シモジマ 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

シモジマ 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

シモジマは東証プライム市場に上場し、包装用品や店舗用品の卸売・直接販売・通信販売を展開しています。直近の連結業績では、環境配慮型商品の需要拡大等を背景に売上高、営業利益ともに増加し、増収増益を達成しています。今後は新物流センター稼働などの投資を進め、さらなる成長を目指しています。


※本記事は、株式会社シモジマの有価証券報告書(第65期、自 2025年4月1日 至 2026年3月31日、2026年6月24日提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準はJapan GAAPです。

1. シモジマってどんな会社?


シモジマは包装資材や店舗用品の販売・仕入を主要事業とし、全国の店舗や通販で多様なニーズに応える企業です。

(1) 会社概要


1920年に包装材料卸問屋として創業し、1962年に会社設立されました。1995年の店頭登録を経て、2004年に東証一部に上場し、2022年にプライム市場へ移行しています。近年はミタチパッケージや朝日樹脂工業などを完全子会社化し、2025年には大倉産業を完全子会社化するなど事業領域を拡大しています。

従業員数は連結で867名、単体で655名です。大株主の状況について、筆頭株主は創業者一族の資産管理会社である謙友で、第2位はケイエヌジェイ、第3位は信託業務を行う日本マスタートラスト信託銀行(信託口)となっています。

氏名 持株比率
謙友 17.84%
ケイエヌジェイ 9.43%
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 5.45%

(2) 経営陣


同社の役員は男性11名、女性1名の計12名で構成され、女性役員比率は8.3%です。代表取締役社長は笠井義彦氏が務めており、社外取締役の比率は37.5%です。

氏名 役職 主な経歴
笠井 義彦 代表取締役社長 1981年にシモジマに入社。西日本営業部長や子会社代表取締役社長、営業本部長などを歴任。2018年に専務取締役上席執行役員に就任し、2021年より現職。
小野寺 仁 専務取締役上席執行役員経営企画本部長兼管理本部長 1983年にシモジマ商事に入社。経営企画室長や商品統括本部長などを歴任。2022年に常務取締役上席執行役員経営企画本部長に就任し、2024年より現職。
川原 利治 常務取締役上席執行役員 1983年にシモジマ商事に入社。東日本営業部長や販売本部長などを歴任。2021年に取締役上席執行役員営業統括本部長に就任し、2026年より現職。
大貫 学 取締役上席執行役員営業統括本部長 1988年にシモジマ商事に入社。埼玉営業所長や商品本部長などを歴任。2022年に取締役上席執行役員商品本部長に就任し、2026年より現職。
渡辺 昭一 取締役上席執行役員営業統括副本部長 1993年にシモジマ商事に入社。福岡営業所長や営業統括本部副本部長などを歴任。2020年に執行役員営業統括副本部長に就任し、2024年より現職。


社外取締役は、梅野勉(元ホンダオーストラリアPty.Ltd.代表取締役社長)、岩﨑剛幸(ムガマエ代表取締役社長)、金井千尋(金井千尋公認会計士事務所代表)です。

2. 事業内容


同社グループは、「紙製品」「化成品・包装資材」「店舗用品」などの報告セグメントおよび「その他」事業を展開しています。

同社グループは、包装資材や店舗用品の販売・仕入を主力事業としています。紙袋や包装紙などの紙製品、ポリ袋や粘着テープなどの化成品・包装資材、日用雑貨などの店舗用品を幅広く取り扱っており、一般消費者から小売店、外食チェーンなどの大手ユーザーまで多様な顧客に提供しています。

商品の販売による収益を主な収入源としており、店舗での直接販売、インターネットを通じた通信販売、二次卸への卸販売など複数チャネルで展開しています。事業の運営は主にシモジマが行うほか、リード商事が花材・園芸資材、ミタチパッケージが工業関連資材、大倉産業が衛生用品の販売をそれぞれ担っています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


直近5年間の業績は、順調な拡大基調で推移しています。売上高は多様な販売チャネルの展開や環境配慮型商品の拡販により毎期増加を続けています。利益面では、物流費や原材料価格の高騰といった影響を受けつつも、適正な価格設定や経費コントロールによって利益水準を確保し、増収増益の傾向にあります。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 481億円 550億円 578億円 607億円 648億円
経常利益 4億円 24億円 36億円 33億円 39億円
利益率(%) 0.8% 4.3% 6.3% 5.4% 6.0%
当期利益(親会社所有者帰属) 0.3億円 14億円 23億円 19億円 25億円

(2) 損益計算書


売上高は順調に増加しており、売上総利益も拡大しています。環境配慮型商品など高付加価値商品の販売比率拡大が寄与し、売上総利益率も改善傾向にあります。これにより、物流費や人件費の増加を吸収して営業利益も増加しています。

項目 2025年3月期 2026年3月期
売上高 607億円 648億円
売上総利益 194億円 211億円
売上総利益率(%) 32.0% 32.6%
営業利益 30億円 35億円
営業利益率(%) 4.9% 5.4%


販売費及び一般管理費のうち、給与・賞与が51億円(構成比29%)、運賃が33億円(同19%)、倉敷料が18億円(同10%)を占めています。

(3) セグメント収益


全セグメントにおいて売上が増加しています。特に主力の化成品・包装資材事業では、市場ニーズに適合した環境配慮型の食品包装資材などの新商品開発が寄与し、大きく売上を伸ばしました。また、紙製品事業や店舗用品事業も堅調に推移しています。

区分 売上(2025年3月期) 売上(2026年3月期)
紙製品 100億円 106億円
化成品・包装資材 365億円 396億円
店舗用品 142億円 146億円
連結(合計) 607億円 648億円

(4) キャッシュ・フローと財務指標


営業利益で借入返済を行い、投資も手元資金で賄う優良企業としての健全な状態を示しています。

項目 2025年3月期 2026年3月期
営業CF 9億円 38億円
投資CF -9億円 -22億円
財務CF -17億円 -15億円


企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は7.6%で市場平均を下回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は81.4%で市場平均を上回っています。

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


同社グループは、「包装用品とこれに関連する事業を通じ快適な社会づくりに貢献する」ことを基本理念として掲げています。また、長期ビジョンとして「“パッケージ×サービス”でお客さまに元気を届けるトータルパートナーを目指す」ことを目標とし、すべてのステークホルダーに夢を感じてもらえる企業活動を追求しています。

(2) 企業文化


創業以来の「三意精神(誠意・熱意・創意)」を基盤とし、「従業員が活き活きと働ける会社」の実現を経営の重要課題としています。人こそが価値創造の源泉であるとの考えから、従業員一人ひとりが自分の仕事に誇りを持ち、真面目に働くという文化が受け継がれています。また、イノベーションが生まれやすい自由闊達な企業風土の醸成にも取り組んでいます。

(3) 経営計画・目標


2030年3月期を最終年度とする「第2次中期経営計画 Dream Action 2030」を策定し、持続的な成長に向けた事業基盤の強化を推進しています。最終年度における具体的な業績目標は以下の通りです。

・売上高:800億円
・営業利益率:6.5%
・ROE(自己資本利益率):8.0%

(4) 成長戦略と重点施策


販売力と商品力の強化を重点施策とし、シモジマ型オムニチャネルの拡大や、重点業界・大手ユーザーとの取引強化を進めています。また、環境配慮型商品や高付加価値商品の開発を促進するとともに、最適な物流網の構築に向けた新センターへの投資を計画しています。これらにより資本効率の向上と企業価値の最大化を図ります。

・オリジナル商品における環境配慮型商品の販売比率拡大:25%
・シモジマグループ連結売上高:800億円

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


同社グループは、従業員を最も重要な経営資源と位置づけ、従業員の成長と会社の成長を連動させる仕組みの構築を推進しています。多様な人材を採用し、従業員が生き生きと働ける環境を整備するダイバーシティを推進するほか、公平で納得感のある人事評価制度の確立や能力に応じた適正な処遇を通じ、エンゲージメントの向上を図っています。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はプライム市場の平均をやや下回る水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2026年3月期 39.1歳 15.2年 6,253,000円


※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。

(3) 人的資本開示


同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。

項目 数値
女性管理職比率 6.0%
男性育児休業取得率 80.0%
男女賃金差異(全労働者) 60.1%
男女賃金差異(正規雇用労働者) 74.8%
男女賃金差異(パート・有期労働者) 59.0%

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) 価格競争および法規制による売上高の変動
包装資材や店舗用品の業界には多数の競合が存在し、顧客からの価格低減要求による厳しい価格競争にさらされています。また、レジ袋有料化などの法規制により主力商品を取り巻く環境に変動が生じており、販売価格の下落や需要の変化が業績に影響を及ぼす可能性があります。同社は高付加価値商品の開発やオムニチャネル戦略で対応しています。

(2) 原材料価格の高騰と為替変動リスク
ポリ袋や紙袋などの一部商品は、合成樹脂や原紙といった原材料の市況価格に影響を受けます。また、商品の多くを海外から輸入しているため、製造国の政情不安などのカントリーリスクや為替相場の急激な変動が売上原価の上昇を招く可能性があります。同社は調達先の分散や為替予約を活用し、リスクの軽減に努めています。

(3) 物流費上昇と貸倒れリスク
取扱物量の増加や運賃の高騰により、販売費および一般管理費のうち物流費が上昇するリスクがあります。また、経済全体の信用不安により予期せぬ貸倒れが発生した場合、重大な貸倒損失が生じる可能性があります。同社は物流業務の効率化や新システムの導入を進めるとともに、事前の信用調査強化やファクタリングの活用で対策を図っています。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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