※本記事は、イオン北海道株式会社 の有価証券報告書(2026年2月期、2025年3月1日 ~ 2026年2月28日、2026年5月15日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
イオン北海道は純粋持株会社であり、単体従業員数は3,095名です。
同社グループは、ゼネラル・マーチャンダイズ・ストア(GMS)を核とした小売事業を主力事業としています。衣料品、住居余暇、食品などの小売を主な事業としており、北海道内にGMS45店舗、SM(食品スーパーマーケット)66店舗、DS(ディスカウントストア)26店舗、小型スーパー45店舗、自転車専門店1店舗の計183店舗を展開しています。
2024年10月1日には株式会社西友より9店舗を承継し、札幌圏でのシェアを拡大しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
同社グループは、北海道に根ざした企業として地域社会への貢献と従業員の幸せの実現を重要な使命と捉えています。お客さま第一主義を掲げ、従業員一人ひとりが自分らしく働けるダイバーシティ経営や健康経営を推進しています。労使関係も安定しており、働きやすい環境づくりに継続的に取り組む姿勢が見られます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均年齢が40代半ばであり、平均勤続年数も10年を超えています。このことから、比較的落ち着いた年齢構成で、長期的にキャリアを築いている従業員が多い傾向がうかがえます。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,091,000円 |
| 平均勤続年数 | 10.9年 |
| 平均年齢 | 43.5歳 |
| 単体従業員数 | 3,095人 |
同社は、確定給付型と確定拠出型の両方の退職給付制度を導入しています。人事制度の変更に伴い、2020年3月1日からは規約型確定給付年金制度から確定拠出年金制度に移行し、親会社であるイオン株式会社及び同社の主要国内関係会社で設立している確定給付型のイオン企業年金基金制度を採用しています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は、持続的に成長し続ける企業として、お客さまの変化に対応し、新たな発想を形にすることで「お客さま第一主義」を実現することを目指しています。そのため、従業員一人ひとりが自分らしく働ける「ダイバーシティ経営」を推進することを人材戦略の基本方針としています。
また、北海道のヘルス&ウエルネスを支える企業として、従業員とその家族の健康をサポートする健康経営も推進しています。女性管理職比率の向上を中期目標に掲げ、女性従業員への意識調査やスキルアップセミナーを実施するなど、ダイバーシティ経営に力を入れています。
障がい者雇用や外国人技能実習生の受け入れも積極的に行い、働きやすい環境整備に努めています。従業員がライフスタイルに合わせて柔軟な働き方を選択できるよう、「転居停止制度」や「育児・介護休職・勤務制度」など5つの制度を導入しています。さらに、「教育は最大の福祉」という考えのもと、イオンビジネススクールや新任研修、登用研修、社内資格認定制度など、充実した教育制度で従業員の成長をサポートしています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。労働者の男女の賃金の差異において、正規雇用労働者における男女間の賃金差異が生じている主な要因は、賃金制度において性別による処遇の差は一切ないものの、資格等級の高い男性労働者の割合が多いこと、転居転勤の有無によって給与体系が異なり、全道転勤区分を選択している男性従業員割合が多いためと説明されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 15.7% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 50.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 68.5% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) | 81.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うちパート・有期労働者) | 100.2% |
人的資本経営
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 基本理念への共感度(1.0~5.0でスコア化) | 3.49 |
| エンゲージメントスコア(レーティング) | 48.9(レーティングB) |
| 女性管理職比率 | 15.7% |
| 男性育休取得率 | 50.0% |
| 障がい者雇用率 | 3.31% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
イオン北海道は、北海道を拠点に小売事業を展開する企業です。地域に密着した店舗展開と商品戦略を通じて、人々の生活を支える役割を担っています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、純粋持株会社であるイオン株式会社を中心とする企業集団に属しています。小売事業及びその付随業務を単一セグメントとしており、衣料品、住居余暇、食品などの小売を主な事業として活動しています。
北海道内にGMS(総合スーパー)、SM(食品スーパーマーケット)、DS(ディスカウントストア)、小型スーパー、自転車専門店など、多様な業態の店舗を展開しています。これらの店舗を通じて、幅広い商品を顧客に提供することで収益を上げています。
店舗戦略においては、西友店舗の承継による札幌圏でのシェア拡大や、無人店舗の開店など、新たな取り組みも進めています。商品戦略では、簡便・即食化への対応やオリジナル商品の拡販、トップバリュの価格訴求型商品の伸長が見られます。
商品ライン別では、食品部門と住居余暇部門が売上を伸ばす一方で、衣料部門は前期比で減少しています。同社は本邦以外の外部顧客への売上高がないため、海外事業は行っておらず、為替リスクは限定的です。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の売上高、営業総利益はともに過去最高を更新し、増収となりました。営業利益、経常利益、当期純利益も前期から増加し、増益を達成しています。
販売費及び一般管理費は増加しましたが、生産性向上の取り組みにより、人時生産性は向上しています。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社は本業で安定した資金を生み出し、将来に向けた投資も行っています。財務基盤は堅実であり、事業活動に必要な資金を確保している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤は、非製造業のプライム市場平均と比較して自己資本比率が高い水準にあります。一方で、ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回る水準となっています。手元資金は増加傾向にあり、事業運営における流動性を確保していることが示されています。
| 指標 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 731億円 | 744億円 |
| 自己資本比率 | 39.0% | 38.4% |
| ROE(自己資本利益率) | 4.9% | 5.0% |
| 現金及び預金等 | 44億円 | 56億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社の当期のキャッシュフローは、営業活動による資金が大幅に増加し、投資活動による資金流出を上回るフリーキャッシュフローを確保しています。これは、本業で安定的に資金を創出し、投資活動も行いつつ、手元に資金を残せている状態を示しています。前期は投資活動による資金流出が大きかったものの、当期は投資活動による資金流出が減少したことで、財務の安定性が高まっている状況です。
このような資金の流れは、同社が事業の成長と安定性を両立させながら経営を進めていることを示しており、入社後の雇用や給与の安定性にもつながる基盤があると考えられます。
| 項目 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 129億円 | 227億円 |
| 投資CF | △340億円 | △177億円 |
| 財務CF | 217億円 | △38億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △211億円 | 49億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、一般消費者を対象とする小売事業を営んでおり、個人消費の動向や天候不順、地域内における店舗間競争の状況が業績に影響を与える可能性があります。また、中期経営計画は策定時点における市場環境や経済情勢の見通しに基づくものであり、想定を超えて劇的に変化した場合、経営数値目標が達成されない可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社の事業活動は人材に大きく依存しており、優秀な人材の確保・育成は成長に不可欠であると認識されています。少子高齢化の進行に伴う労働需給の逼迫等により採用計画が予定通りに進まない場合や、コスト上昇圧力により従業員に係る費用が増加する場合、業績に影響を与える可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
イオン北海道は、北海道の地域社会に深く根ざし、お客さまの暮らしに貢献することを基本理念とする企業です。イオングループの一員として、地域に密着した小売事業を展開しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は北海道の地元企業として、お客さまに頼りにされるお店づくりと人づくりを実現することを基本方針としています。イオングループの北海道における小売事業を担い、グループ基盤を最大限に活用しながら、安全・安心で魅力的な商品・サービスを提供し、北海道の発展に貢献することを使命としています。
「北海道でNo.1の信頼される『お店』にしていく」ことを目指しており、2026年度からは「地域のみなさまお一人おひとりにとってのMY LIFE STOREとして、北海道の暮らしに寄り添い、地域とともに未来をつくる」という新たなパーパスを定めています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は、イオンサステナビリティ基本方針に基づき「お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献する」という基本理念を掲げています。持続可能な社会の実現と企業価値の向上の両立を目指し、北海道に根ざした企業としてお客さまや地域社会への貢献と従業員の幸せの実現を永遠の使命としています。
サステナブル経営を推進するため、「環境」「社会」「ガバナンス」の取り組みを不可欠と捉え、リスクマネジメント委員会やコンプライアンス委員会、サステナブル委員会を設置しています。従業員一人ひとりが自分らしく働けるよう「ダイバーシティ経営」を推進しており、健康経営や充実した教育制度を通じて、人材の成長をサポートするカルチャーがあります。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は2026年度よりスタートした中期経営計画において、新たなパーパス「地域のみなさまお一人おひとりにとってのMY LIFE STOREとして、北海道の暮らしに寄り添い、地域とともに未来をつくる」の実現を目指しています。対処すべき課題として、サステナブル経営の推進を掲げており、これまで取り組んできた地域共創の取り組みをさらに進化させていく方針です。また、人的資本経営を実践していくことも重点テーマの一つとしています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は、取締役会設置会社であり、監査役会設置会社として企業統治体制を構築しています。多様な経験と専門知識を持つ社外役員が経営の監督機能を担っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の筆頭株主はイオン株式会社であり、複数の関連会社も上位株主として名を連ねています。これにより、特定の株主グループが同社の経営に強い影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| イオン | 65.62% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 3.58% |
| イオンフィナンシャルサービス | 0.91% |
| 加藤産業 | 0.73% |
| イオン北海道従業員持株会 | 0.66% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は14名(男性12名・女性2名)で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役社長は青栁英樹氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 青栁 英樹 | 代表取締役社長 | 1983年4月信州ジャスコ(現イオン)入社。2013年3月イオンリテール執行役員北陸信越カンパニー支社長。2018年10月同社代表取締役社長より現職。 |
| 山本 治 | 取締役執行役員商品本部長 | 1992年4月北海道ニチイ(現同社)入社。2013年4月同社執行役員衣料商品部長。2023年3月同社取締役執行役員商品本部長より現職。 |
| 小寺 博之 | 取締役執行役員営業本部長 | 1991年4月ジャスコ(現イオン)入社。2015年3月イオンマレーシア小売事業本部長。2025年5月同社取締役執行役員営業本部長より現職。 |
| 近藤 卓 | 取締役執行役員ディベロッパー本部長 | 1989年4月ダイエー入社。2019年5月OPA取締役リーシング本部長。2025年5月同社取締役執行役員ディベロッパー本部長より現職。 |
| 田花 康一 | 取締役執行役員管理本部長 | 2005年9月イオン入社。2021年3月イオンリテールイオンスタイル検見川浜店長。2025年5月同社取締役執行役員管理本部長より現職。 |
| 古澤 康之 | 取締役 | 1995年4月ジャスコ(現イオン)入社。2018年2月まいばすけっと代表取締役社長。2025年5月同社取締役より現職。 |
社外取締役は、中田美知子氏(元エフエム北海道常務取締役)、廣部眞行氏(廣部・八木法律事務所弁護士・独立役員会議議長)、樋泉実氏(元北海道テレビ放送代表取締役社長)、柚木和代氏(元博多大丸代表取締役社長)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会は多様な経験や専門的な知識を有する社外取締役によって、経営全般に対する監督機能の客観性及び中立性を確保できる体制となっています。監査役会は、社外監査役を含めた監査体制により経営監視機能の有効性を高めています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、基本報酬、業績報酬、株式報酬型ストックオプションで構成されています。経営方針の遂行と企業価値向上への動機付けを重視し、役位や業績・成果を考慮して決定されます。また、社外役員を主な構成員とする独立役員会議(指名報酬諮問委員会)において審議することで、客観性と透明性を確保しています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 6名 | 93百万円 | 15.5百万円 |
| 社外役員 | 7名 | 42百万円 | 6.0百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。また、総額には期中に退任した役員の報酬が含まれます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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