【平均年収959万円】東京産業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収959万円】東京産業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

東京産業は、グループ各社とともに国内および海外で電力事業、環境・化学・機械事業、生活産業事業を展開し、各種機械・プラント等の販売・サービスを提供する企業です。連結従業員数は400名を超え、直近の業績は減収増益となりました。


目次

※本記事は、東京産業株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


東京産業は、子会社14社、関連会社2社で構成される企業集団として、国内および海外で電力事業、環境・化学・機械事業、生活産業事業を展開しています。各種機械・プラント・資材・工具・薬品等の販売、メンテナンス、サービスを提供しています。

単体従業員数は345名、連結従業員数は402名です。セグメントは電力事業、環境・化学・機械事業、生活産業事業の3つです。

主な国内グループ会社は、アイ・エー・エッチ、光和興業、東京産業不動産、社会環境イノベーション、(同)会津こもれび発電所などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


東京産業は、従業員の給与水準や働き方において、安定した環境を提供していることがうかがえます。人材の定着を重視し、多様な働き方を推進する方針が示されており、長期的なキャリア形成を支援する姿勢が見られます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、平均勤続年数が比較的長く、平均年齢も安定していることから、従業員が長期的にキャリアを築きやすい環境にあると考えられます。

項目 数値
平均年間給与 9,586,150円
平均勤続年数 13.9年
平均年齢 43.88歳
単体従業員数 345人
連結従業員数 402人
単体のグループ内比率 85.8%


同社は確定給付型の企業年金制度を設けており、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる仕組みです。この制度は国内および海外のグループ会社に適用されます。

なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

退職給付債務は20.2億円、年金資産は43.7億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


東京産業グループは、サステナビリティ経営を推進し、持続的な成長と企業価値の向上を目指しています。人を財産と捉え、成長を続ける強固な組織を目標に掲げています。

従業員の報酬は、各従業員の役割、職責、能力、成果に応じた公正かつ客観的な水準とすることを基本方針としています。外部労働市場の報酬水準や業界動向、同社グループの業績や財務状況を総合的に勘案して決定されます。報酬は、役割や職責に応じた基本給(固定報酬)と、会社・部門業績および個人評価に基づく賞与(変動報酬)で構成されています。

給与は職務等級制度に基づき、職務内容や責任範囲、能力を評価して決定され、賞与は短期的な成果だけでなく中長期的な成長への貢献も重視されます。人材戦略の重点テーマとして「早期戦力化」「グローバル化」「マルチタレント化」の3つの柱を掲げ、人的投資を積極的に実行しています。また、「ダイバーシティ」と「働き方改革」を人財に関する重要課題と定めています。

従業員の多様性と人権を尊重し、イノベーション創出と企業価値向上を目指しています。多様な働き方を提供できる環境整備、社内DX、健康的な職場作りを強力に推進しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。男女賃金差異については、賃金体系及び制度上の違いはありませんが、職種間や管理職に占める女性労働者比率等により男女差が生じています。

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性従業員の割合 5.1%
男性従業員の育児休業取得率 31.3%
従業員の男女間賃金の差異(全従業員) 70.6%
従業員の男女間賃金の差異(無期契約従業員) 68.0%

| 従業員の男女間賃金の差異(有期契約従業員) | 72.1%

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


東京産業は、電力、環境・化学・機械、生活産業の3つの事業セグメントを通じて、国内外で幅広い製品やサービスを提供しています。多角的な事業展開により、多様な顧客ニーズに応えています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、電力事業、環境・化学・機械事業、生活産業事業の3つの主要な事業セセグメントを展開しています。これらの事業を通じて、国内および海外で各種機械、プラント、資材、工具、薬品などの販売、メンテナンス、サービスを提供しています。収益は、各事業分野における製品販売やサービス提供から得ています。

電力事業

火力発電所向け保守業務や長期バイオマス燃料供給契約が主力です。原子力発電所周辺機器や送変電機器なども取り扱っています。収益は、発電所関連の設備や燃料の供給、保守サービスから得ています。前期と比較して売上高は増加しました。

環境・化学・機械事業

化学、石油精製、製薬、繊維、ゴム、非鉄金属業界向けのプラントや機械設備、太陽光発電事業、工作機械などを手掛けています。収益は、プラント建設請負工事や大型機器の納入、太陽光発電関連事業から得ています。前期に大型建設請負工事が完工した反動により、売上高は減少しました。

生活産業事業

節水型自動流水器、レジ袋、ファッション袋、ごみ収集用袋などの包装資材が主要な取扱商品です。収益は、主に包装資材の販売から得ています。大口顧客向けの販売が通期で寄与し、売上高は前期から増加しました。

同社グループの売上高は、当連結会計年度において日本国内が564億54百万円、その他地域が67億81百万円となっています。主要な顧客として、電力事業では石油資源開発株式会社への売上高が83億78百万円を占めています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
環境・化学・機械事業 498億円 334億円
電力事業 158億円 239億円
生活産業事業 51.1億円 59.4億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は変動があり、直近の当連結会計年度では減少に転じています。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、過去に損失を計上した期間がありましたが、直近の2期間では回復し、増加傾向を示しています。当連結会計年度においては、訴訟の和解に伴う解決金が特別損失として計上されています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 559億円 654億円 650億円 707億円 632億円
経常利益 25.2億円 9.7億円 △40.9億円 27.0億円 40.5億円
経常利益率 4.5% 1.5% △6.3% 3.8% 6.4%
親会社株主に帰属する当期純利益 11.4億円 △49.6億円 △15.8億円 21.6億円 25.1億円
1株当たり当期純利益(円) 42.94 △191.22 △60.96 83.07 96.34

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期から減少しましたが、従業員1人あたりの営業利益は増加しています。これは、売上高が減少する中でも、効率的な事業運営やコスト管理により、利益創出能力が向上している傾向を示しています。組織全体の生産性向上への取り組みが、利益面で成果を上げていることがうかがえます。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 178.1百万円 157.3百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 5.7百万円 8.5百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


東京産業グループの経営の安定性について、財務基盤とキャッシュフローの状況から見ていきます。同社グループがどのような財務体質で、資金をどのように活用しているかを確認することは、安心して働く上で重要な情報となります。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の非製造業平均とほぼ同水準で推移しています。ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を上回る水準を示しており、効率的な経営が行われていることがうかがえます。

手元資金である現金及び預金も増加しており、事業運営における資金の安定性が確保されている状況です。これらの財務状況は、同社グループの事業継続性や将来的な成長への投資余力に影響を与えるため、雇用や給与の安定性にも関わる要素となります。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 210億円 253億円
自己資本比率 24.8% 24.7%
ROE(自己資本利益率) 10.6% 10.9%
現金及び預金 160億円 194億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


東京産業グループのキャッシュフローは、営業活動による資金が当期に増加しています。これは主に契約負債の増加によるものです。投資活動によるキャッシュフローも増加しており、拘束性預金の払戻による収入が主な要因となっています。

財務活動によるキャッシュフローは、配当金の支払いや長期借入金の返済により減少しています。本業で得た資金と投資活動による資金を合わせたフリーキャッシュフローはプラスであり、同社グループが事業活動と投資活動を通じて自由に使える資金を確保している状況を示しています。この資金状況は、同社グループの事業継続性や将来の成長に向けた投資、そして株主還元を支える基盤となる要素です。安定した資金の流れは、従業員の雇用や給与の安定性にも寄与する要素となります。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 53.5億円 47.9億円
投資CF 17.1億円 50.8億円
財務CF △75.0億円 △13.8億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 70.6億円 98.7億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、特定の仕入先や販売先への取引依存によるリスクを認識しています。特に三菱グループ各社、とりわけ三菱重工業や三菱電機との取引、および電力事業セグメントにおける電力業界向け代理店業務がこれに該当します。

また、同社グループの取扱商品の市場は競争的な環境にあり、新規事業者の参入や低価格競争の激化により競争力が低下する可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、役職員による不正や企業不祥事が発生した場合、顧客からの信頼喪失や事業上の損害が生じるリスクを認識しています。これは、同社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


東京産業は、創業以来「信頼」と「貢献」を企業理念に掲げ、企業活動を通じて社会に貢献することを目指しています。同社グループは、環境・エネルギー分野に強みを持つ機械総合商社としての地位確立をビジョンとしています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループの企業理念は、各取引先からの「信頼」を得て、企業活動を通じ社会に「貢献」することです。創立80周年に向けて、「環境・エネルギーに強い機械総合商社」としての地位確立を目指しています。

中長期経営計画「T-Scale Up2027」では、長期ビジョンである「環境・エネルギーに強い機械総合商社」としての地位確立に向け、新たなビジネスの種を確実に収益化する方針です。機械総合商社としての新たなモデルの確立に挑戦していくことを示しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、サステナビリティ経営を推進することで、持続的な成長と企業理念である「信頼と貢献」の実践を図っています。このため、「サステナブル行動指針」と「人財方針」を策定し、取締役会で決議しています。

「人財方針」では、人が財産であるとの認識のもと、成長を続ける強固な組織を目標に掲げています。「ダイバーシティ」と「働き方改革」対応を人財にかかわる重要課題と定め、従業員の多様性と人権を尊重することでイノベーションの創出と企業価値向上を目指す方針です。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、中期経営計画の達成に向け、企業価値のさらなる向上とコーポレートガバナンスの強化に努める方針です。具体的には、「エネルギートランジションへの積極関与」や「サステナブル社会構築に資する事業創出」などを成長戦略として掲げています。

サステナビリティ経営に向けたマテリアリティ(重要課題)として、「事業を通じたグリーン社会」実現への取り組みと「コーポレートガバナンスの強化」を特定しています。人財面では、「早期戦力化」「グローバル化」「マルチタレント化」を3つの柱とする人的投資を積極的に実行する方針です。多様な働き方を提供できる環境整備や健康的な職場作りも推進しています。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


同社は監査等委員会設置会社であり、経営の監督機能強化と機動性向上を図る体制を構築しています。取締役会は監督と執行の分離を進め、指名・報酬委員会が独立性・客観性の向上に寄与しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社の株主構成を見ると、筆頭株主は事業会社である西華産業が占めています。また、日本マスタートラスト信託銀行や三菱重工業といった事業会社も上位株主に名を連ねています。複数の事業会社が上位に位置しており、幅広い関係性の中で事業が展開されていることがうかがえます。

株主名 持株比率
西華産業 12.46%
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 10.29%
三菱重工業 9.24%
光通信KK投資事業有限責任組合 6.70%
UH Partners 2投資事業有限責任組合 4.16%


なお、前事業年度末に主要株主であったシンプレクス・アセット・マネジメントは当事業年度末では主要株主ではなくなり、西華産業が新たに主要株主となりました。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役会長は蒲原稔氏が務めています。社外取締役比率は37.5%です。

氏名 役職 主な経歴
蒲原稔 代表取締役会長 1977年4月同社入社、経理部長、執行役員等を経て、2021年4月同社代表取締役社長執行役員に就任。2026年4月より現職。
田沢健次 取締役常務執行役員管理部門管掌兼 管理本部長 1986年4月同社入社、経理部長、執行役員等を経て、2023年6月同社取締役執行役員企画本部長に就任。2026年4月より現職。
目時英一 取締役常務執行役員営業部門管掌 1990年4月同社入社、電力部長、執行役員等を経て、2024年6月同社取締役執行役員営業第一本部長兼東北支店長に就任。2026年4月より現職。
島田哲三 取締役 1990年4月同社入社、菱東貿易(上海)有限公司董事・総経理等を経て、2021年6月同社取締役執行役員関西支店長に就任。2026年4月より現職。
中村直 取締役 1984年4月日本鋼管株式会社(現JFEエンジニアリング株式会社)入社。慶應義塾大学特任教授、日本燃焼学会監事等を経て、2019年6月より同社取締役。2020年4月より慶應義塾大学訪問教授。


社外取締役は、中村直氏(慶應義塾大学訪問教授)、金子正志氏(金子正志法律事務所代表・監査等委員)、福崎聖子氏(福崎法律事務所入所・監査等委員)、河合明弘氏(さいたま新都心税理士法人代表社員・監査等委員・監査等委員会委員長)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、経営の監督機能の強化と経営の機動性向上を図っています。社外取締役が取締役会の過半数を占める指名・報酬委員会を設置し、独立性・客観性の向上に努めています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、取締役(監査等委員及び社外取締役を除く)に対しては基本報酬、賞与、株式報酬で構成されています。社外取締役および監査等委員である取締役には、業務執行から独立した立場を考慮し、固定額の基本報酬のみが支給されます。中長期的な業績目標への貢献を促すため、業績連動型の株式報酬制度も導入されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 4名 2.2億円 54.2百万円
監査等委員(社外除く) 1名 23百万円 23.0百万円
社外役員 3名 30百万円 10.0百万円


同社役員全体の報酬総額は2億70百万円であり、対象となる役員は8名です。なお、賞与は役員賞与引当金繰入額を記載しており、業績連動型株式報酬は役員報酬BIP信託制度により計上された金額です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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