※本記事は、マルシェ株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月29日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
マルシェは、料飲部門、FC部門、商品部門、その他部門を展開する企業です。なにわの大衆居酒屋「酔虎伝」や炭火串焼き「八剣伝」、自家製餃子の「餃子食堂マルケン」などの直営店運営に加え、フランチャイズ加盟店への経営指導や食材供給も行っています。
単体従業員数は127名です。
マルシェの事業内容は、料飲部門、FC部門、商品部門、その他部門に区分されます。料飲部門では「酔虎伝」「八剣伝」「餃子食堂マルケン」などの業態で料飲を提供し、FC部門では加盟店への経営指導とロイヤリティの受取、商品部門では直営店やFC加盟店への酒類・食材供給を行っています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
マルシェは、従業員の給与水準や働き方において、安定した環境を提供している企業です。多様な人材の活躍を重視し、働きやすい職場環境の整備にも積極的に取り組んでいます。
同社でのキャリアを考える上で、給与水準や従業員の定着傾向、そして人材育成や多様性に関する具体的な取り組みは重要な情報となるでしょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均勤続年数が長く、比較的落ち着いた年齢構成となっています。これは、従業員が長期的にキャリアを築きやすい環境であることを示唆しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,594,304円 |
| 平均勤続年数 | 11年9ヶ月 |
| 平均年齢 | 41.0歳 |
| 単体従業員数 | 127人 |
同社は、従業員の退職給付に充てるため、確定拠出年金制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する制度)を採用しています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
マルシェは、社員を最も重要な財産と捉え、多様な背景を持つ一人ひとりの人材価値を最大限に引き出すことを基本方針としています。互いの個性を活かし合える活気ある組織の実現を目指しています。
サステナブルな社会の構築に向けた施策と積極的な人的資本投資を組み合わせることで、強靭な組織を築き、次世代へとつなげていく考えです。
具体的には、年齢、性別、国籍、人種、肌の色、宗教、障がいの有無、性的指向・性自認、定期採用・キャリア採用等にかかわらず、多様な人材の活用を進めるダイバーシティ・マネジメントに取り組んでいます。女性が活躍できる職場環境の整備として、部署や性別による評価や昇格昇進の格差が生まれない人事制度の見直しを進めています。また、外国人材の早期戦力化を図るため、即戦力化プログラムの導入やキャリアステップのための教育制度を実施しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 14.2% |
| 男性育児休業取得率 | 0.0% |
| 男女賃金差異(全労働者) | 83.4% |
| 男女賃金差異(正規雇用) | 84.7% |
| 男女賃金差異(非正規雇用) | 99.7% |
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性社員比率(目標) | 20%以上(2031年3月末まで) |
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 店舗従事者の年間平均残業時間数(目標) | 240時間以内 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
マルシェは、外食産業を主軸に事業を展開しています。多様な飲食業態の運営を通じて、顧客に食の体験を提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、料飲部門、FC部門、商品部門、その他部門の4つの事業部門で構成されています。飲食事業の単一セグメントとして事業を展開しており、各部門がそれぞれの役割を担い収益を上げています。
料飲部門は同社の主力事業であり、売上高の大部分を占めています。具体的には、「酔虎伝」「八剣伝」「居心伝」「餃子食堂マルケン」といった多様な居酒屋業態や、その他の業態の直営店を運営し、飲食サービスを提供しています。
FC部門では、フランチャイズ加盟店からのロイヤリティ収入が主な収益源です。商品部門では、加盟店への食材や酒類等の販売を行っており、これも同社の重要な収益源の一つとなっています。その他部門は、上記のいずれにも属さない事業活動から収益を得ています。
同社は、既存業態の「ハッケン酒場」への業態変更を促進し、ブランドの定着と収益力向上を図っています。また、「やきとり ええねん」「尼崎焼そば本舗」といった新業態の展開や、株式会社サンライズサービスとの業務提携による「越後つけ麺」ブランドの導入など、新規出店にも積極的に取り組んでいます。店舗活性化の促進にも注力し、全社スローガン「1割アップ」を掲げて既存店舗の売上高向上とサービス力強化に取り組んでいます。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、売上高が増加した一方で、営業利益、経常利益、当期純利益は損失を計上する結果となりました。売上高は前年同期と比較して増加傾向にありますが、各種施策の推進に伴う費用増や人件費、物流コストの上昇が収益を圧迫しています。また、店舗収益の低下による減損損失の計上も、当期純損失に影響を与えています。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社の財務状況は、会社の安定性や将来性を判断する上で重要な情報となります。ここでは、財務基盤の健全性や資金の流れ、事業運営におけるリスクについて確認します。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤は、自己資本と手元資金の厚みから会社の安定性を示す重要な要素です。自己資本比率は、総資産に占める自己資本の割合を示し、会社の健全性や外部環境への耐性を測る指標となります。ROE(自己資本利益率)は、自己資本をどれだけ効率的に活用して利益を生み出しているかを示す指標です。手元資金の残高は、不測の事態や事業投資への対応力を表します。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | - | - |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金等 | - | - |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
キャッシュフローは、同社が事業活動、投資活動、財務活動を通じてどのように資金を動かしているかを示します。営業活動によるキャッシュフローは本業でどれだけ資金を生み出しているかを表し、投資活動によるキャッシュフローは将来の成長に向けた投資の状況を示します。また、財務活動によるキャッシュフローは、借入や返済、配当などによる資金の調達と返済の状況を表します。これらの資金の流れは、同社の事業の安定性や成長戦略、そして将来的な雇用や給与の安定性を判断する上で重要な情報となります。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | - |
| 投資CF | - | - |
| 財務CF | - | - |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | - |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社が属する居酒屋業界では、価格・品質・サービスを巡る厳しい競争が展開されています。原材料の高騰や物流経費の上昇により利益が圧迫される可能性があり、業績に影響を及ぼすリスクがあります。
また、事業環境の変化により業績が悪化し、投資回収が困難になる場合には、減損損失を計上する可能性も示されています。
③ 人材・組織に関するリスク
少子高齢化に伴う労働需給の逼迫により、新規店舗および既存店舗の運営に必要な人員の確保が困難となるリスクがあります。これにより、計画通りの新規出店が実行できない、または店舗運営が厳しく閉店に至る可能性があり、同社の業績に影響を及ぼすことが示されています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
マルシェは、「心の診療所を創造する」という経営理念を掲げ、食を通じて多様な可能性を追求する企業です。新たな「ダイバーシティ・マルシェ」を重点方針とし、持続的な成長と企業価値向上を目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
マルシェは、「心の診療所を創造する」を経営理念としています。中長期的な経営ビジョンとして、「マルシェは世界の心の診療所を目指しダイバーシティ経営のリーディングカンパニーとなる」ことを掲げています。重点方針である「ダイバーシティ・マルシェ」は、食を通じて多様な可能性を持つ人々やその考え方、文化を寛容に受け入れ、それぞれの能力を引き出す会社を目指す挑戦です。この活動を通じて、国内だけでなく世界のマーケットを見据え、「新生マルシェ」として一歩を踏み出すことを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
マルシェは、食を通じて多様な可能性を持つ人々やその考え方、文化を寛容に受け入れ、それぞれの能力を引き出す「ダイバーシティ・マルシェ」を企業風土としています。多種多様な人材が互いの価値観の違いを認め合い、組織力を高めて大きな目標に挑戦することが企業の力になると考えています。年齢、性別、国籍、人種、肌の色、宗教、障がいの有無、性的指向・性自認、定期採用・キャリア採用等にかかわらず、多様な人材の活用を進めるダイバーシティ・マネジメントに取り組んでいます。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
マルシェは、組織・人材面において複数の重点テーマに取り組んでいます。人材育成改革として、店長やSVの教育を強化し、次世代リーダーを育成するサイクルを確立しています。また、外国人材の即戦力化プログラムを導入し、現場の実行力を最大化する方針です。組織面では、組織の圧縮化を断行し、経営層が直接現場を指揮する体制へ移行を進めています。さらに、全社的リスクマネジメントシステムの強化と、透明性の高いコーポレートガバナンス体制の構築を推進しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
マルシェは監査役会設置会社として、取締役会と監査役会を中心に企業統治体制を構築しています。経営の迅速性、透明性、健全性を確保するための取り組みを進めています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
マルシェの株主構成を見ると、筆頭株主は事業会社であるテンポスホールディングスです。上位株主には複数の事業会社が名を連ねており、同社の事業活動を多角的に支える資本構成となっています。特定の事業会社が同社の経営に強い影響力を持つ傾向が見られます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| テンポスホールディングス | 21.01% |
| チムニー | 9.52% |
| アサヒビール | 6.10% |
| 日本証券金融 | 4.21% |
| 三井住友銀行 | 1.60% |
なお、テンポスホールディングスは2026年6月29日に実施された第三者割当増資により、新たに6,000,000株を取得しています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性8名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は加藤洋嗣氏が務めています。社外取締役比率は0.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 加藤 洋嗣 | 代表取締役社長 | 1996年4月同社入社。執行役員等を経て、2014年6月同社代表取締役社長に就任。2026年1月より代表取締役社長(関西第二事業部長)より現職。 |
| 森下 篤史 | 代表取締役会長 | 1971年4月東京電気㈱入社。㈱テンポスホールディングス代表取締役社長等を経て、2025年6月同社取締役に就任。代表取締役会長より現職。 |
| 熨斗 和之 | 取締役 | 1987年4月同社入社。支店長、部長、執行役員等を経て、2020年6月同社取締役に就任。2026年1月より取締役(関西第一事業部長)より現職。 |
| 清水 一成 | 取締役 | 1991年11月㈱ブレス入社。㈱プロントサービス専務取締役、イートアンド㈱執行役員等を経て、2025年6月同社取締役に就任より現職。 |
| 茨田 篤司 | 取締役 | 1989年4月㈱住友銀行入行。同行理事東日本第二法人営業本部長等を経て、2022年6月チムニー㈱代表取締役社長に就任。2023年6月同社取締役に就任より現職。 |
社外取締役は、茨田篤司氏(チムニー代表取締役社長)です。
同社は監査役会設置会社を採用しています。社外取締役が取締役会の監督機能を強化し、独立性の高い社外監査役が監査の実効性を確保する体制です。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
マルシェの役員報酬は、株主総会で決議された総額の範囲内で、経済情勢、経営内容、業績、担当職務、貢献度を総合的に考慮して決定されています。客観性を確保するため、社外取締役が過半数を占める報酬委員会の審議と答申を尊重する方針です。取締役の報酬は基本報酬のみで構成され、職位別の基本額に職務報酬と業績評価を加算した額が毎月支払われています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 23百万円 | 7.6百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 5百万円 | 4.8百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 12百万円 | 3.0百万円 |
なお、役員報酬等の総額は39百万円となっています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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