【平均年収712万円】ニレコ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収712万円】ニレコ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

ニレコは、グループ各社とともに鉄鋼・化学から食品・印刷まで幅広い産業向けに制御・計測・検査機器・光学部材の開発・製造・販売を展開しています。直近の業績は増収減益となりましたが、高水準の利益を維持し、受注残高も大きく増加しています。


目次

※本記事は、株式会社ニレコ の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


ニレコグループは、鉄鋼・化学から食品・印刷まで幅広い産業向けに制御・計測・検査機器・光学部材の開発・製造・販売を手がけています。半導体や電子部品、鉄鋼、フィルム、印刷、食品など多様なメーカーを主要取引先としています。

単体従業員数は294名、連結従業員数は533名です。事業セグメントは制御機器事業、検査機事業、オプティクス事業の3つです。

主な国内グループ会社は、当社、応用光研工業、光学技研、京浜光膜、西武電機などです。

ニレコグループは、2025年10月30日に応用光研工業を子会社化し、事業拡大に向けた取り組みを進めています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


ニレコは、長年にわたり培ってきた技術と信頼を基盤に、安定した事業運営を行っている企業です。従業員の能力向上と多様な働き方を支援する制度を整備しており、長期的なキャリア形成を視野に入れている方にとって、働きがいのある環境が期待できるでしょう。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員の平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高めであることから、安定して長く働く従業員が多い傾向にあることがうかがえます。これは、従業員が腰を据えてキャリアを築ける環境が整っていることを示唆しています。

項目 数値
平均年間給与 7,115,000円
平均勤続年数 18.8年
平均年齢 48.6歳
単体従業員数 294人
連結従業員数 533人
単体のグループ内比率 55.2%


同社は、確定給付型の制度として確定給付企業年金制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)及び退職一時金制度を設けています。一部の国内連結子会社では、中小企業退職金共済制度や確定拠出制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する)を採用しています。

退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

なお、確定給付制度における退職給付債務は12.2億円、年金資産は15.0億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


ニレコグループは、「技術と信頼」の経営理念と「人と生産現場に寄り添い課題を『はかる・みつける・ととのえる』」というビジョンを掲げ、人材育成とDXの活用を通じて社会への価値提供を目指しています。グループ一体で人材戦略を推進し、採用方針や状況を共有しながら、全体最適の観点から採用活動を進めています。

従業員の給与は、業績動向や過去からの給与水準、世間一般の報酬水準を参考に、各人の能力や功績を加味し、労使合意の上で昇給や賞与支給額を決定しています。2026年4月からは、従業員それぞれの能力に応じた公平な評価制度・賃金体系の確立、および若手社員の確保を目的とした新たな人事制度を導入しました。具体的には、年齢給を廃止して年功序列部分をなくし、能力に応じたメリハリのある公平な賃金体系へと移行しています。

また、多様な人材の確保・活用を積極的に推進しており、年齢、性別、国籍に拘らない通年採用や、海外子会社の経営幹部・従業員への現地人材登用、管理職への実績重視の登用を行っています。すべての従業員に公平な教育機会を提供し、能力向上を支援するため、ITを活用した教育インフラの整備や、外部講師による管理職研修を実施しています。さらに、在宅勤務制度やフレックスタイム制度を整え、多様な働き方を可能とする社内環境の整備にも努めています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。

指標 数値
女性管理職比率 4.7%
男性育児休業取得率 66.7%
男女賃金差異(全労働者) 62.1%
男女賃金差異(正規雇用労働者) 74.4%
男女賃金差異(非正規雇用労働者) 44.3%

育児・介護支援


本指標は、同社単体に加えて連結子会社である㈱光学技研を対象とした集計値です。

指標 数値
女性社員育児休業制度利用率 100.0%
男性社員育児休業制度利用率 75.0%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


株式会社ニレコは、鉄鋼・化学から食品・印刷まで幅広い産業向けに、制御・計測・検査機器や光学部材の開発、製造、販売を手掛ける企業です。多岐にわたる産業分野の顧客に対し、生産ラインの効率化や品質向上に貢献する製品とサービスを提供しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、主に「制御機器事業」「検査機事業」「オプティクス事業」の3つの報告セグメントと「その他の事業セグメント」で構成されています。各事業は、それぞれの専門技術を活かして多様な産業ニーズに応えています。

制御機器事業

この事業は、鉄鋼・非鉄金属分野と機能性フィルム・軟包材分野に製品を提供しています。鉄鋼・非鉄金属分野では、製銑・精鋼工程のプロセス制御装置や連続鋳造工程の湯面レベル計、圧延・表面処理工程の耳端位置制御装置などを取り扱っています。機能性フィルム・軟包材分野では、帯状素材(ウェブ)を扱う広範な業種向けに、耳端位置制御装置や張力制御装置、印刷品質検査装置などを提供しています。
収益は、制御装置や計測装置の販売、および工事契約を含むサービスの提供から得ています。

検査機事業

同社グループが長年培ってきた画像処理技術を基盤とし、食品から電池・電子部品材料まで幅広い分野を対象とした製品を取り扱っています。主な製品には、各種フィルムや金属箔の汚れ・疵を検出する無地検査装置、電極シート検査装置、食品検査装置、近赤外分析装置、放射線測定機器などがあります。
収益は、各種検査装置の販売および工事契約を含むサービスの提供から得ています。運営は、応用光研工業がグループに加わったことで、放射線計測装置の分野も強化されています。

オプティクス事業

この事業は、半導体検査装置で使用される光学部品や、レーザ機器、光学薄膜部品、合成光学結晶を主に取り扱っています。製造に高度な技術を要する特殊な光学部品や、半導体検査などに用いられるレーザ装置を提供しています。
収益は、レーザ関連製品や光学部品の販売、および工事契約を含むサービスの提供から得ています。運営は、京浜光膜や応用光研工業の結晶光学部門がグループに加わることで、事業基盤を強化しています。

その他の事業セグメント

報告セグメントに含まれない事業として、機械部品製作事業や電子機器組立事業などを行っています。

同社グループの売上高は、海外売上高が前期から増加しており、特にアジア向けや欧州向けが増加しています。特定の顧客やセグメントへの収益集中については、半導体業界からのオプティクス事業製品への強いニーズが継続していることが特徴です。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
制御機器事業 58.1億円 57.6億円
オプティクス事業 29.0億円 28.5億円
検査機事業 15.8億円 19.0億円
その他の事業セグメント 4.7億円 5.1億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は一貫して増加傾向にあります。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、直近の当連結会計年度において前期から減少となりましたが、高水準の業績を維持しています。特に受注残高は大きく増加しており、今後の業績拡大につながる結果となっています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 81.2億円 91.6億円 98.6億円 108億円 110億円
経常利益 6.5億円 12.6億円 14.7億円 20.3億円 17.9億円
経常利益率 8.0% 13.7% 14.9% 18.9% 16.3%
親会社株主に帰属する当期純利益 4.1億円 8.6億円 10.1億円 15.6億円 14.4億円
1株当たり当期純利益(円) 55.41 117.40 137.36 211.11 196.75

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期から減少しています。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から減少する傾向が見られます。これらの指標は、従業員一人ひとりが生み出す売上や利益の規模を示しており、組織全体の生産性や収益体質を測る上で重要な情報となります。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 23.1百万円 20.7百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 4.1百万円 3.2百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


ニレコグループは、安定した財務基盤を構築しており、本業で得た資金を効率的に活用している状況です。これにより、事業の持続的な成長と安定した経営が期待されます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


ニレコグループの財務基盤は、自己資本比率が高く、安定性が高い状態を示しています。手元資金も増加傾向にあり、不測の事態への耐性も備わっていると考えられます。このような財務状況は、入社後の雇用や給与の安定性にもつながる要素となります。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 167億円 171億円
自己資本比率 85.7% 82.6%
ROE(自己資本利益率) 9.7% 8.6%
現金及び預金 48.2億円 51.1億円


同社グループの自己資本比率は当期で82.6%となっており、プライム市場上場製造業の平均46.8%と比較して高い水準を示しています。ROE(自己資本利益率)は当期で8.6%となり、プライム市場平均の9.4%と同程度の水準です。現金及び預金は前期の48.2億円から当期は51.1億円に増加しており、手元資金の厚みが増している状況がうかがえます。

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


ニレコグループは、本業で安定的に資金を生み出し、投資活動でも資金を確保している状況です。これにより、事業の成長に向けた投資余力を持ちながら、財務的な健全性を維持していることが示されています。このような資金の流れは、将来の事業拡大や雇用・給与の安定性につながる基盤となります。

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは18.6億円の増加となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上によるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは7.8億円の増加となっており、固定資産の売却や投資有価証券の売却による収入が主な要因です。財務活動によるキャッシュ・フローは△15.1億円の減少となり、配当金の支払いや自己株式の取得、長期借入金の返済が主な要因となっています。結果として、フリーキャッシュ・フローは26.4億円のプラスとなり、本業で稼いだ資金が投資を上回る優良な状態を示しています。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 13.0億円 18.6億円
投資CF △3.3億円 7.8億円
財務CF △5.1億円 △15.1億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 9.8億円 26.4億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループの事業は国内外の産業界の設備投資動向に影響を受ける可能性があります。世界的な物価上昇や地政学的リスク、各国の政策変更なども業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、同社グループは激しい競争にさらされている製品を有しており、欧米グローバル企業や現地企業との価格面、機能面における競争が熾烈になっています。競合相手に比べて優位に展開できない場合、事業、業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは成長戦略の一環としてM&Aを積極的に推進しています。新たに取得した企業において、事業運営、組織文化、人事制度等の統合が計画どおりに進まない場合や、経営上重要な役職員の離職が生じた場合には、期待したシナジーが実現できない可能性があります。

また、同社グループ自体が買収対象となる場合においても、経営体制や事業方針の変更等に伴い、事業推進に重要な役職員の離職が発生することで、事業継続や業績等に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


ニレコは、制御、計測、検査技術を核に、お客様との信頼関係を築き、社会の持続可能な発展に貢献することを目指しています。技術と信頼を経営理念に掲げ、長期的な視点で企業価値向上に取り組む企業です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「技術と信頼」を経営理念としています。制御、計測、検査技術を活かした製品とサービスを通じてお客様から信頼を得て、共に成長することを基本方針としています。

パートナーシップにより生み出された価値を社会に応用し、豊かで持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。2031年の創業100周年に向け、「人と生産現場に寄り添い課題を『はかる・みつける・ととのえる』」をスローガンとするビジョンを掲げています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


ニレコは「技術と信頼」の経営理念を掲げ、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指しています。同社は多様性の確保を重視しており、個人の属性に拘らない多様な人材の確保・活用を積極的に推進しています。

全ての役員・従業員が遵守すべき行動規範には「人権の尊重・人材の育成」を掲げています。あらゆる差別を排除し、従業員の人格、価値観を尊重した中立かつ公正な立場で、物事を捉える視野が広く、異文化における様々な商習慣などに対し理解・共感を持ちながら他者に接する人材の育成を主眼としています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、持続的な成長と企業価値向上に向けた課題として、海外展開の推進を挙げています。海外子会社を販売だけでなく設計・調達・生産・サービス等の機能を持つ拠点に拡充し、各地域に即した製品・サービスを展開する方針です。

新規事業の創出にも取り組んでおり、同社グループが有する画像・センシング・光学技術を融合し、成長市場で競争力を持つ新製品の開発を進めています。

多様な人材の確保も重要な課題であり、海外展開や新規事業創出に対応できる人材確保を進めています。グループとしての総合力を高めるため、会社間の連携と人材交流を強化する方針です。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


ニレコは監査等委員会設置会社であり、取締役会を通じて経営の監督機能を強化しています。取締役会は、社外取締役を含む複数の取締役で構成されています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


ニレコの株主構成を見ると、筆頭株主はニレコ取引先持株会であり、同社グループの事業活動を支える取引先との関係性がうかがえます。また、従業員持株会も上位株主として名を連ねており、取引先と従業員が同社グループの資本を支える特徴的な構成となっています。

株主名 持株比率
ニレコ取引先持株会 7.41%
極東貿易 6.56%
CLEARSTREAM BANKING S.A. 4.48%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は6名(男性5名・女性1名)で構成され、女性役員比率は16.7%です。代表取締役社長執行役員(CEO)は中杉真一氏が務めています。社外取締役比率は16.7%です。

氏名 役職 主な経歴
中杉 真一 代表取締役 社長執行役員 (CEO) 2021年8月 同社経営戦略室長に就任。2022年6月 同社取締役に就任し執行役員経営戦略部門長。2023年6月 同社代表取締役に就任し社長執行役員。2024年5月より株式会社光学技研取締役、西武電機株式会社取締役、2024年10月より京浜光膜株式会社取締役を兼任し現職。
佐々田 卓也 取締役 執行役員 管理部門長 1986年4月 同社入社。2018年6月 同社執行役員プロセス事業部長に就任。2023年6月 同社取締役に就任し執行役員管理部門長兼経理部長。2025年3月より総務部長を兼任し現職。
中村 洋三 取締役 執行役員 特命担当 1986年4月 同社入社。2019年6月 執行役員ウェブ事業部長兼ウェブサービス部長に就任。2025年6月 同社取締役に就任。2026年4月より執行役員特命担当に就任し現職。


社外取締役は、高木敏行氏(東北大学名誉教授・取締役(監査等委員))、大木奈央子氏(弁護士・新横浜法律事務所・取締役(監査等委員))です。

同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役が取締役会における議決権を持つことで監査・監督機能の強化を図っています。社外取締役は独立した立場から、株主を含むステークホルダーの視点を取り入れた議論を通じて、意思決定の透明性と客観性を確保する役割を担っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


ニレコでは、監査等委員である取締役を除く取締役の報酬は、基本報酬、業績連動報酬、株式報酬で構成されています。これにより、健全な企業家精神の発揮と優秀な人材の確保を目指しています。監査等委員である取締役の報酬は、その役割と責務を考慮し、原則として基本報酬のみで構成されています。業績連動報酬の指標には連結経常利益が採用されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 4名 78百万円 19.5百万円
監査等委員(社外除く) 1名 6百万円 6.0百万円
社外役員 2名 5百万円 2.5百万円


同社グループの役員報酬総額は89百万円であり、報酬支給対象となった役員の総数は7名です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。