※本記事は、株式会社ウェッズ の有価証券報告書(第60期、自 2024年4月1日 至 2025年3月31日、2025年6月24日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. ウェッズってどんな会社?
日本で初めてカスタムホイールを市販化したパイオニア企業です。アルミホイールの企画開発・卸売を中核に、物流やカー用品店運営も手掛けます。
■(1) 会社概要
同社は1965年に自動車用品販売を目的として設立され、1969年に日本初の社外品ホイール「エルスター」を発売しました。1973年に現社名へ変更し、全国へ営業所網を拡大。1977年に店頭登録(後のJASDAQ)を行いました。その後、物流子会社の設立や小売事業・福祉事業の分社化を経てグループ体制を構築し、2022年にスタンダード市場へ移行しました。
2025年3月31日現在、連結従業員数は458名(単体152名)です。大株主構成は、筆頭株主がトヨタグループのホイールメーカーである中央精機(38.46%)、第2位が地域金融機関の碧海信用金庫(3.24%)、第3位が個人の石原勝成氏(2.99%)となっており、主要仕入先との資本関係が強いのが特徴です。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| 中央精機 | 38.46% |
| 碧海信用金庫 | 3.24% |
| 石原勝成 | 2.99% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性10名、女性0名の計10名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は石田純一氏が務めています。取締役7名のうち社外取締役は2名で、比率は約28.6%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 石田純一 | 取締役社長(代表取締役) | 2000年同社大阪営業所長。販売統括部長、業務本部長などを歴任。2020年東京車輪社長。2023年6月より現職。 |
| 中野賢次 | 取締役 | 2003年同社新潟営業所長。名古屋営業所長、販売統括部長、商品企画部長などを歴任。2024年6月より現職。 |
| 石津克也 | 取締役 | 2012年同社大阪営業所長。販売部長、執行役員販売統括部長などを経て、2024年6月より現職。 |
| 畔柳徳久 | 取締役 | 中央精機にて経営企画室長、経理部長を歴任。2024年同社執行役員経理部顧問を経て、2025年2月より現職。 |
| 今町方規 | 取締役 | 2002年同社営業企画部長。執行役員販売企画・海外営業部長を経て、2016年バーデン社長就任。2020年6月より現職。 |
社外取締役は、牛尾理(中央精機社長)、野﨑修(半蔵門総合法律事務所弁護士)です。
2. 事業内容
同社グループは、「自動車関連卸売事業」「物流事業」「自動車関連小売事業」「福祉事業」および「その他」事業を展開しています。
**自動車関連卸売事業**
自動車用ホイール、カーアクセサリー等のアフターパーツを一般市販市場へ販売しています。主力はカスタムホイールで、企画開発から販売までを手掛けます。
収益は、カー用品店やタイヤショップ等への製品販売代金から得ています。運営は主にウェッズ、東京車輪、威直貿易(寧波)が行い、製造は子会社のスーパースターおよび関連会社の中央精機が担当しています。
**物流事業**
同社グループが取り扱うホイールやオリジナル商品の保管、荷役、配送業務を行っています。また、一般市場向けに倉庫サービスの提供も行っています。
収益は、グループ会社および外部顧客からの保管料や荷役料、配送手数料等から得ています。運営は主にロジックスが行っています。
**自動車関連小売事業**
カー用品とカーメンテナンスの専門店「ジェームス」の店舗運営や、インターネットを通じた自動車部品の通信販売を行っています。
収益は、一般消費者への商品販売代金およびピットサービス(取付・交換等)の工賃から得ています。運営は主にバーデンが行っています。
**福祉事業**
高齢者向けの複合福祉施設「グレイシャスビラ安城」を運営し、有料老人ホームや介護サービスを提供しています。
収益は、利用者からの施設入居料、介護サービス利用料等から得ています。運営は主にバーデンが行っています。
**その他**
保有する不動産の賃貸事業などを行っています。
収益は、テナント等からの不動産賃貸料から得ています。運営は主にバーデンが行っています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
売上高は350億円前後で推移しており、直近では微増傾向にあります。経常利益率は6〜7%台を維持していますが、直近では為替やコスト増の影響もあり利益面でやや足踏みが見られます。当期利益は10億円台を確保しており、安定した黒字経営を継続しています。
| 項目 | 2021年3月期 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 309億円 | 348億円 | 365億円 | 348億円 | 351億円 |
| 経常利益 | 16億円 | 15億円 | 28億円 | 24億円 | 23億円 |
| 利益率(%) | 5.2% | 4.4% | 7.7% | 6.8% | 6.6% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | 9億円 | 7億円 | 16億円 | 13億円 | 12億円 |
■(2) 損益計算書
売上高は前期比で微増となりましたが、原価率の上昇等により売上総利益の伸びは限定的です。営業利益率は改善傾向にあり、本業の収益力は維持されています。
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 348億円 | 351億円 |
| 売上総利益 | 72億円 | 75億円 |
| 売上総利益率(%) | 20.8% | 21.4% |
| 営業利益 | 20億円 | 22億円 |
| 営業利益率(%) | 5.7% | 6.4% |
販売費及び一般管理費のうち、給料・手当が13億円(構成比25%)、地代家賃が5億円(同9%)を占めています。売上原価は276億円で、売上高に対する構成比は79%となっています。
■(3) セグメント収益
主力の自動車関連卸売事業は、高付加価値商品の販売促進により増収増益となりました。物流事業は荷動きの堅調さから増収増益、福祉事業も増収増益を確保しました。一方、自動車関連小売事業は店舗集約の影響等で減収減益となり、その他事業は携帯電話販売事業からの撤退により大幅な減収となりました。
| 区分 | 売上(2024年3月期) | 売上(2025年3月期) | 利益(2024年3月期) | 利益(2025年3月期) | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 自動車関連卸売事業 | 246億円 | 253億円 | 14億円 | 15億円 | 6.0% |
| 物流事業 | 66億円 | 67億円 | 5億円 | 5億円 | 8.2% |
| 自動車関連小売事業 | 25億円 | 25億円 | 0.9億円 | 0.6億円 | 2.4% |
| 福祉事業 | 5億円 | 5億円 | 0.4億円 | 0.4億円 | 7.6% |
| その他 | 7億円 | 1億円 | 0.1億円 | 0.8億円 | 64.2% |
| 連結(合計) | 348億円 | 351億円 | 20億円 | 22億円 | 6.4% |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
同社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
営業活動によるキャッシュ・フローは、日々の事業活動から生み出される資金の状況を示しています。投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資や有価証券の取得・売却など、将来の事業基盤強化に向けた資金の動きを表しています。財務活動によるキャッシュ・フローは、借入や返済、配当金の支払いなど、資金調達や返済に関する活動を示しています。
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | 18億円 | 24億円 |
| 投資CF | -1億円 | -5億円 |
| 財務CF | -7億円 | -8億円 |
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
同社は「ウェッズの永遠のテーマ、それはCHALLENGEです。私達は人と車の未来に向けて、常に新しく価値ある商品を創造し、社会に貢献します。」を経営理念として掲げています。カスタムホイールのパイオニアとして、常に新しい価値の創造と社会貢献を目指しています。
■(2) 企業文化
同社は「お客様最優先の営業方針と会社・株主・社員三位一体の取り組みにより、会社の繁栄と安定を追求して、株主利益の向上と社員のライフプラン充実に努めます。」を経営方針としています。顧客と株主からの信頼獲得に加え、社員が豊かさや夢を追求できる会社を目指す姿勢を重視しています。
■(3) 経営計画・目標
同社グループは、収益性および資産効率性のベースとなる指標として、連結経常利益率5%以上を維持・継続することを経営目標として掲げています。
■(4) 成長戦略と重点施策
同社は、中核である自動車関連卸売事業において、高中級アルミホイールの商品開発力強化とブランド構築を推進しています。また、営業力強化とシステム構築による効率化、適正在庫の維持管理、および海外市場への展開も重視しています。小売事業や福祉事業においても、収益基盤の強化とサービスの質的向上に取り組んでいます。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
同社は「事業は人なり」の考えのもと、少数精鋭の人材育成を重視しています。特に次世代を担う若い世代の確保と育成を最重要課題と位置づけ、働き方改革やワークライフバランスの充実を通じて、社員が働きがいを感じられる環境づくりを目指しています。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均をやや上回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2025年3月期 | 44.3歳 | 16.4年 | 6,673,000円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社は現時点では具体的な指標や目標を設定するには至っていないため、有報には本項の記載がありません。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 経済状況と市場環境の変化
主力事業である自動車関連商品の需要は、国内の経済状況や新車販売動向の影響を強く受けます。若者の車離れや軽自動車へのシフト、車両保有期間の長期化などは市場縮小要因となり得ます。また、市場競争の激化により販売価格や数量が変動し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
■(2) 季節的変動と天候リスク
冬用タイヤとセットで販売されるホイール等の需要は降雪状況に大きく左右されます。暖冬による降雪不足は販売不振に直結する一方、需要期に合わせた在庫確保が必要なため、天候不順は過剰在庫や販売機会の損失を招き、業績や財務状況に悪影響を与える可能性があります。
■(3) 原材料価格と為替変動
製品の多くを海外から輸入しているため、為替レートの変動が仕入コストに直結します。また、アルミ地金等の原材料価格高騰は製造コストの上昇要因となります。これらに対し、販売価格への転嫁が十分に進まない場合、利益を圧迫するリスクがあります。



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