※本記事は、株式会社 タカチホ の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
タカチホは、みやげ品の卸売・小売・製造を主軸に、温浴施設事業、不動産賃貸事業、アウトドア用品事業など多角的な事業を展開しています。同社グループは、連結子会社13社、非連結子会社2社で構成されており、幅広いサービスを提供しています。
単体従業員数は195名、連結従業員数は218名です。セグメントはみやげ卸売事業、みやげ小売事業、みやげ製造事業、温浴施設事業、不動産賃貸事業、アウトドア用品事業の6つです。
主な国内グループ会社は、タカチホ・サービス(業務の請負)、越後銘販(みやげ卸売事業・みやげ小売事業)、株式会札幌旬彩堂(みやげ卸売事業)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
タカチホは、従業員一人ひとりの成長と活躍を重視し、働きがいのある環境づくりに力を入れています。給与制度は職務内容や職責、個人の成果を公正に評価する体系となっており、多様な人材が長期的にキャリアを築けるよう、人材育成にも積極的に投資していることが特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の定着を促す環境が整っており、平均勤続年数から安定したキャリア形成が可能な傾向が見られます。平均年齢も比較的落ち着いており、経験豊富な人材が活躍していることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,026,612円 |
| 平均勤続年数 | 14.9年 |
| 平均年齢 | 45.8歳 |
| 単体従業員数 | 195人 |
| 連結従業員数 | 218人 |
| 単体のグループ内比率 | 89.4% |
同社グループは、退職金制度として確定拠出年金制度を採用しています。国内グループ会社を対象とした制度です。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
タカチホは、持続的な企業価値向上に向け、「一人ひとりに活躍と成長の機会があり、活き活きと働くことができる会社」を重要な人材戦略として掲げています。中期経営計画では「挑戦への一歩を踏み出し、地域発展に貢献する人材」を人材ビジョンとし、人事制度、人材育成、採用、組織風土の各面で方針を策定しています。
人事制度においては、明確な役割と評価基準のもと、成果に対して公正に報いる制度の構築を目指しています。給与は基本給と賞与で構成され、年齢や性別、勤続年数等に基づく属人的な手当には依拠せず、職務内容や職責、個人の評価を勘案して決定されます。賞与の配分では、同社グループの業績や部門業績、個人の貢献度といった定量的な要素に加え、人材育成への関与や組織への貢献度といった定性的な要素も考慮し、中長期的な価値向上を促しています。
人材育成では、管理職候補人材の早期育成と、戦略推進に向けた教育体系の整備に注力しています。性別、年齢、国籍、人種、宗教、学歴等に関わらず多様な人材が活躍できる環境を整えることを重要視しており、すべての従業員に対して働きがいのある環境の提供と人材育成のための投資を「人材育成方針」に即して行っています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。対象期間は2025年4月から2026年3月までです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 3.2% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 59.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 78.1% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 70.9% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
タカチホグループは、みやげ品の卸売・小売・製造を主軸に、温浴施設や不動産賃貸、アウトドア用品など多角的な事業を展開しています。観光関連事業を中心に、地域に根ざしたビジネスモデルを構築しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
タカチホグループは、みやげ品の卸売、小売、製造を核とし、温浴施設、不動産賃貸、アウトドア用品など幅広い事業を手掛けています。収益は、主に観光みやげ品の販売と、各事業におけるサービス提供から得ています。同社グループの事業は国内が中心であり、海外からの売上高は開示されていません。
みやげ卸売事業
観光みやげ品をホテル等の宿泊施設やJR駅、高速道路SAのみやげ販売店等に卸売しています。収益は、これらの施設への商品供給から得ています。運営は、タカチホ、越後銘販及び連結子会社11社が行っています。当期において、この事業は同社グループの売上高の大部分を占めており、前期から大きく増加しています。
みやげ小売事業
複合商業施設及び各観光地等の同社グループ直営店にてみやげ品の販売を行っています。収益は、直営店でのみやげ品の販売から得ています。運営は、タカチホ、他連結子会社1社が行っています。当期において、この事業は前期から減少しています。
みやげ製造事業
みやげ用食品、主にクッキー類の製造をタカチホ内にて行っています。収益は、製造したみやげ用食品の販売から得ています。当期において、この事業は前期から増加しています。
温浴施設事業
長野市においてスーパー銭湯「まめじま湯ったり苑」の施設を運営しています。収益は、温浴施設の利用料や関連サービスから得ています。当期において、この事業は前期から増加しています。
不動産賃貸事業
長野市において商業施設「ショッピングタウンあおぞら」の運営を行っています。収益は、商業施設の賃料収入から得ています。当期において、この事業は前期からほぼ横ばいで推移しています。
アウトドア用品事業
長野県下の直営店において釣具、アウトドア用品の販売を行っています。収益は、直営店でのアウトドア用品の販売から得ています。当期において、この事業は前期から減少しています。
その他の事業セグメント
飲食店等の運営を行っています。収益は、飲食店の運営から得ています。当期において、この事業は前期から減少しています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| みやげ卸売事業 | 66.2億円 | 79.9億円 |
| みやげ小売事業 | 8.0億円 | 6.8億円 |
| 温浴施設事業 | 3.2億円 | 3.3億円 |
| みやげ製造事業 | 2.2億円 | 2.7億円 |
| アウトドア用品事業 | 3.9億円 | 2.2億円 |
| 不動産賃貸事業 | 1.5億円 | 1.5億円 |
| その他の事業セグメント | 48百万円 | 46百万円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、直近4期連続で増加傾向にあり、当期も前期から大きく増加しました。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益も、直近3期は増加傾向を示しています。過去には経常損失や親会社株主に帰属する当期純損失を計上した期もありますが、その後は回復基調にあります。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 52.5億円 | 73.3億円 | 80.2億円 | 85.4億円 | 96.9億円 |
| 経常利益 | △2.2億円 | 3.3億円 | 4.4億円 | 4.4億円 | 4.9億円 |
| 経常利益率 | △4.2% | 4.5% | 5.5% | 5.1% | 5.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △1.5億円 | 4.6億円 | 4.2億円 | 3.1億円 | 3.3億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △242.07 | 723.54 | 660.62 | 477.76 | 470.09 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、当期において前期から増加しています。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も前期から増加しました。これらの指標は、同社グループの生産性が向上している傾向を示しています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 40.3百万円 | 44.5百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 2.1百万円 | 2.2百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況を見ると、安定した基盤を構築していることがうかがえます。本業で着実に資金を生み出し、将来に向けた投資と健全な財務運営を両立している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率が前期から増加し、高い水準を維持しています。ROEもプライム市場平均を上回る水準で推移しており、効率的な経営が行われていることを示しています。手元資金である現金及び預金も増加しており、事業運営に必要な資金を確保している状況です。これらの財務指標は、同社グループが安定した事業運営を継続できる基盤を持っていることを示しており、入社後の雇用や給与の安定性にもつながると考えられます。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 22.5億円 | 25.8億円 |
| 自己資本比率 | 52.6% | 57.9% |
| ROE(自己資本利益率) | 15.2% | 13.6% |
| 現金及び預金 | 9.3億円 | 11.3億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローが前期から増加し、6.1億円のプラスとなりました。これは主に税金等調整前当期純利益の増加によるものです。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得により前期から減少して△1.1億円のマイナスとなっています。
この結果、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは5.0億円のプラスとなり、本業で得た資金が投資を上回る状況を示しています。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入金の返済により前期から減少して△2.9億円のマイナスとなりました。これらの資金の流れは、同社グループが本業で安定的に資金を生み出し、健全な財務運営を行っていることを示しており、入社後の安定した雇用や給与に繋がる基盤があると考えられます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 3.8億円 | 6.1億円 |
| 投資CF | △0.6億円 | △1.1億円 |
| 財務CF | △2.2億円 | △2.9億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 3.1億円 | 5.0億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの事業は一般消費者を対象とするため、景気や消費動向が経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、アウトドア用品事業では同業他社との競合が激しく、近隣に新規出店があった場合、売上額が減少するリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
観光事業においては慢性的な労働力不足と人的コストの上昇が続いており、先行きの不透明な状況がリスクとして認識されています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
タカチホは、レジャー産業を基軸とした総合商社として、常に環境の変化に対応し、新たな需要の創造と機能性の向上を目指しています。事業を通じて生活文化の向上に貢献し、日々新たなる挑戦により企業文化の創造と育成を図ることを目指している会社です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、経営の基本方針として、レジャー産業を基軸とした総合商社として環境の変化に対応し、新たな需要の創造と機能性の向上を目指しています。事業を通じた生活文化の向上への貢献と、日々新たなる挑戦による企業文化の創造と育成を図ることを掲げています。
中期ビジョンとしては、「新たな商品開発スキーム×ブランディング発信×成長投資による持続的成長基盤の構築」を掲げています。競争力を高め、市場における優位性を確保し、社会や市場から求められる企業を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
タカチホは、「限りなき発展を目指し、社員と株主、取引先との共存共栄をはかり豊かな生活を創造し、そして社会に貢献する。」という経営理念のもと、ステークホルダーとの良好な関係維持に努めています。人材育成においては、マネジメントスキルの向上によるチームビルディングや、権限委譲によるボトムアップと業務レベルの向上に努めています。
組織力強化として、縦・横の連携や部署内・部署間での協力体制、部署横断的なPJチームの組成を推進しています。また、多様性の確保と推進、女性管理職比率の向上を目指し、ダイバーシティ&インクルージョンを推進しています。性別・年齢・国籍・人種・宗教・学歴等に関わらず、多様な人材が活躍できる環境を整えることを重視しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、観光事業における慢性的な労働力不足や人的コストの上昇、物価上昇による資源価格及び原材料価格の高騰といった経営環境に直面しています。このような状況の中、「変革基盤の確立と次の成長ステージへの始動」を年度スローガンとしています。
新たな価値創造、業務効率化と生産性の向上、意識改革、業務改善を実行し、組織体制の強化を図ることを重点テーマとしています。また、経営資源である「人・物・金・時間」を最大限に活用し、コーポレートブランド、ストアブランド、商品ブランドを戦略的に育成することにも取り組んでいます。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は監査役制度を採用しており、取締役会が経営方針等の重要事項に関する意思決定および監督機関として機能しています。監査役会は、社外監査役を含む3名で構成され、取締役の業務執行状況を監査しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の株主構成を見ると、筆頭株主は投資事業有限責任組合であり、複数の機関投資家が上位に名を連ねています。また、代表取締役社長である久保田一臣氏も主要な株主の一人として名を連ねており、経営陣が会社の株式を保有していることが特徴です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 投資事業有限責任組合JAICスペシャルティファンド | 8.57% |
| 久保田 一臣 | 6.75% |
| ガバナンス・パートナーズ投資事業有限責任組合 | 5.87% |
| 投資事業有限責任組合JAICパートナーズファンド | 4.57% |
| 八十二長野銀行 | 4.44% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長経営企画本部長は久保田一臣氏が務めています。社外取締役比率は0.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 久保田 一臣 | 代表取締役 社長 経営企画本部長 | 2008年4月同社入社、2015年1月経営マネジメント課長、2016年4月マーケティング部長、2016年6月取締役就任、2017年1月代表取締役社長就任、2025年6月経営企画本部長より現職。 |
| 宮尾 聡 | 専務取締役 営業本部長 製造部長 | 1996年4月同社入社、2010年4月営業推進グループ課長、2015年1月マーケティング部長兼製造部長、2016年6月取締役就任、2017年1月常務取締役就任、2025年6月専務取締役就任より現職。 |
| 寺島 千博 | 取締役 管理本部長 総務部長 | 1991年4月株式会社八十二銀行入行、2016年6月同行富士見支店長、2022年2月同社経営企画部長、2023年6月同社取締役就任、管理本部長・総務部長より現職。 |
| 湯原 儀芳 | 取締役 | 1978年4月株式会社八十二銀行入行、2009年5月同行企画部グループ長、2010年6月同行退職、公益財団法人八十二文化財団常務理事、2020年6月同社社外取締役就任より現職。 |
| 山田 暁子 | 取締役 | 1991年4月関東信越国税局入局、2016年12月上田税務署にて退職、2017年4月税理士登録、2018年6月つばき税理士法人設立代表社員就任、2023年6月同社社外取締役就任より現職。 |
社外取締役は、湯原儀芳氏(元公益財団法人八十二文化財団常務理事)、山田暁子氏(つばき税理士法人代表社員)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会は社外取締役2名を含む5名の取締役で構成されています。監査役会は常勤監査役1名と社外監査役2名で構成され、取締役の業務執行を監視する体制となっています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、株主総会で決議された限度内で、世間水準や従業員給与との均衡を考慮して決定されています。金銭報酬とは別に、譲渡制限付株式報酬制度も導入されており、取締役(社外取締役を除く)および監査役(社外監査役を除く)に対して株式報酬が支給されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 72百万円 | 18.0百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 14百万円 | 13.7百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 4百万円 | 1.1百万円 |
取締役の報酬等の総額には、使用人兼務取締役の使用人分給与は含まれておりません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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