※本記事は、愛眼株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
愛眼グループは、愛眼および子会社1社で構成されており、眼鏡・サングラス・補聴器・その他関連商品の販売を主たる業務としています。お客様の暮らしをより快適に、より豊かにすることを目指し、目と耳の健康を守ることを社会的使命としています。
単体従業員数は659名、連結従業員数は666名です。セグメントは眼鏡小売、眼鏡卸売の2つです。
主な国内グループ会社は、ネオック(眼鏡小売)などです。
愛眼グループは、当連結会計年度の期首より海外眼鏡販売事業の報告セグメント区分を廃止しました。これにより、現在は眼鏡小売と眼鏡卸売の2つの報告セグメントで事業を展開しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
愛眼は、お客様の暮らしをより快適に、より豊かにすることを目指し、人材育成と働きやすい環境づくりに力を入れています。多様な人材が主体的にキャリアを形成し、成長を実感できるような制度や施策を通じて、従業員の活躍を支援する環境が整えられています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員が長く安定して働き続けられる環境がうかがえます。平均勤続年数や平均年齢から、比較的長期にわたってキャリアを築いている従業員が多い傾向が見られます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,191,128円 |
| 平均勤続年数 | 21年11ヶ月 |
| 平均年齢 | 46歳11ヶ月 |
| 単体従業員数 | 659人 |
| 連結従業員数 | 666人 |
| 単体のグループ内比率 | 98.9% |
同社は、確定拠出年金制度及び前払退職金制度を併用しています。これらの制度は、国内・海外グループ会社に適用されます。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、人材を重要な経営資源(人的資本)と位置づけ、企業価値の持続的な向上に不可欠であると考えています。多様な人材が主体的なキャリアを形成できるよう、各階層に応じた研修制度の充実やOJTを中心とした実務教育、国家検定資格である眼鏡作製技能士をはじめとした資格取得支援に取り組んでいます。また、適材適所への役割転換を推進し、臨時正社員を積極的に正社員登用することで、人材の確保と定着を図っています。
従業員の給与や報酬の決定においては、成果だけでなく「どのような役割を果たしたか」というプロセスを重視する人事評価制度を採用しています。上長による日常のモニタリングや定期面談でのフィードバックを通じて、自己採点による役割評価と複数の上長による合議を基に、業績や社会情勢を加味して決定されています。
人材戦略の3つの柱として「多様性を活かす」、「目標を持ち挑戦を促す」、「成長を実感できる」を掲げ、「保有能力を発揮能力に」をテーマに、社員の多様なバックグラウンドを活かしたスキルアップや技術向上、新たな経験の機会を提供しています。具体的には、女性活躍推進会議の設置、インターンシッププログラムの実施、パート社員の正社員登用促進、定期健診の充実、ストレスチェック、メンタルヘルスケア、妊娠・出産・育児に関する両立支援制度、長時間労働の是正、有給休暇取得促進、DX推進による業務効率化、眼鏡作製技能士や認定補聴器技能者の育成、ジョブローテーション、部下のキャリア支援研修、階層別研修、そして社内資格制度「愛眼マイスター」の導入など、多岐にわたる取り組みを進めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データを示します。連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、記載を省略しています。なお、女性正規雇用労働者のうち一部が育児及び介護短時間勤務利用者であり、短縮時間分の賃金が減額されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 2.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 74.4% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 77.7% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 93.4% |
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 正社員の女性比率(2026年3月期) | 30.9% |
| 労働者に占める女性労働者の割合(2030年目標) | 50.0% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
愛眼は、眼鏡・サングラス・補聴器などの関連商品を販売する同社グループの中核企業です。主に国内市場で事業を展開し、お客様の目と耳の健康を守ることを社会的使命としています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、眼鏡・サングラス・補聴器・その他関連商品の販売を主たる業務としています。事業は主に「眼鏡小売」と「眼鏡卸売」の二つのセグメントで構成されており、それぞれの事業活動を通じて収益を上げています。当連結会計年度の期首より、前中間連結会計期間に撤退した「海外眼鏡販売事業」の報告セグメント区分は廃止されました。
眼鏡小売
この事業では、対面販売によるサービスを重視し、ロードサイドやショッピングセンター、商業ビルなどに店舗を展開して国内での眼鏡の小売販売を行っています。長年培ってきた視力・聴力補正技術や高い専門性を要する商品提案力、接客・サービス力を結集した「愛眼ブランド」の信頼性と独自性の向上に取り組んでいます。
収益は、眼鏡、サングラス、補聴器、およびレンズオプションなどの販売から得ています。当期は、主力品目の眼鏡がレンズ付き販売価格の引き上げや超薄型レンズ、撥水・UV等のコーティング、調光機能等のレンズオプションの提案販売が好調に推移し、準主力品目の補聴器もお試しレンタルやアフターサービスが好調でした。
眼鏡卸売
この事業では、全国の眼鏡小売店等に眼鏡、サングラス、補聴器などの卸売販売を行っています。新商品の投入や販売支援による既存取引先との関係強化、新規取引先の開拓に努めています。
収益は、眼鏡、サングラス、補聴器等の卸売販売から得ています。当期は、前期と比較して売上高が減少する結果となりました。
同社グループの売上高は、本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の大部分を占めており、国内市場に事業が集中している状況です。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 眼鏡小売 | 145億円 | 149億円 |
| 眼鏡卸売 | 4.0億円 | 3.5億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、過去5期間にわたり増加傾向にあります。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、過去数期にわたり損失を計上していましたが、当期は黒字に転換しました。
当期は売上高が増加したことに加え、売上総利益率も改善しました。これにより、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益の全てが黒字を達成し、大幅な利益改善となりました。営業活動によるキャッシュ・フローも当期はプラスに転じており、本業でのキャッシュ創出力が改善している状況です。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 138億円 | 142億円 | 147億円 | 149億円 | 153億円 |
| 経常利益 | △4.4億円 | △3.9億円 | △59百万円 | △47百万円 | 3.0億円 |
| 経常利益率 | △3.2% | △2.7% | △0.4% | △0.3% | 2.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △6.9億円 | △8.0億円 | △1.8億円 | 3百万円 | 1.6億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △35.59 | △41.39 | △9.36 | 0.17 | 8.01 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期から当期にかけて増加しています。また、従業員1人あたり営業利益も、前期のマイナスから当期はプラスへと大きく改善しました。
これらの指標の改善は、同社グループが業務効率化や販売力向上に努めた結果、組織全体の生産性が向上していることを示しています。特に営業利益の改善は、本業での収益創出能力が高まっている傾向にあると言えます。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 21.8百万円 | 22.9百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | △0.2百万円 | 0.3百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
財務の安定性の観点から、同社グループの現在の状況を示します。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率は85.9%となっており、プライム市場の非製造業平均(24.2%)と比較して高い水準を示しています。純資産は当期で123億円に増加しています。
ROE(自己資本利益率)は1.3%であり、プライム市場平均(9.4%)を下回っています。手元資金である現金及び預金は45.9億円となっており、前期から増加しています。
これらの財務状況は、事業運営における安定性を示すものとなっています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 120億円 | 123億円 |
| 自己資本比率 | 86.7% | 85.9% |
| ROE(自己資本利益率) | 0.0% | 1.3% |
| 現金及び預金 | 43.0億円 | 45.9億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは333百万円の増加となりました。これは税金等調整前当期純利益や減価償却費、賞与引当金の増加額などが主な要因となっています。
投資活動によるキャッシュ・フローは△40百万円の減少を示しています。有形固定資産の取得による支出があった一方で、有形固定資産や投資有価証券の売却による収入、敷金及び保証金の回収による収入もみられます。
財務活動によるキャッシュ・フローは△0百万円とほぼ横ばいの状況です。本業で得た資金で投資活動を賄い、余剰資金を生み出している状態であり、資金繰りには安定性があると言えます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △155百万円 | 333百万円 |
| 投資CF | 94百万円 | △40百万円 |
| 財務CF | 0百万円 | 0百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △61百万円 | 293百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
眼鏡業界では低価格帯での競争が続き、単価ダウンと市場規模の縮小が続いています。また、コンタクトレンズの普及や近視手術の浸透により、眼鏡需要が縮小する可能性があります。
同社グループの店舗では、周辺の同業他社に加え、サングラスを取り扱うファッション雑貨店やコンタクトレンズ販売店との間で激しい競合が生じています。競争関係が激化し、同社グループの競争力が低下した場合には、業績に影響を受ける可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、積極的な出店を継続していくためには、従来以上に人材の確保及び育成が重要な経営課題であると認識しています。新規出店を賄える人材の確保及び育成ができない場合には、出店計画の見直しを行わざるを得なくなり、業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
愛眼は、お客様との共存・共栄を基本理念とし、メガネを通じて地域社会に貢献することを目指しています。お客様の暮らしをより快適に、より豊かにするための「安心の技術、納得の商品、気持ちに寄り添うサービス」を提供することを重視する企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
愛眼グループは、創業以来、従業員、お客様、お取引先様、仕入先様との「共存・共栄」を基本理念としています。単なる利潤追求だけでなく、持続的な成長を通じて社会的責任を果たすことを目指しています。
同社グループは「お客さまの暮らしを、より快適に、より豊かにする企業となること」を経営方針に掲げています。眼鏡専門店の使命と責任として「快適な視力補正」を提供し、T.P.O.(時・場所・場合)に応じた「オシャレの楽しさ」を提案しています。快適な視力補正と眼精疲労の改善に努めることが、企業継続の必須条件であると考えています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
愛眼グループは、お客様の満足度向上とロイヤルカスタマー化を重視する企業風土です。お客様との信頼関係を構築し、メガネを通じて地域社会に貢献することを大切にしています。
具体的な取り組み姿勢として、「安心の技術」「納得の商品」「気持ちに寄り添うサービス」を掲げています。技術力や接客力の向上、お客様のニーズに即した品揃えの充実、高付加価値商品の開発に努めています。
また、真心を込めた接客サービスの向上に取り組んでいます。「アイ・スタイリング・サービス」を通じて、お客様のライフスタイルに合わせた最適なメガネ選びの楽しさを提供しています。同社グループは「愛眼行動指針」と「リスク管理規程」に基づき、コンプライアンスとリスクマネジメントを徹底しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
愛眼グループは、組織面において業務の効率化と働き方改革への対応を進め、組織の活性化を図っています。また、優秀な人材の確保と社員教育の充実を継続的な成長に不可欠な要素と捉えています。
特に「女性活躍推進」に積極的に取り組んでおり、女性従業員が能力を発揮できる職場環境作りを目指しています。店舗の従業員が生き生きとお客様に対応できる体制の構築も重点テーマです。
さらに、各種業務の標準化と効率化による事業基盤の確立、業務フローやコンプライアンスの周知徹底を通じた内部管理体制の強化にも取り組んでいます。滞留商品の抑制や、デベロッパー・キーテナント撤退時の早期対応も課題としています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
愛眼の取締役会は、経営全般の基本方針を審議・決定する意思決定機関として機能しています。また、監査役会は独立した機関として、取締役の職務執行や財産状況に関する監査を行っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
愛眼の筆頭株主は有限会社佐々興産であり、同社グループの創業家が経営に深く関与していることがうかがえます。また、愛眼従業員持株会や愛眼共栄会も上位株主として名を連ねており、従業員による安定的な資本形成も特徴の一つです。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 有限会社佐々興産 | 11.02% |
| 愛眼従業員持株会 | 4.89% |
| 愛眼共栄会 | 4.34% |
| ベストメディカルサービス | 3.82% |
| THE CHASE MANHATTAN BANK, N. A. LONDON SPECIAL ACCOUNT NO.1 | 3.48% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性6名・女性3名)で構成され、女性役員比率は33.3%です。代表取締役社長は佐々昌俊氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 佐々 昌俊 | 代表取締役社長 | 1994年4月 同社入社、2015年6月 同社取締役管理本部長就任、2023年6月 同社代表取締役社長就任より現職。 |
| 佐々 雅彦 | 取締役 管理本部長 | 1998年4月 同社入社、2020年3月 同社総務部長、2023年6月 同社取締役管理本部長就任より現職。 |
| 松本 隆行 | 取締役 営業本部長 | 1994年4月 同社入社、2016年10月 同社店舗開発部長、2025年6月 同社取締役営業本部長就任より現職。 |
社外取締役は、森重洋一氏(公認会計士・のぞみ合同会計社公認会計士)、山田吉隆氏(税理士・山田吉隆税理士事務所代表)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会には常勤取締役3名と社外取締役2名が参加しています。社外取締役は、内部監査や会計監査の状況に関する報告を受け、経営監督の役割を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
愛眼の役員報酬は、月例の固定報酬と賞与で構成されています。業績連動報酬や株式報酬制度は現状導入されていませんが、持続的な成長に向けた中長期のインセンティブを含む新たな制度については今後の検討課題としています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 39百万円 | 7.8百万円 |
| 監査役(社外除く) | 2名 | 6百万円 | 3.0百万円 |
| 社外役員 | 6名 | 8百万円 | 1.3百万円 |
連結報酬等の総額が1億円以上の役員は存在しないため、個人別の報酬開示は行われていません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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