【平均年収652万円】藤商事 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収652万円】藤商事 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

藤商事は、パチンコ・パチスロ遊技機の開発、製造、販売をグループ各社とともに展開しています。直近の業績は、売上高が減少し、経常利益および純利益は損失を計上しました。


目次

※本記事は、株式会社藤商事 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


藤商事は、パチンコ遊技機およびパチスロ遊技機の開発、製造、販売を主たる業務としています。同社グループは、市場トレンドの先端を行く機種開発に取り組み、お客様に支持される遊技機を安定的に供給しています。

単体従業員数は473名、連結従業員数も473名です。同社グループは単一セグメントで事業を展開しています。

主な国内グループ会社は、(連結子会社)JFJ(遊技機事業)、オレンジ(同)、ミラクル(同)などです。

なお、連結子会社であるミラクルは、2025年6月27日開催の株主総会において解散および清算が決議され、現在手続きが進められています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


藤商事グループは、従業員がいきいきと働き、継続的に活躍できる職場環境づくりとワークライフバランスの実現を重視しています。人材を最重要の経営資本と位置づけ、従業員の貢献を企業業績の向上に直結させる方針です。給与水準は物価動向や人材獲得環境を考慮して見直しが行われています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員の平均勤続年数が比較的長く、平均年齢も40代前半であることから、長期的なキャリア形成が可能な環境であると考えられます。人材の定着を重視し、安定して働き続けられる傾向が見られます。

項目 数値
平均年間給与 6,525,000円
平均勤続年数 14.5年
平均年齢 43.1歳
単体従業員数 473人
連結従業員数 473人
単体のグループ内比率 100.0%


同社は、従業員の退職給付に充てるため、積立型および非積立型の確定給付制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度)を採用しています。退職給付債務は28.9億円、年金資産は26.8億円となっています。

なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


藤商事グループは、「ファンから最も支持されるメーカー」を目指す将来像を掲げ、人材を最重要の経営資本と位置付けています。社員が共有すべき価値観として「ファンファースト」を設定し、行動指針の社内啓蒙活動を通じて浸透を図っています。社員一人ひとりが相互に成長できる仕組みづくりと働きやすい環境の整備を推進しています。

従業員の貢献が企業業績の向上に直結するという考えのもと、業績の成果は賞与を通じて従業員へ積極的に還元する方針です。個々の賞与支給額は、個人の貢献度および成果に加え、業務における行動プロセスを含めた総合的かつ適正な評価を行ったうえで決定されます。給与水準については、物価動向や優秀な人材獲得を取り巻く環境等を踏まえ、必要に応じて適時見直しを行っています。

従業員がいきいきと働き、継続的に活躍できる職場環境づくりやワークライフバランスの実現に向けて、育児・介護等に関する支援制度の整備を推進しています。多様性の確保については、女性労働者の新規採用に注力しており、国籍、性別、年齢等に関係なく、能力、実績によって公正に評価し、採用、処遇および給与の面で男女の差は設けていません。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 1.8%
男性労働者の育児休業取得率 38.5%
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 67.0%
労働者の男女の賃金の額の差異(うち正規雇用労働者) 69.3%
労働者の男女の賃金の額の差異(うち有期労働者) 86.5%

多様性・登用


同社グループは、採用する労働者における女性労働者の割合について、2026年3月31日までに20%以上とする目標を設定しています。

指標 数値
採用する労働者における女性労働者の割合 13.3%

育児・介護支援


同社グループは、育児休業期間の改正について、子が3歳になるまで取得可能とする目標を設定しています。また、男性社員の育児休業取得率については、2026年3月31日までに40%とする目標を設定しています。

指標 数値
育児休業期間の改正 子が3歳になるまで取得可能
男性社員の育児休業取得率 38.5%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


藤商事グループは、パチンコ遊技機およびパチスロ遊技機の開発、製造、販売を主たる業務としています。市場の変化に対応し、「ブランド力の向上」と「人財育成」を最重点課題として、お客様に支持される遊技機を安定的に供給することを目指しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、パチンコ遊技機とパチスロ遊技機の開発、製造、販売を主力事業としています。収益は、これらの遊技機の販売から得ています。遊技機業界では、パチンコ遊技機における「ラッキートリガー3.0プラス」搭載機種や、パチスロ遊技機におけるスマートパチスロが市場を牽引しており、同社グループも市場トレンドの先端を行く機種開発に取り組んでいます。

当連結会計年度においては、新規タイトルとしてパチンコ遊技機を5機種、パチスロ遊技機を2機種市場に投入しました。しかし、新規タイトルを含む複数機種の計画台数未達や、パチスロ遊技機1機種の販売延期により、販売台数は当初計画を下回る結果となりました。

製品別の売上高を見ると、パチンコ遊技機がパチスロ遊技機よりも大きな割合を占めています。当連結会計年度では、パチンコ遊技機、パチスロ遊技機ともに前期から売上高が減少しました。同社グループは本邦以外の外部顧客への売上高がなく、海外に所在する有形固定資産もありません。また、外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先はありません。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの直近5期間の業績を見ると、売上高は前期から減少に転じ、当連結会計年度では大幅な減少となりました。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も、前期は黒字でしたが、当連結会計年度では損失を計上しています。これは、新規タイトルの計画台数未達や販売延期が主な要因となっています。

営業活動によるキャッシュ・フローは、前期は資金の増加を示していましたが、当連結会計年度では資金の使用に転じています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 296億円 349億円 370億円 346億円 235億円
経常利益 △6.0億円 40.7億円 49.2億円 34.1億円 △37.1億円
経常利益率 △2.0% 11.7% 13.3% 9.8% △15.8%
親会社株主に帰属する当期純利益 △17.8億円 53.0億円 36.4億円 25.7億円 △20.8億円
1株当たり当期純利益(円) △79.66 237.90 174.38 122.86 △99.60

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期から減少しています。これは、売上高の減少が影響していると考えられます。また、従業員1人あたりの営業利益も前期は黒字でしたが、当連結会計年度では損失に転じています。

これらの指標の減少は、同社グループの収益体質や組織効率に影響を与える可能性があります。入社を検討する際には、今後の事業戦略や市場環境の変化が、これらの生産性指標にどのように影響していくかを確認することが重要です。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 75.5百万円 49.8百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 7.0百万円 △8.2百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務状況は、事業活動による資金流出が見られ、手元資金も減少しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率は高い水準を維持しており、財務基盤の安定性を示しています。一方で、ROEは当期にマイナスとなっており、収益性には課題が見られます。手元資金は減少傾向にあり、今後の資金動向が注目されます。これらの財務状況は、長期的な雇用や給与の安定性を考える上で重要な要素となります。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 468億円 429億円
自己資本比率 88.0% 90.0%
ROE(自己資本利益率) 5.7% -4.6%
現金及び預金 216億円 158億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは、当期に△48.9億円の資金使用となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失や投資有価証券売却益、仕入債務の減少額などが減少要因となったためです。投資活動によるキャッシュ・フローは、当期に3.2億円の資金獲得となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入が増加要因となったためです。財務活動によるキャッシュ・フローは、当期に△11.6億円の資金使用となりました。これは主に、配当金の支払額が減少要因となったためです。

フリーキャッシュ・フローも当期は△45.7億円とマイナスとなっており、事業活動と投資活動を合わせた資金収支はマイナスです。これらの状況は、同社グループが事業活動で資金を創出できておらず、手元資金が減少していることを示しています。この傾向が続くと、将来的な雇用や給与の安定性に影響を及ぼす可能性があります。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 46.1億円 △48.9億円
投資CF △20.2億円 3.2億円
財務CF △11.7億円 △11.6億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 25.9億円 △45.7億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループの主力事業である遊技機事業は、風営法等の法的規制を受けています。また、市場環境の著しい変化による遊技機市場の縮小や、同業他社との競合激化により販売台数が当初見込みから大幅に乖離する可能性があり、経営成績に影響を与えるリスクがあります。

③ 人材・組織に関するリスク

人材・組織に関するリスクの記載はありません。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


藤商事グループは、「お客様の繁栄を売ろう」という企業理念を掲げ、遊技機事業を通じて社会に貢献することを目指しています。創立60周年を控える中で、「ファンファースト」の価値観を重視した企業文化を育んでいます。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


藤商事グループは、「お客様の繁栄を売ろう ~より良い稼働 より高い信頼~」という企業理念を掲げています。パチンコ・パチスロファンやパチンコホールの皆様に魅力ある遊技機と付加価値の高いサービスを提供し、お客様の繁栄に貢献することを経営の基本方針としています。

中期的な経営戦略では、主力である遊技機事業の充実とさらなる成長を目指しており、遊技者目線に立った機種開発を通じて商品力を高めることを重視しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、「ファンファースト」の価値観を大切にし、ファンの皆様の声に真摯に耳を傾け、藤商事らしい“ヒト味違う発想”で機種開発に取り組むことを重視しています。また、サステナビリティを重要な経営課題と捉え、中長期的な企業価値向上に向けた議論を積極的に行っています。

従業員が活躍できる職場環境づくりやワークライフバランスの実現にも注力しており、育児・介護支援制度の整備を推進しています。多様性を尊重し、女性労働者の新規採用に力を入れ、能力や実績に基づいた公正な評価を行っています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、遊技機業界全体のイメージ向上と遊技人口の回復を目指す中で、ギャンブル依存症対策への社会的関心の高まりに対応するため、業界全体での取り組みが求められると認識しています。

創立60周年を迎える2026年10月に向けては、「ファンファースト」の価値観に基づき、ファンの皆様に支持される遊技機を安定的に供給することを重点テーマとしています。また、中長期的な企業価値向上に向け、人材育成方針や社内環境整備方針についても積極的に検討を進めています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


藤商事は、経営の効率性と透明性を高めるため、企業を取り巻く環境の変化に迅速かつ適切に対応する組織体制を整備しています。取締役会は経営上の重要な意思決定と業務執行の監督を行い、監査等委員会設置会社として経営監視機能の充実を図っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


藤商事の株主構成を見ると、創業家である松元邦夫氏、松元正夫氏、および株式会社松元ホールディングスが上位を占めています。これらの株主グループが同社グループの経営に強い影響力を持つ資本構成となっています。

株主名 持株比率
松元 邦夫 25.25%
松元 正夫 20.03%
松元ホールディングス 13.85%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は9名(男性9名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は松下智人氏が務めています。社外取締役比率は22.2%です。

氏名 役職 主な経歴
松元 邦夫 取締役会長 (代表取締役) 1975年3月 同社入社 専務取締役。2000年3月 代表取締役社長。2016年4月 代表取締役会長より現職。
松元 正夫 取締役副会長 (代表取締役) 1976年4月 同社入社。2005年6月 取締役副社長。2016年4月 代表取締役副会長より現職。
松下 智人 取締役社長 (代表取締役) 1989年4月 同社入社。2022年4月 取締役専務執行役員 開発本部、経営管理本部担当。2026年4月 代表取締役社長より現職。
今山 武成 取締役 (代表取締役) 1989年3月 同社入社。2022年4月 代表取締役社長。2026年4月 代表取締役より現職。
中村 敏幸 取締役 2001年4月 同社入社。2018年6月 常務執行役員営業本部長。2025年6月 取締役専務執行役員より現職。
當仲 信秀 取締役 1996年4月 同社入社。2016年6月 取締役管理本部長。2022年4月 取締役より現職。


社外取締役は、岩松登氏(アセットマネジメントOne取締役(監査等委員))、帆足智典氏(帆足法律事務所代表弁護士)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会の監督機能および監視体制の強化を図っています。監査等委員に専門性および独立性の高い社外取締役を選任することで、経営の透明性を高め、監視・監督機能の強化を図っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


藤商事の役員報酬は、基本報酬、業績連動報酬、譲渡制限付株式報酬で構成されています。取締役(監査等委員および社外取締役を除く)の基本報酬と業績連動報酬は、職務と責任および実績に応じて決定されます。業績連動報酬は経常利益を重要な経営指標として算定されます。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 6名 5.4億円 89.7百万円
監査等委員(社外除く) 1名 17百万円 17.0百万円
社外役員 3名 24百万円 8.0百万円


個人別報酬が開示されている役員は、松元邦夫氏(2.64億円)、松元正夫氏(1.44億円)です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。