOなどを務め、2026年6月に同社取締役に就任しました。
角 張 尚 道 取締役 1979年4月に大阪大学医学部内科医となり、1985年7月に同社取締役に就任し、開発担当を務めています。


社外取締役は、木村文彦氏(東京大学名誉教授)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役会は社外取締役1名を含む4名で構成されています。社外取締役は独立した立場から経営を監督する役割を担っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の取締役の報酬は、中長期的な業績と企業価値の最大化への意欲を高めることを方針としています。報酬は固定報酬としての基本報酬のみで構成され、役員報酬限度額の範囲内で、経営環境や業績推移、各取締役の貢献度を総合的に勘案して決定されます。監査役の報酬は、監査役の協議により決定されます。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 3名 11百万円 3.7百万円
社外役員 4名 12百万円 2.9百万円


なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。