※本記事は、ムーンバット株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
同社グループは、洋傘、洋品、毛皮、レザー、宝飾品、帽子などのアクセントファッション商品の企画、輸入、製造、仕入、販売を主な事業としています。また、情報サービス事業も展開しており、グループ各社とともに多角的な事業を行っています。
単体従業員数は127名、連結従業員数は213名です。セグメントは身の回り品事業、情報サービス事業の2つです。
主な国内グループ会社は、ルナ、グローリー、エクセレントスタッフ、東京ファッションプランニング、セブンシステムなどです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ムーンバットグループは、長年にわたり培ってきた伝統と革新を両輪とし、人材を最も重要な資本と位置付けています。多様な人材が互いを尊重し、能力を最大限に発揮できる職場環境の整備に注力しており、社員一人ひとりのワークライフバランス向上も目指しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高めであることから、人材の定着傾向が見られます。社員が長期的にキャリアを築きやすい環境が整っていることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,099,110円 |
| 平均勤続年数 | 17.3年 |
| 平均年齢 | 41.5歳 |
| 単体従業員数 | 127人 |
| 連結従業員数 | 213人 |
| 単体のグループ内比率 | 59.6% |
ムーンバットは退職給付制度として、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)を併用しています。退職一時金制度も設けていますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
なお、退職給付債務は3.3億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ムーンバットグループは、持続的な成長を支える最も重要な資本を「人材」と捉え、社員各人が専門性と主体性・自律性を発揮し、変化を前向きに捉えて挑戦し続ける組織づくりを推進しています。社会貢献と社員一人ひとりのワークライフバランス向上を目指し、多様な人材が互いを尊重し、能力を最大限に発揮できる職場環境の整備に努めています。
人材育成においては、経営・事業戦略と連動した教育研修や育成計画の策定を推進し、商品企画力、販売力、マーケット分析力、デジタル・AI活用力、サステナビリティに関する知識など、競争力を支える専門性・生産性の向上に取り組んでいます。若手社員から管理職層まで、それぞれの段階に応じた知識・スキル・マインドを習得できる育成機会を提供し、継続的なリスキリングも実施することで、社員の成長と企業価値向上の好循環を目指しています。
報酬決定においては、社員一人ひとりを重要な人的資本と位置づけ、公正性、透明性、納得性向上を重視しています。給与水準は、職務内容、役割、責任の大きさ、職務遂行能力、成果、勤務状況、会社業績、社会情勢、物価動向、労働市場における水準等を総合的に考慮し、適正な水準の維持・改善に努めています。短期的な成果だけでなく、同社グループの価値観に沿った行動、組織への貢献、部門間連携、人材育成、業務改善への取り組みも適切に評価し、処遇に反映しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社及び連結子会社において、女性活躍推進法及び育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではない項目については、記載を省略しております。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 28.8% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ 東京ファッションプランニング
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 11.1% |
▼ エクセレントスタッフ
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 100.0% |
グループ全体(連結)
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性従業員の割合 | 57.3% |
| 管理職に占める女性の割合 | 30.1% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ムーンバットは、洋傘や洋品、毛皮、宝飾品、帽子などのアクセントファッション商品を企画・販売する身の回り品事業と、システム開発・販売などを手掛ける情報サービス事業を展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、主に身の回り品事業と情報サービス事業の二つのセグメントで事業を展開しています。国内市場が収益の大部分を占めており、特定の顧客への収益集中は見られません。一方で、為替相場の変動は仕入コストに影響を与える傾向があります。
身の回り品事業
洋傘、洋品、帽子、毛皮、宝飾品といったアクセントファッション商品の企画、輸入、製造、仕入、販売を行っています。収益は、これらの商品の販売から得ています。当連結会計年度は、春夏物の販売が好調に推移したものの、秋冬物の販売がインバウンド需要の減少と中高級品市場の低迷の影響を受け、売上高は前期を下回りました。
情報サービス事業
システム開発・販売、保守・メンテナンスなどの情報サービスを提供しています。収益は、これらの情報サービスの提供から得ています。当連結会計年度は、業務のIT化やDX推進ニーズの高まりを捉え、売上高は前期を上回りました。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 身の回り品事業 | 115億円 | 115億円 |
| 情報サービス事業 | 4.5億円 | 4.8億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、過去5期間において第81期から第84期にかけて増加傾向にありましたが、第85期はわずかに減少しました。経常利益は、第81期に損失を計上したものの、その後は増加傾向で推移し、第85期も増加しています。親会社株主に帰属する当期純利益も、第81期の損失から回復し、第84期まで増加しましたが、第85期はわずかに減少しました。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 74.6億円 | 95.8億円 | 106億円 | 119億円 | 119億円 |
| 経常利益 | △4.5億円 | 1.8億円 | 4.9億円 | 6.7億円 | 6.8億円 |
| 経常利益率 | △6.0% | 1.8% | 4.6% | 5.6% | 5.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △3.8億円 | 1.4億円 | 5.5億円 | 5.8億円 | 5.7億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △79.52 | 29.98 | 119.26 | 129.33 | 126.58 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は前期から減少しており、従業員1人あたり営業利益も前期から減少しています。これは、売上高の減少と営業利益の減少が影響していると考えられます。これらの指標は、組織全体の効率性や収益創出力の傾向を示すものとなります。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 58.0百万円 | 56.0百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 3.4百万円 | 2.9百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
ムーンバットグループの財務状況は、事業活動で得た資金を投資に回しつつ、手元資金を確保している状態を示しています。これにより、事業の安定性と将来への投資余力を確認することができます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
ムーンバットグループの財務基盤は、自己資本比率が前期から上昇し、58.9%となっています。これはプライム市場の製造業平均(46.8%)と比較しても高い水準を示しています。ROE(自己資本利益率)は10.1%であり、プライム市場平均(9.4%)を上回っています。手元資金である現金及び預金は11.1億円を確保しており、事業運営に必要な流動性を維持している状況です。これらの財務指標は、同社グループが安定した経営基盤を築いていることを示しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 54.7億円 | 58.6億円 |
| 自己資本比率 | 55.0% | 58.9% |
| ROE(自己資本利益率) | 11.1% | 10.1% |
| 現金及び預金 | 13.4億円 | 11.1億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
ムーンバットグループのキャッシュフローは、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローが3.4億円の収入となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上によるものです。しかし、売上債権の増加や仕入債務の減少などにより、前期と比較すると収入は減少しています。投資活動によるキャッシュフローは、投資有価証券の取得や有形固定資産の取得により1.7億円の支出となりました。これは前期の収入から支出へと転じています。財務活動によるキャッシュフローは、配当金の支払いや短期借入金の減少により4.2億円の支出となっています。その結果、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは1.7億円のプラスとなり、本業で得た資金で投資を賄い、余剰資金を生み出している状況です。ただし、営業活動によるキャッシュフローとフリーキャッシュフローは前期から減少しており、今後の動向に注目が集まります。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 7.8億円 | 3.4億円 |
| 投資CF | 0.1億円 | △1.7億円 |
| 財務CF | △4.9億円 | △4.2億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 7.9億円 | 1.7億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
ムーンバットグループは、主に百貨店、チェーンストア、専門店といった国内小売店舗への販売に依存しており、マクロ経済状況や各販路の戦略、競業環境の変化が業績に影響を与えるリスクがあります。また、商品や原材料の一部を海外から輸入しているため、為替の変動、特に円安が業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
ムーンバットグループは、持続的成長のために人的資本の強化に努めていますが、労働市場における人材不足や流動性の高まりにより、求めるスキルや経験を持つ人材が確保できないリスク、または人材が流出した際に事業運営や成長戦略に影響を与えるリスクを認識しています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ムーンバットは、クオリティ&テイストを重視し、「ぬくもりづくり」を通じて社会に貢献することを目指しています。アクセントファッションの創造を通じて、全てのステークホルダーに持続的な価値を提供することを経営方針としています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ムーンバットは、クオリティ&テイストをキーワードに「ぬくもりづくり」で社会に貢献する企業を目指すことを経営理念としています。同社グループは、よりよいアクセントファッションの創造を通じて、全てのステークホルダーに持続的なプラスの価値を提供することを経営方針に掲げています。
具体的には、全てのお客様により高い満足を感じていただくプラスの価値を持った商品をお届けすることを目指しています。また、全ての仕入・調達に関して、環境に配慮した持続的公正公平な取引を目指しています。全ての役員・従業員が生産性向上に努め、安定した経営を実現し、社会への貢献を目指すとともに、全ての株主様に長期的な視野に立った持続的な配当を実現することを目標としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
ムーンバットグループは、全てのお客様により高い満足を感じていただくプラスの価値を持った商品を提供すること、そして環境に配慮した持続的公正公平な取引を目指すことを大切にしています。また、全ての役員・従業員が生産性向上に努め、安定した経営を実現し、社会への貢献を目指すことを行動指針としています。
同社グループはサステナビリティを重要な経営課題と捉え、サプライチェーン全般で人権や環境に配慮した公正公平(フェアトレード)かつエシカルな取引の実現を目指しています。人的資本を企業価値向上の重要な要素と位置づけ、女性の活躍推進を含む人材の多様性を重視し、働きやすい環境作りや社員の能力向上支援に注力しています。具体的には、時差出勤、短時間勤務、在宅勤務等の各種制度の拡充、障がい者雇用、外国人雇用、中途採用を積極的に行っています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
ムーンバットグループは、雇用・所得環境の改善が見込まれる一方、地政学的リスクの高まりや物価上昇による消費者マインドの下振れなど、不確実性の高まりを経営課題として認識しています。このような情勢の中、同社グループは中期経営計画に掲げている事業ポートフォリオの見直しと再構築、販売管理費の適正化を含めた事業構造改革を引き続き推進しています。
特に、専門店マーケットへの商品開発・販売拡大、直営店・Eコマース事業を中心とした小売事業を強化しています。さらに、新規商材の取扱開始・開拓、国内外の新規顧客の開拓・獲得にも注力し、将来
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ムーンバットは、監査等委員会設置会社として、健全で透明性の高い経営体制の確立を目指しています。取締役会は、経営の意思決定と業務執行の監督を担っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ムーンバットの筆頭株主は事業会社である八木通商です。また、ムーンバット持株共栄会やムーンバット役員持株会が上位株主として名を連ねており、従業員や役員による持株会が資本構成の一角を占めていることが特徴です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 八木通商 | 24.49% |
| ムーンバット持株共栄会 | 6.18% |
| 三井住友銀行 | 4.97% |
| 岡本綠 | 3.89% |
| ムーンバット役員持株会 | 3.87% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性9名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役・社長執行役員事業本部長は鎌田尚氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 鎌田 尚 | 代表取締役・社長執行役員 事業本部長 | 1988年4月 同社入社、2016年6月 同社執行役員、2023年6月 同社代表取締役・社長執行役員事業本部長より現職。 |
| 中村 卓司 | 取締役・取締役会議長 | 2005年6月 三井住友銀行大阪本店営業第一部長、2010年5月 同社入社、2023年6月 同社会長執行役員・同社取締役会議長より現職。 |
| 山本 聡 | 取締役・常務執行役員 管理本部長 兼リスク管理・コンプライアンス担当 | 2012年4月 三井住友銀行姫路ビジネスサポートプラザ部長、2015年5月 同社入社、2022年6月 同社取締役より現職。 |
| 原田 尚宏 | 取締役・執行役員 事業本部 百貨店事業部長 兼直営店開発事業部長 兼営業統括兼東京支店長 | 1994年4月 同社入社、2020年4月 同社執行役員、2024年6月 同社取締役より現職。 |
| 鈴木 康史 | 取締役・執行役員 事業本部 戦略事業部担当 兼チェーンストア事業部 担当兼戦略事業部長 | 1992年4月 同社入社、2020年4月 同社執行役員、2025年6月 同社取締役・同社執行役員より現職。 |
社外取締役は、中村恭俊氏(ライジングビルメインテナンス代表取締役社長)、郷田紀明氏(郷田公認会計士事務所代表・税理士法人朝日新和会計事務所代表社員・監査等委員)、安川文夫氏(安川文夫公認会計士事務所所長・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である社外取締役を含む3名の社外取締役が、経営の妥当性・適正性を確保するための助言・提言を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ムーンバットの役員報酬は、固定報酬と業績連動報酬で構成されています。取締役(監査等委員を除く)には、役位や職責に応じた固定報酬と、会社業績に基づき変動する業績連動報酬が支給されます。固定報酬の一部は役員持株会に拠出され、長期的な業績連動報酬としての機能も持たせています。監査等委員である取締役の報酬は、固定報酬のみで業績連動報酬はありません。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 5名 | 97百万円 | 19.4百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 11百万円 | 11.0百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 14百万円 | 4.6百万円 |
同社の役員報酬等の総額は1億2,160万2千円であり、対象となる役員の合計人数は9名です。
連結報酬等の総額が1億円以上の役員は存在しないため、個別の役員ごとの報酬は開示されていません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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