※本記事は、株式会社ベリテ の有価証券報告書(第81期、自 2024年4月1日 至 2025年3月31日、2025年6月27日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. ベリテってどんな会社?
宝飾品小売チェーンのパイオニアとして、ダイヤモンドやネックレス等の宝飾品販売を展開する企業です。
■(1) 会社概要
1948年に大久保時計店として設立され、1962年にチェーン展開を開始しました。1991年に東証二部に上場し、2005年に現在のベリテへ商号変更しています。2008年に現在の親会社グループの傘下に入り、経営体制を刷新しました。2022年の市場区分見直しに伴い、現在は東証スタンダード市場に上場しています。
同社(単体)の従業員数は436名です。筆頭株主は親会社であるジュエルソース・ジャパン・ホールディングスで、第2位は証券業務を行うJPモルガン証券です。親会社グループが過半数の株式を保有する安定した資本構成となっています。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| ジュエルソース・ジャパン・ホールディングス | 50.18% |
| JPモルガン証券 | 1.59% |
| オーエイ | 1.26% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性9名、女性0名の計9名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長CEO代表取締役はジャベリ・アルパン・キルティクマール氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| ジャベリ・アルパン・キルティクマール | 代表取締役社長CEO代表取締役 | 1997年ディミンコ・ジャパン入社。同社取締役営業部長等を経て、2014年より現職。 |
| 鈴木 勇 | 取締役副社長 | 2000年ドウシシャ入社。2009年ベリテ入社後、商品部部長、マーケティング本部長等を歴任し、2023年より現職。 |
| カヴァン・チョクシ | 取締役 | 2006年ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス卒業。2008年ベリテ取締役副社長就任。2022年より現職。 |
社外取締役は、井川 秀典(ギルソングループ コンサルタント)、ヴィスメイ・ロヒット・バンカリア(オーナメンテーション工場長)、アンクール・ナレッシュ・メータ(スタリオンプロパティーズ会長)です。
2. 事業内容
同社グループは、「宝飾事業」の単一セグメントで事業を展開しています。
■宝飾事業
主に一般顧客を対象として、ダイヤモンド指輪、ネックレス、ピアスなどの宝飾品等の小売販売を行っています。また、宝飾品等の卸売販売も手掛けています。店舗ブランドとして「ベリテ」「マハラジャ・ダイヤモンド」「MIMIKAZARI」「Velicia」などを展開し、多様な顧客ニーズに対応しています。
収益は、店舗やオンラインショップにおける一般顧客への商品販売による対価が中心です。運営は主にベリテが行っています。商品仕入から販売までを一貫して行う体制を構築し、ショッピングセンターや駅ビル、百貨店などに出店して事業活動を行っています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
直近5期間の業績を見ると、売上高は70億円台後半で推移しており、当期は過去5期で最高となる79億円を記録しました。経常利益は8億円から9億円の水準を安定して維持しており、当期は9億円となりました。利益率は10%を超える高い水準を継続しており、安定した収益基盤を有しています。
| 項目 | 2021年3月期 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 75億円 | 73億円 | 76億円 | 76億円 | 79億円 |
| 経常利益 | 8億円 | 8億円 | 9億円 | 8億円 | 9億円 |
| 利益率(%) | 10.7% | 11.1% | 12.1% | 10.9% | 11.6% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | 6億円 | 5億円 | 5億円 | 5億円 | 6億円 |
■(2) 損益計算書
直近2期間の業績を比較すると、売上高の増加に伴い売上総利益も増加しています。売上総利益率は約70%と非常に高い水準を維持しており、効率的な事業運営が行われています。営業利益率も11%台を確保しており、原材料価格やコスト上昇の影響を受けつつも、高い収益性を維持しています。
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 76億円 | 79億円 |
| 売上総利益 | 53億円 | 55億円 |
| 売上総利益率(%) | 70.0% | 69.2% |
| 営業利益 | 9億円 | 9億円 |
| 営業利益率(%) | 11.2% | 11.0% |
販売費及び一般管理費のうち、給与・手当が16億円(構成比36%)、地代家賃が10億円(同22%)を占めています。これらは店舗運営にかかる主要な固定費となっています。
■(3) セグメント収益
同社は宝飾事業の単一セグメントです。当期は顧客ニーズに合った魅力的な商品の開発や接客技術の向上に取り組んだ結果、お客様単価が増加し、増収増益となりました。
| 区分 | 売上(2024年3月期) | 売上(2025年3月期) | 利益(2024年3月期) | 利益(2025年3月期) | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 宝飾事業 | 76億円 | 79億円 | 9億円 | 9億円 | 11.0% |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
ベリテは、ジュエリーチェーンのパイオニアとして、お客様にご満足いただける商品開発と接客技術の向上に注力しています。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益の計上により増加しました。投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有形固定資産の取得や敷金・保証金の差入による支出がありました。財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いによる支出が主な要因です。
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | 5億円 | 4億円 |
| 投資CF | -2億円 | -0.4億円 |
| 財務CF | -0.5億円 | -5億円 |
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
同社は経営ヴィジョンとして「Diversity with Brilliance」を掲げています。ジュエリーチェーンのパイオニアとしてのDNAをベースに、人材、ブランド、チャネル、業態、エリアの多様化を推進し、変化する社会情勢や顧客ニーズに柔軟に対応可能な、多面的な魅力を備えた事業体を目指しています。
■(2) 企業文化
同社は「Diversity with Brilliance」をヴィジョンとし、女性活躍や中途採用を通じて多様な人材が活躍できる職場づくりを重視しています。社員の私生活の充実が活力ある職場を創り出し、会社の成長を促すという考えのもと、年間休日の増加や残業時間の削減など、ワークライフバランスの向上に取り組んでいます。
■(3) 経営計画・目標
同社は経営指標として、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益に加え、店舗数、お客様数、お客様単価を重要な指標として採用しています。これらを目標として掲げ、その達成に努めることで持続的な成長を目指しています。
■(4) 成長戦略と重点施策
同社は持続的な成長に向け、商品開発力の強化、接客技術の向上、資本構成の効率化を優先課題としています。変化する購買傾向に即した商品開発を行い、人財育成を通じて接客技術を高めることで顧客満足度を向上させます。また、資本構成の効率性を改善し、株主への利益還元を最大化することを目指しています。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
同社は多様な人材の活躍を支える職場の実現を目指し、女性活躍推進や中途採用による人材基盤の強化を図っています。特に多くの女性社員が活躍しており、研修や適切な人事配置を通じてその活躍を加速させています。また、社員の私生活の充実を促すため、休日増加や残業削減などの環境整備にも注力しています。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均を大きく下回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2025年3月期 | 38.8歳 | 7.8年 | 3,831,873円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 70.6% |
| 男性育児休業取得率 | 0.0% |
| 男女賃金差異(全労働者) | 57.9% |
| 男女賃金差異(正規雇用) | 62.8% |
| 男女賃金差異(非正規雇用) | 35.7% |
また、同社は「サステナビリティ」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、女性管理職比率目標(2030年までに68%)などです。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 経済状況等(為替・原材料価格)
ダイヤモンドや貴金属類などの原材料の大部分を海外からの輸入に依存しています。そのため、外国為替相場の変動や原材料価格の高騰は、同社の仕入コストを上昇させる要因となります。こうしたコスト上昇は、同社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
■(2) 人材の確保・育成
新規出店等に伴い、適時に人材を採用し、従業員教育を行っています。しかし、優秀な販売員の育成には時間を要するため、店舗運営に必要な人材を十分に確保できない場合、出店計画や店舗運営に支障をきたし、同社の業績に影響を与える可能性があります。
■(3) 店舗の賃貸借契約および出店保証金
同社は多数の店舗を賃借により展開しており、出店時には保証金や敷金を差し入れています。貸主の破綻等により賃貸借契約の継続が困難になった場合や、保証金・敷金の回収が困難になった場合、同社の業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。



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