【平均年収739万円】キング 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収739万円】キング 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

キングは、衣料品等繊維品事業と不動産賃貸事業を主要な事業として展開しています。連結従業員数は148名で、アパレル、テキスタイル、エステートの3事業を展開しています。直近の業績は売上高が減少し、経常利益は横ばい、純利益も減少となりました。


目次

※本記事は、株式会社 キング の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


キンググループは、衣料品等繊維品事業と不動産賃貸事業を主要な事業として展開しています。レディスアパレル・ファッショングッズの卸売やテキスタイルの卸売、オフィスビルの賃貸など多岐にわたる事業を手掛けています。

キングの単体従業員数は82名、連結従業員数は148名です。事業セグメントはアパレル事業、テキスタイル事業、エステート事業の3つです。

主な国内グループ会社は、ポーン(テキスタイル事業)、エス企画(アパレル事業)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


キングはファッションビジネスを展開する企業として、人材を重要な経営資本と位置づけています。社員一人ひとりの成長と成果を重視し、多様な人材が活躍できる環境づくりに注力していることが特徴です。給与水準や働き方に関する具体的なデータから、同社グループの職場環境を詳しく見ていきましょう。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高めであることから、社員が長期的にキャリアを築きやすい環境にあると考えられます。安定した人材構成の中で、経験を積んだ社員が活躍している傾向が見られます。

項目 数値
平均年間給与 7,392,000円
平均勤続年数 18.4年
平均年齢 43.7歳
単体従業員数 82人
連結従業員数 148人
単体のグループ内比率 55.4%


退職給付制度

同社及び連結子会社は、確定給付型の制度として、確定給付企業年金制度及び退職一時金制度を設けています。確定給付型とは、給与や勤続年数に応じて将来の給付額が決まる制度です。この制度は国内の当社及び連結子会社に適用されます。

退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、退職給付債務は361百万円、年金資産は356百万円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


キングは「もの言わぬものに、もの言わせるものづくり」という社是と企業理念のもと、人材を最も重要な経営資本の一つと位置づけています。2026年から2028年を対象とする中期経営計画「Focus 80」では、人材・事業・店舗を重点投資分野とし、人材投資に7〜10億円を充当する計画です。中期経営計画初年度より新人事制度を導入し、育成・評価・配置を一体で設計することで、社員一人ひとりが成長と成果の関係を実感できる仕組みを構築していきます。

人材育成方針としては、「科学と感性のバランス」を大切にするファッションビジネスの特性を踏まえ、階層別・役割別研修を体系的に実施しています。新入社員研修、専門人材の育成研修、自律型人材の育成研修、マネジメント向け研修を通じて、専門性とマネジメント力の向上を図っています。また、職種・等級ごとに求められるスキル・経験を明示するキャリアパスモデルを設定し、社員が主体的にキャリア形成を設計できる環境を提供しています。採用面では、新卒採用の強化に加え、専門領域におけるキャリア採用により、多様な人材の獲得を目指しています。

従業員の給与その他の給付の額及び内容の決定にあたっては、公正・適切な処遇を企業の社会的責任の一環として認識しています。給与および賞与は、会社全体の業績および個人の目標達成度を適切に反映し、中期経営計画及び単年度業績計画の達成状況等を総合的に勘案して決定されます。社員一人ひとりが「豊かさ」を実感できるよう、短期的な報酬と中長期的なキャリア形成が両立できる処遇の実現を目指しており、確定給付企業年金制度の導入により、従業員の退職後の安定的な生活保障と中長期的な資産形成を支援しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の男性労働者の育児休業取得率は開示されていません。また、女性管理職比率および男女賃金差異は、女性活躍推進法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。

提出会社単体の法定開示データは開示されていません。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


キングは、アパレル事業、テキスタイル事業、エステート事業の3つの事業を展開しています。衣料品等の繊維品事業と不動産賃貸事業を主軸に、多角的な収益モデルを構築しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、衣料品等の繊維品事業と不動産賃貸事業を主要な事業としています。消費者の購買姿勢が慎重な状況が続くアパレル業界において、独自性の高い高付加価値商品の追求と高品質な商品づくりに注力し、売上高の拡大を最重要課題として取り組んでいます。

既存ショップの売上拡大や新たなブランド展開、在庫コントロールの徹底などにより、収益性の改善に努めています。また、SNSやWebサイトを活用した顧客とのコミュニケーション強化にも力を入れています。

アパレル事業

レディスアパレルやファッショングッズの卸売をキングが行っています。アパレル用附属品や販促資材の卸売は㈱エス企画が担当しており、企画・販売・事務業務の代行は㈱キングアパレルサポートが担っています。
収益は、レディスアアパレルやファッショングッズの卸売、アパレル用附属品・販促資材の卸売から得ています。同事業は同社グループの事業の中で最も大きな規模を占めていますが、前期と比較すると売上高は減少しています。

テキスタイル事業

テキスタイルの卸売を㈱ポーンが行っています。企画提案型ビジネススタイルの進化を目指し、次世代人材の育成や既存顧客の深耕、新規顧客の開拓に注力しています。
収益は、テキスタイルの卸売から得ています。同事業は前期と比較して売上高が減少しています。

エステート事業

主にオフィスビルの賃貸等をキングが行っています。所有資産の有効活用に努め、安定的な収益貢献を目指しています。
収益は、オフィスビルの賃貸収入から得ています。同事業は前期と比較して売上高が増加しており、同社グループの収益に安定的に貢献しています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
アパレル事業 63.7億円 60.5億円
エステート事業 9.8億円 10.2億円
テキスタイル事業 8.0億円 7.7億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの直近5期間の業績を見ると、売上高は緩やかな減少傾向にあります。経常利益は変動が見られるものの、直近では横ばいとなっています。親会社株主に帰属する当期純利益は、直近の期で減少しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 80.5億円 84.2億円 85.5億円 81.6億円 78.3億円
経常利益 7.3億円 11.3億円 10.6億円 9.6億円 9.5億円
経常利益率 9.0% 13.4% 12.4% 11.7% 12.1%
親会社株主に帰属する当期純利益 4.2億円 7.5億円 5.3億円 7.3億円 6.2億円
1株当たり当期純利益(円) 23.63 45.34 33.02 45.88 39.17

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期と比較して減少しています。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から減少する結果となりました。これらの指標は、同社グループ全体の生産性が前期に比べてやや低下していることを示しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 55.1百万円 52.9百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 5.8百万円 5.3百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務状況は、本業で安定した資金を生み出しつつ、将来に向けた投資を積極的に行っている段階を示しています。これにより、事業の成長性と安定性の両面を追求していることがうかがえます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、高い自己資本比率と潤沢な現金及び預金によって安定していることが特徴です。自己資本比率はプライム市場平均と比較して非常に高い水準にあり、強固な財務体質を示しています。一方で、ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回っており、資本を効率的に活用して利益を生み出す点には改善の余地があると言えます。手元資金の厚みは、不況時における事業継続性や雇用・給与の安定性につながる要素となります。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 225億円 231億円
自己資本比率 87.4% 86.5%
ROE(自己資本利益率) 3.3% 2.7%
現金及び預金 107億円 98.3億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローは、本業の営業活動で安定的に資金を生み出している一方で、将来に向けた投資を積極的に行っている状況を示しています。当期における営業活動によるキャッシュフローは14.3億円の増加となり、主に税金等調整前当期純利益と減価償却費の計上によって資金が増加しました。投資活動によるキャッシュフローは19.6億円の減少となり、有形固定資産や投資有価証券の取得が主な要因となっています。この結果、フリーキャッシュフローはマイナスとなっており、本業で得た資金を上回る規模で成長投資を行っていることがうかがえます。財務活動によるキャッシュフローは3.6億円の減少で、配当金の支払いが主な要因です。この資金の流れは、同社グループが事業の成長を重視し、将来への投資を積極的に進めていることを示しており、長期的な視点での雇用安定性や事業拡大への期待につながると考えられます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 8.8億円 14.3億円
投資CF △5.8億円 △19.6億円
財務CF △3.9億円 △3.6億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 3.1億円 △5.3億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループの主要事業であるアパレル事業は、景気動向や市場トレンド、天候不順といった外部環境の変化による売上高減少のリスクを抱えています。また、商品の生産を海外(主に中国)に委託する割合が高いため、中国政府の輸出規制や経済情勢の変化、災害などによる商品調達への影響もリスクとして挙げられています。

③ 人材・組織に関するリスク

人材・組織に関するリスクの記載はありません。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


キングは、「もの言わぬものに、もの言わせるものづくり」という社是と、「常に社会と生活者を見つめ、たゆまぬ創造と変革を行い、より充実した生活にしよう」という企業理念を掲げています。同社グループは、ファッション産業という本業に徹し、高品質・高感度な商品づくりを通じて社会に貢献することを目指しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


キングは、「もの言わぬものに、もの言わせるものづくり」という社是と、「私たちは、常に社会と生活者を見つめ、たゆまぬ創造と変革を行い、より充実した生活にしよう」という企業理念を掲げています。同社グループは、この理念に基づき、“ファッション産業”という本業に徹することを基本方針としています。

ベターアップ商品(高品質・高感度な商品)のクリエーション展開に特化し、素材・品質・着心地・ファッション性の全てにおいてハイクオリティを目指しています。全ての利害関係者から存在価値が明確に認められ、安定した収益と成長を確保できるエクセレントカンパニーを目指すことをビジョンとしています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


キングは、高い倫理観と社会的良識に基づいた行動を重視しており、「キンググループコンプライアンス基本方針(企業行動憲章)」を掲げています。同社グループは、持続可能な未来を目指す社会の一員として、地球環境の保護、社会的責任の遂行、企業統治の強化をサステナビリティ理念として実践しています。

サプライチェーン全体での人権尊重と法令遵守意識の共有・実践を目指し、従業員の健康や労働環境への配慮、公正・適切な処遇を重要な経営課題と認識しています。また、女性や中途採用者の積極的な活用、管理職への登用を通じて多様性を確保し、社員が安心して公平に働ける環境を提供しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


キングは、個人消費の先行きが不透明な経営環境が続くと予想される中で、お客様に納得いただける「強いものづくり」を基軸としています。同社グループは、「上等・上質=プレミアム」にこだわった独自性の高い高付加価値商品の追求と、高品質・高感度な商品づくりに引き続き注力しています。

アパレル事業では、ブランド価値の再構築に向けたリブランディングと商品力強化、新ブランドの開発に取り組んでいます。また、オペレーションの適正化による利益体質の強化も重要な課題としています。

エステート事業においては、計画的なメンテナンスと環境負荷低減、物件開発を進めています。グループ全体としては、生産管理機能の強化に努め、継続的かつ安定的に質の高い事業構造の実現を目指しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


キングは、代表取締役会長CEO、代表取締役社長COO、取締役1名、社外取締役2名で構成される取締役会を設置しています。また、監査役会制度を採用し、経営の健全性、透明性、公正性、遵法性を確保する体制を整備しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社は、筆頭株主であるLNS MANAGEMENT PTE.LTD.をはじめ、一般財団法人山田育英財団、中央倉庫、キング共栄会など、多様な株主によって支えられています。創業者が設立した財団や、同社と継続的な取引関係にある仕入先企業等を対象とした持株会も上位株主に名を連ねています。

株主名 持株比率
LNS MANAGEMENT PTE.LTD. 9.37%
一般財団法人山田育英財団 7.23%
中央倉庫 6.36%
キング共栄会 6.13%
有限会社ワイ・エンタープライズ 5.02%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は8名(男性8名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役会長CEOは山田幸雄氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。

氏名 役職 主な経歴
山田 幸雄 代表取締役 会長CEO 1974年4月同社入社、1983年10月同社代表取締役社長、2018年6月同社代表取締役会長CEOより現職。
木原 伸一 代表取締役 社長COO 1984年4月三井物産株式会社入社、2022年1月MNインターファッション株式会社代表取締役社長、2025年6月同社代表取締役社長COOより現職。
長島 希吉 取締役副社長 1990年4月同社入社、2018年6月同社代表取締役社長COO、2025年6月同社取締役副社長兼アパレル事業本部長兼東京本社店長より現職。


社外取締役は、澤田眞治郎氏(元三井物産株式会社常務執行役員中国総代表)、藤井卓也氏(CPグループ 正大光明集団有限公司上級顧問)です。社外監査役は、平居新司郎氏(平居公認会計士事務所所長)、浅見雄輔氏(あさみ法律事務所パートナー・学校法人昌平学園監事・WDBココ株式会社社外監査役・医療法人社団下田緑眞会監事)です。

同社は監査役会制度を採用しています。取締役5名のうち2名が社外取締役であり、経営監督機能の強化と独立性の高い監督体制の構築を図っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の取締役の報酬は、固定報酬としての基本報酬に加え、業績連動報酬として短期インセンティブである業績賞与、中長期インセンティブである譲渡制限付株式報酬で構成されています。社外取締役および監査役の報酬は、その職務に鑑み、固定報酬のみとなっています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 1.6億円 40.8百万円
監査役(社外除く) 1名 11百万円 11.0百万円
社外役員 4名 22百万円 5.5百万円


なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。