【平均年収703万円】日本瓦斯 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収703万円】日本瓦斯 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

日本瓦斯は、ガスと電気の販売を主軸に、グループ各社とともにエネルギー事業を展開する企業です。連結従業員数は1,764名で、直近の業績は増収増益となりました。


目次

※本記事は、日本瓦斯株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月19日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


日本瓦斯は、ガス(LPガス、都市ガス)と電気の販売を主軸とするエネルギー企業です。ガス機器等の販売、プラットフォームの提供、関連工事や輸送も手掛けています。

単体従業員数は1,165名、連結従業員数は1,764名です。同社グループの事業セグメントは、LPガス事業、電気事業、都市ガス事業の3つです。

主な国内グループ会社は、②ガス機器等の販売、受注工事などです。

日本瓦斯運輸整備は2025年10月1日付でエナトラに名称変更しました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


日本瓦斯は、生活に不可欠なエネルギーを提供する企業として、地域社会に貢献しています。同社グループは、エネルギー小売からプラットフォーム、エネルギーソリューションへの進化を推進しており、事業成長と地域社会への貢献を両立させることを目指しています。このような事業特性を持つ同社グループの給与水準や働き方について見ていきましょう。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


日本瓦斯では、従業員の平均勤続年数と平均年齢から、比較的長期にわたってキャリアを築くことができる環境がうかがえます。多様なスキルを持つ人材の育成とモチベーション向上に注力しており、社員が安心して長く働けるような職場環境の整備にも取り組んでいます。

項目 数値
平均年間給与 7,027,848円
平均勤続年数 13.3年
平均年齢 39.8歳
単体従業員数 1,165人
連結従業員数 1,764人
単体のグループ内比率 66.0%


日本瓦斯及び連結子会社は、従業員の退職給付制度として、確定給付型と確定拠出型を採用しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。この制度は、同社及び連結子会社に適用されます。

退職一時金制度もあり、給与と勤務期間に基づいた一時金が支給されます。なお、退職給付債務は38.1億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


日本瓦斯は、事業の進化に連動した人材戦略を推進しています。これまでの顧客基盤拡大から、今後はLPガス業界の集約化やエネルギーの最適利用を提案する「NICIGAS3.0」という新たなフェーズに向けて、スキルの多様化、モチベーション向上、業務効率化の3つを重点施策としています。挑戦と変革の意思を持った多様な人材が活躍できる組織を構築し、持続的な企業価値の最大化を目指しています。

同社の人事制度は「役割等級制度」を採用しており、役職に応じて求められる役割や評価が明確化されています。重要な役割を担う社員や業績を上げた社員には、それにふさわしい報酬が提供される仕組みです。年齢や勤続年数にとらわれず、チャレンジし成果をあげた社員には、それに見合ったインセンティブが与えられます。

具体的には、エネルギーソリューション事業推進のためのリスキリングや、次世代リーダー育成のための研修、グループ会社への若手・中堅社員の派遣など、スキルの多様化を支援する取り組みを進めています。また、社員一人ひとりが主体的に行動できる「個人が主人公になる企業風土」を重視し、裁量の大きさや失敗を受け入れ挑戦を促す文化を醸成しています。キャリア採用者の活躍も進んでおり、多様な経歴を持つ社員のスキルや考えを積極的に取り入れています。

業務効率化の面では、人材の最適配置やDX導入を推進しており、リモート保安やニウケマスターといったシステムを活用して生産性向上と働き方改善を図っています。報酬制度においては、成績優秀者を対象とした株式報酬制度も設け、年次にかかわらず成果に応じたインセンティブを付与しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。女性管理職比率については、LPガスボンベ運搬など体力を使う業務があることも一因となり、進捗に課題があると認識されています。

指標 数値
女性管理職比率 3.2%
男性育児休業取得率 70.2%
男女賃金差異(全労働者) 60.1%
男女賃金差異(正規雇用) 68.9%
男女賃金差異(非正規雇用) 92.8%

多様性・登用

指標 数値
キャリア採用比率 56.9%
管理職におけるキャリア採用比率 50.0%
女性従業員比率 19.9%

人材育成・エンゲージメント

指標 数値
エンゲージメントスコア 67
平均昇給率 4.5%
平均年間給与の前年度比増減率 4.6%
成績優秀者向けの株式報酬付与の対象者数 51名

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


日本瓦斯は、主にLPガス、電気、都市ガスといったエネルギーの供給を基盤とし、関連する機器販売や工事、プラットフォーム提供を通じて、顧客の生活を支える事業を展開しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、ガス(LPガス、都市ガス)と電気の販売を主軸に、ガス機器等の販売、プラットフォームの提供、および各事業に関連する工事や輸送を手掛けています。これらの事業は「LPガス事業」「電気事業」「都市ガス事業」の3つの報告セグメントに分かれています。収益は、エネルギー供給と関連サービスから得ています。

LPガス事業

LPガス販売、コミュニティーガス販売、ガス機器販売、ガス配管工事、プラットフォーム提供を行っています。収益は、LPガス販売と、ハイブリッド給湯器を中心とする機器販売、人手不足を背景とした保安の受託拡大による機器・工事・プラットフォーム事業から得ています。家庭用顧客数の増加により販売量は伸びているものの、業務用では原料価格変動の影響が見られます。

電気事業

電気の販売を行っています。収益は、電気契約数の増加に伴う販売量の伸長と、燃料価格のプラス要因による利幅の改善から得ています。新規顧客獲得を積み重ね、顧客数は増加傾向にあります。

都市ガス事業

都市ガス販売、ガス機器販売、ガス配管工事を行っています。収益は、顧客数の増加に伴う販売量の伸長と、業務用大口契約先での利幅改善から得ています。スポーツコミュニティ向けの営業やWeb経由の申込が好調に推移しています。

同社グループは、本邦以外の外部顧客への売上高がなく、海外に所在する有形固定資産もありません。また、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める特定の顧客も存在しません。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
LPガス事業 892億円 908億円
都市ガス事業 623億円 663億円
電気事業 485億円 514億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は概ね増加傾向にあり、特に直近の期では前期から伸びています。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益も同様に増加傾向を示しており、直近の期では大幅な伸長となりました。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 1,626億円 2,079億円 1,944億円 2,001億円 2,085億円
経常利益 129億円 153億円 176億円 186億円 212億円
経常利益率 8.0% 7.4% 9.1% 9.3% 10.2%
親会社株主に帰属する当期純利益 99.7億円 106億円 108億円 115億円 148億円
1株当たり当期純利益(円) 86.24 92.60 95.64 104.46 136.69

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期からわずかに増加しています。また、従業員1人あたり営業利益も前期から増加しており、組織全体の収益性が向上している傾向が見られます。これらの指標は、同社グループが従業員一人ひとりの生産性を高めながら事業を拡大していることを示しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 118.0百万円 118.2百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 10.9百万円 12.1百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


日本瓦斯は、堅実な財務基盤と安定したキャッシュフローを維持しており、事業活動を通じて着実に資金を創出している状況を示しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


日本瓦斯は、安定した財務基盤を構築しています。自己資本比率は40.9%であり、プライム市場の非製造業平均と比較して高い水準を示しています。ROE(自己資本利益率)は22.0%と、プライム市場平均を大きく上回る高い収益性を実現しています。手元資金である現金及び預金も239億円と潤沢であり、事業運営の安定性につながる要素です。これらの財務指標は、同社グループが安定した経営状況にあることを示しています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 674億円 675億円
自己資本比率 43.2% 40.9%
ROE(自己資本利益率) 16.5% 22.0%
現金及び預金 198億円 239億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


日本瓦斯のキャッシュフローは、本業の稼ぎを示す営業キャッシュフローが282億円の収入となり、前期から増加しています。これは税金等調整前当期純利益の増加があった一方で、消費税及び法人税の支払が増加したことによるものです。投資キャッシュフローは72億円の支出となり、前期から支出が減少しました。システム開発投資は一服し、グループ会社への出資を増加させています。

その結果、フリーキャッシュフローは210億円のプラスとなり、前期から増加しています。これは本業で得た資金が投資を上回っており、事業活動で安定的に資金を創出している状況を示しています。財務キャッシュフローは167億円の支出となり、前期から支出が減少しました。最適資本構成に向けて有利子負債を増やし、株主還元を進めたためです。これらのキャッシュフローの状況は、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来に向けた投資余力も確保していることを示しており、雇用や給与の安定性にもつながる要素です。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 279億円 282億円
投資CF △88億円 △72億円
財務CF △184億円 △167億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 191億円 210億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、原料等の安定調達に関するリスクを認識しています。LPガス、都市ガス、電源の調達において、地政学リスクや為替相場の変動による原料価格の変動が業績に影響を与える可能性があります。また、気候変動や省エネ意識の高まりにより、お客さまのエネルギー利用状況が変化し、エネルギー消費量が減少する可能性も事業構造上のリスクとして挙げられています。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、人材の確保・育成に関するリスクを挙げています。少子高齢化による労働力不足や、物流における働き方改革(2024年問題)、物価上昇に伴う他社の賃上げ実施などが、同社グループの人員確保に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


日本瓦斯は、地域社会への貢献と企業の持続的成長、そして人的資源の尊重を経営理念に掲げています。エネルギーの安定供給を通じて、社会の基盤を支え、未来に向けた変革を推進する企業です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、地域社会への貢献、企業の持続的成長、人的資源の尊重を経営の基本方針としています。エネルギー小売業を取り巻く構造的な課題に対し、LPガス事業を主軸としつつ、都市ガスや電力も事業の根幹に加え、「総合エネルギー事業」への進化を進めています。

電気とガスを組み合わせ、AI/IoTで制御できる機器を活用した「総合エネルギー調整力」の構築を目指しています。LPガス業界の合理化を主導し、エネルギー危機の克服と持続可能な社会の実現に向けた役割を果たすことを使命としています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、人的資本の最大化を通じて、新たな中長期の成長戦略を発展させることを目標としています。スキルの多様化と社員のモチベーション向上、業務の効率化を重視しています。未経験でも挑戦できる機会を提供し、自発的に成長するマインドを高めることで、社員それぞれの個性や強みを伸ばすことができると考えています。

サステナビリティ課題への対応を重要な成長機会と捉え、事業成長と地域社会への貢献の両立を目指しています。ガバナンス体制においては、社外取締役が過半数を占める指名報酬・環境等委員会を通じて、客観的な意見を経営に反映させることを重視しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、エネルギー業界における労働人口の減少、少子高齢化に伴う需要減少、事業承継問題、脱炭素社会への対応加速といった構造的課題に直面しています。LPガス業界の過度な細分化による非効率な供給体制や、旧来型の収益モデルも課題として認識しています。

これらの課題に対し、同社グループは「総合エネルギー事業」への進化と「総合エネルギー調整力」の構築を推進しています。LPガス業界の集約化を最重要戦略と位置づけ、営業力、最適化されたインフラ基盤、高い資本効率を最大限に活用することで業界再編を主導する方針です。サステナビリティの重要課題として、脱炭素社会への対応、地域社会の基盤づくり、人材の育成とダイバーシティ、ガバナンスの強化に取り組んでいます。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


日本瓦斯は監査役会設置会社であり、取締役会は5名の取締役で構成され、うち2名が独立社外取締役です。取締役会の監督機能強化と透明性・公正性確保のため、指名報酬・環境等委員会を設置しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


日本瓦斯の株主構成を見ると、信託銀行や海外の金融機関が上位に名を連ねています。また、事業会社も大株主として存在しており、多様な主体によって支えられている資本構成となっています。

株主名 持株比率
日本マスタートラスト信託銀行 (信託口) 16.50%
日本カストディ銀行(信託口) 6.30%
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 (常任代理人 みずほ銀行決済営業部) 4.90%
東京電力エナジーパートナー 4.10%
日本カストディ銀行(信託口4) 3.70%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長執行役員は柏谷邦彦氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。

氏名 役職 主な経歴
柏谷 邦彦 代表取締役社長執行役員 1999年Ernst&Young LLP入社、2003年オリックス入社。2012年同社入社後、常務取締役、代表取締役専務を経て、2022年より代表取締役社長執行役員に就任し現職。
吉田 恵一 代表取締役専務執行役員エネルギーインフラ事業システム・プラットフォーム事業 1987年東京電力入社。同社執行役員、東京電力パワーグリッド常務取締役を経て、2020年同社入社。2024年より現職。
土屋 友紀 代表取締役専務執行役員 営業本部長 1993年同社入社。取締役、常務執行役員を経て、東彩ガス(現エナジー宇宙)代表取締役社長を兼任。2024年より現職。


社外取締役は、山田剛志氏(成城大学大学院法学研究科教授・弁護士法人日新法律事務所代表社員・指名報酬・環境等委員会委員長)、里中恵理子氏(アバントグループ執行役員兼CHRO)です。
社外監査役は、折原隆夫氏(元野村不動産ホールディングス取締役・応用地質社外監査役)、文倉辰永氏(元有限責任あずさ監査法人代表社員・公認会計士)です。

同社は会社法上の機関設計として監査役会設置会社を採用しています。取締役会は5名で構成され、うち2名が独立社外取締役であり、経営の健全性、透明性、効率性を確保する基盤としています。また、取締役会の諮問機関として指名報酬・環境等委員会を設置しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社では、役員報酬は単年度の業績達成を促す短期インセンティブとしての基本報酬と、株主価値との連動性を意識した中長期インセンティブとしての株式報酬で構成されています。社外取締役に対しては、主に監督機能を担うことを期待し、固定の基本報酬のみを支給する方針です。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 3名 2.0億円 67.7百万円
監査役(社外除く) 1名 15百万円 15.0百万円
社外役員 4名 32百万円 8.0百万円


取締役には、使用人兼務取締役はおりません。上記非金銭報酬の株式報酬は、当事業年度における株式報酬引当金の繰入額であります。

個人別報酬が開示されている役員は、柏谷邦彦氏(1.09億円)です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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